【オルタの視点】 弾圧された俳人の名誉回復と弾圧に協力した俳人の責任追及を マブソン 青眼 戦後フランスでは、「第二次世界大戦中のヴィシー政権は自発的にナチス・ドイツと協力したことはない」、「公職や知識人のほとんどが内心では対独レジスタンスの味方だった」というフランス自画自賛の神話が作られ、長らく信じられてきた。 しかし1972年に、フランス人ならぬロバート・パクストンというアメリカの歴史学者から、対独レジスタンスの神話を解体する名著が出された。それは、“Vichy France: Old Guard and New Order”(Robert Paxton, New York, Alfred A. Knopf, 1972、日本語訳『ヴィシー時代のフランス―対独協力と国民革命』、柏書房、2004)である。客観的な資料に基づいて、戦時中のフランス政府や多くの知識人が能動的にナチス軍部と協力し