糸魚川市の米田徹市長は8日、鉄道ファンに惜しまれながら10年3月にJR大糸線の定期運行から引退した「キハ52型気動車」を臨時イベント列車として復活させたいという思いを披露した。15年春開業予定の北陸新幹線が糸魚川駅で大糸線と接続する。人気車両が復活すれば糸魚川の知名度アップも見込めるだけに、今後の行方が注目される。 大糸線の非電化区間は糸魚川−南小谷駅(長野県)の35・3キロ。現在は新型気動車が走るが、10年3月まで3両の「キハ52」が運行していた。現在このうち1両は千葉県の路線を走り、別の1両は岡山県で保存されている。3両目は糸魚川市がJR西から譲り受けた。 米田市長は8日の記者会見で「新幹線の利用拡大を考えるときには大糸線の価値は高い」と強調。キハ52を整備し、イベント列車としての活用策を探りたい考えを示した。【長谷川隆】
雪崩の危険があるとして2月1日から全面運休していたJR大糸線南小谷(北安曇郡小谷村)―糸魚川(新潟県糸魚川市)間が7日、ほぼ2カ月ぶりに運転を再開した。当初は2月下旬までの予定だったが降雪が続き、これまでに3度延長。ようやくこの日を迎え、スキー客や地元の高校生らが始発列車からさっそく乗り込んだ。 全面運休期間は、大雪だった2006年1~3月の54日間を上回り、「雪の影響としては近年では最長」(JR西日本金沢支社)。この間、バスやタクシーで代行運転していた。 始発列車は午前6時4分、糸魚川駅を南小谷駅へ出発。部活に参加するため、北小谷駅(小谷村)から乗り込んだ白馬高校2年生の横沢葵君(16)は、これまで代行バスや村営バスを利用していたと言い、「時間の正確さを考えると列車の方が安心感がある」。小谷村の栂池高原で山スキーをするため糸魚川駅から乗った男性(72)=糸魚川市=は「入山と下山場所が
大雪の影響で2月1日から全面運休が続くJR大糸線南小谷駅(北安曇郡小谷村)―糸魚川駅(新潟県糸魚川市)間。経営するJR西日本は17日、当初予定の今月21日から3月13日までに延長すると発表、「平成18年豪雪」の時以来の長期間に及びそうで、病院に行くお年寄りからは困惑の声が出ている。ただ、列車本数と同じ上下10本のバスとタクシーを運行しており、住民への影響は限定的とみられる。この路線を含め地域の交通のあり方をめぐる論議に一石を投じそうだ。 新潟県境の小谷村大網(おあみ)集落。一人暮らしの竹田よねさん(87)は目まいなどの持病があり、2週間に一度、村営バスで麓の平岩駅(同市)に下り、糸魚川市内の病院に通う。代行バスで行くことは可能だが、「(バスは)鉄道と違って時間通りにはいかない。この寒さの中を待たされると思うと心配で…」。そうした思いが募り竹田さんは通院を諦め、薬を郵送してもらおうと考えて
朝方の貨物列車のトラブルで、松本着10時37分予定の「スーパーあずさ5号」は7分ほど遅れていた。本来なら4分しかない乗り換えの接続時間はもう過ぎている。おそらく待ってくれているだろうけど、何番線か分からないし、とにかく急がねば。早めに荷物をまとめて、列車が松本駅に進入するためにスピードを落としはじめるのと同時に席を立った。 デッキに出て、ドアのいちばん前で滑り込むホームを眺める。ドアが開くと同時に、およそ2時間乗ってきた特急の余韻を味わう暇もなく駆け出すと、お目当ての列車は向かい側のホームの先の方で待っていた。そのとき「発車します」との放送が。思わず、待って!と叫ぶと、近くの駅員さんが驚いた顔で「お客さん、乗るの!?」と聞いてきた。 「乗りますよ!」 (萩原 雅紀) 楽しい仕掛け満載の観光列車 肩で息をしながら自分の席を探すうち、列車は松本駅を北に向かって出発。ようやく席を見つけて一息つい
「JR西日本社長の大糸線『存廃』発言は、社会的責任を放棄するもので、容認できない」 糸魚川市議会は16日、泉田裕彦知事に「長野県などと連携し存続に向けスピード感と緊張感を持って力強く行動されるよう要望する」との意見書を全会一致で可決した。 提案にかかわった古畑浩一市議は「(廃線は)田舎には住むなという話だ。大都市、大資本優先でなく、弱い者、地方の立場に立って考えるべきだ」と憤る。 糸魚川市は14年度末の北陸新幹線開業に向け、60億〜70億円を投じて新幹線につながる在来線駅舎や自由通路、駅周辺整備を進める。昨年は日本初の世界ジオパークに認定された。 同市は、新幹線開業を契機に、ヒスイ峡などのジオサイト(見どころ)を訪れる観光客を増やし、大糸線の利用促進につなげたい考えだ。 社長発言は、交流人口を増やそうと本腰を入れた矢先に飛び出した。米田市長は「鉄路はネットワークだから価値がある。
