中国経済に深刻な影響を及ぼす「米国市場への上場問題」 中国は一貫して“時間は自分たちの味方”と見なしてきた。経済成長や技術開発のペースは米国を上回っている。時が過ぎれば過ぎるだけ、中国にとって有利な国際環境が得られるというわけだ。この時間を稼ぐため、米国との決定的な対立を避けてきた。 しかし、ついに米国も中国台頭を脅威と感じ、対立は緊張の度合いを増している。その角突き合いは軍事、外交にとどまらず、技術やサプライチェーンといった経済分野にまで拡大している。そうした対立局面の一つが「米国市場における中国株上場」だ。今や多くのグローバル企業、イノベーション企業を輩出している中国だが、その成長は米株式市場に支えられてきた。今、そのドアが閉じられる可能性が高まっている。 もし、米株式市場から中国企業が排除されたならば……、その影響は既存の上場企業にとどまらず、“未来”の中国イノベーション企業の芽を摘