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2023-06-06

WWDC 2023 で iOS 17, iPadOS 17, macOS Sonoma, watchOS 10, 新 MacBook, Apple Vision Pro が発表された

2023-06-06 (火) 02:00、Apple は WWDC のキーノートを放送して、各種新 OS (iOS 17, iPadOS 17, macOS Sonoma, watchOS 10, tvOS 10) と新デバイス (M2 チップ Ultra, MacBook Air, Mac Studio, Mac Pro, Apple Vision Pro) を発表した。

Apple Vision Pro は長年噂され続けていた Apple の AR/VR ヘッドセット。年内にアメリカで発売され、来年中に各国での発売が予定されている。価格は 34,999 ドル。約 50 万円?!

iOS 17

iOS 17 では主な新機能として連絡先ポスター、ステッカー、スタンバイが追加され、新アプリ「ジャーナル」のリリースが予告された。

連絡先ポスター

電話アプリや連絡先アプリなどで、自分の見た目をポスターのように表示する機能が追加される。連絡先ポスターはロック画面と同じようにカスタマイズが可能で、写真もしくはミー文字とタイポグラフィーの組み合わせで表示される。

CallKit からの利用も可能なため、VoIP アプリからも連絡先ポスターの利用が可能になる。

ステッカー

ステッカーを貼る機能が追加される。ステッカーはメッセージ・アプリなどで利用が可能で、ステッカーのように貼り付けることができる。貼り付けられるものはミー文字や絵文字など。ステッカーパックをダウンロードして利用することも可能になるらしい。また、写真から背景を取り除いて、ステッカーにすることも可能。Live Photos からライブステッカーを作成することもできる。

絵文字が使えるあらゆる場所で使えるとされている。

スタンバイ

Apple Watch のナイトスタンド・モードの iPhone 版。充電中に iPhone を横置きにすると、専用のスタンバイ画面を表示する。この画面は 3 ページで構成されていて、左右スワイプで移動可能。その構成は、ウィジェットのページ、写真のページ、そして時計のページ。

ウィジェットはスマートスタックに対応していて、時間などに応じて適切なウィジェットが自動的に表示される。また、ユーザーがウィジェットを手動で切り替えることも可能。時計には複数の文字盤が用意されている。

この他に、スタンバイ画面ではライブアクティビティーの表示や、Siri を使っての操作も可能とされている。

またナイトモードでは、赤の色調で表示され、眠りに誘う工夫が凝らされている。

ジャーナル・アプリ

Apple が提供する日記アプリ。2023 年後半リリース予定。

連絡先・写真・音楽・ポッドキャスト・位置情報・ワークアウト etc. の情報から、日記を書くための「候補」を出す機能がある。これらの候補を出すために開発者には、Suggestions API が提供される。

その他

各アプリの新機能を列挙する:

  • 電話アプリ
    • Live Voicemail: 留守電に残されているメッセージをリアルタイムに書き起こす。テキストを読んで途中で電話に出ることも可能
  • FaceTime アプリ: FaceTime をかけて相手が出なかった場合、メッセージを録画して残せる
  • メッセージ・アプリ
    • キャッチアップ: 未読メッセージの先頭まで辿るボタンが表示されるようになる
    • Swipe to Reply: 吹き出しをスワイプすると、インライン返信できる
    • Audio message transcription: オーディオメッセージが書き起こされる
    • 安否確認 (Check In): 無事に帰宅したことを友人に知らせることができる。帰宅したら自動通知。帰宅しなかったら、自動で各種情報 (現在地・経路・バッテリー情報など) が共有される。
    • 検索フィルターが追加される
  • NameDrop: AirDrop で iPhone を近づけると連絡先情報を渡せる
  • Siri
    • Hey Siri が Siri だけで起動可能になる
    • 連続してリクエストを伝えられるようになる
  • マップアプリ: オフライン用に地図をダウンロードできるようになる
  • 写真: 「お気に入りの人」にペットを追加できるようになる

iPadOS 17

iPadOS 17 での変化で目を引くのはウィジェットとステージマネージャーの進化。それから、iOS でしか提供されていなかったロック画面の変更機能とヘルスケア・アプリがやって来る。

ウィジェット

インタラクティブ・ウィジェットが導入される。今までのウィジェットは、情報を表示するか、アプリを開くか、もしくは大きなボタンを表示してアクションするくらいしかできなかった。なので、ウィジェットの中でチェックボックスを置いてチェックを入れたり、再生ボタンを押して音楽再生を開始したりという操作性を提供できなかった。iPadOS 17 からは、そういったユーザーがインタラクティブに操作するウィジェットの作成が可能になる。

ステージマネージャー

ステージマネージャーは今までよりも細かくウィンドウの位置とサイズを変更できるようになる。

ロック画面

iOS で導入されていたロック画面の設定機能が iPadOS にもやって来る。iPad 版のロック画面では、ウィジェットを表示する領域が左側に寄せられて iOS より広くなる。

また、iPad の大画面に合わせてアストロノミー壁紙が刷新されている。

ヘルスケア・アプリ

iOS のみに提供されていたヘルスケア・アプリが iPadOS にもやって来る。iPad の大画面向けに最適化されている。

misc

その他、キーノートで発表のあったもの。一部の機能は iOS でも利用可能。

  • PDF のテキスト・フィールドを認識して、直接入力が可能になる
  • FaceTime に外部ディスプレイに内蔵されたカメラを利用可能になる
  • フリーボード・アプリに水彩・万年筆といった描画ツールが加わる
  • フリーボード・アプリで共通同作業メンバーのフォロー機能が追加される

macOS Sonoma

macOS Sonoma (macOS 14) で目を引くのはウィジェット機能。続いてビデオ会議系の強化が上げられる。

ウィジェット

iOS や iPadOS でしか提供されていなかったウィジェット機能が、macOS でも使えるようになる。嬉しいことに、macOS 用のウィジェットが用意されていなくても、iPhone アプリ版のウィジェットも (macOS で) 利用可能になる。利用には同じネットワーク内に iPhone があれば良いらしい。

macOS のウィジェットは iOS と同じようにインタラクティブ・ウィジェット。更にアプリを開くとウィジェットは半透明になって、デスクトップにあるウィジェットに気を紛らわせないよう配慮されている。

ビデオ会議

Facebook を始めとしたビデオ会議機能に機能追加が行なわれる。1 つ目は画面共有のプレゼンター・オーバーレイ機能。画面共有をしているプレゼンターの姿を、他の視聴者に見せるための機能。この機能には、プレゼンターの姿を小さなバブルの中に入れて表示するスモールオーバーレイと、プレゼンターの姿を大きく表示して共有画面をプレゼンターの後ろ横に配置するラージオーバーレイの 2 種類が提供される。

2 つ目はリアクション・エフェクトの追加で、ビデオ会議内に花火を上げたりする機能が追加される。このエフェクトはジェスチャーで起動可能とのこと。例えば、花火を上げるエフェクトは、親指 2 本を立てることで起動できる。

リアクション・エフェクトは FaceTime の他に Zoom や Microsoft Teams, Webex などのサードパーティーアプリでも利用可能になる。

ゲーム機能

ゲーム機能の強化として、ゲームモードが導入される。ゲームモードでは、ゲームに対して、最も高い優先度を CPU や GPU に割り当てる。また、バックグラウンド・タスクの稼働率を下げる。こうすることで、より滑らかなフレームレートを提供できるとしている。

また、Blueteeth にサンプリング周波数を 2 倍にすることで、Xbox と PlayStation コントローラーの入力遅延を低減させるという。

Safari の強化

Safari にプロファイル機能が導入される。仕事とプライベートで、Cookie 情報・ブラウズ履歴・機能拡張・タブグループ・お気に入りなどを切り替えられるようになる。

ウェブサイトをアプリ化する機能が追加される。アプリ化されたページは Dock に保存され、Stage Manager 内でもアプリとして動作するという。

その他、Safari はパスキーに対応したり、プライベート・ブラウジング・ウィンドウに対してロック機能を提供したりする。

watchOS 10

watchOS 10 では大幅なデザイン変更が行なわれた。

スマートスタック

文字盤でデジタルクラウンを回したり、下から上へスワイプすると、スタックされたウィジェットにアクセスできるようになる。見た目は Siri 文字盤に似ているけれど、どの文字盤からでもアクセスできるのが特徴。長押しでウィジェットの追加・編集も可能になる。

コントロールセンターへのアクセスは、下から上へのスワイプではなく、サイドボタンを押す。

新しい文字盤

新しく追加された文字盤は 2 つ。1 つ目はスヌーピーの文字盤。スヌーピーとウッドストックが表示される。文字盤には天気情報が反映される。

2 つ目はパレット。時間の変化に合わせてディスプレイの色が変わる。

サイクリング機能

サイクリングのワークアウト機能が強化される。Bluetooth 対応の自動車センサーに接続可能になり、自転車のケイデンス・パワーなどの情報を取得できるようになる。また、これらのデータを使って FTP (機能的作業閾値パワー; Function Threthold Power; 理論上、1時間継続できるサイクリング強度の最高レベル) の計算を行なってくれる。加えて、パワーゾーン (FTP から算出されるパワー領域のことで、6 つのゾーンに分けられる) の表示を可能にする。

サイクリングの情報は、iPhone でもライブ・アクティビティで自動的に表示されるようになる。

ヘルス系の強化

マインドフルネスと近視に関する機能強化が行なわれた。

マインドフルネスでは、自分の気持ちを記録できるようになる。これらの記録は iPhone のヘルスケア・アプリからも確認可能。また、クリニックでも使われる標準検査を提供。鬱や不安症を発症するリスクを確認できるようになる。

近視周りの強化では、Apple Watch の環境光センサーを使って日光の下で過ごした時間を測定できるようになる。近視のリスクを下げるのに、屋外の日光の下で 80〜120 分以上過ごすことが有効だかららしい。また、iPhone や iPad では、TrueDepth カメラを使って画面との距離を測定し、長時間、目とデバイスの位置が近い場合は警告を出すようにしてくれる。

tvOS 10 その他

tvOS 10 では、コントロールセンターが刷新される。また、Siri Remote を探すアプリから探せるようになる。加えてスクリーンセーバーの写真を、写真のメモリーから選択できるようになる。

最後に、FaceTime アプリが tvOS にも提供される。Apple TV にはカメラとマイクがない。そこで、iPhone の連携カメラ機能を使う。センターフレームにも対応するとのこと。この機能は API としても提供されるらしく、2023 年末には Zoom や Webex が FateTime と同じように tvOS 上で使えるようになるとされている。

その他のデバイスの話。

CarPlay では SharePlay が導入される。Apple Music の音楽再生を、後部座席の人たちが SharePlay 経由で行なうことが出来るようになるとのこと。

AirPods は適応型オーディオなる機能を提供する。これは、外部音取り込みとアクティブ・ノイズキャンセリングを動的に組み合わせた機能で、外部音取り込みが基本だけどノイズになる音はノイズキャンセルしてくれるというもの。電話中なら、周りの音や音楽をノイズとして小さくしてくれるし、会話中は音楽の音量を小さくしてくれる。

新しい Mac

15 インチの MacBook Air と M2 Max/M2 Ultra にアップデートされた Mac Studio、そして M2 Ultra をサポートする Mac Pro が発表された。

どの新機種も予約開始は 2023-06-06 から、発売は来週から。

15 インチ MacBook Air

15 インチ MacBook Air の価格は 198,800 円から。スペックは次の通り:

  • MacBook Air 15 インチ/2023
    • ディスプレイ: 15.3 インチ、Liquid Retina
    • チップ: Apple M2
    • 薄さ: 11.5 mm
    • 重さ: 1.5 kg
    • カメラ: 1080p FaceTime
    • マイク: 3 マイクアレイ
    • スピーカー: 6 スピーカー
    • Thunderbolt ポート x2
    • ヘッドフォンジャック
    • 充電 MagSafe
    • バッテリー 18 時間
MacStudio

新しい Mac Studio は、チップが Apple M2 Max にアップデートされる。また、後述の Apple M2 Ultra も選択可能になる。価格は 298,800 円から。

Mac Pro

Mac Pro は Apple M2 Ultra チップを標準搭載し、PCIe gen 4 拡張スロットを 8 つ (背面に 6 つ、上部に 2 つ)、Thunderbolt 4 ポートを 6 つ、HDMI ポートを 2 つ持つ。価格は 1,048,800 円から。

Apple M2 Ultra

Apple M2 Ultra チップが発表された。M1 Ultra と同じように、M2 max チップを 2 つ繋げる構成。搭載可能な最大メモリーが 192 GB に増えている。

  • 24 core CPU
  • 76 core GPU
  • 32 core Neural Engine
  • 192 GB ユニファイドメモリ

Apple Vision Pro

Apple の AR/MR ヘッドセット Apple Vision Pro が発表された。価格は 3,499 ドル (約 50 万円)。発売はアメリカ国内で 2023 年年内を予定。2024 年年末までに各国での発売開始を目標とする。ただし、日本が最初の株外発売国に含まれるかどうかは未発表。

主なスペックは次の通り:

  • チップ: M2 チップ + R1 チップ
  • ディスプレイ: マイクロ OLED (両目で 2,300 万ピクセル、片目だけで 4K 相当)
  • カメラ: 12 個
  • センサー: 5 つ
  • マイク: 6 つ
  • スピーカー: 空間オーディオをサポート
  • バッテリー: 外付けで 2 時間
  • 認証: Optic ID
  • その他: デジタルクラウン

R1 チップは Vision Pro のために Apple が新しく作成した Apple シリコンチップ。リアルタイム処理を担当するチップで、12 のカメラ、5 つのセンサー、6 つのマイクからの入力を高速処理する。

Optic ID は目の虹彩を使った認証システム。Face ID と同様に、ロックの解除・Apple Pay の利用などに用いられる。

ユーザーからの入力は、目と手の動きでほぼ完結するらしい。さらにテキスト入力に関しては、バーチャル・キーボードと音声入力がデフォルトで用意される他、Bluetooth デバイスを接続してトラックパッドやキーボードも利用可能。もちろん、ゲーム用のコントローラーもサポートされる。

用意されるアプリは、visionOS 専用のアプリの他に、iPhone, iPad 用のアプリがある。また、Mac を見つめると、Mac の画面を Vision Pro の中に取り出すことが可能になる。加えて、Unity アプリがネイティブで利用可能になるとのこと。

Vision Pro 特有の機能

Eye Sight 機能は、あなたの目を Vision Pro のディスプレイ上に表示する。そうすることで、周りの時間はあなたの目を見ながら会話することが可能になる。もし、あなたが Vision Pro を完全没入モードで使っていて、外の様子が見えていない場合は、目を表示せず、周りの人に周りが見えていないことを教えてくれる。

空間再現写真とビデオは、Vision Pro の 3D カメラを使って撮る写真・ビデオ。撮影したシーンがそのままに再現されるように見える... らしい。

あとがき

今年の WWDC キーノートは盛り沢山だった。Vision Pro は数年振りの「One more thing...」として発表された。未来感のあるデバイスなので使ってみたい。でも、値段が値段なので、来年買えるかどうか分からない。

2022-09-08

Apple イベント Far out で新 Apple watch, AirPods, iPhone が発表された

2022-09-08 (木) 02:00、Apple はイベント Far out を開いて新型 Apple Watch と AirPods Pro、そして新 iPhone の発表を行なった。

今回発表された新製品は次の通り:

  • Apple Watch Series 8
  • Apple Watch SE (第2世代)
  • Apple Watch Ultra
  • AirPods Pro (第2世代)
  • iPhone 14 / iPhone 14 Plus
  • iPhone 14 Pro / iPhone 14 Pro Max

各プロダクトについて簡単にまとめる

Apple Watch Series 8

Apple Watch Series 8 が発表された。色はアルミニウム・モデルがミッドナイト、スターライト、シルバー、(PRODUCT) RED の 4 色展開; ステンレススチール・モデルはシルバー、ゴールド、グラファイトの 3 色展開。チタニウム・モデルは発売されなくなった (後述の Apple Watch Ultra がチタニウム・モデルで提供)。予約開始は 2022-09-08、販売開始は 2022-09-16。

Apple Watch Series 8 では皮膚温センサーが追加された。いわゆる体温計センサー。センサーは 2 つ搭載される。1 つは背面クリスタル部分に、もう 1 つはディスプレイのすぐ下に。2 つセンサーで外部環境の偏りを減らし精度を高めるという。センサーの精度は 0.1 度単位。

皮膚温センサーは周期記録アプリと連携して、女性の基礎体温の測定を行なってくれる。また、体温情報から推定される過去の排卵日や生理不順について通知を飛ばしてくれるようになる。

Apple Watch Series 8 ではジャイロスコープと加速度センサーもアップデートされた。加速度センサーは最大 256G の加速度まで検出が可能なものに変更されている。

これらの新しいセンサーを使って、車の衝突事故検出が可能になる。転倒検出機能と同じように、車の衝突事故に遭ったら Apple Watch が緊急通報サービスに連携をしてくれる。対象となるのは走行中のみで、事故の種類は正面衝突・側面衝突・追突・横転をサポートする。

イベントでは、watchOS 9 の新機能も 2 つ発表された。

1 つ目は低電力モード。起動する機能を限定することで、通常最大 18 時間しか保たないバッテリーを、最大 36 時間まで保つようにする。起動する機能はアクティビティの記録や転倒検出など。watchOS 9 を搭載した Series 4 以降の Apple Watch で利用可能になる。

2 つ目は国際ローミング対応。セルラー版の Apple Watch が海外でも通話可能になる。利用するには iPhone のローミング・プランに Apple Watch を追加する。対応する通信事業会社のロゴの中に、日本の SoftBank があった。au と DoCoMo は対応するかどうか分からない。watchOS 9 を搭載した Series 5 以降の Apple Watch で利用可能になる。

Apple Watch SE (第2世代)

Apple Watch SE の第2世代が発表された。色はシルバー、ミッドナイト、スターライトの 3 色展開。予約開始は 2022-09-08、販売開始は 2022-09-16。

チップは Series 8 と同じ S8 チップ。背面を再設計してナイロン複合材で作るようにした。

Apple Watch Ultra

Apple Watch Ultra が発表された。通常利用の Apple Watch から一歩進んで、より苛酷な環境での業務やスポーツに対応したモデル。チタニウム製のみの提供。カラー展開なし。GPS + Cellular モデルのみ (GPS モデルは提供なし)。予約開始は 2022-09-08、販売開始は 2022-09-23。価格は 124,800 円 (税込)。

Apple Watch Series 8 との違いは次の通り:

  • 49 mm ディスプレイ
  • 大きなデジタルクラウンと突出したサイドボタン
  • アクションボタン
  • デュアル・スピーカー
  • 3 マイクアレイ
  • 2周波 GPS
  • 水温センサー搭載の水深計
  • 防水 (WR100 + EN13319)
  • 36 時間バッテリー

ディスプレイ・サイズは Series 8 の 45mm より大きな 49 mm。

デジタルクラウン、サイドボタンの変更は手袋をしたままでも操作しやすいように、とのこと。アクションボタンはサイドボタンと逆側の位置に新しくついたボタン。カスタマイズ可能で、ワークアウトを起動するなどといったことが可能になる。

スピーカーにはサイレン機能が追加される。アクションボタン長押しで、86 デシベル (180 m 先にも届く) の音を出す。

Series 8 では 1L GPS のみを使っているところ、Ultra では最新の 5L GPS と従来の 1L GPS を使う 2 波 GPS に対応。より精度の高い位置情報を取得する。

