空港からの高速バスを降りると、ムワッとした空気が肌にまとわりついた。ただ、意外と東京ほどの蒸し暑さはないかもしれない。バス停にはタバコを吸う老人がいた。まるでタイムスリップしたみたいだ。 タイムスリップ。まぁ、あながち間違ってもいないかもしれない。 今日は、昔住んでいた長崎での、中学時代の同窓会だ。 どっちが悪い?一番危ない「ぶつかりおじさん」への疑問を無視しない ◎ ◎ 長崎に住んでいたのは、小学校5年の春から、中学2年の冬までだった。 私は転勤族育ちで全国あちこちに住んでいたけれど、長崎に引っ越す直近まで住んでいたのは東京だった。東京の小学校はとても小さく、全校生徒で120人程度で、全国あちこちから転校してきた子が多数いた。韓国や南米など、外国籍の子もクラスメイトだったし、違う学年には車椅子の人もいた。個性豊かで多様性溢れる学校だった。いじめや不登校もあったけど、かば