調査・データ本田技研工業(ホンダ)と日産自動車が経営統合に向けて協議を行っていることが主要メディアで報じられたのを受け、東京商工リサーチ(TSR)は18日、両社の国内取引先についての調査結果を公表した。両社の取引先を、重複を除いて単純に合計すると2万3440社にのぼり、協議の行方によっては、幅広い産業に影響が生じる可能性がある。
両社は電気自動車(EV)の開発を加速するため、持ち株会社を設立して経営統合すると報じられた。これについて両社は「将来的な協業について検討している」とだけコメントしている。
TSRではホンダと日産の国内連結子会社や持分法適用会社を含めて、取引企業を抽出して分析した。
それによると、ホンダグループの取引先は1万5242社で、日産グループは1万3283社だった。日産は今年6月調査時の1万4045社から762社(5.4%減)減少しており、生産台数の減少や合理化策の影響の可能性があると指摘した。
両社の取引先の合計は、2万3440社で、トヨタグループの4万8130社のほぼ半分となる。
ホンダと日産の取引先を売上高別でみると、最多は10億円以上100億円未満の7443社(構成比31.7%)で、次いで1億円以上10億円未満が7238社(同30.8%)、1000億円以上も1054社(同4.5%)あった。
産業別では、自動車部品など製造業の8991社(同38.3%)が多く、次いで、卸売業の5363社(同22.8%)、配達飲料サービス業などサービス業他の3052社(同13.0%)、自動車販売など小売業の2154社(同9.1%)が続く。
都道府県別では東京都が6269社で最も多く、次いで、日産本社がある神奈川県が2295社、自動車部品メーカーが多い愛知県の2188社、大阪府の1821社、埼玉県の1139社が続いた。
TSRは、「経営統合が実現すると、国内ではトヨタに次ぐ巨大な自動車メーカーの誕生となるが、日産は経営不振から9000人のリストラや生産能力の2割削減を打ち出すなど、事業の立て直しに取り組んでいる」と指摘。「生産体制の再編などが具体化すると両社の取引先は大きな影響を受ける恐れがある」とした。
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