防水は Series 8 の 50m を上回る 100m 防水。ダイビングの国際技術標準規格である EN13319 に準拠。水温センサー搭載の水深計が追加され、水の中に入ると自動的に水深・水中にいる時間・水温を自動計測する。Huish Outdoors 社と Apple が協同開発したスキューター・ダイビング用アプリ Oceanic+ アプリが今秋後半リリース予定。

バッテリーは Series 8 の 18 時間の倍の 36 時間。今秋後半公開予定のバッテリー最適化設定を使うことで、最大 60 時間まで伸ばすことが可能。

バンドは目的別に 3 種用意。探検化向けのアルパインループ、海向けのオーションバンド、持久系アスリート向けに軽く作られたトレイルループ。

AirPods Pro (第2世代)

AirPods Pro の第2世代が発表された。予約開始は 2022-09-09、販売開始は 2022-09-23。価格は 39,800 円 (税込)。

AirPods Pro 第1世代との違いは次の通り:

  • H2 チップ
  • アクティブノイズキャンセリングの強化
  • 6 時間バッテリー

充電ケースにもアップデートがある:

  • U1 チップ
  • 30 時間バッテリー
  • Apple Watch の充電器に対応
  • ケース横にストラップループ

AirPods Pro 第2世代では、ノイズキャンセリングの外部音取り込みモードに適応型環境音除去機能が付く。これは工事音などの環境騒音に限定したノイズキャンセリング。アクティブノイズキャンセリングは、第1世代と比べて最大2倍良くなったと説明があった (どういう基準で2倍なんだろ?)。

また、イヤーチップに XS サイズが新登場。より小さな耳の人へも、イヤーチップの対応の幅が広がる。

充電ケースに付いたU1チップは、探すアプリでの「正確な場所を見つける」に対応する。

iPhone 14 / iPhone 14 Plus

iPhane 14 および iPhane 14 Plus が発表された。色はミッドナイト、スターライト、ブルー、パープル、(PRODUCT) RED の 5 色展開。ディスプレイ・サイズは iPhane 14 が 6.1 インチ、iPhone 14 Plus (新モデル!) が 6.7 インチ。iPhone 14 は 2022-09-09 予約開始、2022-09-16 販売開始; iPhone 16 Plus は 2022-09-09 予約開始、2022-10-07 販売開始。価格は 119,800 円 (税込) から。

主な仕様および新機能は次の通り:

  • ディスプレイ: Super Retina XDR ディスプレイ
  • チップ: A15 Bionic
  • バックカメラ: メインカメラ 12MP + 超広角カメラ 12MP
  • フロントカメラ: フロントカメラ 12MP + TrueDepth カメラ
  • ネットワーク: 5G + eSIM
  • ジャイロスコープ (UPDATE): ハイダイナミックレンジに対応
  • 加速度センサー (UPDATE): 256G まで測定可能に
  • 通信衛星対応 (NEW!)

チップは iPhone 13 と同じ A15 Bionic。Apple Watch でも導入された衝突事故検出機能に対応する。また、通信衛星を使った緊急 SOS が利用可能になる。

US モデルでは物理 SIM スロットが廃止され、eSIM オンリーになる。

衝突事故検出機能

マイク、気圧計、GPS、そしてアップデートされたジャイロスコープと加速度センサーを使って車走行中の衝突事故を検出する。

衛星経由の緊急 SOS

通信衛星を使って緊急 SMS を送信する。SMS といっても標準の SMS 送受信プロトコルは使用しない。専用のショートテキスト・アルゴリズムが使われ、送るメッセージも選択式の Q&A を使ってシンプルなやり取りしか行なわない。とはいえ、送信された情報は緊急サービスに通信衛星を使って適切に届けられる。

iPhone に通信衛星用の大きなアンテナは付けられない。そこで専用のアプリが提供される。このアプリは通信衛星のある位置をユーザーに教えてくれる。ユーザーはアプリに従って通信衛星のある方向に iPhone を向けることで、通信衛星との接続を行なう。このサービスは US とカナダで 2022 年 11 月から開始される。最初の 2 年間は無料で提供とのこと。

iPhone 14 Pro / iPhone 14 Pro Max

iPhane 14 Pro および iPhane 14 Pro Max も発表された。色はスペースブラック、シルバー、ゴールド、ディープパープルの 4 色展開。iPhone 14 Pro および iPhone 14 Pro Max の予約開始は 2022-09-09、販売開始は 2022-09-16。価格は 149,800 円 (税込) から。

主な仕様および新機能は次の通り:

  • ディスプレイ: Super Retina XDR ディスプレイ + 常時表示ディスプレイ
  • チップ: A16 Bionic
  • バックカメラ: メインカメラ 48MP (NEW!) + 超広角カメラ 12MP + 望遠カメラ 12MP
  • フロントカメラ: フロントカメラ 12MP + TrueDepth カメラ
  • ダイナミック・アイランド (NEW!)
  • ネットワーク: 5G + eSIM
  • ジャイロスコープ (UPDATE): ハイダイナミックレンジに対応
  • 加速度センサー (UPDATE): 256G まで測定可能に
  • 通信衛星対応 (NEW!)

チップは A16 Bionic。ディスプレイは常時表示ディスプレイに対応。メインカメラが 12MP から 48MP に向上。ノッチ部分が島状になり機能が追加。ダイナミック・アイランドと呼ばれる。

常時表示ディスプレイ

iPhone のディスプレイが常時表示ディスプレイになった。従来の画面オフ時にロック画面が (少し薄暗い発光で) 表示され続ける。この間、ディスプレイはリフレッシュレートを 1 Hz まで落とすことで、電力の消費を抑える。ロック画面には iOS 16 で導入されたロック画面のウィジェットも表示される。

カメラ

バックカメラのメインカメラが 12MP から 48 MP に変更される。また、疑似的な 2 倍望遠機能を提供する。

フラッシュがカメラの焦点距離と連続するようになり、加えて 2 倍明るくなった。

ダイナミック・アイランド

ノッチが小さくなり大き目のパンチホールのようになっただけでなく、その周囲を iOS の補助的な情報通知・アクション用のパーツとして提供する。これをダイナミック・アイランドと言う。

通知などがダイナミック・アイランドが広がるようにアニメーションして表示される。各アプリのアクティビティー (AirPods の接続状況やミュージックアプリの再生状況、タイマーの状態など) は、ダイナミック・アイランドが少し横に広がった形で、情報を表示するようになる。これをロングプレスすると、ダイナミック・アイランドが広がり、ちょっとしたウィジェットのようにその場でアプリ操作が可能になる。

複数のアプリが同時にバックグラウンドで起動していたら、ダイナミック・アイランドは 2 つの要素に分裂する。

あとがき

iPhone 14 Pro に導入されたダイナミック・アイランドは通知画面やコントロール・センターが刷新された時以来の大きな変更になると思う。音楽を聞きながら、タイマーをかけながら、etc. 最近のスマホではメインのアプリの他に別の作業をすることも多いので、状況の把握・アプリのコントロールが一手間で出来るようになるのは有難い。とてもたのしみ。

2022-06-07

WWDC 2022 で iOS 16, iPadOS 16, macOS Ventura, watchOS 9, 新 MacBook が発表された

2022-06-07 (火) 02:00、Apple は WWDC のキーノートを放送して、各種新 OS (iOS 16, iPadOS 16, macOS Ventura, watchOS 9) と新デバイス (M2 チップ, MacBook Air, MacBook Pro) を発表した。

iOS 16

まずは iOS 16 の新機能。

ロック画面

ロック画面が刷新される。新しいロック画面は自分でカスタマイズできるようになる。長押しで編集画面が起動し、時刻のフォントや色を変更できるようになる。用意されているロック画面の中には、選択した写真が 1 日中シャッフルされる「写真シャッフル」、1 枚だけ写真を選択してフィルターをかけたりできる「写真」、天気アプリと同じように現在の気象状況をアニメーションで表示する「天気」、Apple Watch のアストロノミー文字盤と同じように地球や月を表示する「アストロノミー」などがある。

加えてロック画面にウィジェットを配置できるようになる。ウィジェットは Apple watch のコンプリケーションのように配置領域が決まっている。その中なら、ドラッグで移動可能。開発者は WidgetKit でロック画面に表示するウィジェットを開発できる。

これらのロック画面は複数作成可能。作成したロック画面は長押ししてスワイプするとで切り替えられる。

ライブアクティビティという新しい機能も追加される。現在の状況を表示・コントロールする専用ウィジェットのようなもの。ライブアクティビティを使って、ミュージック・アプリの再生コントロールをロック画面に表示する、なんてことが可能になる。大量のプッシュ通知を表示する代わりに、ライブアクティビティで表示する (例えばバスケのスコアをプッシュ通知で飛ばしていた場合とか) なんて利用例も挙げられていた。

集中モード

前述のロック画面と融合する。1 つのロック画面につき 1 つの集中モードを紐付けられるようになる。ロック画面を選択すると自動的に集中モードも動き出す。

集中モードフィルターなる機能も提供される。集中モードをアプリにも適用するというもの。Safari で「仕事」の集中モード中に仕事関連のタブだけ表示するという利用方法が挙げられていた。

メッセージ・アプリ

送信したメッセージの編集・削除が送信直後に限って可能になる。また、スレッドを未読に戻すことが可能になる。

音声入力

音声入力を始めてもキーボードが閉じないようになる。音声入力での誤入力をキーボードからすぐに修正できるようになる。

句読点の入力も自動で行なうようになる。もう「。」を入力するのに「マル」とか言わなくても良い。絵文字の入力も対応する。

テキスト認識表示 (Live Text)

ビデオ動画でもテキスト認識表示が可能になる。ビデオを一時停止した状態で、テキスト認識表示を呼び出せる。

テキスト認識表示用の Live Text API が提供されるので、アプリの中から直接 Live Text が使えるようになる。

ウォレット・アプリ

メッセージアプリでキー情報を送ると、キーをウォレットに追加できるようになる。

おそらくアメリカ限定 (で日本に来るのは先) で iPhone の Tap to pay を使って非接触型決済を行なえるようになる。つまり、Square みたいな端末の代わりを iPhone 本体がやってくれる。それから、Apple Pay で後払い (6 週間の 4 回払い) に変更することができるようになる。最後に、Apple Pay で注文の追跡が可能になる。

マップ・アプリ

複数地点を経由する経路案内が可能になる。登録できる経由地は最大 15 か所。

マップ・アプリとウォレット・アプリが連携。マップ・アプリで経路確認中に交通系カードの料金が足りなかったら、ウォレット・アプリの中から入金することが可能になる。

最後に MapKit が大幅にアップデート。俯瞰表示とか Look Around とか、ダークモードに対応した地図をアプリ内マップから使えるようになる。

ファミリー共有

新デバイス設定時に iPhone を近付けると、家族用アカウント作成の画面が現れ、初めから適切なペアレンタルコントロールを設定できるようになる。

子供から利用時間の延長やアプリのインストール要請のメッセージを受け取った時、メッセージ・アプリ内で対応が可能になる。

写真アプリ

iCloud 共有写真ライブラリーが提供される。今までは iCloud の共有「アルバム」があった。それのライブラリー版。共有された写真の権限は全員が等しく持ち、全員に同期される。編集・削除・キャプションの記入・キーワードの追加などが同期される。共有写真ライブラリーに入れる写真は、自分のライブラリーの全てを選ぶこともできるし、手動で設定することも可能。手動で入れる場合、カメラ・アプリで撮影後に移動させることもできる。

セーフティー・チェック

DV などから逃げている人などを想定した機能。探すアプリの位置情報共有を停止したり、全デバイスの iCloud でサインアウントを実行できたりする。

ホーム・アプリ

iOS 16 でリデザインされる。部屋タブがなくなる。ホームタブが充実し、ホームタブから各部屋にアクセスできるようになる。新しいカテゴリー (気功・照明・セキュリテティーなど) が用意される。これらはアプリ上部に表示される。

アクセサリーのアイコンと色が大きく追加される。

CarPlay

2023 年後半に登場する予定の新 CarPlay についてチラ見せあった。新しい CarPlay は車とより密接に連携する。車載のディスプレイに CarPlay の出力を行なうことができるようになる。逆に車から計器の情報などを受け取って、速度・回転数・気温などを表示・操作できるようになる。iPhone から車のラジオやエアコンの操作ができるようになる。

Personalized 空間オーディオ

iPhone の TrueDepth カメラを使って耳を撮影。その情報を使って、パーソナライズされた空間オーディオのプロファイルを作成する。

クイックノート

iPad からしか作れなかったクイックノート。iOS 16 からは iPhone でもクイックノートの作成が可能になる。

iPadOS 16

天気アプリ

iPad にも天気アプリが提供される。

共同制作機能

共有シートから共同制作用のリンクを送れるようになる。このリンクを作って共同制限するようになると、その状況をメンバー間で確認できるようになる。共同制作しているメンバーと簡単に FaceTime を開始することも可能になる。

対応アプリは、メモ・Safari・Pages・Numbers・Keynote・ファイル・リマインダーアプリなど。開発用 API も用意されるので、サードパーティー・アプリでも共同制限機能は使えるようになるはず。

Freeform アプリ

Apple 製のホワイトボード・アプリが提供される。

デスクトップクラス・アプリ

iPad の動きがよりデスクトップ OS に近くなる。

システム全体を通しての取り消しややり直し、カスタマイズ可能なツールバーの提供など、インラインで動作する検索と置換など。ファイル・アプリではメニューからファイルの複製・名称変更・書き出し・プリントなどがサポートされ、拡張子の変更やフォルダーサイズの表示が可能になる。

ステージマネージャー

macOS および iPad で提供される新しいマルチタスクの仕組み (M1 を搭載した iPad Air, M1 を搭載した iPad Pro で利用可能)。

利用するアプリをグループ化して管理できるようになる。利用中のグループのアプリは、画面のセンターに重ねて表示される。利用外のグループはセンターから見て左側に並べられる。

利用中アプリの重ね方には自由度があって、全く重ねないようにすることもできれば、アプリのウィンドウ・サイズを小さくして重ねることもできる。アプリのサイズは従来より自由度が高いものの、iPad では (Mac のように) 完全に自由というわけではない。

外部ディスプレイもサポートされる。外部ディスプレイと iPad を合わせて、同時に最大 8 つのアプリを扱うことができる。

watchOS 9

文字盤

4 つの新しい文字盤が追加される。

アストロノミー文字盤。大きなディスプレイを活かすように刷新された。世界中の現在の雲量を表示する。

ルナー文字盤。大陰暦 (中国歴、イスラム歴、ユダヤ歴) に対応する。

プレイタイム文字盤。アーティスト Joi Fulton 氏のデザインによる。デジタル数字がアニメーションする; タップすると数字が跳ね回る、手首を下ろすと数字が眠る。

メトロポリタン文字盤。Digital Crown を回すと、文字盤の数字がダイナミックに伸びる。

ポッドキャスト・アプリ

「検索」と「今すぐ聴く」が追加された。今までは iPhone のポッドキャスト・アプリで登録したポッドキャストしか聞くことができなかったけど、これからは Apple Watch 単体でポッドキャストを見つけることが可能になる。

ワークアウト

ランニング・ワークアウトに 3 つの指標 (上下動・歩幅の長さ・接地時間) が追加される。新しく増えた指標にアクセスできるよう、UI も変更。Digital Crown を回すと測定値の新しい表示を見ることができるようになる。

カスタム・ワークアウトの作成が可能になる。ここで言うカスタム・ワークアウトは距離と時間のインターバルを設定したワークアウトの作成のこと。閾値を設定して、閾値を下回ったり上回ったりしたらアラートを投げる、といったカスタマイズも可能とのこと。

マルチスポーツワークアウト機能が追加される。複数のワークアウトを自動的に切り替えるワークアウト。センサーを使って、次のワークアウトに移るタイミングを感知する。

フィットネス・アプリ

今までフィットネス・アプリは Apple Watch を持っている iPhone にしかインストールされなかった。iOS 16 からは、Apple Watch を持っていなくてもフィットネス・アプリが使えるようになる。

睡眠アプリ

睡眠ステージを分析・記録できるようになる。睡眠ステージは覚醒・レム・コア・深いの 4 つ。

Apple Heart and Movement Study の参加者は [[リサーチ・アプリ (Apple)]] で睡眠ステージのデータを提供できる。

心電図アプリ

心房細動履歴 (AFib History) により、心房細動が起きていた時間を記録する。ヘルスケア・アプリでこれらの記録を確認できる他、PDF で出力も可能。医師に情報共有するのが楽になる。

この機能は間もなく FDA の承認を取得予定とのこと。

服薬アプリ

服薬の記録を取るアプリが新しく追加される。服薬時間に通知を受け取れる他、服薬のスケジュールをコンプリケーションから確認できる。

服用する薬に相互作用がある場合、薬を登録する時に通知を取ばしてくれる。これは薬同士の相互作用の他に、アルコールとの相互作用についても調べてくれる。情報ソースは大手医療出版社のエルゼビア社。

M2チップ

M1チップの後継チップ、M2チップが登場する。

M2チップのスペックは次の通り:

  • メモリー・コントローラー: 100GB/s の帯域幅
  • ユニファイド・メモリー: 最大 24 GB
  • CPU: 8 コア CPU (4 高性能コア + 4 高効率コア)
  • GPU: 10 コア GPU (M1チップより 2 コア多い)
  • 次世代のニューラルエンジンとメディアエンジン

新 MacBook

M2チップを搭載する MacBook Air と MacBook Pro が発表された。

MacBook Air

デザインが刷新された。色は 4 色展開 (シルバー、スペースグレイ、スターライト、ミッドナイト)

  • 厚さ: 11.3mm
  • 重さ: 1.24kg
  • MagSafe: あり!
  • Thunderbolt ポート: 2 つ
  • ディスプレイ: Liquid Retina 13.6 インチ・ディスプレイ
  • カメラ: 1080p FaceTime HD カメラ
  • オーディオ・ジャック: ハイインピーダンスのヘッドフォンに対応
  • マイク: 3 マイクアレイ
  • スピーカー: 4 スピーカーサウンドシステム (空間オーディオに対応)
  • キーボード: Magic Keyboard + TouchID
  • タッチパッド: 感圧タッチパッド
MacBook Pro 13 インチ

デザインはそのまま。M2チップ (8コアCPU+10コアGPU) 搭載により、メモリーの最大搭載量は 24 GB。ストレージは最大 2 TB。

macOS Ventura

ステージマネージャー

iPadOS 16 の説明を参照。

メール・アプリ

メール送信の取り消し、送信時間のスケジュールが可能になる。

フォローアップ提供機能が加わる。返信を受け取っていない場合、追跡するよう自動的にリマインドする。

Safari

共有タブグループ機能が追加される。グループタブを他のメンバーと共有できる。編集権は全員に与えられる。

パスキー

パスワードを置き換える新しい仕組み「パスキー」が発表された。

パスキーは TouchID/FaceID を使って作成される。そしてパスキーを作成すると、そのサイトでしか使えない固有の電子鍵が作られる。

Hand Off

FaceTime で Hand Off が利用可能になる。iPhone で受けた FaceTime を Mac や iPad に引き継げるようになる。

連携カメラ

iPhone のカメラをウェブカメラとして利用できるようになる。

Mac が自動的に iPhone を検知。iPhone のカメラを使うことでセンターフレームやスタジオ照明機能がどの Mac でも実現可能になる。

連携カメラを使うとデスクビューという機能が使えるようになる。iPhone の超広角カメラを使って、正面と同時に手元の机を撮影する機能。

連携カメラは FaceTime だけでなく、Zoom や Microsoft Teams でも利用可能になるとのこと。

専用スタンドを Belkin と開発中で、2022 年末リリース予定。

あとがき

iOS 16, iPadOS 16 では大きな変更は見えないように思う。とても安定的なアップデートになりそう。

2022-03-09

Apple イベントで新 iPhone SE, 新 iPad Air, M1 Ultra, Mac Studio と Studio Display が発表された。

