東京は、7月12日から、4回目となる緊急事態宣言の期間に入った。 都民や事業者からは「またか」と、ため息が漏れる。 東京オリンピックも宣言下での異例の開催となり、ほとんどの会場が無観客となった。 宣言の発出と無観客での開催は、いかにして決まったのか。 その舞台裏に迫った。 (瀧川学、青木新、今井美佐子、成澤良、野中夕加) 4回目の緊急事態宣言を決定 「東京は緊急事態でいく」 7月7日、水曜の夜。 総理大臣の菅義偉は、官邸の執務室で、関係閣僚を前に、こう述べた。 いつもと変わらない、淡々とした口調だったという。 通称“5大臣会合”と呼ばれる会合で、東京に4回目となる緊急事態宣言を発出する方針が決まった瞬間だった。 メンバーは菅のほか、官房長官の加藤勝信、新型コロナ対策を担当する経済再生担当大臣の西村康稔、厚生労働大臣の田村憲久、国土交通大臣の赤羽一嘉の5人。 会合の直前、東京都は1日に920