実用椅子のデザインに著作権を認めた知的財産高裁判決の波紋が、関連業界や有識者に広がっている。同様の判決が定着すれば実用品のデザイン模倣が難しくなり、有名家具の形状をまねたいわゆる「ジェネリック家具」が姿を消すかもしれない。家電製品や自動車などデザインを重視する製品にも影響が及ぶ可能性もあり、議論を呼びそうだ。(編集委員 渋谷高弘)「工業製品が美術的に優れていることもある。実用椅子に著作権を認め
先週ほとんど全ての知財関連法の改正案が閣議決定された(文科省の法律案と経産省のリリース参照)。内容はおおよそ予想通りであり、また他でも様々な解説が書かれるのではないかと思うが、今回は全ての知財関連法についてかなりの大改正となっており、ここでも念のため実際の条文案がどうなったかということをざっと見ておきたいと思う。 (1)著作権改正法案(現行出版権の拡大による電子出版のカバー) まず、第306回でも書いた通り、一番揉めていた著作権法は、案の定以下のように現行出版権を拡大して電子出版をカバーするのに近い形にされた。(文科省の新旧対照条文案(pdf)と概要(pdf)参照。) (出版権の設定) 第七十九条 第二十一条又は第二十三条第一項に規定する権利を有する者(以下この章において「複製権等保有者」という。)は、その著作物について、文書若しくは図画として出版すること(電子計算機を用いてその映像面に文
第306回:国内外の動きの補足(現行出版権の対象拡大による電子出版のカバー、ハーグ条約加盟と画像デザインの保護拡充、子供のインターネット利用に関するドイツ最高裁の判決) そこまで大きな動きがある訳ではないが、前回かなりあっさり書いてしまったことについて少し補足の説明をしておきたいと思う。 (1)現行出版権の対象拡大による電子出版のカバー(著作権法改正関係) 1月9日に共同通信がその記事で、現行の出版権の対象を広げて電子書籍を含める方針を文化庁が固めたと報道しており、1月16日には自民党の文部科学部会で文化庁が「電子書籍に対応した出版権の整備について」という項目で説明を行っている(自民党会議情報参照)。実際の法案の条文を見るまでは何とも言えないところもあるが、文化庁が出版業界のロビー活動に負け、紙の出版権と電子出版権の一体的取り扱いを原則とする法改正案を提出しようとしている可能性は高いと見て
今年1月、こんなニュースがかけめぐったのを覚えているだろうか。 「どん兵衛」が「サッポロ一番」を訴えた。 ストレート麺の製法をめぐって、日清食品が、「サッポロ一番」を販売するサンヨー食品の「麺の力」などの11商品が「日清の特許侵害にあたる」として、製造・販売の差し止めと、約2億7000万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴したのだ。簡単に言うと、日清は「ウチのつくり方をパクりやがって」と怒っているわけだ。 日清の社員によると、「いきなり訴訟ということではなく、こちらもずいぶん前からずっと警告を送っていた。それをサンヨーさんが放置されてきたので、しかたなくこういうことになった」という。一方、サンヨーの関係者によると、「そもそもまったく違う製法なのに、なぜ日清さんがこんな言いがかりをつけてきたのかわからない、と社内ではかなり混乱していたようです」と、首をかしげている。 製造特許の世界は奥が深い。
カシオ計算機が人的資本経営を強化している。社員が力を最大限発揮するための健康経営推進や、多様な人材が活躍できる職場環境を構築するマネジメント能力の強化といった取り組みを進める。中で... マイクリップ登録する
TV東京のWBS(ワールドビジネスサテライト)の「日本知財戦略 巻き返しは…」という特集のアーカイブが公式サイト上で見られるようになっています(期限付きかもしれません)。 内容は、主に、プログラムの画面デザインの意匠登録を可能にする法改正案の話です。 画面デザインの保護に関する入門的話はこのブログの過去記事「MAKERムーブメントが知財に与える影響:意匠権と実用新案権」と、EnterpriseZineに連載中の知財入門記事で書いてます。 ポイントは日本の現行制度ではソフトウェアの画面デザインは意匠権で保護されない(意匠権は物品に結びついた権利であるが、ソフトウェアは法律上は物品ではないから)という点が、諸外国との整合性を欠き、問題になっているため、法改正をしてソフトウェアの画面デザインも意匠権の対象にすべきという話です。 特に一般消費者向けの製品等ではプログラムの画面デザインは各メーカーが
ちょっと前になりますが、GIGAZINEが「Appleが『丸みを帯びた長方形』のデザイン特許を取得」という記事を載せていろいろなところで話題になっています。(元記事はたぶんこちらで米国でもいろいろなところで議論されています。) まず、最初に言っておきたいことは、ここで言う「デザイン特許」とは日本でいう「意匠権」に相当するということです。米国の特許制度は、技術的アイデアに関する「特許」(Utility Patent)と工業デザインに関する「特許」(Design Patent)を一緒に扱う制度になっていますが、日本では後者を「意匠」と読んで別に扱っています。 ということで、”Design Patent”を扱っている米国の記事を翻訳する時にはできれば「意匠」と訳していただきたいです(せめて、「デザイン特許(日本では意匠権に相当)」とでもしていただきたいです)。この話、何回も書いているのですがなか
昨年くらいから一部で議論はされながら、立ち消え(?)になったと思われていたネタが、日経紙上で突如として復活してきた。 「特許庁は工業製品のデザインを保護する意匠権の範囲を拡大する方向で検討に入った。パソコンやスマートフォン(高機能携帯電話)などの画面上に表示されるウェブページやアイコンなどのデザインにも意匠権を認める方向。欧米など主要国の制度に近づけ、IT(情報技術)企業の海外進出を支援する。」(日本経済新聞2012年3月27日付け朝刊・第5面) 確かに、記事にもあるように、画面デザインをめぐる紛争は、世界各地で勃発しているし*1、良いデザインがあれば模倣品が出回るのも世の常だ。 だが、だからといって、あらゆる機能的画面デザインを意匠権でカバーすることが、世の中のニーズに沿うか?と言われればそれは明らかに違うと思う*2。 記事では、 「著作権は意匠権と比べて権利の確定が難しく紛争の解決に時
電気自動車(EV)にコネクテッド(つながる)、自動運転――。新技術を搭載するクルマが続々と登場しているが、大ヒットを記録しているものは少ない。どうすれば普及期に突入できるのか。 「…続き エコカーに「無関心の壁」 米自動車市場の現実 [有料会員限定] EV時代はまだ来ない 現実解は「マイルドHV」
日本生命保険は11日、米国などで既存保険契約の買い取り事業を行う持ち分法適用会社のレゾリューションライフ(英領バミューダ諸島)を完全子会社化すると発表した。買収額は約1兆2000億... マイクリップ登録する
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