2022-03-09 (水) 03:00、Apple はイベントを開いて iPhone、iPad、Mac に関わる新製品を発表した。

iPhone の発表は 2 つ。まず iPhone 13 モデルに新色が追加された。そして第 3 世代となる iPhone SE が発表された。iPad の発表では第 5 世代となる iPad Air が発表された。Mac 関連では M1 チップ・シリーズのフラッグシップ・モデルとして M1 Ultra が発表され、それを搭載する新しいスタンドアローン型の Mac である Mac Studio が発表された。同時に Mac Studio で使えるディスプレイ Studio Display が発表された。

以下、簡単に概略をまとめてみる:

iPhone 13 の新色

iPhone 13 系に新色が追加された。

  • iPhone 13: グリーン
  • iPhone 13 Pro: アルパイン・グリーン

これで iPhone 13 は 6 色展開 (ピンク、ブルー、ミッドナイト、スターライト、(PRODUCT) RED、(新)グリーン)、iPhone 13 Pro は 5 色展開 (シルバー、ゴールド、グラファイト、シエラブルー、(新)アルパイングリーン) となる。新色はいずれも 2022-03-11 (金) から予約開始、2022-03-18 (金) 発売。

iPhone SE (第 3 世代)

新しい iPhone SE が発表された。色展開は 3 色 (ミッドナイト、スターライト、(PRODUCT) RED)。ストレージは 3 タイプ (64 GB, 128 GB, 256 GB)。価格は 57,800 円 (税込) から。2022-03-11 (金) 午後 10 時から予約開始、2022-03-18 (金) 発売。

iPhone SE (第 2 世代) からの変更点は次の通り:

  • チップ: A13 Bionic → A15 Bionic
  • モバイル: 4G LTE → 5G

A13 Bionic は 6 コア CPU・4 コア GPU・8 コア Neural Engine。対して A15 Bionic は 6 コア CPU・4 コア GPU・16 コア Neural Engine。

ディスプレイ・サイズは変わらず 4.7 インチ。細かい所では重量が第 2 世代より 4g 軽くなって 144g になった。

A15 Bionic にアップデートされたからか、写真撮影でスマート HDR 4 に対応するようになり、動画撮影では 1080p スローモーションビデオ (120fps) に対応するようになった。ビデオ再生時間も 8 時間から 10 時間に伸びている。

iPad Air (第 5 世代)

新しい iPad Air が発表された。色展開は 5 色 (スペースグレイ、ピンク、パープル、ブルー、スターライト)。ストレージは 2 タイプ (64 GB, 256 GB)。価格は 74,800 円 (税込) から。2022-03-11 (金) 午後 10 時から予約開始、2022-03-18 (金) 発売。

iPad Air (第 4 世代) からの変更点は次の通り:

  • チップ: A14 Bionic → M1
  • モバイル: 4G LTE → 5G
  • フロントカメラ: 7MP FaceTime HD カメラ → 12MP 超広角カメラ

A14 Bionic は 6 コア CPU・4 コア GPU・16 コア Neural Engine。M1 は (A14 Bionic と比較するのはおかしいかもしれないけれど) 8 コア CPU・8 コア GPU・16 コア Neural Engine・8 GB のユニファイド・メモリー。

ディスプレイはサイズ変わらず 10.7 インチの Liquid Retina ディスプレイ。フロントカメラがセンターフレームに対応するようになる。

TouchID がトップボタン内蔵、コネクターがUSB-C ポート、Apple Pencil 2 と Magic Keyboard が利用可能、というのは第 4 世代から変わらず。

M1 Ultra

M1 チップシリーズの新チップ M1 Ultra が発表された。後述の Mac Studio で採用される。

M1 Ultra は M1 Max のダイを 2 つ繋げたもの。Apple はこれを Utrla Fusion と呼んでいる。

M1 Max は最大で 10 コア CPU・32 コア GPU・16 コア Neural Engine・64 GB のユニファイド・メモリーといった構成だった。M1 Ultra はこの M1 Max が 2 つ繋がっているので 20 コア CPU・64 コア GPU・32 コア Neural Engine で 128 GB のユニファイド・メモリーとなる。

Mac Studio

高効能な Mac mini、もしくはコンパクト・サイズな Mac Pro という位置付けの Mac Studio が発表された。iMac のようにディスプレイ一体型ではない。チップは M1 Max と M1 Ultra が選択できる。M1 Max モデルは 10 コア CPU・24 コア GPU・16 コア Neural Engine・32 GB ユニファイド・メモリー構成で価格は 249,800 円 (税込) から。M1 Ultra モデルは 20 コア CPU・48 コア GPU・32 コア Neural Engine・64 GB ユニファイド・メモリー構成で価格は 499,800 円 (税込) から。どちらのモデルも GPU を 36 コア/64 コアに、ユニファイド・メモリーを 64GB/128GB にオプションでアップグレード可能。予約開始は今日からで、2022-03-18 (金) 発売。

最小構成の主な特徴は次の通り:

  • サイズ: 19.7 cm x 19.7 cm x 9.5 cm
  • 重さ: 2.7 kg / 3.6 kg
  • チップ: M1 Max / M1 Ultra (アップグレード可)
  • メモリー: 32 GB / 64 GB (アップグレード可)
  • ストレージ: 512 GB / 1 TB (アップグレード可)
  • 背面
    • Thunderbolt 4 ポート x4
    • 10 Gb イーサネット
    • USB-A x2
    • HDMI x1
    • 3.5 インチ・ヘッドフォン・ジャック
  • 前面
    • USB-C ポート x2 / Thunderbolt 4 ポート x2
    • SDXC カードスロット
  • ネットワーク: WiFi 6
  • Bluetooth: 5.0

チップに M1 Max を選ぶか M1 Ultra を選ぶかによって、前面のポートの種類が変わるので注意。M1 Max を選ぶ場合は USB-C ポートが 2 つになって、M1 Ultra を選ぶ場合は Thunderbolt 4 ポートが 2 つになる。

Studio Display

Mac Studio と一緒に Studio Display が発表された。Mac Studio 以外の Mac でも利用可能 (対応している Mac の詳細は Apple のサイトを参照してください)。27 インチの 5K ディスプレイで、A13 チップ搭載によりセンターフレームや空間オーディオ、Siri などの処理をディスプレイ自身が行なう。価格は 199,800 円 (税込) から。予約開始は今日からで、2022-03-18 (金) 発売。

主な仕様は次の通り:

  • ディスプレイ: 5K Retina (5,120 x 2,880; 218ppi); P3, TrueTone 対応
  • サイズ: 27 インチ、62.3 cm x 47.8 cm x 16.8 cm
  • 重さ: 6.3 kg
  • カメラ: 12MP 超広角カメラ (センターフレーム対応)
  • スピーカー: 6 つ (2 ツイーター、4 ベース)、空間オーディオ対応
  • マイク: アレイマイク (Hey, Siri に対応)
  • 背面
    • Thunderbolt 3 (USB-C) ポート x1
    • USB-C ポート x3

HDMI ポートは持たない。

オプションが豊富で、ディスプレイには Nano-texture ガラスを選択可能。標準のスタンドは 30 度の傾き調整に対応しているけれど、傾きと高さを調整できるスタンドと VESA マウントできるアダプターをオプションで選択することができる。

あとがき

iPad Air に M1 チップがのるとは思っていなかったし、M1 Ultra なる新チップが発表されるとは思っもみなかったので、良い意味で驚きのあるイベントだった。今回のイベントは Peak Performance と銘打っていたけれど、なるほど M1 Ultra はその名に恥じない性能に見えた。

これで M1 チップに刷新されていない Mac は Mac Pro だけになった。Apple はどんなアップデートをかけてくるのか、楽しみ。

2021-10-19

Apple イベントで新 Air Pods, MacBook Pro が発表された

2021-10-19 (火) 02:00、Apple はイベントを開いて新型 Air Pods と新 MacBook Pro の発表を行なった。

今回のイベントでは 2 つのテーマについて、次の新製品・アップデートの発表があった:

  • Apple Music
    • 新プラン Voice Plan
    • 新色 HomePod mini
    • 新製品・新 AirPods
  • Macbook Pro
    • 新チップ M1 Pro / M1 Max
    • 新製品・MacBook Pro 14 インチ
    • 新製品・新 MacBook Pro 16 インチ

Apple Music

Voice Plan

Apple は Siri 専用の Apple Music プランを発表した。価格は 480 円/月。対象国は日本を含めた 17 か国 (オーストラリア、オーストリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、香港、インド、アイルランド、イタリア、メキシコ、ニュージーランド、スペイン、台湾、イギリス、アメリカ)。サービス開始は今年秋後半。

Voice プランは Apple Music が提供している全ての楽曲・プレイリストに Siri からアクセス・操作ができる。サポートデバイスは Siri が使える Apple 端末。HomePod は当然のこと、AirPods や iPhone, iPad そして CarPlay からも Apple Music にアクセスできる。ただし、Apple 端末でないもの (例えば Sonas とかは NG っぽい)。それから Voice プランでは、個人プランが提供しているロスレス・オーディオや空間オーディオ、歌詞の表示機能、ミュージックビデオへのアクセスは出来ない。

Voice プランが加わることで、Apple Music は 3 つのプランが提供されることになる:

  • Voice プラン (480 円/月、Siri からのみアクセス; 空間オーディオ、ロスレス・オーディオ、歌詞、ミュージックビデオ非対応)
  • 個人プラン (980 円/月)
  • ファミリープラン (1,480 円/月、最大 6 つのファミリー・アカウントを追加可)
HomePod mini の新色モデル

HomePod mini にイエロー、オレンジ、ブルーの新色モデルが追加された。これで HomePod mini は従来のホワイトとスペースグレイと合わせて 5 色展開となる。新色モデルの発売は 11 月から。

AirPods 第 3 世代

AirPods 第 3 世代が発表された。予約は今日から、発売は 2021-10-26 (火)。価格は 23,800 円 (税込)。

AirPods 第 3 世代は AirPods Pro のみが提供していた多くの機能をサポートする。

  • 空間オーディオ (ダイナミック・ヘッドトラッキング含む) 対応
  • アダプティブ EQ 対応 (耳の形や装着状態に応じて最適なイコライザーをかける機能)
  • 探すアプリ対応

AirPods Pro との差別化はノイズ・キャンセリングだけになりそう。

また、第 3 世代 AirPods は第 2 世代と比べて感圧センサーによるコントロールに変更され、IP4X 相当の防沫に対応、バッテリーも 1 時間伸びて 6 時間再生可能になる。ドライバーも新しくなった。

MacBook Pro

新チップ M1 Pro / M1 Max

Apple が新しい SoC チップ M1 Pro と M1 Max を発表した。従来の M1 との違いは次の通り:

M1M1 ProM1 Max
CPU8 コア (高性能コア x4, 高効率コア x4)10 コア (高性能コア x8, 高効率コア x2)
GPU8 コア16 コア32 コア
最大メモリー16 GB32 GB64 GB
NeuralEngine16 コア

また M1 Pro/Max は H.264, HEVC, 動画(ProRes 含む)のエンコード/デコードに対応した MediaEngine を備える。M1 Max の MediaEngine は M1 Pro のそれに比べてビデオエンコーディングが 2 倍高速で、ProRes アクセラレーターが 2 つに増えている。

14 インチ MacBook Pro

13 インチ MacBook Pro の後継として 14 インチ MacBook Pro が発表された (13 インチ MacBook Pro は M1 チップで引き続き発売)。予約は今日からで、発売は 2021-10-26 (火)。価格は 239,800 円 (税込) から。

14 インチ MacBook Pro は MacBook Pro のメジャー・アップデートとなる。主な変更は次の通り:

  • 厚さ 15.5mm
  • 重さ 1.6kg
  • チップは M1 Pro もしくは M1 Max から選択可
  • Pro Motion 対応の Liquid Retina XDR ディスプレイ (120 Hz サポート)
  • iPhone のようにノッチを採用
  • 1080p FaceTime HD カメラ
  • MagSafe が復活 (MagSafe 3)
  • HDMI ポートが復活
  • SD カードポートが復活
  • 3 つの Thunderbolt 4 ポート
  • TouchBar を廃止して物理キーボードが復活 (TouchID は継続)
  • ノイズフロアを 60% 低下させたマイク
  • 空間オーディオに対応した 2 ツイーター、4 フォースキャンセリングウーファー
  • バッテリーはビデオ再生で 17 時間 (旧モデルより 7 時間延長)
  • 急速充電 (30 分で 50%) に対応

M1 Pro なら 2 台の Pro Display XDR に、M1 Max なら 3 台の Pro Display XDR + 1 つの 4K ディスプレイに接続可能。

16 インチ MacBook Pro

16 インチモデルも 14 インチモデルと同様予約は今日からで、発売は 2021-10-26 (火)。価格は 299,800 円 (税込) から。

基本構成は 14 インチモデルと同様。違いは次の通り:

  • 厚さ 16.8mm
  • 重さ 2.1kg
  • バッテリーはビデオ再生で 21 時間 (旧モデルより 10 時間延長)

あとがき

Apple Music 関連で今日発表されるかな? と思っていたけど発表されなかったものもある。HomePod の「声の識別」の日本語対応。今年秋に複数の国で対応を行なうと言っていたけど発表はなかった。日本語で声の識別ができるようになると、Siri を頼んだ人のプレイリストが再生できるようになるはず。あと、少し前に Apple はクラシック音楽専用の音楽ストリーミング・サービスを売収した。このサービスを Apple Music に取り入れるという話だけど、その話も今回は出なかった。近いうちに発表があると嬉しいな。

Mac の方で言うと、M1 Pro 相当のチップが出るのは予想していたけど、M1 Max 相当のチップまで発表されて 64 GB メモリーに対応するとは思わなかった。びっくりした。お値段も良い感じになっている。

2021-09-15

Apple イベントで新 iPad, iPad mini, Apple watch, iPhone が発表された

2021-09-15 (水) 02:20、Apple はイベントを開いて新型 iPad と iPad mini、そして新 Apple watch と iPhone の発表を行なった。

今回のイベントも聴衆なしのビデオ配信形式で行なわれた。

今回発表された新製品・アップデートは次の通り:

  • iPad
  • iPad mini
  • Apple watch series 7
  • Fitness+
  • iPhone 13 / iPhone 13 mini
  • iPhone 13 Pro / iPhone Pro 13 Max

各プロダクト、サービスについて簡単にまとめる。

iPad

第 9 世代の iPad が発表された。色はスペースグレイとシルバーの 2 色展開。ストレージは 64 GB と 256 GB。予約は今日からで、発売開始は 2021-09-24 (金)。価格は 39,800 円 (税込) から。

新しい iPad は A13 Bionic チップを搭載。フロントカメラは 12 MP の超広角レンズにアップデートされ、(今年前半に発表された iPad Pro と同様に) センターフレーム (Center Stage) 機能に対応する。センターフレーム機能は FaceTime ビデオなどで人物が画面の中心に来るよう調整してくれる。今回の発表では、センターフレーム機能が FaceTime ビデオだけでなく Zoom や BlueJeans, Webex などのビデオ通話アプリでも利用可能であること、ビデオの撮影や配信 (TikTok など) でも使えることが紹介された。

ディスプレイは 10.2 インチ。新しく True Tone に対応。部屋の明るさに応じてディスプレイの色温度を調整する。

アクセサリーに目を向けると、Apple Pencil のサポートは第 1 世代で変わらず。コネクターもライトニング端子のまま。ホームボタンは継続され TouchID が採用されている。

iPad mini

第 6 世代 iPad mini が発表された。色はスペースグレイ、ピンク、パープル、スターライトの 4 色展開。ストレージは 64 GB と 256 GB。予約は今日からで、発売開始は 2021-09-24 (金)。価格は 59,800 円 (税込) から。

新しい iPad mini は 2 年振りのアップデート。メジャーアップデートと言って差しつかえない。

画面のボーダーは狭くなり、ホームボタンが廃止された。iPad Air と同じように、トップボタンhから TouchID を使うことができる。

ディスプレイは Retina ディスプレイから Liquid Retina ディスプレイにアップデート。True Tone に対応する。画面サイズは 7.9 インチから 8.3 インチへと拡大。

チップは A15 Bionic。パフォーマンスは CPU で 40%、GPU で 80% の高速化を果たしたと Apple は言っている。

カメラもアップデートされている。バックカメラは 8MP から 12MP に向上し 4K 動画の撮影も可能になる。フロントカメラは 7MP から 12MP の超広角カメラになり、センターフレームに対応する。加えてスピーカーは横向きでステレオ・スピーカーに対応する。

アクセサリーへの対応も進化した。iPad Air/Pro 等と同じようにライトニング・コネクターから USB-C ポートへ変更されている。携帯ネットワークは 5G をサポート。Apple Pencil は第 2 世代が使えるようになる。

あと Smart Folio カバーも新しい iPad mini 向けに刷新される。

Apple Watch

Apple Watch Series 7 が発表された。色はアルミニウム・モデルがグリーン、ブルー、プロダクト・レッド、スターライト、ミッドナイトの 5 色展開; ステンレススチール・モデルはシルバー、グラファイト、ゴールドの 3 色展開; チタニウム・モデルはナチュラルとスペースブラックの 2 色展開。予約開始日は告知されず、今年秋後半発売とだけ発表された。

Apple Watch Series 7 は (Series 4 から数えて 3 年振りに) ディスプレイ・サイズが大きくなる。画面サイズは 20% 大きくなり、ベゼルは 1.7mm にまで細くなった (40% 細くなった)。ウォッチそのものの大きさに大きな変更はなく、今までのバンドがそのまま使える。

Series 7 では大きくなった画面に合わせて、アプリの UI も刷新されるという。各種アプリでボタンが大きくなりタップしやすくなる上、テキスト入力にフルサイズ・キーボードが提供される。

Series 7 用の文字盤も追加される。「輪郭」文字盤は画面の縁一杯に目盛り盤が広がり、手首を上げるとアニメーションが起きる。「モジュラー」文字盤はアップデートされて、大き目のコンプリケーションを 2 つ配置できるようになる。

防塵性能は IP6X 認定を取得。防水性能は WR50。今まで Apple は防水性能を IPX8 のような形で説明していたけど、Series 7 からは WR50 という形で公表するみたい。WR50 は 50m 防水のことかな? いわゆる 5 気圧防水ということで、Apple Watch をつけたまま水泳が出来ますよ、というレベル。

バッテリー性能は今まで通り変わらないとしているが、充電機能に向上が見られる。バッテリー 0% から 80% までの充電時間は 45 分。Series 6 より最大 33% 速く充電できるという。8 時間の睡眠記録には 8 分の充電で十分という嬉しい情報も提供された。

また watchOS 8 の新規能として、ワークアウトの自転車向けアップデートが発表された。これは自転車に乗って移動を開始すると、ワークアウトの開始を促すというもの。現在、屋外のウォーキングやランニングで同様の機能があるけれど、それの自転車対応版といったところか。自転車を停めるとワークアウトも自動的に一時停止になる。それからサイクリングでの転倒検出機能も追加されるという。転倒検出機能は今までもあったけど、サイクリング中の転倒は検出されなかったみたい。歩いてて転ぶのと、自転車で高速移動している時に転倒するのとでは、動きが違うのかな?

