本稿は21日に発売された「生きてるだけで、疲労困憊」の書評である。著者はこのマガジンの購読者なら多くの方がご存じであろう発達障害ツイッタラーことrei氏だ。 本書はハッキリ言って、かなり異常な書物だ。 おそらく本書を読んで「これ私だ…」的に共感を抱く人はおそらく極少数だろう。筆者のrei氏は特別支援学校出身であり、家庭内でもネグレクトと言って遜色ない冷遇を受けており、氏とその周囲が受けた障碍者ゆえの受難も(ありふれているにも関わらず)一般にはほとんど知られていない。 いま世間は「発達障害ブーム」と言われるほどで、いわゆる「当事者本」も雨後の筍のようにポンポンと発売されている。そのような当事者本の中で、本書の立ち位置は極めて特異だ。 というのも、本来ならば語る言葉を持たない人間が、偶然の積み重ねによって例外的に内心を吐露したのが本書なのである。 だからこそ希少であり一読の価値があるのだが、そ
まず、ひとつの言説として「目の前でいじめが起こっていて、目の前にいじめられている人がいて、それを傍観していたならそれはいじめに加担している共犯者と同じだ」という考え方がある。どうも、あるらしい。 これについては、きっと世の中の多くの人にあっては「そうだそうだその通りだ」とも「いやそれは極論だ」とも簡単に言えるんじゃないかなと思う。 自分が理不尽に虐げられて周りの誰も手を差し伸べてくれなかった時の記憶が頭をもたげれば「そうだ、あの時助けてくれなかった奴らがたくさんいた。俺がいじめられているのを目の当たりにしながらそれが自分じゃなくて良かったとホッと胸を撫で下ろしながら、遠巻きに俺を嘲笑っていやがった、あいつらもいじめの共犯者だ」と解釈することができるだろう。 一方で、「たしかに俺はあの時、あいつがいじめられているのを見過ごしていた。あいつがいじめられているあいだは俺がいじめられることはない。
デザイン盗作・「ルックバック」の藤本タツキは天才ではない。あるいは少年ジャンプの才能枯渇問題 - フロイドの狂気日記 集英社作家の「オマージュ宣言」はアイデア収奪の正当化 - フロイドの狂気日記 id:lady_joker氏への手斧。あるいは天才・藤本タツキとエンブレム佐野の違いについて - フロイドの狂気日記 藤本タツキ「チェンソーマン」と一部に読み切り「ルックバック」について語る。本当は語ることはなかったんだけど、藤本タツキ天才論を否定しているだけなのに、作品全部を否定していると感じられたっぽいので、ちゃんと魅力について言語化してみようと思う。ファイアパンチは1巻しか読んでない。 ちなみに冒頭のエントリlady_joker氏への手斧では、ほとんど全て「チェンソーマン」主人公デンジのセリフや口調を改変して記事ができている。にもかかわらず、1人以外に指摘した人がいなくて悲しい。藤本タツキは
こんにちは。 昨日、自閉スペクトラム者とTRPGについて研究されておられる加藤浩平先生とお会いしてきました。先生は、大手学術出版社の金子書房さんの編集者でありながら、教育学の博士号を持つ研究者(東京学芸大学)でもあられるという、とっても素敵な異色の経歴の持ち主です。 お話する中で感じたことを忘れないうちに書いておきたくて、記事にしています。かなりマニアックなテーマですが、自閉スペクトラムを理解する上でとっても貴重で重要な視点だと思っています。 そもそもTRPGってなに?TRPGとは、テーブルトークロールプレイングゲームの略です。RPGと言えば「ドラクエ」とか「ファイナルファンタジー」などのテレビゲームが有名ですよね。TRPGは簡単に言えば、そういったロールプレイングゲームのアナログゲーム版のことです。紙とサイコロとペンを使って、ファンタジーの世界を会話形式で楽しむそんな遊びです。ゲームマス
ことし6月13日、22歳の誕生日を迎えた佐藤和威さん。 プレゼントを開けるために家族がはさみを取り出すと、佐藤さんは、顔をそむけました。中学時代に受けたいじめの影響で、はさみを見ると恐怖を感じるのです。 佐藤さんは、医者からPTSDと診断されています。前触れもなくいじめられていた当時に引き戻され、自分のコントロールができないままに、いつのまにか自殺をしようとしてしまうことがあるほどです。 佐藤さんがいじめを受けたのは、2012年。中学入学前の春休み、幼い女の子をエアガンで撃っている男の子を止めようとした佐藤さん。入学後、たまたま同じクラスになったこの生徒と仲間たちから、いじめを受けるようになったと言います。 たたかれる、蹴られる。エアガンで集中的に撃たれる、刃物を首や顔に突きつけられる、殺虫剤を顔にかけられる。 金銭も要求されるようになり、脳梗塞で倒れた母のために保管されていたお金にも手を
※以下加筆部分 この記事は、2021年8月2日に行われた作品の「修正」および同年9月発売の単行本『ルックバック』よりも前に書かれたものであり、一番最初に公開されたバージョンに即しています。最初のバージョンは今ではアクセスが難しくなってしまいましたが、公開当時の反応の一例を残しておくことにも一定の意味があろうと思いますので、そのまま残してあります。 ※加筆ここまで 2021年7月19日に『ジャンプ+』で公開された藤本タツキの中編「ルックバック」は、公開直後から大変な反響を引き起こしている。良し悪しという意味での評価は別にして、この作品は読者に何か語らせずにはおかないというか、裏読みのようなものへの欲望を喚起せずにはいない構造がある。"Don't Look Back in Anger"をはじめとした、作品の至るところに散りばめられた「元ネタ」の数々、「バック」=過去=背中=……といったモチーフ
『ルックバック』が公開されて、現役の漫画家たちが大絶賛。 漫画家たちの中には「才能の違いを見せつけられた」「やってられない」など言って、 ファンに慰めてもらっているような光景もそこそこあり。 これついて、そんなこと言わなければいいのに、と思う。 昔、『シン・ゴジラ』が流行ったときに、庵野秀明監督と同大学同期で因縁を持つ島本和彦先生が 「やめろ庵野、俺より面白いものを作らないでくれー!」と感想を表明し、バズっていた。 島本先生の漫画『アオイホノオ』では、 うぬぼれ屋の主人公ホノオ君がすごいものを作っていく庵野君にボコボコにされ続けては悶えるというお馴染みの展開があり、 それを現実でリアルタイムでやるというネタであり、好敵手?への最大級の賛辞だ。 島本先生の漫画を読んでいないSNSの観客にもこのリアクションは面白がられ、 すごい庵野監督=小者っぽい島本先生 という構図が笑いの種となった。 島本
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