世界最大級の売春街へ……無名時代のビートルズを育てた“厳しい学校”は、場末のストリップクラブだった【『NOハンブルクNOビートルズ』】 相澤冬樹のドキュメンタリー・シアター
大ブレイク直前にビートルズを解雇された元メンバーが語った、驚きの真相とは?……『ザ・ビートルズの軌跡 リヴァプールから世界へ』 相澤冬樹のドキュメンタリー・シアター
ロック界、永遠の難問が再浮上?ザ・ビートルズとザ・ローリング・ストーンズ、どっちが「上」か?――60年代の前半からこっち、ロック音楽をほんのすこしでもかじった人ならば、決して避けて通るわけにはいかないこの難問が、いままた世間の耳目を集めている。いや本当だ。2023年の暮れにもなって! たとえば音楽メディアの〈ブルックリン・ヴィーガン〉は『ビートルズ vs ストーンズ(2023エディション)』として、早くも11月2日付で両者の現状の比較をおこなっている。老舗の〈ローリング・ストーン〉は、もっと正面からイジリに入った。ポッドキャスト「ローリング・ストーン・ミュージック・ナウ」にて『ビートルズの新作、ストーンズの新作――ちょっと待った、今年って何年?』と題したエピソードを11月13日に公開している。 ちなみに現時点のポール・マッカートニー(81歳)は『ゴット・バック(Got Back)』と題した
1962年のデビューから1969年の解散以降も、時の洗礼をものともせず今なお世界中で聴き継がれているビートルズの音楽は、それ自体が録音技術の高度化を基にしたポピュラー音楽における創造性の追究と革新への挑戦であったと同時に、音楽の聴取環境の変化の歴史とも軌を一にする。特に60年代前半における「ステレオ盤」は立派なサウンド・システムを自宅に完備するクラシック音楽やジャズの好事家向けとして存在し、ビートルズに熱狂した当時のティーンエイジャーのような一般的なリスナーが夢中になっていたのはモノラル盤の音だった。ビートルズのほとんどの音源もリリース当初からステレオ/モノラル両盤発売されていたものの、1967年ごろまではメンバー自身もモノラル盤を重視していたようだ。 1987年のオリジナル・アルバム初CD化ではデビュー作から4枚目の『Beatles For Sale』まではモノラル、『Help!』以降は
ビートルズの新曲 “Now And Then” 発表の1週間後にリリースされたのが、ビートルズの公式曲のうち53曲を収録し、長く「ビートルズ入門編」とか「ベスト盤」とか言われてきた "The Beatles 1962-1966(通称「赤盤)" と、" The Beatles 1967-1970(通称「青盤」) " の新装盤【2023 Edition】です。 物理フォーマットは各2枚組のCDと各3枚組のLP、そしてストリーミングやDLでも聞くことが出来ます。 The BEATLES - Red & Blue - 2023 Edition収録数はオリジナル盤の54曲から75曲に拡充され、特に赤盤では今回ほとんどの楽曲で新たに『2023 Mix』が施されています。 シン・赤青収録曲・結局どの楽曲が新たに追加されたの? ・2023 Mixなのはどの曲? ・それぞれの盤には何曲ずつ入っているの? …
1990年代半ばにザ・ビートルズのアルバム『Anthology』がリリースされたとき、バンド全員が参加した2曲の新曲「Free as a Bird」と「Real Love」が収録されたことに、驚きと興奮が感じられた。あれから28年、ザ・ビートルズ最後の新曲となる「Now And Then」は、最高の現代技術を終結させ、ポップスの偉大な物語を締めくくる、記念碑的な作品となった。 この曲の発売にあたり、オリヴァー・マーレイが脚本と監督を手がけた12分のドキュメンタリー「Now And Then – The Last Beatles Song」と、『ザ・ビートルズ:Get Back』の監督ピーター・ジャクソンが監修したミュージック・ビデオも公開された。また、この新曲はビートルズのベスト・アルバムであり通称『赤盤』『青盤』として知られる2枚のうちの『青盤』の2023年ヴァージョンに追加して収録され
ザ・ビートルズ(The Beatles)「最後の新曲」こと「Now and Then」が本日11月2日23時(日本時間)に配信開始。11月10日には曲数を追加したベスト・アルバム『赤盤』『青盤』が2023エディションとして世界同時発売。ファブ・フォーからの永遠に色褪せることのないプレゼント、その制作背景を関係者の証言とともに掘り下げる。 デビューシングルの「Love Me Do」のリリースから60年、文字通り満を持して発表されるザ・ビートルズ最後の曲は、世界で最も愛されるバンドの物語の最終章を新たに書き換えるだろう。11月2日、ビートルズは最後の曲「Now and Then」を公開する。ジョン・レノンが作曲し、ピアノとボーカルを担当した同曲は、1977年に彼の自宅でレコーディングされた。ジョン以外の3人で臨んだ『Anthology』(1995年)のセッションで、ジョージ・ハリスンはギターパ