Apple Fitness+

Apple Fitness+ の提供国が拡充される; けど日本はまだ対象外。現在提供されているのはオーストラリア、カナダ、アイルランド、ニュージーランド、イギリス、アメリカの 6 か国。秋には更に 15 か国への提供が行なわれる (オーストリア、ブラジル、コロンビア、フランス、ドイツ、インドネシア、イタリア、メキシコ、ポルトガル、ロシア、サウジアラビア、スペイン、スイス、アラブ首長国連邦)。今までは英語圏だけだったけど、ついに英語圏を飛び出す。吹き替えではなく字幕で対応するとのこと (6 言語の字幕が用意される)。

Fitness+ は SharePlay (iOS 15 では未対応; iOS 15.1 以降で対応される予定) を使ったグループワークアウトにも対応する。一緒にワークアウトをやっている人の顔が見えたり、アクティビティリング達成の通知が行なわれるとのこと。

iPhone 13 / iPhone 13 mini

iPhone 13 と iPhone 13 mini が発表された。色はピンク、ブルー、ミッドナイト、スターライト、プロダクト・レッドの 5 色展開。ストレージは 128 GB、256 GB、512 GB。予約開始は 2021-09-17 (金) 午後 9 時から、販売開始は 2021-09-24 (金)。価格は 86,800 円 (税込) から。

iPhone 13 ではノッチが 20% 小さくなる。

チップは A15 Bionic。A14 Bionic と同様に 2 つの高性能コアと 4 つの高性能コアからなる 6 コア CPU で、GPU は 4 コア。

バックカメラでは iPhone 12 Pro Max で導入されたセンサーシフト式の光学式手ぶれ補正を Iphone 13 (と mini) で採用する。動画撮影ではシネマティック・モードという新しいモードが提供される。これは写真撮影におけるポートレート・モードの動画版みたいなもので、主に人物などにピントが合わさり背景が映画のようにボケてくれるというもの。どこにピントを合わせるかは iPhone が全て自動で行なってくれるけど、マニュアルでピントを合わせる場所を指定することも可能。

iPhone 13 ではバッテリー容量が増加する。iPhone 13 mini で (旧同型機種より) 1.5 時間、iPhone 13 で 2.5 時間動作時間が伸びる。バッテリーの伸びはバッテリー容量の伸びだけでなく、ソフトウェア的な改善でも実現されている。Apple はその一例としてスマートデータ・モードを上げた。この機能は 5G の速度が不要な時は LTE に切り替えるという。

iPhone 13 Pro / iPhone Pro 13 Max

iPhone 13 に引き続き iPhone 13 Pro / iPhone 13 Pro Max も発表された。色はシエラブルー、シルバー、ゴールド、グラファイトの 4 色展開。ストレージは 128 GB、256 GB、512 GB、1 TB。予約開始は 2021-09-17 (金) 午後 9 時から、販売開始は 2021-09-24 (金)。価格は 122,800 円 (税込) から。

基本的に iPhone 13 と同様の進化をしていて (ノッチも 20% 小さくなる!)、更に Pro らしい機能強化が図られている。

iPhone 13 Pro に搭載される A15 Bionic チップは 4 コア GPU ではなく 5 コア GPU を搭載する。

iPhone 13 Pro 最大の変化は ProMotion に対応すること。iPad Pro と同様に最大 120 Hz のリフレッシュレートで、動きに変化がない場合は自動的にリフレッシュレートを低くする (最小 10 Hz)。

iPhone 13 Pro のカメラも進化する。バックカメラのうち望遠カメラは光学 2.5 倍から 3.0 倍へ変わり、ナイトモードにも対応する。超広角レンズはマクロ写真撮影をサポートする。今まで以上に近距離 (最短 2 cm!) での撮影が可能になるとのこと。

iPhone 13 Pro でもバッテリー時間の改善が成されている。iPhone 13 Pro で 1.5 時間、iPhone 13 Pro Max で 2.5 時間、動作時間が伸びる。

あとがき

ついに iPhone Pro に ProMotion がやって来る。iPad Pro でヌルヌルな動作感を味わっているので、少し楽しみ。カメラも色々と進化しているけど、ぼくはカメラのことが詳しくないので、よくわからない。マクロ撮影が出来ると、写真撮影がもっと楽しくなるのかな? Apple Watch は画面サイズの変更と充電効率の改善がメインの変更で、新しいセンサーがつくとかはなかった。Series 4 で数 mm 画面サイズが大きくなっただけで、視認性は見違えるほど変わったので、今回の変更も楽しみ。

2021-06-08

WWDC 2021 で iOS/iPadOS/watchOS/macOS の最新 OS が発表された

2021-06-08 (火) 02:00、Apple は WWDC のキーノート・イベントを開催して、iOS/iPadOS/watchOS/macOS の最新 OS を発生した。例年通り、各 OS のベータ版は今日からダウンロード可能になっている。ベータ版は 7 月リリースの予定。

去年に引き続き、WWDC はビデオ配信形式で開催される。

今回発表された各 OS の新機能を簡単にまとめてみる。

iOS 15

FaceTime

FaceTime が大幅に機能強化される。新機能は次の通り:

  • 空間オーディオのサポート (ビデオの表示されている位置に合わせて音声が聞こえるようになる)
  • Voice Isolation (マイク側のノイズ・キャンセリング? 声だけにフォーカスを当ててくれる)
  • グリッドビューのサポート
  • ポートレート・モード (背景ぼかし)
  • FaceTime リンク (FaceTime の通話リンクを提供し、リンクをタップすることで通話に参加できる)
  • SharePlay (FaceTime 中に音楽・動画・画面を共有することができる)

FaceTime リンクについて補足。FaceTime リンクはメールやメッセージ、その他チャットアプリなどで共有することを想定している。カレンダー・アプリとも連携可能。Android や Windows のユーザーは、リンクをタップするとウェブ・ブラウザーから FaceTime 通話に参可できる。

SharePlay は FaceTime 中に iOS 内の体験を「Share (共有)」できる機能。FaceTime 通話中に Apple Music で音楽を再生すると、その音楽が通話先の相手全員の端末で再生される。音楽は全員の端末で同期されていて、誰でも再生・一時停止・スキップ・キューへの追加が可能。動画も同様に通話先の全端末で再生が行なわれる。動画の場合、Apple TV にコンテンツを転送することもできる。音楽・動画の SharePlay は API が用意されており、サードパーティー製のアプリも使えるとのこと。キーノートでは Disney+, Hulu, Paramount+ など既に対応を開始していると招介があった。

Messages

メッセージのタイムラインでは、複数の写真を (アルバムっぽく?) まとめて表示できるようになる。

新機能「Share with you」は、メッセージで送られてきた情報で後からキャッチアップする機能。例えば Apple Music の楽曲リンクをメッセージで送られてきたケース。すぐに音楽を聞けないことも多い。で、音楽を聞ける余裕が出来て、Apple Music を開くと「Share with you」欄が用意されていて、そこにメッセージで送られた楽曲が表示される。アプリからメッセージに戻るリンクも用意される。キーノートでは News, Apple Music, 写真アプリで「Share with you」機能の利用例が招介された。また、Safari, Apple TV, Podcast でも「Share with you」機能が提供されると説明があった。また、これらのコンテンツに対して「ピン」をセットすると、「Share with you」や検索の中で見つけやすくなるという。

通知

通知サマリーは、緊急性の低い通知を要約して (ユーザーが設定した) 好みの時間にお知らせしてくれる機能。サマリーの中の通知は、通知順ではなく重要度順に並べられる。これらの重要度は機械学習によって決定される。なお、メッセージなど「人からの通知」は通知サマリーには入らないので、見逃すことはないという。

集中モード (Focus mode)

「Do not disturb (直訳: 邪魔しないで; 日本語サービス名は「おやすみ」モード) が進化する。集中モードという名前で、「Do not disturb」の他に「パーソナル」や「仕事」といった目的に応じたカスタム「Do not disturb」モードを作成できるようになる。これらの集中モードでは、通知を許可するアプリや人を設定することができる。「仕事」モードでは同僚のメッセージのみ受け取り、「パーソナル」モードでは仕事系アプリの通知を受け取らない、という使い方ができる。

集中モードでは、この他に専用のホーム画面を用意したり、許可アプリ以外のアプリから誰かがコミュニケーションを取ろうとすると「集中モード」であると相手に通知する機能も提供される。

集中モードは時間や場所を設定してオンにすることが可能。集中モードの ON/OFF は全てのデバイスで共通になっている。

Live Text

Live Text は、写真内のテキストを認識・コピペできるようになる機能。カメラからでも利用可能。Google Lens の Apple 版かな?

Live Text がサポートする言語は次の 7 つ。日本語は含まれていない。

  • 英語
  • 中国語 (繁体字・簡体字)
  • フランス語
  • イタリア語
  • ドイツ語
  • スペイン語
  • ポルトガル語

またテキスト以外の物にも対応していて、認識さえすれば情報を調べることが可能。キーノートでは犬や花、アートなどを調べることができると言っていた。

写真アプリのメモリー

写真アプリのメモリー機能が強化される。Apple Music と連携して、そのメモリーに合った曲が自動的に選ばれる。曲に関しては写真アプリが複数の候補を用意していて、その曲に合うように写真の雰囲気を変えてくれる (白黒とか)。自分で曲を選択することもできる。

ウォレット

Walt Disney World のパークチケットに対応した。

ウォレットを使って、家や車のキーを解錠できるようになる。これらの機能は UWB (ウルトラワイドバンド通信) を使って実現され、UWB 対応の車は BMW などから 2021 年後半に販売開始とのこと。

ウォレットに社員証を追加することでオフィスの鍵を開けられるようになる。ハイアット・ホテルはホテルの鍵としてウォレットを利用可能にする。米国では身分証明書もウォレットの中に入れられるようになる。

天気

デザインを一新。千を越える「天気」の背景を表示する。また天気状況に応じて表示するコンテンツの配置を自動で変更する。

更に天気図機能も導入。フルスクリーンで高解像度の天気図を表示する。

マップ

Apple は 2 年前から地図の刷新を進めている。今までアメリカ・イギリス・アイルランド・カナダに新地図を提供していたが、今日からスペインとポルトガルに、年末にはイタリアとオーストラリアに提供を開始する。

Apple のマップは空港のような場所で細部にいたる地図を提供していたが、それを商業地域や港へと拡大するらしい。

3D 表示は標高データを含めて 3 次元の表現を行ない、ランドマークには 3D モデリングしたオブジェクトを用意する。

経路検索も強力になる。車のルート検索ではナビで右折・左折車線や中央分離帯、バス専用レーンなどの情報も提供する。高速道路のインターチェンジは、3 次元マップになって平面的で分かりにくい表示から解放される。

電車を使った経路検索では、最寄りの駅を探す機能が追加される。近くに複数の路線がある場合、お気に入りの路線にピンを付けられる。電車に乗って移動を開始すれば、降車駅近くで通知を出してくれる。駅から出た後は、周りの様子をカメラを通して見せることで、どちらの方向に進めば良いか AR で矢印を表示してくれる (Google のライブビューのようなもの?)。

ただし、これらの機能が提供されるのは次の 7 都市; ロンドン、ロサンジェルス、ニューヨーク、フィラデルフィア、サン・ディエゴ、サンフランシスコ ベイエリア、ワシントン DC.。それ以外の都市は来年以降のお楽しみ。

iPadOS 15

Widgets, App Library

iOS 14 から遅れること一年。iPadOS でもウィジェットをホーム画面に置けるようになる。iPadOS では iOS よりも更に大きなウィジェット・サイズが提供される。

そして iOS 14 と同じく、iPadOS でも App Library が使えるようになる。iPadOS の App Library は一番右のページから更に右スワイプすることでもアクセスできるけど、iPadOS だけの特微として Dock からもアクセスできるようになっている。

あとは、ホーム画面の特定のページを隠す機能も提供される。嬉しいことに、ページの並び変え機能も追加された。

Multitasking

Split View や Slide Over は iPadOS の目玉となるマルチタスク機能だけれども、起動方法に少しクセがあった。ドラッグする位置がシビアだったり、目当てのアプリを上手く見つけられなかったり。iPadOS 15 ではこれが改善される。起動しているアプリの上に小さなマルチタスク用のアイコンが表示され、これをタップするとマルチタスクするためのアプリを選択するために一度ホーム画面に戻る。ホーム画面や App ライブラリーからアプリを選択すると、そのアプリが Split View や Slide Over で起動する。

マルチタスク機能を十分にサポートしているアプリには「新規ウィンドウで開く」という機能がある。Split View で 2 つのアプリを開いている時に、「新規ウィンドウを開く」を選ぶと、2 つのアプリの境界上に 3 つ目のアプリ・ウィンドウが (重なる形で) 表示される。iPadOS 14 でも Split View の上に Slide Over を重ねることは出来たけど、iPadOS 15 のやり方は分かりやすい。それに Slide Over よりも大き目なウィンドウが開くのも良い。

iPadOS 14 では、1 つのアプリのウィンドウを複数開いた場合、アプリを開いた後にアプリ・アイコンをタップする必要があった。iPadOS 15 では、そのような場合、アプリを開いただけで今開いている複数のウィンドウを確認することが可能になる。

また、App Switcher にも改良が加わり、App Switcher 内でアプリを別のアプリの上にドラッグ・アンド・ドロップすると Split View で開く機能が追加された。

メモ

メモアプリも色々と強化されている。@ に続けて人名を入れることで、その人へのメンション (通知付きリンク) になる。アクティビティ画面には、メモを編集した人の履歴が表示される。そして、メモアプリの本文内に #タグ を入れられるようになる。タグはどこにでも書くことができて、タグ・ブラウザーからタグを振ったメモを探せる。

もう一つ。大きな機能が加わった。「クイックメモ」。iPad のどこにいても、サッとメモを取るための仕組み。開始方法は簡単。Apple Pencil で右下の画面すみから画面中央に向かってスワイプするだけ。それでクイックメモの入力欄が現れる。Safari や写真アプリの上でクイックメモを開くと、その画面を開くための「リンクアイコン」がクイックメモに現れる。そのアイコンをタップすると、リンクがクイックメモにペーストされる。また、そのリンクを提供したページを開くと、右下にクイックメモのアイコンが表示されて、タップするとそのリンクを含むクイックメモが開く。クイックメモの編集は iPadOS と macOS で行なえる (iOS はクイックには編集できない)。

翻訳

iPadOS に翻訳アプリが登場する。

翻訳アプリも強化されていて、選択したテキストのコンテキスト・メニューに「翻訳」が現れる。これをタップするとポップアップ画面で翻訳結果が表示される。

Swift Playgrounds

Swift Playgrounds アプリ上で、アプリを作成できるようになる。作ったアプリは App Store へ申請も可能。

watchOS 8

呼吸

呼吸アプリに新しいアニメーションが追加される。また、瞑想? 的な時間を意識的に取るための「リフレクト」機能が加わる。

睡眠

睡眠中の取得データに、呼吸数が追加される。睡眠中の安定した呼吸数を適当なタイミングで 1 分間計測するというもの。

ワークアウトとフィットネス

2 つのワークアウトが追加される。1 つは太極拳。もう 1 つはピラティスワークアウト。

Fitness+ には新しいコーチ? とワークアウトが追加される。また Fitness+ は Apple Music と連携しているのだけど、更に Artist Spotlight Series と呼ばれるアーティスとタイアップしたワークアウト・シリーズが提供される。

ポートレート文字盤

iPhone 内のポートレート写真をウォッチフェイス (文字盤) として表示できるもの。写真ウォッチフェイスと違うのは、写真の被写体深度情報を使って、適切に写真とデジタル文字盤を重ねてくれるところ。

文字入力

音声入力・Scribble・絵文字の追加が 1 画面で出来るようになった。

HomeKit

HomeKit 対応のドアベルに映っているビデオカメラの様子を Apple Watch 上からも確認できる。

macOS Monterey

Universal Control

ユニバーサル・コントロールは、1 組のマウスとキーボードを複数の Mac と iPad 間で共有できる仕組み。Mac から (隣に置いた) iPad に向かってカーソルを動かすと、Mac の中のカーソルが iPad の中に入っていく。iPad の中に入ったカーソルは、そのまま iPad 上で使うことができる。その状態で Mac のキーボードを打つと、iPad 上でテキストが入力される。イベントでは、MacBook のカーソルを iPad と iMac の間で行き来させていた。

ユニバーサル・コントロールでは、デバイス間のドラッグ・アンド・ドロップもできる。

AirPlay to Mac

AirPlay を Mac 上にも表示させることができるようになる。

Shortcut

macOS にショートカットアプリが登場する。

Safari

Safari の UI が刷新される。メニューバーにほとんどの機能がまとめられる。サイドバーが新設され、複数のタブを管理する「タブグループ」機能が追加される。

「タブグループ」は macOS だけでなく、iOS/iPadOS の Safari でも使えるようになる。なお、iOS の Safari では今まで上にあったメニューバーがなくなり、下側にタブバーという形で現れる。

最後に Safari 拡張機能が iOS/iPadOS でも使えるようになる。

その他

AirPods

Conversation Boost (会話を強調) は簡易補聴器機能。目の前で話している人の会話にフォーカスを当てて、周りより大き目の音で Air Pods を着けている人に声を届けてくれる。更に周囲の騒音を小さくする機能もある。

Announce Notifications (通知の読み上げ) は、AirPods が自動的に通知を読み上げてくれる機能。今まで、メッセージの自動読み上げ機能はあったけど、通知の読み上げまではしてくれなかった。読み上げられる通知は「急を要する通知」。iOS 15 からは通知を「急を要する」か「サマリーで表示する」のどちらかに分けるようになる。

加えて AirPods が「探す」アプリに対応する。AirPods Pro や AirPods Max を「探す」アプリから探すことができるようになる。確か AirPods Max は UWB チップをのせていないはずなので、できるのは Bluetooth を使った位置のおおまかな特定と、スピーカーからサウンドを鳴らすことだけになりそう。AirPods Pro は U1 チップを使って、もっと正確な場所まで探せそう。それから、AirPods を置き忘れてしまった場合、iPhone に通知が届くようになる。

最後に AirPods シリーズが tvOS と連携するようになる。Apple TV の出力先として AirPods を選択すると、空間オーディオを使って映画を楽しめるようになる。

tvOS 15

For All of You (メンバー全員) 機能は、家族全員に対する「提案」を行なう。

homePodOS 15

HomePod mini の Siri から Apple TV の操作が出来るようになる。また、HomePod mini も Apple TV 4K のスピーカーとして利用が可能になる (現在、無印 HomePod のみ対応)。

