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GUILTY GEAR XX

【ぎるてぃぎあ いぐぜくす】

ジャンル 対戦格闘アクション




対応機種 アーケード(NAOMI)*1
販売元 サミー
開発元 アークシステムワークス
稼働開始日 XX: 2002年
#RELOAD: 2003年
SLASH: 2005年
ACCENT CORE: 2006年
AC PLUS R: 2012年
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:15歳以上対象(SLASH)
CERO:12歳以上対象(#RELOAD)
判定 良作
ポイント ゼクス』の続編
自由度が高い爽快アクション
大ヒットして一時代を築いた
GUILTY GEARシリーズ


概要

2000年に発売された格闘ゲーム『GUILTY GEAR X』の続編。
前作の好評判で高まっていた期待に見事応える形の出来で、アーケード格闘ゲームにおける新たな大ヒット作として一時代を築いた作品。
本記事では2002年稼働の『GGXX』から、最終作の『GGXX AC+R』まで一通り解説する。


『GGXX』での追加・変更点

  • 操作方法が1レバー4ボタンから5ボタンに。パンチ(P)・キック(K)・斬り(スラッシュ、S)・大斬り(ハイスラッシュ、HS)に加えて、ダスト(D)が追加。
    • 前作ではS+HSの同時押しだったダストアタック(相手を吹き飛ばす中段技)と足払い(相手をダウンさせる下段技)がDボタン1つで出せるようになり、空中版ダストアタックも追加されて空中戦の立ち回りの選択肢が増えた。
    • Dボタン導入に伴い、フォルトレスディフェンスはガード入力+任意2ボタン同時押しに変更された。
  • この他にもシステム面では数多くの変更点が追加されている。
    • 特定の技を受けると通常より遥かに長いのけぞりが発生する「よろけ状態」の追加。よろけはレバガチャでのけぞり時間を短縮可能。
    • 空中投げの追加。前作では空中フォルトレスディフェンスを崩せる技が無かったため空中FDは防御時での安定行動であったが、これで対抗することができるようになった。
    • 特定の技をコンボ始動にするとその後に繋げた全ての技のダメージが変動する「基底ダメージ補正」の拡充。前作では投げやデッドアングルアタック(ガードキャンセル技)等に適用されていたが、本作以降一部の通常技や必殺技にも適用されるようになっていった。
    • ダウン状態の敵に追い討ちすると即座に受け身が取れるようになった。前作の起き攻めハメ対策の一環。
    • 前作に存在したテクニック「足払いフォルトレスディフェンスキャンセル(+キャンセルダッシュ)」がDボタン導入とボタン入力優先順の変更により不可能に。誤解されやすいがフォルトレスディフェンスキャンセル自体は残っており、チップの空中ダッシュ2Kフォルトレスディフェンスキャンセルでダッシュ軌道を変えるテクニック、フォルトレスディフェンス仕込み投げなどは残っている。
    • ガードバランス(前作では「ガードレベル」)周りの仕様の変化。技の攻撃レベルが3段階→5段階に増加、ガードバランス上昇時のダメージ増加修正の廃止など。
  • サイクバースト
    • 全身から波動を出して相手を吹き飛ばす無敵技。体力ゲージの下にある「BURSTゲージ」が満タンのときに使える。
    • ニュートラル時に出した時と喰らい中に出した時とで性能が変わる。前者(金サイク)ではテンションゲージが100%貯まり、後者(青サイク)は連続技から逃れることが可能。
    • この追加により、「相手のうかつな青サイクバーストをガードしたり、空中投げで潰してBURSTゲージを無駄遣いさせる」「BURSTゲージはなかなか貯まらないので使いどころを考える」といった新たな読み合いが発生。なかなか考えられた仕様となっている。
      • また、『GG』シリーズはコンボゲーとしても有名なのだが、「長ったらしいコンボを食らってる間は何もできない」というゲーム性の問題に対する解答ともなった。
  • フォースロマンキャンセル
    • 通称FRC、青キャン。ロマンキャンセルの亜種で、「特定の技の特定のタイミングでロマンキャンセルを入力」すると、青いエフェクトを発しつつテンションゲージの消費量が通常の半分(25%)でロマンキャンセルがかかる。ゲージを節約できるため、成功させればほとんどの技で単純にお得となる。
      またヒットの有無は赤RCと異なり問われない。対応技も移動技の途中にあったり飛び道具だったりと、そもそも赤RCではキャンセル不可能な物も多い。
      これを使うことにより、飛び道具を盾に攻めたり、フェイントをかけたり、コンボに組み込んでさらにダメージ、ヒット数を伸ばすなどより多彩な動き*2が取れるようになった。
    • 成功猶予が極端に短く*3、安定して成功させるためには練習が必須。そしてこれを覚えないと対戦では話にならないので、後述する本作のハードルが高くなっている原因のひとつに挙げられる。
  • フォースブレイク
    • ACから追加された要素。発動にテンションゲージ25%を要する必殺技。性質は「通常の必殺技の強化版」だったり、独自の性能を持つ技であったりと様々。
  • スラッシュバック
    • ACから追加された要素。ガード+S+HSボタン同時押しでキャラの周りに金色のエフェクトが出現、その状態で相手の攻撃を受け止めると、ガード硬直が大幅に短縮されるといった恩恵が得られる。ただし、失敗すると少しの間ガード不能になる為、リスクは高い。
      受付時間が短いため感覚的にはスト3シリーズの「ブロッキング」に近い。
      これに伴いFDのボタン受付がS+HS以外の任意2ボタン同時押し(K+SやP+HSならFDが出る)に変更になっている。

