風呂から上がるたびに、わたしはいつも小さな選択を迫られる。 脱衣所の洗面台の下にある引き出しを引けば、そこにはぎっしりとわたしの下着が詰まっている。 「さて、今日はどのパンツを履く?」というお話だ。 履き慣れたコットン生地のカルバン・クラインは、締め付けもなく快適なのでついつい手が伸びる。最近では若者を中心に再び流行もしているようで、下腹部に人の名前まんまのロゴが入っているってのもどうなのと思うが、どうやらおしゃれな感じで認識されているようだ。ただ、スポーティ過ぎて男性の前で見せるにはどうなんだろ、という気持ちになる世代違いのアラサーのわたしなので、とりあえず『そういう用事が』なさそうな時の鉄板選択肢となっている。 レースを繊細にあしらった、シルク生地を使ったそれはそれは贅沢なイタリア製のTバックは、気に入って色違いを3枚も持っている。しかし必要以上にお尻が目立ってしまう気合いに満ちたデザ