HomePod に音声認識機能がやって来る。今年後半を予定。今はアメリカだけだったかな? 日本は対象国じゃなかった。HomePod mini を販売している全ての国でサポートするという。これで Siri に頼んだ人を認識して、その人のカレンダー情報などが返るようになるし、リマインダーの設定も頼んだ人の iPhone に設定が追加される。

iCloud+

プライバシーを強化する仕組みが 2 つ追加された。「Private Relay」と「Hide My Email」。

Private Relay はトラフィック (ネットへのアクセス情報) を全て暗号化し、サーバーへのアクセスを 2 つのインターネットリレーで別々に送る。こうすることで個人情報も自分がどこに訪れているかも、第三者が盗れなくなる。

Hide My Email はユニークでランダムな代替メールアドレスを生成する機能。その代替メアドに送られたメールは、自分のメアドに転送される。

Health

健康に関わる機能が 3 つ紹介された。

Walking Steadiness (歩行安定性) は、iPhone が測定している歩行データからユーザーの歩行安定性が損なわれていると判断した時に通知を送る。転倒リスクの軽減が期待される。

ヘルスケアアプリには健康診断の結果などを記入できるけど、その項目が何なのか分かっている人は少ない。そこで、各項目の分かりやすい(?) 説明が提供される。

Trends (トレンド) は健康状態の長期的な傾向を記録・確認するツール。Activity アプリのトレンドがヘルスケアアプリにも拡張されたのかな? 医師に相談する方が良さそうなヤバめの傾向が見られた時には、通知も届くという。

その他のヘルスケアアプリの新機能が 2 つ。

1 つ目。ヘルスケアのデータは信頼した医者に共有できるようになる。主治医は電子カルテシステムから共有データを確認できる。サポートしているのはアメリカの電子カルテ企業数社。日本は... どうなんだろ。

2 つ目。家族のヘルスケアの状態を共有できるようになる。共有項目は各自で自由に設定できる。

2021-04-21

Apple イベントで新 iMac と iPad Pro、Apple TV、AirTag が発表された

2021-04-21 (水) 02:00、Apple はイベントを開いて新型 iMac・新型 iPad Pro を含む複数の新プロダクトとサービスのアップグレード発表した。

2020 年度の Apple イベントと同じく、今回のイベントも聴衆なしのビデオ配信形式で行なわれた。

今回発表された新製品、サービスのアップグレードについては次の通り:

  • Apple Card
  • Podcast
  • iPhone 12
  • AirTag
  • Apple TV
  • iMac
  • iPad Pro

各プロダクト、サービスについて簡単にまとめてみる。

Apple Card Family

Apple が提供するクレジットカード、Apple Card に新サービスが発表された。サービス名は Apple Card Family。配偶者やパートナーと信用供与枠を共有する。また、13 歳以上の子供に対してもペアレンタル・コントロールを付与して Apple Card の利用を可能にする。いわばクレジットカードのファミリー共有のようなサービス。

Apple Card は日本で提供されていないので、主に本国アメリカ向けのアナウンスとなった。

Podcast

Apple Podcast が刷新される。イベントでは、UI のアップグレード、新しいエピソード etc. を見付けやすくするチャンネル機能、サブスクリプションの導入、広告なしの視聴や早期アクセスの提供などが紹介された。Apple Podcast サブスクリプションは 2021 年 5 月に 170 の地域と国で開始される。

iPhone 12

新色パープルが発表された。予約開始は 2021-04-23 (金) 21 時。発売は 2021-04-30 (金)。

AirTag

Apple の探し物タグ・デバイス AirTag が発表された。サイズ展開は 1 種類、色は白色のみ。直径 31.9 mm、厚さ 8.0 mm のボタン型。重量わずか 11 g。購入時にユーザーが絵文字やイニシャルを刻印できる。価格は 1 個 3,800 円 (税込)、4 個パックで 12,800 円 (税込)。予約開始は 2021-04-23 (金) 21 時。発売は 2021-04-30 (金)。

AirTag を財布の中に入れるならそのままでも良いけれど、鍵に付けようとするとくっ付ける術がない。というわけで、キーリングも合わせて発売される。Belkin 製のキーリングが 1,580 円 (税込) から。レザー製のキーリングが 4,500 円 (税込) から。Hermes 製のキーリング? が 35,800 円 (税込) から。

AirTag の主な機能は次の通り:

  • 「探す」アプリから音を鳴らす。Siri に頼んで「○○ を探して」としても OK。
  • 正確な場所を見つける (Precision Finding) 機能: U1 チップを使って AirTag までの距離と方向を iPhone の画面から確認できる。対応する iPhone は U1 チップを搭載する iPhone 11 系及び iPhone 12 系。
  • 不要な追跡の検知機能: 自分のものではない AirTag が手元にある場合アラートを出す (他人が AirTag を自分の持ち物に紛れ込ませて、居場所を追跡するのを知らせてくれる)

AirTag の仕様も落ち穂拾い的にしておく:

  • バッテリー: CR2032 コイン型電池 (交換可・通常利用で約 1 年)
  • 防水防塵: IP67 等級 (最大水深 1 メートルで最大 30 分)
  • ネットワーク: U1 チップ、Bluetooth、NFC
  • センサー: 加速度センサー

また、AirTag の発表に合わせて、「探す」アプリがサードパーティー製品へ解放されることがアナウンスされた。「探す」アプリに対応したサードパーティー製の「探し物タグ」も「探す」アプリから見つけられるようになる。

Apple TV 4K (NEW)

新型 Apple TV 4K が発表された。A12 Bionic を搭載してよりパワフルになった。価格は容量 32 GB モデルが 21,800 円 (税込)、64 GB モデルが 23,800 円 (税込)。予約開始は 2021-04-30 (金) からで、発売は 5 月後半を予定。

新しい Apple TV 4K は、HDR の高フレームレート再生に対応。AirPlay もアップデートされ、iPhone 12 Pro で撮影した 60fps の HDR 動画を Apple TV 4K に飛ばすことができる。

新しい Apple TV 4K ではカラーバランス機能が追加される。iPhone を使って TV の画面をスキャン(?)。その結果を受け取って、Apple TV がその TV に最適のカラーバランスでビデオ出力を行なう。

Siri Remote の刷新

Apple TV 付属の Siri Remote が刷新される。今までの Touch サーフェスが廃止され、タッチ対応クリックパッドによる十字キー的な操作とタッチ操作受け付けが可能になる。また、クリックパッドの外側を円を描くようにドラッグすると早送り・巻き戻しが出来るジョグコントローラーとして働く。

また、テレビ用の電源ボタンと消音ボタンが追加。Siri ボタンは側面に移動した。

その他、新しい仕様を落ち穂拾いすると、HDMI 2.1 (8K 解像度・120 Hz・eARC) をサポートし、ネットワーク系は MIMO 対応 802.11ax Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0 に対応する。

iMac (NEW)

M1 チップを搭載した iMac が発売される。M1 チップの恩恵でロジックボードと排熱機構を見直したことで、大きく形を変えることになった。色はブルー、グリーン、ピンク、シルバー、イエロー、オレンジ、パープルの 7 色展開。価格は 154,800 円 (税込) から。予約開始は 2021-04-30 (金)、発売は 5 月後半を予定。

ディスプレイは 24 インチの 4.5K Retina ディスプレイ。カメラは 1080p の FaceTime HD カメラ。マイクは 3 マイクアレイで、ビームフォーミング機能により背景ノイズを低減させるという。スピーカーは 6 つ。うち 2 組がフォースキャンセリングウーファーで低音の正確性を高めている。イベントでは空間オーディオにも対応すると言っていた (すごいな)。

USB-C ポートを最大 4 つ備え、うち 2 つが Thunderbolt ポートとなっている。電源ポートは磁石で接続。更に電源アダプターに Ethernet ポートを付けた。電源供給と有線 LAN 接続が、電源ケーブル 1 本で行なえるようになる。

Magic Keyboard

iMac 用の Magic Keyboard はワイヤレスでありながら Touch ID をサポートする。

iPad Pro

iPad Pro が M1 チップを採用する。色はシルバーとスペースグレイの 2 色展開。ストレージは 128 GB, 256 GB, 512 GB, 1 TB そして 2 TB。11 インチモデルは 94,800 円 (税込) から、12.9 インチモデルは 129,800 円 (税込) から。予約開始は 2021-04-30 (金)、発売は 5 月後半を予定。

まずは 11 インチ・12.9 インチモデル共通の新仕様を見て行こう。

Cellular モデルではついに 5G に対応。

USB-C ポートは USB 4 にも対応する Thunderbolt に対応した。帯域帯は前モデルの 4 倍となる 40 Gbps となる。

新しい iPad Pro は前面カメラが強化された。122 度の視野角を持つ 12 MP の超広角カメラが追加された。従来のカメラと新しく追加された超広角カメラの 2 つを使って、iPad Pro はセンターフレーム (Center Stage) と呼ばれる機能を提供する。これは、FaceTime 動画通話などで常に話者を画面の中央に保つ機能。人が動くと、カメラが動いたかのように自動的に人物をセンターに持っていく。また他の人が新しく画面に現れたら、全員が映るように画面をズームアウトする。

11 インチモデルと 12.9 インチモデルの違いを見よう。

両者の違いはディスプレイ。11 インチモデルは従来通りの Liquid Retina ディスプレイを採用。一方、12.9 インチモデルはPro Displa XDR の技術を取り入れた Liquid Retina XDR ディスプレイを採用する。明るさは 1000 ニト。ピーク輝度は 1,00 ニト。コントラストは 100 万対 1。Liquid Retina XDR ディスプレイはミニ LED 技術によって支えられている。

Scribble

Apple Pencil で手書きした文字を OCR よろしくデジタルに認識してくれる Scribble 機能。英語と中国語のみに対応していたけど、このたびフランス語・ドイツ語・イタリア語・ポルトガル語・スペイン語がサポート言語に追加された。残念ながら日本語はまだ未対応。

Magic Keyboard

新色ホワイトが追加された。

あとがき

Apple が 4 月にイベントを開いたのは初めてかな? 過去のイベントを振り返ると、3 月に iPad イベントが発表されることが多かった。なので、iPad Pro の新モデルが発表されたのは受け入れられたけど、iMac に Apple TV に AirTag と新製品がこれでもかと発表されたのには驚かされた。

先日、Kindle を電車の中に置き忘れて鉄道の遺失物センターにお世話になった。その経験から AirTag は是非に欲しいと思っている。電池を自分で入れ替えられるのも有り難い。ただ、Kindle にはどうやっても AirTag を付けられそうにない。AirTag を埋め込めるカバーとか出してくれないかな?

2020-11-11

Apple イベントで M1 チップと新 Mac シリーズが発表された

2020-11-11 (水) 03:00、Apple はイベントを開いて Apple Silicon として紹介されていたチップ M1 の発表と、M1 チップを搭載した MacBook Air, Mac Mini, MacBook Pro 13 インチの発表を行なった。

6 月の WWDC 2020、9 月の Apple イベントと同じく、今回のイベントも聴衆なしのビデオ配信の形で行なわれた。

新 MacBook Air は Intel 版 MacBook Air を置き換える。価格は 104,800 円 (税別) から。Mac Mini は Intel 版 Mac Mini と併売される。価格は 72,800 円 (税別) から。MacBook Pro は 13 インチモデルのみ発表された。MacBook Pro にはポートが 2 つある比較的安いモデルとポートが 4 つあるハイエンドモデルが用意されているけれど、M1 チップ搭載の MacBook Pro 13 インチモデルは、ポートが 2 つのモデルを置き換える。価格は134,800 円 (税別) から。

各プロダクトについて簡単にまとめてみる

M1 チップ

WWDC 2020 で発表された Apple の自社製チップの具体的な姿が発表された。名前は M1 チップ。iPhone に搭載される A14 Bionic チップ等と同様に、CPU, GPU, Neural Engine などが統合された SoC (Syntem on a Chip)。主な構成は次の通り:

  • 8 コア CPU
    • 4 高性能コア
    • 4 高効率コア
  • 8 コア GPU
  • 16 コア Neural Engine

CPU はパフォーマンスに特化した 4 つの高性能コアと省電力に特化した 4 つの高効率コア、計 8 コアから成る。CPU の動作クロックは発表されなかった。なので、MacBook Air と MacBook Pro の M1 チップが同じ動作クロックなのかどうかは不明。

ちなみに A14 Bionic は 2 つの高性能コアと 4 つの高効率コアの計 6 コア CPU、4 コア GPU、16 コア Neural Engine から成る。

なお、メモリーも M1 チップに最適化されたユニファイド・メモリーに移行する。

新 MacBook Air

M1 チップを搭載する MacBook Air が発表された。MacBook Air のみ M1 チップの GPU コアが 7 コアモデルと 8 コアモデルの 2 種類が存在する。7 コア GPU モデルは 104,800 円 (税別) から、8 コア GPU モデルは 129,800 円 (税別) から。

2020 年の Intel モデルと比べると、M1 チップの恩恵で CPU で 3.5 倍、GPU で 5 倍、ML パフォーマンスで 9 倍高速化され、バッテリーのもちも 12 時間から 18 時間に伸びたという。また、M1 チップ搭載の MacBook Air はファンレスになり、静音性が上がっている。メモリーの搭載上限は旧モデルと変わらず 16 GB。サイズ、重量ともに変わりはない。

それ以外に変わった点としては、ディスプレイがフル sRGB から P3 対応になったこと、Wi-Fi が 802.11ac から Wi-Fi 6 対応になったこと、ポートが Thunderbolt 3 (USB-C) から Thunderbolt / USB 4 に変更された点などが挙げられる。

新 Mac Mini

M1 チップを搭載する Mac Mini が発表された。

2018 年の Intel モデルと比べると、M1 チップの恩恵で CPU で 3 倍、GPU で 6 倍、ML パフォーマンスで 15 倍高速化されたという。メモリー搭載上限は、Intel モデルが最大 64 GB だったのに比べると、M1 チップモデルは最大 16 GB となっている。サイズに変わりはなく、重量が 1.3 kg (Intel) から 1.2 kg (M1) に減っている。

それ以外に変わった点としては、Wi-Fi が 802.11ac から Wi-Fi 6 対応になったこと、4 つあった Thunderbolt 3 (USB-C) ポートが数が減って 2 つになり Thunderbolt / USB 4 に変更された点などが挙げられる。また、Mac Mini に繋げられる外部ディスプレイについても、Intel モデルが「最大 3 台の 4K ディスプレイ」または「1 台の 5K ディスプレイと 1 台の 4K ディスプレイ」だったのに対し、M1 チップモデルは「最大 6K のディスプレイ 1 台と最大 4K のディスプレイ 1 台」に変わっている。

新 MacBook Pro 13 インチ

M1 チップを搭載する MacBook Pro 13 インチモデル (2 ポート) が発表された。

2020 年の Intel モデル (2 ポート) と比べると、M1 チップの恩恵で CPU で 2.8 倍、GPU で 5 倍、ML パフォーマンスで 11 倍高速化され、バッテリーのもちも 10 時間から 20 時間に伸びたという。なお、MacBook Pro は MacBook Air と違いファンを搭載する。メモリー搭載上限は、Intel モデル (2 ポート) と変わらず 16 GB。サイズ、重量ともに変わりはない。

それ以外に変わった点としては、Wi-Fi が 802.11ac から Wi-Fi 6 対応になったこと、ポートが Thunderbolt 3 (USB-C) から Thunderbolt / USB 4 に変更されたこと、マイクがスタジオ品質にアップグレードされた点などが挙げられる。

あとがき

今回の Mac のアップデートでは、MacBook Air, Mac Mini, MacBook Pro 13 インチ (2 ポート) にスポットが当てられた。Apple は 2 年かけて Apple Silicon へ移行すると発表しているので、近いうちに MacBook Pro 16 インチ、iMac, iMac Pro, Mac Pro の Apple Silicon 版の発表があることと思う。

2020-10-14

Apple イベントで HomePod mini と iPhone 12 の新作が発表された

2020-10-14 (水) 02:00、Apple はイベントを開いて HomePod mini と iPhone 12 の発表を行なった。

6 月の WWDC 2020、9 月の Apple イベントと同じく、今回のイベントも聴衆なしのビデオ配信の形で行なわれた。

今回のイベントで発表された主な新製品は次の通り:

  • HomePod mini (HomePod の廉価版)
  • iPhone 12 (iPhone 11 の後継機)
  • iPhone 12 Mini (小さな iPhone 12)
  • iPhone 12 Pro (iPhone 11 Pro の後継機)
  • iPhone 12 Pro Max (iPhone 11 Pro Max の後継機)

噂に上っていた HomePod 第 2 世代、Apple TV 第 5 世代、、Apple のオーバーイヤー・ヘッドホン、Apple Silicon 製の MacBook の発表はなかった。

今回発表された新製品を簡単にまとめてみる:

HomePod mini

HomePod のサイズダウン廉価版となる HomePod mini が登場した。色は HomePod と同じホワイトとスペースグレイの 2 色展開。形は HomePod の円筒形に対して球形を取る。もちろん 360 度スピーカー。大きさは HomePod が高さ 172 mm に対して 84.3 mm、半分弱の大きさになった。重さにいたっては HomePod の 2.5 kg に対してたったの 345g。価格は 10,800 円 (税別)。2020-11-06 (金) 予約開始、2020-11-16 (月) 発売予定。

HomePod との違い

前述のように HomePod mini は HomePod と比べて小さく・軽くなった。それ以外に変わった点を見てみる。

HomePod mini のチップは S5 チップ。これは Apple Watch Series 5 と同じもの。HomePod のチップは iPhone 6 などで採用された A8 チップだった。パフォーマンス的にはチップ・シリーズが別なのでどっちが上か良く分からない。。。

HomePod mini のスピーカーユニットはフルレンジドライバとデュアルパッシブラジエーターを採用する。対して HomePod は高偏位ウーファーと 7 つのツイーターアレイだった。スピーカーユニットでツイーターは高音を鳴らすもの、ウーファーは低音を鳴らすものを指す。HomePod は高音と低音を別々のスピーカー・ユニットで鳴らす設計をしていた。1 つのスピーカーユニットで高音から低音まで全て鳴らすのは無理があるので、このようにスピーカー・ユニットを分離することで高音質を実現させていた。HomePod mini はフルレンジドライバを採用する。これは 1 つのスピーカーユニットで高音から低音まで全部の音を出す。HomePod に比べて多少無理をして音を鳴らすことになる。その分、HomePod より音質が劣ることになる。パッシブラジエーターはザックリ言えば低音を鳴らすための補助ユニットで、ウーファーほど強力じゃない。

HomePod では自分で出した音をマイクで拾い音質を改善する「空間認識機能」があった。HomePod mini ではその空間認識機能も省かれている。

ちなみにマイクは HomePod の 6 つに対して 4 つに減っている。

HomePod mini では主にスピーカーユニットの簡素化と空間認識機能の削除で、本家 HomePod との音響的な差別化を図っているのだと思う。逆を言えば、それ以外の機能は HomePod を踏襲している。2 台の HomePod mini を用意すればステレオ・スピーカーとして動作するし、AirPlay 2 を使ってマルチルームで音楽再生もできる。Siri で音楽をかけられるし、ホームを操作したりもできる。

最後に HomePod mini だけのデバイスとして U1 チップが搭載される。iPhone を HomePod に近づけると iPhone でかかっている曲を HomePod に引き継ぐ Handoff 機能があるけれども、この時の iPhone と HomePod が近くにあることを検知する精度が上がる。。。らしい。

サードパーティーの音楽アプリ

ここからは HomePod mini のセッションで紹介された HomePod, HomePod mini 両方で使える新機能について書く。

まずは音楽アプリについて。現在 HomePod で聴くことのできる音楽系サービスは次の通り:

