いわゆるニセ科学批判で盛り上がる人のリテラシー、何が怖いって自分の「科学」観に絶対の自信があるから、妙に非科学的なものに引っかかったりするんですよね。特に医療で完治できない、割り切れない領域のものに。科学とは白黒つけるものだと根底から勘違いしてるんだろうなあ。
京都大iPS細胞研究所の論文不正問題を受け、山中伸弥所長が、給与を当面の間、研究所に全額寄付するとの考えを示していることが25日、分かった。今月の給与から寄付するとしている。 論文の研究費約310万円のうち、一般の人から募った寄付金「iPS細胞研究基金」の二百数十万円が使われていたための措置という。 山中所長は不正を発表した22日の記者会見で「多くの方から頂いた支援が使われてしまった」と謝罪。発表後に対応を検討し、寄付する考えを担当者らに伝えた。 24日に京都市内で行われた講演では、寄付金が使われていたことや今後の寄付活動について、「どうしたら皆さまに納得していただき、自分自身が納得できるのか。最良の方法を探したい」と発言していた。 問題の論文を掲載した米科学誌ステム・セル・リポーツは、山中氏が国際幹細胞学会の理事長を務めていた2012年に、学会と出版社が提携する形で創刊を発表。 科学誌の
日本学術会議の安全保障と学術に関する検討委員会(座長・杉田敦法政大教授)は16日、軍事的な研究に対して慎重な対応が必要とする中間とりまとめ案を大筋で了承した。学術と軍事研究の距離が問われるなか、一定の方向性を初めて打ち出した。2月のシンポジウムでの討議や意見を踏まえ、今春の最終とりまとめに向け調整を進める。 日本学術会議が過去に2回出している軍事的な研究を禁じる声明について、いずれも過去の大戦に研究者が動員され、政府からの独立性を確保できなかったことへの反省によるものと位置づけた。軍事的な研究に対する科学者らの自己規律は、学問の自由に反することはないとした。 そのうえで、軍事的な研究は、秘密保持が高度に要求されがちで研究が萎縮するおそれがあると指摘。防衛装備庁による研究助成は「政府による介入の度合いが大きい」として、学術研究として参加することに慎重な対応を求めている。 一方、意見を出した1
図には言葉では説明しきれない、決定的な情報が盛り込まれている。本書は一見に値するような図像を一〇〇点あまり揃え、科学史発展のストーリーの中でそれらを位置づけ、図の背景にある科学の内容や人間模様を解き明していく。天文・気象・地質・動物と植物・人体・生命科学・分子、原子、素粒子の七つの自然科学の分野で、それぞれの転機をなした図像とはどのようなものか。科学史の重要な局面を生んだ図像から、歴史のダイナミズムをつかむ科学史入門の決定版。 序章 科学史を俯瞰する―古代から現代へ至る科学の発展 第1章 天文―星の振舞と宇宙の構造 第2章 気象―大気の状態と予測 第3章 地質―地層の重なりと地球の歴史 第4章 動物と植物―動植物の姿、形、模様 第5章 人体―各器官の構造と機能 第6章 生命科学―顕微鏡下の世界 第7章 分子、原子、素粒子―心の眼で見た究極の粒子
5ヶ月経ちましたが返事が貰えない状況なので、ここに公開したいと思います。 *「ナノ銀除染というインチキ科学を批判したら元板橋区職員阿部宣男氏から訴えられた」と聞き、」は、少し補充しておく。 正確には、「ナノ銀除染というインチキ科学を批判したことで、“インチキ”などの表現を名誉毀損だとして元板橋区職員阿部宣男氏から訴えられた」ということ。 *「ニセ科学を批判したから裁判に訴えられた」というのはざっくりとした話。提訴してくるニセ科学側が理由にできるのは営業妨害や名誉毀損。そこでニセ科学側は言葉尻を捉えてニセ科学批判側を名誉毀損で訴える。だから、その提訴の背後にはニセ科学批判がある。 名誉毀損とされる、その言葉は意見論評とセットになっている。それで科学上の問題にもなる。 *11月15日(火)、一時間余中央委・都委から説明を受けた。しかし認識については平行線だった。この要望は継続する。 ─────
