愛媛県今治市の大島近くの瀬戸内海を泳ぐ3頭のイノシシ=2009年11月、赤松美佐男さん提供百島のミカン畑近くの山でわなにかかったイノシシ=広島県尾道市百島町、京泉盛勇さん提供百島特産のミカン畑で、イノシシが木の根元を掘り返した跡=広島県尾道市百島町、吉田写す 瀬戸内海の島々に近年、イノシシが海を泳いで渡り、海賊のように荒らし回っている。ミカンの木の根を掘って枯らしたり、サツマイモ畑を全滅させたり。高齢化が進む島の農家の被害は深刻だ。 昨年11月下旬、愛媛県今治市の大島近くの海で、釣り船の船長、赤松美佐男さん(42)=広島県尾道市=は、思わぬ光景を目にした。海面にとがった鼻先を突き出してスイスイと泳ぐ3頭のイノシシ。釣り船を始めて十数年、海を渡るイノシシは初めてだ。網でつかまえようと追うと、巧みにターンしてかわされた。数百メートル離れた大島の浜へ上陸すると、山の中へ姿を消した。「泳ぎ