「廃線にするのか、どういうやり方がいいのかよく考える」。今月1日の記者会見で、大糸線糸魚川―南小谷間の廃線の可能性に言及した佐々木隆之JR西日本社長の発言が、沿線で暮らす人々の間に波紋を広げている。北陸新幹線の開業に伴い、並行する北陸線が地元第三セクターに経営分離されると、大糸線は同社の「飛び地」になる。「いずれは」の不安が、にわかに現実味を帯びる。沿線人口が減る中で、廃止への流れを食い止めることができるのか。現状をみた。 いまにも雪に変わりそうな冷たい雨が降る中、ほの暗い無人駅に1両のディーゼル車が入ってきた。15日午前7時、長野県境の大糸線・平岩駅。新潟側の下り始発だ。 乗り込んで来たのは、糸魚川高校2年の横川雅矢さん(17)1人。大きなバッグを肩にかけた野球部員だ。 同7時6分、動き出した車内で、社長発言について尋ねた。「なくなったらどうしようと家族で話した。おばあちゃんも病院
JR西日本の佐々木隆之社長が大糸線の南小谷(長野県)-糸魚川間(35・3キロ)の存廃について地元自治体と協議したいと発言したことを受けて、存続を求めている市民グループ「大糸線・北陸線を守る会」は6日、糸魚川市で役員会を開き、米田徹市長に対し、JR西との協議に入る前に市としての考えを固め、方向性を示すよう年内に要請することを決めた。 丸山明三代表(79)は「(JR西は)市と協議に入る。その前に市としてどうするのか、意思決定なり、方向性を出してほしい」と市に注文。「北陸新幹線の開通も4年後で、時間的な問題も迫っている。将来に悔いを残さないように、我々も(存続に向けて)一日も早く行動を起こさないといけない」と呼びかけた。 参加者からは「大糸線がないと市の発展はない」「話し合いの機関に我々の代表を入れてほしい」「国やJR西には社会的責任がある。過疎地から声を上げていかないと何もなくなってしまう。(
JR西日本の佐々木隆之社長は1日、都内で記者会見し、大糸線・南小谷(北安曇郡小谷村)−糸魚川(新潟県)間など赤字経営が続く北陸本線の「枝線」について、2014年度の北陸新幹線長野−金沢間開業に伴い赤字幅が大きくなった場合、「地域交通のあり方を地元と議論したい」と述べた。経営分離後の北陸本線を運行する地元の第三セクター会社への経営移管や、路線を廃止してバス転換などが検討される見込みだ。 大糸線の松本−南小谷間はJR東日本が経営、電化されている一方、南小谷−糸魚川間約35キロは非電化区間。JR西が運行する北陸本線が新幹線の並行在来線として経営分離された場合、大糸線南小谷以北や、富山県の氷見線、城端線、石川県の七尾線といった赤字の枝線の扱いが焦点になっている。 佐々木社長は会見で「新幹線開業をきっかけに、枝線も経営分離するという考え方は持っていない」と説明。ただ、各枝線について「(現状でも)
最後の臨時運転の出発を前に、カメラを持った大勢の鉄道ファンらに取り囲まれたキハ52型=新潟県糸魚川市のJR糸魚川駅で2010年8月22日、長谷川隆 JR大糸線のディーゼルカー「キハ52型」が22日、最後の臨時運転を終えた。老朽化に伴い3月に定期運行から引退したが、地元などから強い要望があり、その後もアンコール運転を続けていた。 65、66年製造の2両編成。昨年、世界地質遺産に認定された新潟県糸魚川市をPRする「ジオパーク号」のヘッドマークを付け、糸魚川駅を出発、長野県小谷村の南小谷駅との間(35.3キロ)を1往復した。 沿線では多くのカメラに取り囲まれた。レトロな外観、座席などの内装、エンジン音や振動、軽油のにおい……。何より最後まで気(キ)を吐(ハ)いて走り抜く雄姿がファンを魅了した。【長谷川隆】
JR西日本は、3月13日のダイヤ改正で引退したJR大糸線糸魚川(新潟県糸魚川市)-南小谷(小谷村)間の気動車「キハ52」を、大型連休中の5月3~5日に同線で臨時運転する。地元などの要望を受けた。 3日は糸魚川(午後0時12分発)-平岩(同1時5分発)間、4、5日は糸魚川(午前9時48分発)-南小谷(午後0時41分発)間を往復する。2両編成で全席指定。 その後も7月18、19日(海の日)と、糸魚川市で開く日本ジオパーク糸魚川大会に合わせた8月21、22日に臨時運転を予定しており、8月が最終となる。「キハ52」は3両が引退し、1両は鉄道遺産として知られる岡山県津山市の旧津山扇形機関車庫に保存・展示用として運ばれた。 一方、「キハ52」とともに人気があった糸魚川駅構内の「レンガ車庫」は、北陸新幹線建設に伴う解体撤去と、糸魚川市による3連アーチ式開口部など一部の切り取り保存が決まっている。車庫は既