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と防災科学技術研究所(防災科研)で、論文を閲覧するデータベースの契約を年間購読から閲覧回数に応じて支払う方式に変えた場合、2年間で計2千万円の経費を削減できることが会計検査院の調べでわかった。年間購読を続けながらも閲覧がゼロのケースもあり、検査院は契約方式を変えるよ…
最初に断っておくが、私は「反・小保方派」でもないし、「親・小保方派」でもない。また、専門は半導体をはじめとするエレクトロニクス関係であり、「STAP細胞」などの再生医学はまったくの素人である。 そのような私が本稿で言いたいことは、「小保方氏について何かを述べる」ことでもなく、「2015年以降に発表された米独のSTAP関連論文の真偽や、米ハーバード大学のグループが出願したSTAP細胞関係の特許成立の可否を議論する」ことでもない。 では、何を主張したいかというと、2014~15年にかけて狂騒状態というほどに騒ぎまくった朝日新聞をはじめとする大手マスコミが、その後この話題をほとんど取り上げないことは不自然ではないか、ということである。 「ビジネスジャーナル」だけがSTAP細胞を取り上げた 14~15年に、「STAP細胞はあるのか否か」と日本中が大騒ぎした。その結果、「STAP細胞はES細胞が混入
過日、お世話に鳴っている黒木登志夫先生の「傘寿+出版記念お祝い会」が開かれ、仙台から馳せ参じた。そのようなお年にはまったく見えないので、暦年齢として115歳くらいを目標に長生きされてほしいと願っている。ちなみに、お祝い会の最後にスピーチをされた現日本数学会会長の小谷元子先生(東北大学大学院理学研究科教授、総合科学技術イノベーション会議議員)は、目標125歳とのこと。 今回、黒木先生が上梓されたのは『研究不正 科学者の捏造、改竄、盗用』というもの。中公新書としては『がん遺伝子の発見ーがん解明の同時代史』(1996年)、『知的文章とプレゼンテーション 日本語の場合、英語の場合』(2014年)、『iPS細胞 不可能を可能にした細胞』(2015年)に続く4作目。ちなみに、『がん遺伝子の発見』は山中伸弥先生の「心の糧」にもなった名著。今回のお祝い会では、山中先生からはビデオメッセージが届いていた。
科学技術分野への投資額として「2020年にGDPの1%」という目標が掲げられ、総理の言葉として「若手研究者が最大限、力を発揮できる環境を整備していく」と報道されている。科学技術政策に関連する問題として、2015年の最後の月に研究不正について振り返りたい。 2014年に生じた大きな研究不正問題は、広く国民まで巻き込んだ「事件」となった。当時、これはあくまで「はずれ値」であって、大多数の研究者は不正には関わっていないのだから問題ない、という意見や、再現性の無い論文はやがて淘汰されるのであるから目くじらを立てるほどのことはない、という見方もあったし、もっと多数の論文不正が関わる事例もある、という指摘もされた。(そもそも、種々の不正は研究業界だけに見られるものではなく、今年で言えばオリンピックのエンブレム問題や、マンション杭打ちデータ捏造なども報道されているが、ここでは触れない。)しかしながら、R
名古屋市の中心部を流れる川をきれいにしようと、地元の人たちが、汚れを分解する性質がある微生物を混ぜた土だんごを川に投げ入れて浄化活動を行いました。 活動が行われたのは、名古屋市の中心部を流れる堀川で、水質の悪化が進んだため、8年前から地元の人たちが浄化に取り組んできました。 18日は、名古屋市や稲沢市などから小学生やボランティアの人たち約200人が参加し、EMと呼ばれる特殊な微生物を練り込んだ土だんごを使って浄化活動を行いました。 乳酸菌や酵母菌などの微生物が汚れなどを分解し、川をきれいにする作用があるということで、参加した人たちは、用意された約3000個の土だんごを河原や橋の上から投げ入れたり、微生物を培養するための液体を注いだりしていました。 3年連続で参加したという10代の女性は「においも少しずつなくなっているので、きれいになっているのを実感しています」と話していました。 また、この