  • Apple Music
  • Podcast
  • iHeartRadio
  • radio.com
  • TuneIn

イベントでは数か月以内に次のサービスが HomePod に対応することが発表された:

  • Pandora
  • Amazon Music

Pandora は日本でサービス開始していないので、Amazon Music だけが対象となる。イベントでは Spotify についての言及はなかった。

インターコム

HomePod はインターコム機能を提供する。これは Amazon Echo のアナウンス機能、(Google) Nest Home のブロードキャスト機能と同じ。家の中にある HomePod に対して、自分の声を届けることができる。

インターコム機能は Apple の各種デバイス (iPhone, iPad, Apple Watch, AirPods, CarPlay) と連携されるらしく、インターコムの通知が iPhone に届いたり AirPods からインターコムに対して返事をすぐに返したりできる。

iPhone 12 と iPhone 12 Mini

iPhone 11 の後継機 iPhone 12 とその小型版 iPhone 12 Mini が発表された。

iPhone 12 の色はブルー、グリーン、プロダクト・レッド、ホワイト、ブラックの 5 色展開。ディスプレイ・サイズは iPhone 11 と変わらず 6.1 インチ。容量は 64 GB, 128 GB, 256 GB が用意されている。価格は 85,800 円 (税別) から。2020-10-16 (金) 午後 9 時予約開始、2020-10-23 (金) 発売予定。

iPhone 12 Mini は色・容量のラインナップともに iPhone 12 と変わらず。ディスプレイ・サイズは iPhone 11 の 6.1 インチより小さく iPhone SE (第 2 世代) の 4.7 インチより大きい 5.4 インチ。価格は 74,800 円 (税別) から。2020-11-06 (金) 午後 10 時予約開始、2020-11-13 (金) 発売予定。

以下、iPhone 12 の説明を書く。iPhone 12 Mini はサイズが小さい以外 iPhone 12 と同じ。違うところがあればその旨書いていく。

5G 対応

iPhone が 5G に対応する。5G は 4G LTE より高速な通信。

5G には、高速な「ミリ波」と少し遅い「Sub6」という 2 種の周波数帯があって、iPhone 自体は両方に対応する。けれども、日本の通信事業社はほとんどミリ波対応していないので、iPhone 12 を買っても (日本では) 5G Sub6 の恩恵にしか与れない。

Super Retina XRD ディスプレイ

iPhone 12 のディスプレイは、iPhone 11 の Liquid Retina HD ディスプレイから iPhone 11 Pro で採用された Super Retina XRD ディスプレイへ変更される。Liquid Retina HD ディスプレイはいわゆる液晶ディスプレイで、Super Retina XRD ディスプレイは OLED ディスプレイ。

セラミック・シールド

ディスプレイの前面ガラスにセラミック・シールドと呼ばれる技術が導入された。Apple は耐落下性能が従来の 4 倍になるとしている。

A14 Bionic

iPhone 12 は A14 Bionic チップを採用する。A14 Bionic は第 4 世代 iPad Air (10 月発売とアナウンスがあったけど、まだ予約受付を開始していない) にも採用された Apple の最新チップ。5 nm プロセスを採用して、より多くのトランジスターが積めるようになっている。A13 Bionic チップと比べて大きな仕様変更はなく順調にパフォーマンスが向上したもの。

カメラ

iPhone 12 のバックカメラは iPhone 11 と同じ広角カメラと超広角カメラのデュアルカメラ。

タイムラプスがナイトモードにも対応したほか、Dolby Vision 対応の HDR ビデオ撮影ができるようになった。

フロントカメラはナイトモード及び Deep Fusion に対応し、Doly Vision 対応の HDR ビデオ撮影ができるようになった。

MagSafe

MacBook で使われていた MagSafe の iPhone 版が登場した。

Qi を使ったワイヤレス充電の問題点は充電用コイルの上に適切にデバイスを置かないと充電がされないこと。iPhone のような端末だと、ちゃんと Qi 充電器の上に置いていても通知のバイブで iPhone 自身が動いてしまい充電に失敗する、ということが良くあった。

MagSafe は iPhone と MagSafe 用充電器を磁石でくっつけてしまい、Qi 充電によくある充電の失敗をなくしてしまう。

MagSafe 充電器は 4,500 円 (税別) で 2020-10-16 (金) から注文受付開始。何ワットで充電されるのかは、よく分かんない。

MagSafe アクセサリーとして充電器の他にケースとカード入れも発売される。ケースはシリコンケースとクリアケースの 2 種。MagSafe の磁力を利用して、簡単に取り付け・取り外しができるとのこと。カード入れはレザー製でケース同様磁力で iPhone にくっつく。MagSafe ケースの上にカード入れを付けることも可能。クレジットカードを入れても大丈夫なようにシールド機能も付いている。ケースやカード入れを付けたまま Qi 充電もできるし、MagSafe 充電器を使って「外れない」充電もできる。

耐水性能

IEC 規格 60529 に基づく IP68 等級こそ iPhone 11 とは変わらないものの、「最大水深 2 メートルで最大 30 分」の耐水性能が「最大水深 6 メートルで最大 30 分」に向上した。

電源アダプターとイヤホン

iPhone 12 からは電源アダプターとイヤホンが付かない。USB-C・ライトニングケーブルが付くので、それを使って充電する。

iPhone 12 Pro と iPhone 12 Pro Max

iPhone 11 Pro の後継機 iPhone 12 Pro と、iPhone 11 Pro Max の後継機 iPhone 12 Pro Max が発表された。

iPhone 12 Pro の色はパシフィックブルー、ゴールド、グラファイト、シルバーの 4 色展開。ディスプレイ・サイズは iPhone 11 Pro の 5.8 インチから大きくなって 6.1 インチへ。容量も 64 GB モデルがなくなり 128 GB、256 GB、512 GB の 3 モデルが用意された。価格は 106,800 円 (税別) から。2020-11-06 (金) 午後 10 時予約開始、2020-11-13 (金) 発売予定。

iPhone 12 Pro Max は色・容量のラインナップともに iPhone 12 Pro と変わらず。ディスプレイ・サイズは iPhone 11 Pro Max の 6.5 インチから大きくなって 6.7 インチへ。価格は 117,800 円 (税別) から。2020-11-06 (金) 午後 10 時予約開始、2020-11-13 (金) 発売予定。

以下、iPhone 12 Pro の説明を書く。iPhone 12 Pro Max はサイズが大きい以外 iPhone 12 Pro と同じ。違う点があればその旨書いていく。

iPhone 12 と同じスペック向上

5G 対応、ディスプレイのセラミック・シールド、A14 Bionic チップの採用、各種カメラ機能の向上、MagSafe 対応、耐水性能の向上、電源アダプターとイヤホンの廃止は iPhone 12 と同じなので、上の記述を参照のこと。

LiDAR スキャナー

iPhone 12 Pro に LiDAR スキャナーが搭載される。LiDAR スキャナーは iPad Pro 12.9 (第 4 世代) で初めて搭載されたセンサーで、赤外線を使って対象までの距離を測る。AR アプリが高速かつ正確に動作することが期待される。

また、ナイトモードのポートレート撮影を可能にしたり、暗い場所でのオートフォーカス時間を短くする (6 倍速くなった!) という。

Apple ProRAW

RAW 形式で写真を保存・編集できるようになる。

2.5 倍光学ズーム

iPhone 12 Pro Max のみ光学ズームが 2 倍から 2.5 倍になる。これにより、デジタル・ズームも 10 倍から 12 倍へと向上する。

センサーシフト光学式手ぶれ補正

iPhone 12 Pro Max はカメラの手ぶれ補正を従来の光学手ぶれ式補正からセンサーシフト光学式手ぶれ補正に変更した。また iPhone 12 Pro はデュアル光学式手ぶれ補正に変更した。

カメラ詳しい人、センサーシフト光学式手ぶれ補正の説明プリーズ!

まあ、今までの手ぶれ補正より良くなったんだと思う。。。

あとがき

HomePod mini はそこそこ順当なダウンサイズに落ちついたんじゃないかな? 個人的には値段が少し高くなっても空間認識機能は残しておいて欲しかったところ。HomePod mini が発売される 2020-11-16 (月) 前後に iOS の新しいバージョン (14.2 かな?) がリリースされて HomePod OS もバージョン・アップするんじゃないかと思う。きっとステレオで買う (お値段も安かったので)。

iPhone 12 は 5G 対応がメインかな。今の日本だとそれほどメリットを感じない。5G の普及率もそうだけど、ほとんど在宅だし... そういう意味では MagSafe は仕組みとして面白いと思った。あと、iPhone 11 Pro Max を買って、OLED ディスプレイの美しさに驚いたので iPhone 12 を OLED ディスプレイ目的で買うのはアリかもしれない。

2020-09-16

Apple イベントで Apple Watch と iPad の新作が発表された

2020-09-16 (水) 02:00、Apple はイベントを開いて Apple Watch と iPad を中心にした新製品・新サービスの発表を行なった。

6 月の WWDC 2020 と同じく、今回のイベントも聴衆なしのビデオ配信の形で行なわれた。例年なら 9 月のイベントで新 iPhone のお披露目されるところだけど、今年は新 iPhone 発表はなかった。おそらく 10 月以降に改めて発表イベントを開くのんじゃないかと思う。

今回のイベントで発表された新製品・新サービスは次の通り:

  • Apple Watch seriese 6 (最新の Apple Watch)
  • Apple Watch SE (Apple Watch の廉価版)
  • Apple Fintness+ (オンライン・フィットネス・サービス。日本未対応)
  • Apple One (Apple のサブスクリプション・サービスのパック提供)
  • iPad (第 8 世代 iPad。マイナー・バージョンアップ)
  • iPad Air (メジャー・バージョンアップ)

また、WWDC で発表された各 OS のメジャー・バージョンアップが明日 (2020-09-17 木) にリリースされることも合わせて言及された。

新製品、新サービスについて簡単にまとめてみた:

Apple Watch series 6 & SE

2020 年度の Apple Watch は series 3 が引き続き発売を継続し、廉価版 Apple Watch である SE が series 5 を置き換え、新しく series 6 が登場する。まず最初に series 3 と SE の違いを簡単に紹介して、次に series 6 の新しい点を書いてゆく。

Apple Watch series 3

series 3 は 2017 年に発売された。画面サイズは 42mm / 38mm。

発売当時は GPS と GPS + Cellular の 2 モデル。ケースにアルミニウス、ステンレス、セラミックを選択可能だったものの、2020 年度は GPS モデルのアルミニウムケースのみが発売される。Nike モデルと Hermes モデルは発売されない。価格は 19,800 円 (税別) から。

Apple Watch SE

Apple Watch SE は Apple Watch の廉価版。series 5 から常時表示可能なディスプレイ機能を削って、series 6 と同じ新機能を一部搭載する。画面サイズは 44mm / 40mm。GPS と GPS + Cellular の 2 モデルが発売される。ケースはアルミニウスのみ。Nike モデルも発売されるけど、Hermes モデルは存在しない。価格は 29,800 円 (税別) から。今日から予約開始で、2020-09-18 (金) 発売開始。

series 3 との違いは、画面サイズが大きくなったこと。コンパスが追加されたこと。転倒検出、騒音モニタリングに対応したこと。地味にストレージサイズが seriese 3 の 8 GB から 32 GB に増えているのも嬉しい。Bluetooth は series 3 がバージョン 4.2 で SE はバージョン 5.0。

series 5 になかった SE からの新機能が 1 つある。それは高度計。SE では高度計が常時計測可能なものにアップデートされた。

Apple Watch series 6

series 6 は最新の Apple Watch。画面サイズは 44mm / 40mm。GPS と GPS + Cellular の 2 モデルが発売される。ケースはアルミニウム、ステンレス、チタニウム。Nike モデルと Hermes モデルも発売される。アルミニウムモデルには新色としてブルーと Product RED が追加された。価格は 42,800 円 (税別) から。

series 6 では SE と同様に常時計測可能な高度計が追加されたほか、血中酸素濃度センサーが新しく追加された。イベントでは言及されなかったと思うけど、U1 チップも搭載して、Wi-Fi も 5GHz 帯に対応した。。

ソロループ -- 新しいウォッチバンド

Apple Watch に新しいウォッチバンドが 2 種類追加された。ソロループとブレイデッドソロループと呼ばれるもので、どちらも繋ぎ目のないゴム製のバンドの形をしている。これらは、輪ゴムのように伸ばして拳を通し手首に巻く (のだと思う)。ソロループはシンプルなシリコーンゴムで、ブレイデッドソロループはゴムを糸状にして編んでいる。

クラスブもバックルもないので、購入時にサイズを指定する必要がある。カスタムできるサイズは 9 種類。手首の太さを自分で測って入力すると、適切なサイズが提案される。

ファミリー共有設定

Apple Watch のファミリー共有機能は、iPhone を持っていない子供や家族が iPhone なしで Apple Watch を使うための機能。

Apple Watch は iPhone とペアリングさせる必要があって、今までは自分の iPhone にペアリングさせていた。そのため、iPhone を持っていないと Apple Watch を使うことができなかった。ファミリー共有機能では、例えば子供の Apple Watch を親の iPhone にペアリングさせることが可能になる。親の iPhone では自分の Apple Watch の他に子供の Apple Watch も管理することになる。子供の Apple Watch に対しては、ペアレンタルコントロールもかけられるとのこと。電話もかけられるらしいけど、これは日本でも対応するのかな?

対応デバイスは series 4 以降の GPS + Cellular モデル。つまり、series 4, series 5, SE, series 6 の GPS + Cellular モデル。series 3 は対応外だし、SE や series 6 であっても GPS モデルでは使えない。

Apple Fitness+

Apple が新しく提供するフィットネス・サービス。提供開始は 2020 年末で、提供国はオーストラリア、カナダ、アイルランド、ニュージーランド、イギリス、アメリカの 6 か国。残念ながら日本は入っていない。

軽くサービスの内容に触れておくと、ヨガやサイクリング、ダンスなどのワークアウト動画を iPhone, iPad, Apple TV 上で提供するというもの。Apple Watch と連携することを前提に作られていて、画面には Apple Watch で計測した心拍数の情報やアクティビティリングが表示される。

Apple One

Apple が提供するサブスクリプションのバンドルサービス。今秋登場予定。次の 6 つのサブスクリプションに対応する:

  1. iCloud
  2. Apple Music
  3. Apple TV+
  4. Apple Arcade
  5. Apple News+
  6. Apple Fitness+

プランは次の通り:

  • 個人: 1,100 円/月 (iCloud 50GB, Music, TV+, Arcade の 4 サービス)
  • ファミリー: 1,850 円/月 (iCloud 200GB, Music, TV+, Arcade の 4 サービス)
  • プレミア: $29.95/Month (iCloud 2TB, Music, TV+, Arcade, News+, Fitness+)

ファミリープランでは最大家族 5 人までファミリー共有でサービスが使えるようになる。と言っても、Apple TV+ と Apple Arcade は個人プランでもファミリー共有にデフォルトで対応しているので、実質 Apple Music のためのファミリープランと言って良い。

iCloud ストレージが Apple One の提供分で足りない場合は、追加で購入も可能とのこと。

プレミアプランは日本で提供されない。プレミアプランが対応する News+ と Fitness+ が、そもそも日本でサービスを開始していないのだから、まあ当然か。

iPad

第 8 世代 iPad が発表された。パフォーマンスを向上させた、順調なマイナーアップデート。今日から予約開始、2020-09-18 発売。価格は 34,800 円 (税別) から。

A12 Bionic チップ搭載。10.2 インチディスプレー。ホームボタンと TouchID。Apple Pencil (第 1 世代)、Smart Keyboard 対応。Lightning コネクター。

iPad のエントリーモデルとしてどうぞ、という感じ。

iPad Air

iPad Air 第 4 世代はモデルチェンジと言えるくらい変わった。色はシルバー、スペースグレイ、ローズゴールド、グリーン、スカイブルーの 5 色展開。発売は 2020 年 10 月を予定。価格は 62,800 円 (税別) から。

iPad Air 第 3 世代から第 4 世代への変更点は次の通り:

  • 画面サイズ: 10.5 インチ → 10.9 インチ
  • チップ: A12 Bionic → A14 Bionic
  • iPad キーボード: Smart Keyboard → Magic Keyboard/Smart Keyboard Folio
  • Apple Pencil: 第 1 世代 → 第 2 世代
  • カメラ: 8MP → 12MP
  • コネクター: Lightning → USB-C
  • 横ステレオスピーカー: なし → あり
  • TouchID: ホームボタン内蔵 → トップボタン内蔵
  • Wi-Fi: 802.11a/b/g/n/ac → Wi-Fi 6

ホームボタンがなくなって、TouchID がトップボタンに移動した! iPad Pro のように FaceID 対応じゃないのに、ホームボタンがなくなって全面ディスプレイなタブレットへと進化した。

チップは A14 Bionic。iPad Pro 12.9 インチ第 4 世代が A12Z Bionic、iPhone 11 Pro Max が A13 Bionic なので最新のチップを搭載したことになる。

Lightning コネクターが USB-C コネクターに変更されたことで、各種 USB-C デバイスとの連携がしやすくなった。加えて、Lightning コネクターが必要だった Apple Pencil 第 1 世代は使えなくなり、Apple Pencil 第 2 世代が使えるようになった。iPad Keyboard も iPad Pro と同じく Magic Keyboard 対応。

iPad Pro と比べても、ディスプレイとストレージのサイズ、FaceID、Pro Motion テクノロジー、カメラ、スピーカーが劣っているくらいで、かなり強力になった。

あとがき

今年度はコロナの影響もあって、iPhone の出荷が遅れることは事前に知らされていた。それでも、9 月のイベントで iPhone の発表があるかないかは分からなかった。フタを開けてみれば、Apple Watch と iPad の発表だけで、iPhone の発表はなかったわけだけど、地味に進化した Apple Watch series 6 にリーク情報が出まくっていた Apple Watch SE、そして個人的には一番大きなニュースだった Apple Watch のファミリー共有機能と、Apple Watch 関連の発表はとても楽しめた。

iPad Air は大きく進化して、iPad Pro との差別化がしづらくなったんじゃないかと逆に心配してしまうレベル。iPad Pro も大きな変更が用意されているのかな?

