本州と四国を結ぶ瀬戸内海航路のフェリーの廃止や減便が相次いでいる。広島−愛媛間を運航する1社が今月末で廃止を決めたほか、大阪−九州間のフェリーが5月末で今治港(愛媛県今治市)への寄港を取りやめた。背景には、10年前に本四連絡橋が3本になり、フェリー会社の経営を圧迫してきたことに加え、今年3月末からの土日祝日の高速道路のETC(自動料金収受システム)利用による特別割引が追い打ちをかけていることがある。荒波にもまれるフェリー会社の模索が続いている。 ■利用者激減 本州と四国を結ぶ連絡橋は、昭和63年に瀬戸大橋(岡山−香川)が開通したのを皮切りに平成10年に明石海峡大橋(兵庫−徳島)、11年に瀬戸内しまなみ海道(広島−愛媛)が開通し、フェリーの利用者は奪われてきた。 国土交通省四国運輸局によると、高松(高松市)−宇野(岡山県玉野市)間のフェリーの年間航送車両台数は瀬戸大橋開通前の昭和62年度は約