バージョンアップ

※キャラ性能、ゲームバランス関連については「おおよそこうだった」という感じで記載しています。

+ 各バージョン詳細

GGXX
2002年稼働開始。後作と区別するために「無印XX」等のように呼ばれている。
基本的なシステム面は概ね完成しており、前評判の高さもあってか大盛況であった。
だがキャラクターのバランス調整に難があった点は否めない。

  • エディ、スレイヤーあたりが強キャラor壊れキャラとされる。
    • 前者は相手の起き上がりにガード不能連携を重ねる起き攻めが強烈無比、後者は火力の高さとコマンド投げ「血を吸う宇宙」を相手が気絶するまで連続で決め続ける「吸血ループ」なるコンボがあるなど、「攻め攻めのゲームだけど明らかにコレおかしいだろ…」と思うような部分もあった。
  • 他にも、ソルは「Dループ」という新テクニックの火力がおかしかったり、ジョニーが投げから3.5~4割をノーゲージで減らせるなど、強いキャラはとことん強かった。
  • その一方でチップがポチョムキンに通常投げを決めると反撃のポチョムキンバスターが確定してしまうという酷い不具合もあった。
  • 家庭用においては、カイそっくりなverのロボカイ・クリフ・ジャスティスが追加されている。「GGX Plus」と違ってボイスはすべて新録となっており、新技および新規モーションも多数追加されている。
    特にジャスティスは多くの技の性能が高い強キャラとして話題になった。

#RELOAD(シャープリロード)
『GGXX』から約1年後の2003年稼働開始。新キャラとして、カイとは全く違う性能を持つほうのロボカイが正式参戦。ところがここで早くも問題が起こる。
というのも、初期バージョン*4の作り込みが非常に甘く、バグが多いわフリーズが多発するわ永久コンボがあるわと問題だらけ。これが客離れを引き起こし、プレイヤー達による改善要求の署名運動が行われる事態にまで発展してしまった。
その結果、赤リロ稼働から約1か月ほど後に新バージョン*5が無償配布され、大半の不具合は解消された。これにより再び活気を取り戻し、GGXXシリーズは全盛期を迎えた。

  • 『#RELOAD』と言えば基本的に「青リロ版」を指す。もっとも赤リロは当然ながら移植は全くされていないし、プレイヤー間では「青リロ」と言った方がすんなり通じる。
    • キャラバランスに関しては、弱体化されたとはいえ相変わらず強キャラだったエディ*6やスレイヤーの暴虐、一方でいまいちな性能のカイやチップなどまだまだいかんともしがたい部分もあった。

SLASH
2005年稼働開始。タイトルにはスラッシュ(/)を「X」の半分に見立てた「2.5作目」という意味が込められている。新キャラは聖騎士団ソルとアバが追加された。
が、「青リロと変わらないプレイ感覚に飽きた」とする意見や、青リロで強かったキャラを弱くしつつ使いやすいキャラを露骨に強くした調整、火力がマイルドになった事、後述するコマンド優先順位の変更は賛否両論。

  • マイルド調整になったとはいえ、全体的なゲームバランスそのものはシリーズ中でもかなり整った部類になっている。
    • 特に前作までがぶっ飛んだ性能だったエディとスレイヤーの調整だけは 「シリーズ最良の調整」 といわれる事も多い。当然ながらエディ・スレイヤー使いからは不評ではあるが…。
    • その反面、画面端でスタンエッジを連射しているだけで脱出困難*7というあからさまに強くしすぎたカイ、それとは対照的に大幅な弱体を受けて最弱キャラとなったロボカイといった、極端な調整も見られる。
    • 本作からサイクバースト性能が弱体化*8しており、これも賛否両論。
  • また、従来のシリーズでは「昇竜>波動*9」だったコマンドの優先順位が、何故か「波動>昇竜」に変更されてしまった。
    • このため昇竜コマンド技が入力がしづらくなった点は不評。同時にフォルトレスディフェンスキャンセル仕込み投げも優先順位変更によりコマンドもタイミングもシビアになった。
  • 基本的に「ラスボスを勤めるのは女性キャラ」がお約束だった当シリーズだが、本作のラスボスは聖騎士団ソル。男性がラスボスなのは珍しいと話題になった。

