調査・データ帝国データバンク(東京都港区、TDB)は23日、「自動車業界」サプライチェーン動向調査(2024年12月)を公開した。
23日、本田技研工業(東京都港区、ホンダ)と日産自動車(横浜市西区、日産)が経営統合に向けた基本合意書を締結。三菱自動車(東京都港区)が合流し3社協業の検討に関する覚書も締結され、3社の統合が実現すれば世界3位のグループが誕生することになる。これを受け帝国データバンクでは、各社の売上高が頂点企業にどの程度依存しているかを算出したデータ「商流圏」をもとに、国内自動車メーカー10社に対して部品などのモノやサービスを提供する周辺産業を「自動車産業(サプライチェーン企業)」と定義し、調査・分析を行った。
国内自動車メーカー10社のサプライチェーン企業(自動車産業)の総数は、11月時点で国内に推計6万8485社だった。トヨタ自動車が4万680社と最多で、経営統合の報道が流れたホンダは2万2465社、日産は1万9084社だった。
サプライチェーン全体の企業を規模別にみると「10億円未満」の企業で76.5%を占め、中小企業が自動車産業を支えていることがわかる。
業種別では「自動車部分品・付属品製造業」が550社と最も多く、「金型・同部分品・付属品製造業」が480社、配送を担う「一般貨物自動車運送業」が381社だった。サプライチェーン企業全体の業種をみると運送、ソフトウェア、サービス、工事関連など間接費や販管費に計上される商品・サービスを提供する企業が上位だった。
ホンダと日産で重複するサプライチェーン企業は9242社、三菱自動車を含めた3社で重複する企業は3472社だった。9242社を規模別にみると、「1億円以上10億円未満」が4507社(50.1%)と最も多く、「1億円未満」が1752社(19.5%)と続き、「10億円未満」の割合は69.6%とサプライチェーン全体と比べるとやや少ない傾向にある。
両社の経営統合が実現すると、サプライヤーは規格統一、EV市場への対応、価格交渉を含めた契約見直しなどが求められる。単独での競争力維持が難しい企業は資金力や技術力のある企業と統合することで、サプライヤー間でのM&Aの動きが加速する可能性もある。一方、自動運転やEVなど新技術分野での連携や需要拡大、両社のグローバル展開を通じて海外市場でのビジネスチャンスといった成長機会も期待される。
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