昨日の死刑執行について、各種メディアから取材が相次いでいる。鳩山大臣が、死刑執行のペースをあげて半年間で13人という大量処刑の道をひらいたことが、この国の刑事司法のあり方を大きく変化させたことは、間違いのないことだ。今後、裁判所で確定する死刑囚の数も増加していく。そして、私たちが何もしなければ、裁判員裁判でたった3日間のスピード審理の結果、死刑判決も増えるのではないか。つい先刻終わった取材は、「鳩山法相支持」「鳩山法相ガンバレ」の声がテレビ局にたくさんきたことについてどう考えるかというインタビューだった。私たちのこの国は、21世紀の初頭に世界の趨勢に逆行して「死刑の積極的推進」に舵を切っていいのだろうか。 日本で育った若者がヨーロッパやカナダなどの死刑廃止国に留学して「死刑の存在しない社会」にふれた時、何か戸惑いがあるだろうか。むしろ「日本ではなぜ死刑が存置されていて、日本人の多くが支持し