重要文化財の修理保全は、国へ事前の届け出や報告が必要で、職人の手配など大変な負担がのしかかります。 2012年のかやぶき屋根の吹き替え工事には、九州産のかやを使い、京都から職人を呼びました。費用は、およそ1億5000万円。大規模な修理がない年でも、観光客用のトイレなど細かい設備の更新が必要な時があり赤字。歴代の当主は、費用の工面に頭を悩ませてきました。 ■上時国家が守ってきた伝統と文化 時国さんの父で、先代の当主・恒太郎さんは、裁判所の調停員や土地改良区の理事長をつとめ、輪島市町野町の発展に力を尽くしました。 1969年にMROが制作・放送した番組には、恒太郎さんが大切にしていたというからくり人形が動く様子が、収められています。上から下に人形が階段から降りる姿は愛らしさが残ります。 先祖・時忠への墓へは、当時、家で雇っていた人たちが、担ぐ籠に乗っていくシーンも再現されています。 からくり人