御嶽山噴火から3週間。戦後最悪の火山災害になった大惨事は、山の装備に関して一石を投じた。中でもヘルメットの着用は噴石から頭をガードするうえでも有効だった。岩壁ルートを求められる登山ではヘルメットが「生死の分岐点」になるが、どんな山でもヘルメットの着用を義務づければ登山の楽しみ自体、損なわれるという声もある。 ヘルメット装備は面倒か!? この夏、八ケ岳連峰の標高2500メートルの山頂ヒュッテに「懐中電灯(ヘッドランプ)は売ってないか」と訪れた登山者のことをコラムに書いたところ、登山の装備について賛否両論があった。多くは「懐中電灯は日帰り登山においても必携」と訴える意見だった。御嶽山噴火でも、懐中電灯は視界を確保するのにひと役買った。 標高3067メートルの御嶽山は初心者でも登頂できる高峰で、深田久弥が選んだ「日本百名山」の一つとしても人気があった。山岳信仰の山で白装束の信者を見かける光景が日