[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

愛怒流でいず

【あいどるでいず】

ジャンル 恋愛アドベンチャー
対応機種 Windows(Steam/GOG.com)
Nintendo Switch
発売元 qureate
開発元 iMel
qureate
発売日 【Switch】2021年6月17日
【Steam/GOG】2021年8月6日
定価(10%税込) 【Switch】800円
【Steam】1,280円
プレイ人数 1人
セーブデータ 80個(+クイックセーブ1箇所)
レーティング CERO:D(17歳以上対象)
備考(Switch版) ダウンロード専売
判定 良作
ポイント 不良アイドルとの共同生活
まさかの歌付きOP実装
同棲生活感は薄め
qureate作品


概要

qureate(キュリエイト)の臼田裕次郎氏が送る低価格恋愛ADV・でいずシリーズの第5弾。
キャラクターデザインはしのづかあつと氏が担当している。

本作もWin版は公式サイトでR18化パッチが配信されており、FANZA及びDLsiteでも18禁Ver.単体で販売されている。
ただし、本稿ではR18表現の無い「パッチ未適用のSteam版」と「Switch版」に限定して記載する都合上、R18部分や価格格差については評価の考慮に入れないものとして扱う。

あらすじ

秋葉原を拠点とする地下アイドルグループを運営する事務所のスタッフの青年は、
上司から新しいアイドルの発掘をしてこいと言われ、頭を抱えていた。

主人公が思い描くアイドルになれるような素質ある女の子はそうそういなく途方に暮れ、
成果なく公園で休んでいると、猫にエサをあげながら小さく歌を口ずさむ少女と出会う。

彼女の歌は儚げだが、心に響く歌声だった。

一瞬で心奪われた主人公は、そんな彼女に向かってアイドルにならないかとスカウトをするが、
あっさり断られ、くだらないと一蹴されて彼女はどこかへ消えてしまうのだった。

翌日、オフィスに呼び出され、スポンサーの娘をスタッフとして雇うことになったため、その教育係に任命するという。
困惑する青年の前に現れたのは、前日スカウトして断られたあの少女だった。

彼女の名前は「 茜咲 (アカネサキ) 椿 (ツバキ)」。
これまでに何度か職に就いたことはあるものの、いずれも喧嘩沙汰を起こして解雇されてしまったという。
そんなヤンキー娘の教育係に任命された青年の運命はいかに!?

ヤンキー娘がアイドルに転身!?
新米プロデューサーとアイドルのハラハラドキドキの共同生活がはじまる──

(公式サイトより引用)

システム

  • ADVゲーム
    • ストーリーは主人公の目線で語られて、かつ原則1本道。ストーリー中は2択の選択肢が6回分出る。
    • これらの選択肢に回答した直後は、その後の会話が少し変わるだけで大元のストーリーや会話は変わらない。
    • エンディングが3種類あり、7つ目の選択肢に何を答えたかで展開が分岐する。またそれまでの6回の選択肢に何を答えたかで、グッドエンドに到達できるかどうかが判定される。
      • 2択の選択肢には正解不正解が設定されているようで、2回分間違った選択肢を選ぶとグッドエンドにたどり着けないようになっている模様。
  • その他
    • バックログ表示、メッセージボックスの非表示、クイックセーブ・ロード、早送り、メッセージのスキップといった機能が搭載されている。
    • システム画面から、文章の表示速度や言語を操作できる。BGMの音量、ヒロインの声量なども操作可能。

評価点

  • ヒロインの描写
    • ヒロインの椿は暴力沙汰による数々のトラブルを起こした過去を持つ問題児ではあるが、拳を振るうのは彼女の正義感故であり、純粋でまっすぐな心の持ち主である。
      また、過去の経験からアイドルという仕事そのものを好ましく思っておらず、現実を冷めた目で見ているものの、歌うことが嫌いなわけではない。
      そんな彼女の葛藤や心境の変化を短いボリュームでありながら見事に描ききっている。
      • 当然、E-moteによってぬるぬる動く立ち絵も健在。下着は ピンク である。 可愛い。
  • qureate作品史上初の歌付きオープニングムービー
    • 本作ではシナリオの第1章部分が終わると、唐突にオープニング映像が流れる演出が入る。
      ヒロインの椿を演じる風花ましろ氏が歌う『Make me Make Love』という曲が使われたムービーなのだが、思わず予算の心配をしてしまう程に力が入れられており、フルバージョンやサントラの 追い課金 発売を望む声も少なくない。
      + そのオープニングムービーがこちら。 ※イベントスチルのネタバレ注意!
      • 尚、この一連の演出はあくまで「本作の雰囲気作り」のために作られたようで、本記事執筆時点での後発qureate作品には実装されていない。
  • オプションUIの日本語化
  • また細かい点ではあるが、でいずシリーズにしては珍しく誤字脱字が全く見当たらない。

賛否両論点

  • オタクっぽい主人公の描写
    • 主人公は漫画の名台詞を引用したがる癖があり、その頻度も少なくない上に「一般常識だぞ」と開き直ることもあってうざく見えてしまっている。そのため、苦手な人にとってはどうしても嫌悪感を覚えてしまう。
    • だが一方で、ヒロインとの仲の良さを表す描写にも役立っており、終盤では思わず胸が熱くなる台詞にも一役買っているため一概に問題という事も出来ない。
  • 過去作と比較した場合、ヒロインとの同棲生活感が少な目
    • 日常生活よりもアイドルプロデューサーとしての仕事の描写やアイドル活動の描写の方がメインになっているため、同棲生活の描写が過去のシリーズ作品と比較して少な目になっている。
      しかし、少ないボリュームでシナリオの完成度を高めるためと考えればやむを得ないのも理解できる。

問題点

  • いつも通りボリュームは少な目。数時間で遊びきれてしまう。
  • オープニングムービーにイベントスチルのネタバレが存在する
    • オープニングムービーが本作の予告PVを兼ねていたために起こった問題点。
      宣伝する以上仕方のない事とは言え、スチルは全14枚の内5枚と、実に三割以上の数が表示される事になる。
      見たくない場合は後でギャラリーから見返せるが、事前情報なしだと嫌でも最初の1枚は見てしまうことになる。
    • 逆に、このOPに登場するデフォルメ椿は作中に一切登場しない。

総評

  • 前作の事もあって出来映えを不安視するファンもいたものの、徐々に下降しつつあったシリーズへの期待を取り戻す一作となった。
    シナリオもやや駆け足気味ではあるが描写不足は感じられず、オタク要素が余程嫌いでなければオススメである。

余談

  • qureateは本作の発売後、2021年10月末に「株式会社qureate」として独立した旨を発表。
    本作が独立前に発売された最後の作品となった。
  • 本作のヒロインの椿だが、前々作『くっころでいず』に登場した剣道場に通い、カトレアに稽古をつけてもらっていた事を示唆する台詞が存在する。
最終更新:2022年02月20日 12:58