慈照寺(銀閣寺)=京都市左京区=の国宝・観音殿(銀閣)の30年ぶりの大規模修復に伴う発掘調査で、基礎部分から、創建当時の室町時代のものとみられる地層が見つかった。柱の基礎の一部は直接この地層と接していた。銀閣は江戸時代に現在の位置に移築されたという説もあるが、調査した京都府埋蔵文化財調査研究センターは「創建当時のまま移動していない可能性が高まった」としている。 同寺は室町幕府8代将軍・足利義政の別荘として1482年着工。銀閣は書院造りの下層と禅宗仏殿風の上層からなり、義政を中心とする東山文化の象徴的建築とされる。江戸時代の同寺の庭園造成の記録などから、移転説を主張する研究者もいる。 京都府埋蔵文化財調査研究センターが銀閣の床下を含む約60平方メートルを調査した。その結果、大正時代の解体修復工事の際に入れた土の直下から、室町時代ごろのものとみられる土師器(はじき)を含んだ地層が確認された