総じて楽しめるイベントだった。

2020-06-23

WWDC 2020 で watchOS 7 が発表された

2020-06-23 (火) 02:00、Apple は WWDC 2020 で watchOS のメジャー・アップデートにあたる watchOS 7 の発表を行なった。

新機能は次の通り:

Face Sharing

Watch Face の共有ができるようになる。

アプリ開発者が自アプリのコンプリケーションを含めた Watch Face を提供する、という使われ方も想定されている。

マップ

iOS と同じくサイクリングの経路検索に対応する。けれど、日本ではまだ自転車の経路検索は始まらない。

フィットネス

iPhone のアクティビティ・アプリがフィットネス・アプリに名称変更する。

また、新しいワークアウトの種類としてダンスが追加される。

手洗い

手洗いを自動検知してくれる。手洗いを検知すると、カウントダウン・タイマーが始まる。水をサッとかける程度の手洗いをしていると、ちゃんと手洗いしなさいと教えてくれる... らしい。

Sleep

睡眠トラッキング機能が提供される。

就寝時間を設定してその時間が近づくと、Wind down モードと呼ばれるモードになる。就寝前のルーティンを作りやすくするためのモードで、眠りをさまたげるものを最小限にする。就寝前のルーティンのショートカットもセットできる。

寝る時間になると Apple Watch は睡眠モードになる。基本画面は真っ暗で、タップするとシンプルに時間だけを教えてくれる。

あとがき

ついに睡眠トラッキング機能が Apple Watch にやってくる。でも、時計をつけて寝る習慣がないので、使いこなせるか不安。バッテリーに関しては... どうなのかな? 使ってみないと分かんない。

WWDC 2020 で iOS 14 と iPadOS 14 が発表された

2020-06-23 (火) 02:00、Apple は WWDC 2020 で iOS / iPadOS のメジャー・アップデートにあたる iOS / iPadOS 14 の発表を行なった。今回の WWDC 2020 は新型コロナウィルスの影響もあって、オンラインのみでの開催。プレスも含めて聴衆なしで行なわれた。

iOS, iPadOS に共通の新機能を書いた後、iPadOS のみの新機能を書く。

ホームスクリーンの新機能

ホームスクリーンにアプリ・ライブラリー、ウィジェットの 2 つの新機能が加わり、更に iPadOS だけで利用可能だった Picture in Picture 機能が iOS でも提供されるようになる。

App Library (アプリ・ライブラリー) (iOS)

全てのアプリを一覧できる画面が新たに加わる。この機能を App Library (アプリ・ライブラリー) と呼ぶ。

アプリは OS によって自動的にカテゴリー分けされ、1 つの画面に納まる。アプリの数が多い場合は下にスクロールする形で全アプリを表示する。この画面の中でアプリの検索も可能。

Widgets (ウィジェット) (iOS, iPadOS)

ホームスクリーンにウィジェットを配置できるようになる。

iOS, iPadOS には今までも Today Extension という形でウィジェット機能があった。iOS なら一番左のタブを更に左にスワイプするとウィジェットの一覧を見ることができたし、iPadOS なら一番左のタブの左側にウィジェットを常時表示することもできた。けれど、これらのウィジェットをホームスクリーンのどこにでも配置することはできなかった。

iOS 14 からはこの制約が外れ、ホームスクリーンのどこにでもウィジェットを配置することができるようになる (iPadOS 14 ではウィジェットの自由配置は出来ない)。ウィジェットの大きさは、アイコンの大きさの整数倍。正方形のウィジェットや横長のウィジェットなどが用意されている。

ウィジェットは 1 か所に複数個設置することもできて、これを切り替えて表示することも可能。Apple Watch の Siri Face のように関連性の高いウィジェットを自動で選んで表示するスマートスタック・ウィジェットも用意されている。

Picture in Picture (iOS)

iOS にも Picture in Picture がやってくる。

Apple TV で動画を再生中にアプリを閉じると、小さなウィンドウが残ってその中で動画が再生され続ける。新しく他のアプリを起動しても、ウィンドウは残って動画を再生し続けてくれる。動画再生のウィンドウは、移動させることも大きくしたり・小さくしたすることもできる。ウィンドウを隠せば、音声だけの再生も可能。

iPadOS では Amazon Prime Video アプリも Picture in Picture に対応していたので、同様に対応してくるんじゃないかと思う。一方、YouTube アプリは iPadOS でも Picture in Picture に対応していないので、iOS でも Picture in Picture に対応するかは疑問。

Siri (iOS, iPadOS)

Siri がコンパクトになった。

今まで Siri を起動すると、スクリーン一杯に Siri の画面が現れていた。これは、例えばメールに書かれていた予定を Siri を使ってカレンダーに登録しようとした時に文面が隠れてしまって、使い勝手が悪かった。

iOS 14, iPadOS 14 からは Siri はスクリーン一杯に広がらず、小さく入力 UI が表示されるだけになる。

そして、Siri の結果もプッシュ通知のように小さく表示される。

翻訳アプリ (iOS)

Apple 純製の翻訳アプリが提供される。

会話でも使い易いようにデザインされていて、言語も自動で判定してくれる。

嬉しいことに日本語も対象に入っている。具体的な対応言語は次の 11 言語: アラビア語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、ポルトガル語、ロシア語、中国語、日本語、英語、韓国語。

メッセージ (iOS, iPadOS)

メッセージ相手をピンで留められるようになる。iOS ではメモ・アプリなどでピン留め機能があったけど、メッセージでもピン留めが利用できるようになる。

Memoji には年齢設定のオプションが追加された。

グループメッセージの機能強化として、人の名前を打つとその人へプッシュ通知が飛ぶ機能が加わる。また、最近会話した人のアイコンが大きく表示される。

マップ (iOS, iPadOS)

Apple は去年から新マップへの切り替えを行なっている。今年はイギリス、アイルランド、カナダに新マップが提供されるとのこと。

経路検索には、自転車の経路検索機能が追加される。ただしアメリカの主要都市のみ。また、EV ルーティング機能も (アメリカだけで?) 提供される。

CarPlay (iOS)

iPhone を車のキー代わりに使えるようにする Car Key 機能が提供される。Car Key 機能に対応している車として BMW が招介されていた。この BWM は来年発売?

App Store (iOS, iPadOS)

アプリのインストールを手助けする仕組み App Clips が追加される。

今までアプリのインストールは App Store を一度経由しないと行なえなかった。App Clips は App Store を経由せずにアプリをインストールできる仕組み。ポップアップが現れて、それをタップするだけでアプリのインストールが開始される。

App Clips のトリガーはウェブやマップ、メッセージ、NFC や QR コードから提供される。

写真アプリ etc. (iPadOS)

写真アプリ、カレンダー・アプリ、ファイル・アプリ、ミュージック・アプリにサイドバーがつく。

写真アプリならアルバム間の移動などが便利になる。サイドバーが付くことで、iPhone アプリを拡張しただけだったような旧 UI と比べて、より iPad という画面の広いデバイスに最適化される。

検索 (iPadOS)

ホームスクリーンを下に軽くスワイプすると検索が現れる。iPadOS 13 までは検索画面がスクリーン一杯に広がっていたけれど、iPadOS 14 からはポップアップ的な UI へと進化する。

Scribble (iPadOS)

Apple Pencil の iPadOS 対応が進化する。

メモ帳やメッセージの入力欄など、テキストを入力できる場所で Apple Pencil で文字を手書きすると、それが ORC をかけたように電子テキストへと変換される。デモでは英語と中国語に対応していると言っていたが、日本語は?

あとがき

iOS 14, iPadOS 14 は機能的にコレと言った新機能は少ない。iOS の Widget 対応と iPadOS の Scribble が特に目を引くくらいか。

全体的に今まで提供していた機能で使い勝手の悪かった所を良くしよう、他のアプリで提供しててこの機能があるのを期待してしまうよねという機能を補完して行こう、という落ち着いた改良が多いように感じた。

特に Siri を使うと、その前に使っていたアプリが見えなくなる iOS 13 以前の動きは悩まされていたので、とても助かりそう。

そういう意味では、地の足の着いた新バージョンになるのではないかと期待している。

2019-09-11

Apple イベント まとめ - iPhone 11, Apple watch series 5 and more

2019-09-11 (水) 02:00、Apple はスペシャル・イベントを開き、6 月の WWDC で表示したサービスのローンチ日の告知と新しいデバイスの発表を行なった。

Apple Archade

Apple の提供するサブスクリプション型ゲーム・プラットフォーム Apple Archade は、今秋スタートと予告されていた。

今日のイベントで、そのローンチ日と値段が発表された:

  • 2019-09-20 (金) スタート
  • 600 円/月 (4.99 ドル/月、ファミリー共有 OK)

最初の 1 か月は無料でサービスが提供される。

Apple TV+

Apple の提供するサブスクリプション型動画配信サービス。Apple 独自の番組がいくつも用意されていることがアナウンスされている。こちらも今秋スタートと予告されていた。

今日のイベントで、そのローンチ日と値段が発表された:

  • 2019-11-01 (金) スタート
  • 600 円/月 (4.99 ドル/月、ファミリー共有 OK)

新しい iPhone, iPad, mac, Apple TV を買った人には、最初の 1 年間無料で Apple TV+ が提供される。

iPad 第7世代

第 7 世代の iPad が発表された。値段は 34,800 円 (税別、329 ドル) からで、今日から予約開始、2019-09-30 発売開始。主なスペックは次の通り:

  • 10.2 Retina ディスプレイ
  • A10 Fusion チップ
  • Smart Keyboard 対応
  • Apple Pencil 対応
  • Touch ID (Face ID はサポートしない)

第 7 世代からは Smart Keyboard にも対応する。

Apple watch series 5

Apple watch series 5 が発表された。アルミケース、スチールケースに加えて新しくチタンケースが加わり、セラミックケースが帰ってきた。アルミケースは 42,800 円から、スチールケースは 72,800 円から、チタンケースは 82,800 円から、セラミックケースは 133,800 円から。今日から予約開始、発売は 2019-09-20 (金) から。

OLPO ディスプレイ常時表示

series 4 まで使っていた OLED から変えて、series 5 からは LTPO (Low Temperature Polycrystalline Oxide; 低温ポリシリケン酸化物) ディスプレイを採用する。この新しいディスプレイの採用によって、Apple watch のディスプレイは常時表示に対応する。今までは画面が真っ暗になっていたものが、series 5 からは薄暗くなるだけになる。

気になるのはバッテリー。常時表示に対応した series 5 のバッテリー時間は 18 時間。LTPO というハードウェアの変更に加えて、薄暗くなった時にリフレッシュレートを 60 Hz から 1 Hz に落とすというソフトウェア側の工夫によって、series 4 と変わらないバッテリー時間を実現している。

コンパス・サポート

コンパスが Apple watch に組み込まれる。この変更により、Apple watch のマップアプリで進行方向が分かるようになる。

Health Research アプリ

Apple は今秋 Health Research (健康に関する研究) 用の新アプリを提供する。日本で提供されるかは不明。

これは健康に関する研究機関に対して、自分の健康データを提供して研究を支援するという試み。

Health Research アプリは 3 つの分野のデータを集める:

  1. 聴覚
  2. 女性の健康
  3. 心臓と運動

集められるデータはプライバシーをちゃんと守るようにするとのこと。

iPhone 11 / iPhone 11 Pro / iPhone 11 Pro Max

iPhone 11 が発表された。画面サイズは iPhone XS シリーズと変わらない。iPhone 11 は iPhone XR の後継で 6.1 インチの LED ディスプレイ、iPhone 11 Pro は iPhone XS の後継で 5.8 インチの OLED ディスプレイ、そして iPhone 11 Pro Max は iPhone XS Max の後継で 6.5 インチの OLED ディスプレイ。色は iPhone 11 がパープル、イエロー、グリーン、ブラック、ホワイト、PRODUCT RED の 6 色展開、iPhone Pro がミッドナイトグリーン、シルバー、スペースグレイ、ゴールドの 4 色展開。予約開始は 2019-09-13 (金) 21:00、発売開始は 2019-09-20 (金)。

まずはカメラ。iPhone 11 は夜でも写真を綺麗に撮影できるナイトモードに対応する。全てのカメラが 4K ビデオ撮影をサポート。そしてフロントカメラがスローモーションに対応する。

オーディオは Dolby Atmos をサポート。

チップは順調に進化して A13 Bionic チップに。

さらりとしか言及されていなかったけど、WiFi は 802.11ac から 802.11ax Wi-Fi6 にアップデートされている。あと、イベントの中では触れてなかったと思うんだけど超広帯域チップが新しく追加されている。

iPhone 11

iPhone XR は広角カメラが 1 つだけだったけど、iPhone 11 は超広角と広角の 2 つのカメラを備える。

バッテリーは iPhone XR より 1 時間伸びて、耐水性能が「水深 1 m で最大 30 分」から「水深 2 m で最大 30 分」に向上している。

iPhone 11 Pro

iPhone XS の広角カメラ 1 つ・望遠カメラ 1 つから、iPhone 11 Pro では広角カメラ 1 つ・超広角カメラ 1 つ・望遠カメラ 1 つの 3 カメラへと進化する。

バッテリーは iPhone 11 Pro が iPhone XS より 4 時間、iPhone 11 Pro Max が iPhone XS Max より 5 時間も伸びているという。耐水性能も「水深 2 m で最大 30 分」から「水深 4 m で最大 30 分」に向上している。

ディスプレイはコントラストが 1,000,000:1 から 2,000,000:1 へ、最大輝度が 625 ニトから 800 ニトへ向上。名前も Super Retina HD ディスプレイから Super Retina XDR ディスプレイに変わっている (正直、違いがよく分からないけど)。なお、iPhone 11 Pro では iPhone XS まであった 3D Touch がなくなり触覚タッチに変更されている (iPhone 11 は iPhone XR から既に触覚タッチ)。

あとがき

Apple watch series 5 の常時表示は Apple watch の使い方を大きく変えそうな変更で、一度体験したら series 4 以前には戻れなくなるんじゃないか? あまりに楽しみなので、チタンケースを予約してしまった。

iPhone 11 の進化は主にカメラに集中している。カメラは詳しくないので、そこまで食指が動かない。のだけれども、超広帯域チップとか Wi-Fi 6 対応とか、イベントでは大きく取り上げられなかった進化に興味がひかれる。

2019-06-04

WWDC 2019 で iOS 13 と iPadOS が発表された

2019-06-04 (火) 02:00、Apple は WWDC 2019 で iOS のメジャー・アップデートにあたる iOS 13 と iPad 用 OS となる iPadOS の発表を行なった。

パフォーマンス

iOS 13 は FaceID のアンロックが iOS 12 に比べて高速化され、アプリの起動は 2 倍になる。

アプリのダウンロード・サイズも小さくなる。新規アプリのインストールでは 50% 、アプリ・アップデートでは 60% もサイズが小さくなる。

ダークモード

ダークモードがサポートされる。WWDC ではニュース、メモ、写真、ミュージック・アプリでのダークモード表示を見せてくれた。特に OLED ディスプレイでの省電力に寄与することが期待される。

メモ (Notes)

メモ・アプリの UI は大きくアップデートされ、フォルダーやギャラリー・ビューに対応する。

リマインダー

リマインダー・アプリの UI は作り直される。

マップ

マップのデータが刷新される。US のデータは 2019 年末までに、全世界のデータは 2020 年に大幅に更新される。

マップはストリート・ビューに対応する。ストリート・ビューでは、道路をスムースに移動することができる。ストリート・ビューが日本でも展開されるかどうかは、よく分からない。

位置情報はより細かくコントロールできるようになる。1 回だけ位置情報を提供したり、位置情報のバックグラウンド・トラッキングがあればアラートを出す機能が提供される。

Sign in With Apple

Apple もソーシャル・ログイン機能を提供する。サービスによってメール・アドレスを求められることがある。Apple はアプリごとにランダム文字列のメール・アドレスを発行する。ユーザーは自分のメアドとランダム文字列のメアドを選択して使うことができる。

HomeKit Secure Video

セキュリティ・カメラはデータをクラウドにアップロードしている。HomeKit Secure Video に対応したカメラは、データを全て暗号化してクラウドにアップロードする。これらのデータは、もちろん Apple が見ることはできない。

写真アプリ

ポートレート・モードの編集機能が強化される。今までより細かい変更が可能になる。

また、ビデオの編集も強化され、ビデオの回転・エフェクトの追加が可能になる。

写真アプリのサムネイル・ビューは大きくアップデートされる。ピンチ・イン、ピンチ・アウトで拡大・縮小ができるようになる。タイル状の表示では、メインな写真が大きなタイルで表示される。ビデオや Live フォトはオートプレイに対応する。

AirPods, HomePod, CarPlay, Siri

AirPods はメッセージ・アプリに届いたメッセージを自動で読み上げ、タップなどの操作なしに返事を送ることができるようになる。

HomePod のアップデートは 3 つ。1 つ目。iPhone とのハンドオフ機能に対応する。iPhone を HomePod の近くに持っていくと、iPhone でかかっている曲が HomePod でかかる。2 つ目。HomePod は 10 万以上のネットラジオ局に対応する。3 つ目。HomePod はパーソナライズ・レスポンドに対応する。HomePod に呼びかけた人間を特定して、対応するカレンダーやミュージックにアクセスしてくれる。

CarPlay は刷新されて、ダッシュボードに必要な情報が表示されるようになる。

Siri はより自然な読み上げ (Neural TTS) ができるようになる。日本語でも、より自然な発話になるのかな?

ファイル

ファイル・アプリはプレビューに対応し、フォルダー共有機能をサポートするようになる。

また、iPad Pro では USB Drive や SD Card にもアクセスできるようになる。

iPadOS

iPad 用の iOS に iPadOS という名前が与えられることになった。ベースが iOS なことは変わらない (?)。

ホーム画面に配置するアプリの数は今までより多くなり、ホーム画面をスワイプすると左からウィジェット (今までの Today Extension の画面?) にアクセスできるようになる。

iPadOS -- Slide Over

スライド・オーバーはアプリ・スイッチャーをサポートする。スライド・オーバーで表示されているアプリに対して、iPhone 形式のアプリ・スイッチャーを呼び出すことができるようになり、アプリを簡単に切り替えることができるようになる。

iPadOS -- Split View

標準アプリは 1 つのアプリをスプリット・ビューで表示できるようになる。つまり、スプリット・ビューの左をメモ・アプリにして、右もメモ・アプリにすることが可能になる。サードパーティー・アプリも対応するのかな?

iPadOS -- Safari

デスクトップ・クラスのブラウジングができるようになる。iPad に最適化された表示ではなく、デスクトップ PC で表示される見た目と操作が可能になる (本当かな?)。Google Spreadsheet をどれくらいちゃんと操作できるようになるのか期待。

これは iPad 向け Safari に限らないかもしれないけれど、Safari はダウンロード・マネージャーを搭載する。

iPadOS -- マルチタッチ

3 本指ジェスチャーが追加される。3 本指ピンチ・インでコピー、3 本指ピンチ・アウトでペースト、3 本指スワイプで Undo。

Apple Pencil

レイテンシーが 20ms から 9ms へ減って、より反応が良くなる。また、PencilKit API が提供されるようになり、サードパーティー・アプリの Apple Pencil サポートが強化される。

2019-03-26

Apple Event It's show time が開催された

2018-03-26 (木) 02:00、Apple は The Steve Jobs Teater でイベントを開催して複数のサービスの予告を行なった。ハードウェアの発表は 1 枚のカードだけだった。

発表されたサービスは次の通り:

今日リリースされたのは Apple News+ のみ。それ以外のサービスは予告で、今日はリリースされたなかった。この内、日本でサービス・インが予定されているものは (Apple の日本語サイトから予想すると) Apple Arcade と tv アプリ、そして Apple TV+ だけと見られる。

Apple News+

Apple のニュース・サービス Apple News が進化する。Apple News は Apple のニュース・サービス (日本では未提供)。Apple News+ は雑誌のサブスクリプション購読サービス。月額 9.99 ドル。ファミリー共有にも対応。サービス自体は今日から開始するが、提供国はアメリカとカナダ (英語・フランス語) のみ。今秋にオーストラリアと英国への提供を、その後にヨーロッパへの提供を予定している。日本での提供は (行なわれるとして) かなり後になりそう。

購読可能になる雑誌は 300 以上。イベントでは、Los Angeles Times や The Wall Street Journal などが購読可能な雑誌として挙げられた。

