宗利風也(95年生まれ、東京都出身) 今週、改めて『ヤンキーと地元』を読み直した。 初読は、2019年に刊行されてすぐの頃だ。県外に生まれ育ち、首里生まれのパートナーから聞く沖縄しか知らなかった私は、“ヤンキー”の生きる世界に衝撃を受けた。 この本に登場するヤンキーたちには、仕事の選択肢がほとんどない。生きていくためには、暴力に満ちた地元の関係に頼るしかなかった。仕事や遊びの場で先輩の理不尽をかわす方法。違法性のある風俗店を持続的に経営する地元の情報網……。自分の知らないヤンキーの世界に、ただただ驚くことしかできなかった。 読み終わってすぐパートナーにも感想を聞いた。彼女は、ヤンキーの存在は感じていたがこんな沖縄がすぐ隣にあったと意識したことがあまりなかった、と話す。「きっと中学にいたあの子とかがこういう世界で生きてたのかもしれない」。地元の中学が荒れていて大嫌いだったといつも話す彼女が、