駅のホームに、「どの駅は何号車で降りると階段が近い」といった情報が掲示されていることがあります。便利なこの案内、たったひとりの女性の苦い経験とアイディアで始まり、いまではオリンピックも関係するようになりました。 子どもを連れて、エレベーターを探すも… 何号車に乗ると降りる駅で階段が近いか、教えてくれる案内を駅で見たことはないでしょうか。この案内は「のりかえ便利マップ」といい、株式会社ナビットの社長である福井泰代さんがたったひとりで始めた“事業”です。 1995(平成7)年、福井さんが当時生まれたばかりだった2人目の子どもを連れ、地下鉄駅構内でエレベーターを探し迷った苦い経験を元に、「のりかえ便利マップ」の原型を手書きで作ったのがすべての始まりでした。折りしも発明にハマっていた福井さんは、たったひとりで5か月にもわたって都内の地下鉄各駅を巡り、すべての駅で「のりかえ便利マップ」を完成させます