テーマ:「伝統」「伝統的」という用語法をめぐって あるいはなぜある種の言葉が分析概念として反省材料になるのか? 本日(2002年5月22日)、文化表象学調査実習ベーシック版 の授業において、「伝統」の用語法をめぐって、(かつて「近代」が「伝統」を創出したという指摘をめぐって論争が闘わされた)問題の多い用語であると指摘しました。 この私の主張の真意は、「伝統」という用語を一般の人が使うように我々が不用意に使えないのであって、使うなという指示ではないことにあり ます。「伝統」の用語は歴史的にみて近代社会の中で構築されてきた用語で、授業で指摘したように「野蛮」や「未開」と同様、問題のある用語であるというこ とです。 皆さんがこれまでの授業の中で、この事実について学ばれていないことに驚きを覚えましたが、同時に、我々専門の業界人の中にも奥目もなく 「伝統的社会」——最近『民族学研究』の中にもアルカイ