香港(CNN) 緑豊かな山を背にしたきらびやかな摩天楼や点心店、スーツ姿の投資銀行員たち――。それが絵はがきに描かれる香港のイメージだ。 しかしここ数週間、国際金融拠点の香港はもっと暗い出来事でメディアの見出しをにぎわせている。モデル兼インフルエンサー、蔡天鳳(アビー・チョイ)さんの死だ。市内の賃貸物件で先月、蔡さんの切断遺体が食肉スライサーや電気ノコギリと一緒に見つかった。 28歳の母親だった蔡さんの死は、世界有数の安全な都市に数えられる香港を恐怖に陥れただけでなく、事件の凄惨(せいさん)な詳細が明るみに出るにつれ、世界の多くのメディアがくぎ付けになった。 香港市民にとっては、過去に起きたバラバラ殺人の痛ましい記憶を呼び覚ます結果にもなった。その多くは若い女性を狙った事件で、ほぼ全て男によって実行されたものだ。 1999年には「ハローキティ殺人事件」が発生。被害者の女性(当時23)はギャ