キハ52型気動車は、車両の経年による老朽化で継続使用が難しいことから取替えを行うこととして、平成22年3月春分の日の運転を最後に引退する予定となっておりましたが、地元の方々を中心に運転を望む強いご要望があり、平成22年5月のゴールデンウィーク、平成22年7月の海の日、平成22年8月22日に糸魚川市で開催される日本ジオパーク糸魚川大会に合わせて、臨時運転を行うことといたしました。 1 運転日 平成22年3月20日(土)、21日(日)、22(月)の3日間(3両編成最後の運転) 平成22年5月3日(月)、4日(火)、5日(水)の3日間(2両編成) 平成22年7月18日(日)・19日(月)の2日間(2両編成) 平成22年8月21日(土)・22日(日)の2日間(2両編成、最終の運転) 2 運転区間と時刻
来年3月に引退する「キハ52」3両。大正時代に完成したレンガ車庫とともにファンに愛された=糸魚川市のJR糸魚川駅(2007年6月12日撮影) JR大糸線の糸魚川駅―南小谷駅(長野県)間で運行されている気動車「キハ52」3両が、来年3月のダイヤ改正に伴い、現役を引退する。1960年代に製造され、大糸線には92年に導入された。現在は全国で唯一、現役で運行している。 キハ52は3月12日午後8時1分糸魚川駅発が最終運行。同駅で出発式を計画している。同13日以降はキハ120系が導入される。JR西日本金沢支社によると、今後、キハ52は1両が岡山支社(岡山県)で保存され、2両は廃車される予定。 新潟日報2009年12月21日
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大糸線南小谷駅と糸魚川駅間35・3キロの区間で運転されているディーゼル気動車「キハ52」が12日限りで退役するのを前に、最後の週末となった6日、雨にもかかわらず沿線各所の撮影スポットでは、多くの鉄道ファンらがその姿をカメラに収めていた。 キハ52は傾斜のきつい路線用に2基のエンジンを備え、全国各地のローカル線で運転されていたが、老朽化から大糸線が最後の活躍の場となっていた。13日のダイヤ改定を機に残っていた大糸線の3両も退役する。 6日午前、小谷村と新潟県糸魚川市境の姫川にかかる姫川湯橋では、鉄橋を渡るキハ52を5、6人のファンが三脚を構え撮影していた=写真。富山市の会社員(35)は「変化に富んだ風景の中を走る姿がいいですね。来週も休みを取って最後の姿を写しにきます」と話していた。(山田新)
■大糸線「キハ52」・糸魚川駅「レンガ車庫」引退控え 全国の鉄道ファンが糸魚川に押し寄せている。JR大糸線に最後に残ったディーゼル軌道車「キハ52」と、約100年の歴史を持つ糸魚川駅の「レンガ車庫」がそろってこの春引退するからだ。各地で一部の鉄道ファンによるトラブルが相次いでいるだけにJRも職員を配置するなど対応にあたっている。にぎわいが去った後、地元に残されるのは寂しさとともに、鉄道遺産の活用という重い課題だ。 (遠藤雄二) ◇ 「キハ52」の引退を12日に控え、最後の週末になった6日の糸魚川駅。ホームには、車両やレンガ車庫をカメラに収めようとする、「撮り鉄」と呼ばれる大勢の鉄道ファンがあふれた。 午前10時43分発の「キハ52」に乗ろうとしたところ、10時過ぎにはすでに行列。発車前はラッシュさながらの混雑で、百数十人が一気に乗り込んだ。 JR糸魚川地域鉄道部によると、08年
JR大糸線の南小谷(北安曇郡小谷村)−糸魚川(新潟県糸魚川市)間を走っているディーゼルエンジンの気動車「キハ52形式」3両が3月のダイヤ改正で引退することが決まり、写真や映像に収めようと沿線に集まる鉄道ファンが増えている。好天に恵まれた24日、北安曇郡小谷村の雪原を走る車両に大勢の人がカメラを向けた。 JR西日本糸魚川地域鉄道部(同)によると、現在走っている車両は1965(昭和40)年と66年の製造。92年から大糸線を走っており、2004〜06年に朱色とクリーム色の国鉄時代のツートンカラーなどに塗り替えた。老朽化などで引退が決まった。 撮影していた会社員男性(62)=神奈川県大和市=は「懐かしさがある車両。最後と聞いて、走っている姿を撮ろうと思って来ています」。南小谷駅によると、写真を撮りにに訪れたり乗車したりする人が増えているという。 JR西日本は3月12日、キハ52形式の糸魚川駅
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