購読雑誌はオフラインでも読むことができる。プライバシーにも配慮していて、パーソナライズは行なわれるものの、どの記事を読んでいるかを雑誌社や広告提供者が知ることはないとしている。

雑誌のカバーにはライブ・カバーも採用される。ライブ・カバーはカバーに動画を表示する機能。イベントでは National Geographics のカバーに夜景の様子が映し出された。

Apple Card

Apple がゴールドマン・サックスやマスターカードと組んでクレジットカードを提供する。リリースは今夏予定。日本の Apple サイトに紹介ページがないので、日本でのサービス・インはすぐにはなさそう。

Apple Card はオンラインで発行が可能。iPhone との親和性が高くなるよう設計されている。

クレジット・カードにつきものの年会費はなし。

Apple はユーザーが何を買ったか、どこで買ったか、いくら使ったかといった個人情報は取らないとしている。

Wallet アプリ

Wallet アプリは Apple Card 向けの機能が追加される。クレジットカードの利用履歴のアクセスできるのはもちろん、どの店舗で購入したかを位置情報を使って特定して表示する。例えば利用履歴の「コンビニでの購入」が「セブンイレブンでの購入」というように詳細情報が表示されるようになる。

購入履歴は自動でカテゴライズされて、週間・月間サマリーが作成される。

Daily Cache

Apple はポイントの代わりに、Daily Cache と呼ばれるキャッシュバック・サービスを行なう。利用した金額に対して毎日キャッシュ・バックが行なわれる。キャッシュ・バック率は以下の通り:

  • 1% キャッシュ・バック: 物理カードでの利用で
  • 2% キャッシュ・バック: iPhone や Apple watch からの利用で
  • 3% キャッシュ・バック: Apple Store や iTunes での購入で
物理カード

Apple Pay が利用できない店舗もある。そんなケースのために物理カードも発行する。チタン製で、クレジット番号やセキュリティー・コードは刻印しない。

Apple Pay の小さなニュース

Apple Pay は今年末までに 40 か国以上のサービス・インを予定している。また、日本の JR などで使われる交通機関での Apple Pay 利用を、アメリカの主要都市 (ポートランド、シカゴ、ニューヨーク) で今年末に開始する。

Apple Arcade

Apple がゲーム業界に参入する。Apple Arcade はゲーム・サブスクリプション・サービス。ゲーム・タイトルは 100 以上。サブスクリプションを開始すると、Apple Arcade 内の全てのゲームを楽しむことができる。リリースは今秋予定。料金は明らかにされなかった。日本を含めた 150 か国で公開される。ファミリー共有にも対応。

Apple Arcade のアプリは広告なし。アプリ内課金なし。プレイは iPhane や iPad の他、Mac や Apple TV 上で可能。全てのゲームがオフライン・プレイに対応する。

tv アプリ

tv アプリが進化する。Prime Video や Hulu などのサービス、ケーブル TV、iTunes ビデオ、Apple TV Channels を 1 つのアプリの中でアクセスできるようになる。リリースは 2019 年 5 月を予定。macOS 用の tv アプリは今秋リリース。また、スマート TV (Samsung, LG, Sony, Visio) と ROKU 及び Fire TV 向けにも tv アプリを提供する。tv アプリの提供国は現在 10 か国。これを 100 か国に拡大する予定とのこと。tv アプリは日本で提供されていないけれど、Apple TV+ が tv アプリ上で提供されるようなので、日本でもリリースされるんじゃないかと思う。

映画は各サービス (Prime Video, Hulu, iTunes ビデオ...) から自由に選べて、映画の予告編も見ることができる。試合についてはライブ・スコアを表示する。アプリ内でコンテントの購入も可能。

Apple TV+

Apple がオリジナル・コンテンツを提供する。Prime Video や Netflix がオリジナルのコンテンツを提供しているけど、Apple もその世界に入って来る。サービス・インは今秋。

あとがき

Apple の「ファミリー共有」の扱いが気になった。Apple News+ と Apple Arcade の 2 つのサブスクリプション・サービスで、ファミリー共有が追加料金なしで対応すると発表された。Apple Music では、個人 (980円/月) とファミリー共有 (1,480円/月) でプラン料金が違うのに。Apple はファミリーでの囲い込みを本格的に始めているように感じた。

2018-10-31

新 iPad Pro が発表された

2018-10-30 (火) 23:00、Apple が Apple Special Event を開催して、新 iPad Pro を発表した。

サイズは 11 インチと 12.9 インチの 2 ラインナップ。OLED は搭載しないものの、ノッチなしの FaceID をサポートしてホームボタンを廃止している。iPad Pro としてはフルモデル・チェンジに近い。色はシルバーとスペースグレイの 2 色展開。ストレージは 64, 256, 512 GB, 1 TB。価格は 11 インチが 89,800 円 (税別) から、12.9 インチが 111,800 円 (税別) から。2018-10-31 (水) から予約開始。2018-11-07 (水) から発売開始。

ディスプレイ

ディスプレイは Liquid Retina LCD ディスプレイ。iPhone X で採用された OLED はまだ iPad にはやって来ない。

過去のモデルに比べて、ディスプレイの四隅が丸っこくカットされている。また、iPhone X などと同じようにベゼルレス化が押し進められている。

FaceID とホームボタンの廃止

ノッチなしの FaceID が付いた。顔認証ための TrueDepth カメラは上側のベゼルの中に入っている。iPhone X では縦向きでしか顔認証が働かないけれど、iPad Pro では横向きでも顔認証が働く。

FaceID が採用されたことで、ホームボタンがなくなり TouchID も消え去った。認証は顔認証だけになる。タブレットは家族で使い回すことが多いので、複数の顔を登録できるとありがたいのだけど、そのあたりのサポートがどうなっているのかは不明。

また、ホームボタンがなくなったことで、iPhone X 流のジェスチャーへと移行することになった。といっても iOS 12 で iPad を使っていたら、iPhone X 流のジェスチャーがもう使えるようになっているので特に気にすることはない。下からスワイプ・アップしてドック、下からスワイプ・アップしたあと少し止めてアップ・スイッチャー、右上からスワイプ・ダウンしてコントロール・センター、左上からスワイプ・ダウンして通知センター。ここらへんはホームボタン付きの iPad と変わらない。画面下を横にスワイプしてアプリ切替ができるようになったのが新しいくらいか。

A12X Bionic

iPad Pro は A12X Bionic チップを採用。8 コアの CPU は 4 コアの性能コア (Performance Core) と 4 つの効率コア (Efficiency Core) から構成されている。シングル・コアで 35% の高速化を果たしているとのこと。また 7 コアの GPU は約 2 倍の高速になっている。A12 Bionic にあった機械学習用 Neural Engine も健在。

ストレージ

iPad シリーズで初となる 1TB モデルが用意された。ストレージは 64 GB, 256 GB, 512 GB そして 1 TB の 4 つから選ぶことになる。

カメラ

カメラは特に大きく変わっていないもよう。一つだけ挙げるなら、iPhone XS で導入された Smart HDR に対応するようになった。

USB-C

ライトニング・コネクターが廃止された。USB-C コネクターへとその座を譲る。

iPad Pro は USB-C を使って、今までより多くのデバイスと繋がれるようになる。例えば外付けディスプレイやカメラとの接続が可能になる。iPhone への充電も可能になるとのこと (USB-C / ライトニングの変換ケーブルは買わないといけないだけろうけど)

Apple Pencil (第 2 世代)

新しい Apple Pencil が発表された。価格は 14,500 円 (税別)。2018-10-31 (水) から予約開始。2018-11-07 (水) から発売開始。注文時に刻印が可能となっている。

iPad Pro とのペアリングは、Apple Pencil を磁石で iPad にくっつけるだけ。具体的には Apple Pencil の平らな面を iPad Pro の右側にくっつける。すると磁石で Apple Pencil と iPad Pro が繋がって同時にペアリングとワイヤレス充電が行なわれる。当然、第 1 世代にあったライトニング・コネクターは廃止され、旧 iPad Pro と一緒には使えなくなっている (そして、第 1 世代 Apple Pencil も新しい iPad Pro とは使えない)。

Apple Pencil にはタッチセンサーが新しく追加されている。Apple Pencil をダブル・タップすると、対応するアプリでツールの切り替えなどが行なえる。

Smart Keyboard Folio

新しい Smart Keyboard が発表された。価格は 11 インチ・モデル用が 19,800 円 (税別)、12.9 インチ・モデル用が 22,800 円 (税別)。2018-10-31 (水) から予約開始。2018-11-07 (水) から発売開始。

旧 Smart Keyboard は iPad の前面だけをカバーで守る形だったけど、Smart Keyboard Folio は形を変えて iPad を前後から挾みこむようになった。旧 Smart keyboard にあったスタンド専用のような形状にはならなくなったけど、キーボードを出したままで 2 種類の角度を選べるようになっている。

スマート・コネクターの位置は iPad の側面から下方・裏面へと移った。旧 Smart Keyboard は 12.9 インチ用の Smart Keyboard を 9.7 イ川四 iPad Pro につなげてキー入力することも可能だったけど、スマート・コネクターの位置が変わったから、そういうことはもう出来ない (気がする)。

あとがき

iPad Pro は 9.7 インチと 12.9 インチの第 1 世代及び第 2 世代を持っている。今回、iPad Pro の 11 インチを買おうか 12.9 インチの第 3 世代を買おうか、とても悩む。9.7 インチ・サイズの iPad は軽くウェブを閲覧したり、電車の中で開いたり、という用途で重宝している。そろそろ新しいものを買っても良い。一方、12.9 インチ・サイズは Kindle で技術書やマンガが読んだり、映画を見たり、YouTube を楽しんだり、会議やカンファレンスでメモを取るのに使っていて利用頻度が高い。両方買えたら言うことなしなんだけど、財布に余裕はない。次のモデルあたりで OLED 化も進むだろうし、それを考えるとどうすべきか。難しい。

新 Mac Mini が発表された

2018-10-30 (火) 23:00、Apple が Apple Special Event を開催して、Mac Mini の刷新を発表した。

価格は 89,800 円 (税別) から。2018-10-31 (水) から予約開始。2018-11-07 (水) 発売開始。

スペック

刷新されたスペックを中心に列挙する:

  • CPU: 最大 6 Core のチップ
  • メモリー: 最大 64 GB
  • ストレージ: 最大 2 TB
  • Thunderbolt 3 (USB-C) x4
  • HDMI 2.0 x1
  • 10 Gb Ethernet x1
  • USB 3.0 x2
  • 3.5 mm ヘッドホン・ジャック

CPU はデフォルトが 4 Core チップで、6 Core チップに変更可能。パフォーマンスは最大 5 倍向上したとされる。メモリーは 2,666 MHz DDR4 メモリーを採用。ストレージは全てフラッシュ・ストレージで読み込み速度は最大 4 倍高速化された。

新しい MacBook Air と同様、Apple の T2 セキュリティ・チップを搭載。暗号化ストレージなどでの高速化が期待される。

Thunderbolt 3 (USB-C) ポートは 4 つ。4K ディスプレイなら 2 つ、5K ディスプレイなら 1 つと接続が可能。グラフィック性能が必要なら、eGPU との接続もできるようになっている。なお、Thunderbolt 3 ポートとは別に、HDMI 2.0 ポートもあるので、そちらでディスプレイを 1 つ追加 (最大 3 画面) にすることも可能。

あとがき

Mac Mini ってこんなにスペック高くできたっけ? というくらい進化してきた。少しベース・プライスも高くなったようだけど、より実戦向きのスペックになったように思う。

新 Macbook Air が発表された

2018-10-30 (火) 23:00、Apple が Apple Special Event を開催して、MacBook Air の刷新を発表した。

色は ゴールド・シルバー・スペースグレイの 3 色展開。価格は 134,800 円 (税別) から。2018-10-31 (水) から予約開始。2018-11-07 (水) 発売開始。

スペック

MacBook Air で新しくなったスペックを中心に列挙する。

  • CPU: Intel Core i5 第 8 世代
  • メモリー: 最大 16 GB
  • ストレージ: 最大 1.5 TB
  • ディスプレイ: ベゼルレス Retina LCD 13.3 インチ
  • キーボード: 第 3 世代バタフライ・キーボード
  • タッチパッド: 感圧タッチトラックパッド (前世代より 20% 広い)
  • スピーカー: 前世代より 25% 音量アップ、2 倍低音アップ
  • マイク: 3 アレイ・マイク
  • TouchID サポート (TouchBar はつかない)
  • 端子: 2 つの Thunderbolt 3 ポート
  • 重さ: 1.25 kg

ディスプレイがついに Retina ディスプレイに対応。ベゼルレスで本体のサイズも小さくなった。重さは 1.25 kg。

メモリーは最大 16 GB をサポート。そしてストレージは最大 1.5 TB に。

TouchBar は付かないものの TouchID をサポート。専用の T2 セキュリティー・チップを搭載する。

コネクターとして Thunderbolt 3 ポートが 2 つ。Thunderbolt 3 ポートは 5K のディスプレイ出力が可能。オーディオは音量が 25% アップ。マイクは 3 アレイ式を採用。前面に FaceTime HD カメラ (720p) を搭載している。

あとがき

一部では廃番になるのでは? と噂もあった Macbook Air が刷新された。今までかたくなに Retina ディスプレイ化されていなかったものが、ついに Retina ディスプイをサポート。ベゼルレスで重量も 100g 軽くなり持ち運びしやすくなった一方、メモリー上限とストレージ上限が引き上げられて、今まで以上に重い作業をこなせるようになった。

今、メインで使っている MacBook Air もくたびれてきたので、そろそろ買い替えしても良いかな〜などと心がうずく。

2018-09-13

iPhone XR, Xs, Xs Max が発表された

2018-09-13 (水) 02:00、Apple がイベントを開催して、新 iPhone を 3 機種発表した。

全てのモデルは iPhone X を踏襲して全画面ディスプレイ・Face ID・ホームボタン廃止となる。iPhone X と同じ OLED ディスプレイを搭載する iPhone Xs (5.8 インチ) と Xs Max (6.5 インチ)、そして iPhone 8 と同じ LCD ディスプレイを搭載する XR (6.1 インチ) の 3 ラインナップ体制。XR の「r」が何を意味するのかは説明がなかった。

色は Xs と Xs Max がゴールド、シルバー、スペース・グレイの 3 色展開; XR はホワイト、ブラック、ブルー、コーラル、イエロー、プロダクト・レッドの 6 色展開。ストレージは Xs と Xs Max が 64, 256, 512 GB; XR は 64, 128, 256 GB。価格は Xs が XR が 84,800 円 (税別) から、Xs は 112,800 円 (税別) から、Xs Max は 124,800 円 (税別) から。iPhone Xs と Xs Max は 2018-09-14 (金) 16:01 から予約開始。2018-09-21 (金) 発売開始。iPhone XR は少し遅れて 2018-10-19 (金) 16:01 から予約開始; 発売日は 2018-10-26 (金)。

まずは iPhone Xs と Xs Max のまとめを書いて、その後 iPhone XR のまとめを軽く書いていきたい。

防水と防塵

iPhone の防水・防塵が IEC60529 の IP68 等級に向上した。

iPhone の防水・防塵は iPhone 7 で初めて導入された。この時の等級は IP67 だった。防塵の等級は変わらず IP6X。「有害な影響が発生するほどの粉塵が中に入らない」という内容。

防水は IPX7 から IPX8 へと変化した。ただ、IPX7 は「一時的に一定水圧の失件に水没しても内部に浸水することがない」(最大 1m の水深で、最大 30 分間) とするのに対して、IPX8 は「IP7 より厳しい条件を満たす」としか規定がない。どれくらいの深さ・時間、水没させても OK かという基準はメーカーが設定する。Apple はこれを「最大 2m の水深で、最大 30 分間」と設定している。

ディスプレイ

iPhone Xs のディスプレイは Phone X と同じ 5.8 インチ、解像度 2,436 x 1,125 (458 ppi)。iPhone Xs Max は iPhone 史上最大の 6.5 インチ、解像度 2,688 x 1,242 (458 ppi)。

HDR 10 と Dolby Vision に対応しているので、映画も楽しく見れるとしている。

また、120 Hz の Touch-Sensing に対応。よりスムーズなスクロールが可能になる。

スピーカー

よりワイドなステレオ・サウンドを提供できるようになった。

FaceID

Neural Engine に対応して、より高速な認識が可能になった。

A12 Bionic チップ

業界初の 7 nm チップ。6 コアの CPU と 4 コアの GPU、そして Neural Engine を搭載。

6 コアの CPU は、2 つの性能コア (Performance Core) と 4 つの効率コア (Efficiency Core) から成る。性能コアは 15% 高速化、効率コアは 50% の少消費電力を達成した (A11 Bionic と比べて)。

4 コアの GPU は A11 Bionic と比べて 50% の高速化を達成。

Neural Engine は A12 から新しく追加されたエンジン。8 コア・アーキテクチャーで、機械学習の演算を高速化する目的で設計されている。CoreML に至っては 9 倍の高速化が期待されるとのこと。

カメラ

12 MP のデュアル・カメラ・システム; 広角カメラ (f/1.8) と望遠カメラ (f/2.4) を搭載。

Neural Engine と連携して、写真撮影時のプロセッシングを高速に行なうようになっている。

Smart HDR

進化した HDR。ぶっちゃけ良く分からなかった。

カメラ・アプリを開いたら、4 フレームのバッファーを常にチェックしてシャッターが押されたタイミングの写真を取って (Zero Shutter Lag)、各フレームに対して Highlight detail, Shadow detail を作成してその中から良いものをマッチアップして 1 枚の写真を作る、らしい。

ボケ

撮影後に被写体深度を調整できるようになった。写真の編集画面に Depth スライダーがある。f1.4 から f16 まで変更可能。

バッテリー

バッテリー時間が伸びた。iPhone Xs は iPhone X と比べて 30 分、iPhone Xs Max は iPhone X と比べて 1.5 時間、利用時間が伸びた。

Gigabit-class LTE

高速な LTE。

Dual SIM

Dual SIM が採用された。DSDS (Dual SIM Dual Standby) をサポートする。つまり、2 つの SIM を同時にスタンバイ状態にすることができる。

2 枚目の SIM は eSIM として iPhone にビルトインされている。eSIM 対応の携帯業者と契約して使う形を取る。日本での eSIM 提供がどうなるかはまだ不明。

2 つの SIM には自分で名前を付けられる。

なお、中国向けには eSIM ではなく、2 つの SIM を挿入できるモデルが特別に提供されるとのこと。

iPhone XR

旧 iPhone 8 の後継的な存在。iPhone Xs との比較という形で軽くまとめてみた:

  • 防水・防塵: IP67
  • Liquid Retina ディスプレイ
    • 6.1 インチ・ディスプレイ (1,792 x 828; 326ppi)
    • LCD ディスプレイ
    • 3D Touch 非対応 (代わりに Haptic Touch)
  • 12 MP シングル・カメラ
  • バッテリーは iPhone 8 Plus と比べて 1.5 時間長くもつ
  • 4G LTE-Advanced (ギガビット級 LTE は対応せず)

あとがき

iPhone Xs Max の大ディスプレイが出たのは嬉しい。iPhone Xs は少し小さいと感じていたので。

それ以外でデバイスとしての大きな変更があったように思えない。Dual-SIM くらいかな? 毎年 iPhone には大きな変更が入っていたものだけど、今年は小粒の変更だったように感じた。