僕らは先人で仕事をしている人がいたわけじゃない ――当時は今みたいにアニメライターや特撮ライターみたいな存在がいなかったわけですよね。 小牧 だから、もともとね、発表の場がないけどおもしろい人たちに場所を提供しているみたいなところがあったの。江古田にあった「まんが画廊」には絵や文章のセミプロみたいな人が集まっていて、声を掛けるだけで本が1冊作れちゃうみたいなところがあったし。でもさすがに月刊化するころになると、皆ちゃんと仕事を持つようになっていたので、なかなかそういうノリでできなくなったところはあったかな。 出渕 当時のアニメブームの中で、アニメを知っている書き手って、森(卓也)さんとかおかだえみこさんとか、それ以前のアニメーションの世界の人ぐらいしかいなかったんですよね。でもそういう方たちだと、当時の気分を切り取れるわけじゃない。だからそういうのがわかる人が駆り出されることになったわけで