真実を歪めたのは誰だ?STAP騒動の真相、生命科学界の内幕、業火に焼かれる人間の内面を綴った衝撃の手記。。 研究者への夢 ボストンのポプラ並木 スフェア細胞 アニマル カルス 思いとかけ離れていく研究 論文著者間の衝突 想像をはるかに超える反響 ハシゴは外された 私の心は正しくなかったのか メディアスクラム 論文撤回 仕組まれたES細胞混入ストーリー 業火 戦えなかった。戦う術もなかった 閉ざされた研究者の道
小保方晴子さんの「あの日」を読んだ。誤解して欲しくないのだが、僕が、この小保方晴子さんのセンセーショナルな手記を手に取ったのは好奇心からではない。ゲスい野次馬根性からである。告白しよう。小保方晴子さんの名前をググることは毎朝の僕のルーティーンであった。 なぜ、彼女がこれほど僕の心を惹きつけ続けるのか、その理由を知りたい。それがこの手記を手に取った理由である。今、読み終えて放心しているところである。内容の詳細については各々読んでいただかなくてもいいとして、これだけは言っておく。衝撃の手記という宣伝文句は本当であった。事件については報道でなされている以上のいわば秘密の暴露はまったくないし、著者が関与したとされる疑惑は華麗にスルーされているので、なぜSTAPの騒動が起こったのかまったくわからないからだ。一方、宴席で泥酔しているうちにアメリカへの留学が決まったワンダーな経緯や、執拗に繰り返される共
京都大学に研究員として所属する江谷典子さんのビッグデータを解析することによって薬の副作用の影響がほぼ100%予測できるようになったという発見がいまいち信憑性に劣るとして批判が相次ぎ、京都大学が発表を削除する珍事が起きた。 京都大学が1/22に発表した研究成果はなんと「薬の副作用が完全に予測できるようになる」というもので世間を大変騒がせた。 参考:研究成果(京都大学)の魚拓 発表によると、医学研究科特定研究員の江谷典子(えたにのりこ)さんが遺伝子のビッグデータを解析することで、薬を個人に与えた場合の副作用が事前に予見できるようになるというもの。簡単に言えば、過去のデータを照らしあわせて患者と似た人を探し、その人に出た副作用が今回も起きると予想するものだ。 京都大学は学術雑誌「Journal of Big data(Springer社)」にも掲載されたとして誇らしげにHPにその成果を発表してい
突然の出版講談社の社員も知らない極秘プロジェクトだったようだ。 2016年1月27日、STAP細胞事件の当事者である小保方晴子さんが手記を出版することが明らかになった。その名は「あの日」。 STAP細胞論文の記者会見から1月28日でちょうど2年。2014年4月の会見以来、公の場に姿を現すことなく、弁護士を通じたコメントなどでしか動向がわからなかった小保方さんが、その思いの丈を手記という形で世間に問う… いったい何が書かれているのか。1月28日午前0時、電子書籍版を速攻でダウンロードし、読んでみた。 出版の意義内容に触れる前に、手記が出版されること自体の意義について考えてみたい。 小保方さんはSTAP細胞事件で激しい批判にさらされた。いわば「炎上」した。もちろん、ご本人の行った研究者としての逸脱行為は問題だし、ペナルティを課されねばならない。しかし、これまで触れてきたように、研究不正は世界各
STAP細胞論文の研究不正問題をめぐり、論文を書いた小保方晴子・元理化学研究所研究員(32)が手記を出版することが26日、わかった。小保方氏がまとまった主張を公表するのは、2014年4月の会見以降初めて。 タイトルは「あの日」で、全253ページ。講談社から出版され、早ければ28日に書店に並ぶ。14年1月に論文を発表後、不正の疑惑が浮上して論文の撤回に至る詳細などを当事者の視点でつづっている。 小保方氏は手記の冒頭で「世間を大きくお騒がせしたことを心よりおわび申し上げます」とした上で、幼少期から米ハーバード大留学などを経て、理研の研究員となって論文を発表するまでの経緯を説明している。 論文について疑惑が深まる中、… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会
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