ビートルズ来日公演は「伝説」になっている。運良くチケットを入手し、実際に1966年6月30日~7月2日の武道館公演を見た人や、日本テレビが特別番組として放送した『ザ・ビートルズ日本公演』(内容は7月1日昼公演の収録、56分。視聴率56.5パーセント)を見た人だけでなく、それを直接経験しなかった世代にとっても「伝説」になっている。たぶんこれをご覧の皆さんも「JALのハッピ姿で羽田のタラップに降り立つビートルズ」や「武道館公演の前座を務めたドリフターズ」をご存知だろう。それらは何度もテレビで取り上げられ、まるでみんな自分が見たかのように刷り込まれている。 NHK朝ドラ『ひよっこ』のように来日公演の熱狂が劇中のモチーフとなったケースもある。僕の世代は『ザ・ビートルズレポートー東京を狂乱させた5日間』(竹中労・編著、白夜書房)を読んで、事実上の戒厳令下で行われたロックイベントを夢想した。ライターに
インドで瞑想したビートルズ 3部構成、約8時間の長編ドキュメンタリー・シリーズ『ザ・ビートルズ: Get Back』がディズニープラスで独占配信されてから約1年になるが、一番盛り上がったのは配信開始直後と、第3部のラスト・ライブ・パフォーマンス『ルーフトップ・コンサート』が今年2月に5日間限定で劇場公開された時だろう。そして7月にはブルーレイとDVDの形でパッケージ化され一般発売。 『ザ・ビートルズ:Get Back』Blu-rayコレクターズ・セット発売中。© 2022 Apple Corps Limited. Artwork © 2022 Disney/Apple Corps Limited.発売/ウォルト・ディズニー・ジャパン この作品のオリジナルは1970年に公開された映画『レット・イット・ビー』である。しかしそれはまるで「ビートルズ解散のドキュメンタリー」のようにネガティヴな立ち
アビイ・ロード・スタジオで楽曲「Paperback Writer」と「Rain」のMV撮影に臨むビートルズ、1966年5月19日撮影 (C) APPLE CORPS LTD. ザ・ビートルズ(The Beatles)が1966年に発表した名盤『リボルバー』(Revolver)が、数々の未発表音源を加えたスペシャル・エディションとして10月28日にリリースされる。そのリリースに先駆けて、気になる中身をここで紹介しよう。 1966年の夏、ザ・ビートルズの『リボルバー』がリリースされた。時代の先をゆく作品で、今なお私たちは追い付けていない。マッシュルームカットの青年たちは、かつてのイメージを完全に脱ぎ捨てて、超高速で変異しようとしていた。ポール・マッカートニーは、アバンギャルドのアートと音楽を追求し、ジョン・レノンは『The Tibetan Book of the Dead』を愛読している。ジョ
今年でデビュー60周年を迎えた、20世紀を代表するロックバンド、ビートルズ。著書『お金の流れで読み解くビートルズの栄光と挫折』を刊行した、元国税調査官でライターの大村大次郎氏は、「彼らの成功の裏には、高度なビジネス戦略が存在した」と指摘する。なかでもレコードの売上を爆発的に増やしたことは、音楽ビジネスに大きな革命をもたらした。なぜビートルズは、レコードの売上にこだわったのか、その舞台裏をさぐる。 「レコード売上」を収益の柱にする ビートルズは、音楽ビジネスにも大きな革命をもたらした。ビートルズが音楽業界にもたらした変革は多々あるが、その中でもいちばん大きいのは、レコードの売上を爆発的に増やしたことである。 これは、ビートルズの音楽が人々に好まれたということもあるが、ビートルズがビジネス戦略として、レコードの売上を増やそうとしてきたということでもある。 ビートルズは、マネージャーのブライアン
ポール・マッカートニーがたった一人でつくり上げたアルバム『McCartney III』を、世代の違うさまざまなジャンルのアーティストたちが再構築したカバー&リミックスアルバム『McCartney III Imagined』がリリースされる。 本作にはアンダーソン・パークやセイント・ヴィンセント、Khruangbin、BECKら錚々たるメンツが集結。20世紀が産んだ最大のポップアイコンであるポールの作品を、まるで「ガジェット」のように扱いながらつくり上げたユニークな「コラボ曲」が並んでいる。本作を聴いていると、参加アーティストたちの自由な発想に驚かされるとともに、どれだけ「調理」されても残り続けるポールらしさ、その「素材」としての強度にもあらためて感嘆せざるを得ない。そう、本作を最も楽しんでいるのがポール本人であることは間違いないだろう。 The Beatlesとしてデビューしてからじつに6
ビートルズが1970年にリリースした最後のオリジナルアルバム『Let It Be』が、新たなリミックスバージョンに未発表音源などを多数追加したスペシャルエディションとしてリリースされる。 本作は、1969年に行なわれたレコーディングセッション「ゲットバックセッション」から生み出されたアルバム。11月には、同セッションを記録した映像のうち、これまで未発表だったものを含む全6時間にも及ぶドキュメンタリーシリーズ『ザ・ビートルズ:Get Back』(ピーター・ジャクソン監督)がDisney+で配信予定だ。 アルバム『Let It Be』とゲットバックセッションは、ビートルズの「解散」理由にもなったとされ、これまで陰鬱なイメージで語られることが多かった。しかし今回のスペシャルエディションと『ザ・ビートルズ:Get Back』によって、印象は大きく変わるかもしれない。なぜならこれらの作品には、4人が
上段左から『ジョンの魂』、『イマジン』、『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』、『マインド・ゲームス』。下段左から『心の壁、愛の橋』、『ロックン・ロール』、『ダブル・ファンダジー』、『ミルク・アンド・ハニー』 APPLE(6), CAPITOL(2) <ビートルズが解散したその年から始まったソロ活動──凶弾に倒れるまでの10年間にスタジオ録音されたアルバム8枚をつぶさに聴くと、ミュージックシーンの中心に居続けようともがいたジョンの一面が見えてくる。本誌「ジョンのレガシー」特集より> 『ジョンの魂』(1970年) 2枚目のスタジオアルバム『イマジン』があまりに有名過ぎて若干割りを食ってる印象があるが、『ジョンの魂』はビートルズ解散後初のスタジオ録音ソロアルバムであり、これがあっての『イマジン』なのである。 2つのアルバムを、代わり番こに聴くとジョンの謎が解けてくる。両方ともがジョンにとっ
来日2週間前の6月15日にアメリカで発売予定でしたが、レコード会社が直前に回収したことで知られています。
2020.09.10 09:00 ビートルズが歌う‘Boys’はなぜ面白いか 歌手のジェンダーと歌詞のジェンダーステレオタイプ 英語圏のポップスでは、女性視点の歌を男性歌手が歌ったり、男性視点の歌を女性歌手が歌ったりする習慣があまりありません。 日本ではぴんからトリオが、耐える女の心境を女言葉で歌った「女のみち」(1972)のように歌手のジェンダーと歌の語り手のジェンダーが一致しない歌はかなりあり、中には女性である太田裕美がひとりで男女のやりとりを歌う「木綿のハンカチーフ」(1975)のような凝った構成のものも存在します。 しかしながら、英語圏の歌ではこうした作品はあまり多くなく、歌い手と視点人物のジェンダーを一致させることがふつうです。今回の連載では、このことをテーマに英語圏のカバー曲と歌手のジェンダーについて考えてみたいと思います。 カバー曲と性別を示す単語 英語圏では、曲のカバーをす
ポール・マッカートニーによる10枚目のソロ・アルバム『フレイミング・パイ』が、アーカイヴ・コレクションの13番目の作品として本日7月31日にリリース。Rolling Stone Japanでは、ポールが2020年に本作を振り返った最新インタビューを全3回にわたってお届けする(全文掲載は日本独占)。この第1回では、「ビートルズ色が強くなった」アルバムの制作背景を改めて振り返ってもらった。 『フレイミング・パイ』とは? 1997年5月5日に発売された『フレイミング・パイ』は、ポールのスタジオ・アルバムとしては前作『オフ・ザ・グラウンド』から4年ぶりの作品。彼が選曲などに関わった『ザ・ビートルズ・アンソロジー』シリーズの発売直後にレコーディングされ、そこでの作業経験がこの『フレイミング・パイ』にも影響を与えたという。 ポールとジェフ・リン、そしてジョージ・マーティンのプロデュースで、リンゴ・スタ
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