ACCENT CORE
2006年稼働開始。新キャラの追加こそ無いが、ボイス新録や新システム導入、一部グラフィックが変更されている。また、本作から出血描写がなくなった。
各キャラの火力が再び大きく上昇、GGシリーズの攻めのゲーム性を強めており、システムは完成したと言ってよい。

  • キャラクターバランスについても再び最強ランクに返り咲いたエディ・スレイヤー、万年中堅(あるいはそれ以下)だったのが最上位にまで上り詰めたテスタメント等が幅を利かせてはいたが、攻め強化により下位キャラでも上位キャラを喰えるため、以前のような詰んだ組み合わせはほぼ無くなった。
    • その一方、火力の上昇により少しのミスですぐに逆転されたり即死級のダメージを受けることが増えたため、「バランスが大味」「これじゃアクセントコアならぬ『アクシデント(事故)コア』だ」と揶揄するプレイヤーも多く見られた。
    • もっとも、これは「腕があっても一瞬の油断が命取りなゲームだ」ということでもあり、追い詰められていてもチャンスさえつかめば逆転を狙える為、一概に悪いわけではない。同じメーカーが作ったもっとひどい例もあるし。

ACCENT CORE +R
『AC』稼働から実に6年後の2012年に稼働開始。セガのPCベース新型基板「RINGEDGE 2」のロンチタイトルであり、最終版となったタイトル。
新作というには物足りず、あくまで今まで本シリーズを遊んできたマニア向けのタイトルと言える作品だが、調整内容も概ねマニア受けするものとなっており、ネット接続機能を活かした機能(バランス調整パッチ配信やカードへの戦績記録など)が搭載されている。

  • 「アクシデントコア」と呼ばれたACの問題点は、強力な技の弱体化や最大体力の上昇といった変更により解消。バランス調整もACの「全キャラ尖った強さがある」という方向性を曲げずおおむね良好。
    • 最終Verにおいては、ザッパ・テスタメント・ディズィーなどが強キャラであると評価されている。

評価点

爽快感バツグンのアクション
操作面での自由度が非常に高く、素人でも適当に動かすだけでそれなりに戦えるし、CPU戦の難易度も低めのため馴れるのも早く、操作する楽しさをすぐに実感できる。もちろん、後述するように対戦で勝つには相当の修練が必要になる。

  • その自由度の高さから立ち回りでの読み合いも非常に選択肢の幅が広い。同じキャラを使っていても、人によって目に見えて動きが違ったりする。見ていても楽しい。
  • コンボで大ダメージを与えることを軸とし、ゲームバランスはきちんとした構造となっている。
    • よく「コンボゲー」と言われやすい本作だが、触りさえすれば長いコンボ+大ダメージといった類ではなく、それまでの立ち回りがコンボの精度以上に重要となるし、サイクバーストで抜けられたりもするので読み合いが非常に重要。

個性豊かなキャラクター達
何より、本シリーズの魅力はこれらのシステムを存分に活かした、他に無い個性豊かなキャラクター群にある。

  • 本作では『ゼクス』までの16人+新しいキャラが4人追加、さらにバージョンアップによりキャラが参戦、最終的に計25人のキャラクターが登場している。
  • また、家庭用では隠しキャラであるジャスティスとクリフ、旧ロボカイ以外の全員に性能が異なる「EXキャラ」が実装。家庭用限定という事もあってか、コンボキャラになってキャラコンセプトが180度違うスレイヤーや、ダッシュが普通になった代わりにミストが当身になっているジョニー等、かなり弾けた性能のキャラもいる。
  • 各キャラには「魔法が体系化された未来世界」という設定の下、様々な背景設定がなされている。それらは(AC版では)ゲーム中に特に語られることは無いが、奇抜なキャラデザと相まってそれらがキャラの魅力を引き立てている。
  • 各キャラや技などのネーミングは、ゲーム中のBGMと同じくメタルやロックのバンド・曲名などの元ネタの存在が示唆されている。興味があったらそれを探ってみるのも面白い。
+ XX以降の追加キャラクター一覧

『XX』で追加されたキャラクター

  • エディ
    • 性能・特徴的にはザトー=ONEを引き継いでいるので厳密な意味での新規キャラではないが、ストーリー上でザトーが死亡したため、彼の肉体を乗っ取っていた禁獣「エディ」に名称が変更され、CVもそれに合わせて子安武人氏に変更。
    • バランス調整がおかしかったせいもあり、長らく最強キャラ筆頭として君臨し続けることになる。
    • ちなみに本体であるザトーが死んだのは、『ゼクス』開発中にザトーの声を担当していた塩沢兼人氏が亡くなったためでもある。が、後に『Xrd』にて蘇生し、名義もザトー=ONEに戻っている。
  • スレイヤー
    • アサシン組織の創始者である吸血鬼。混乱しつつあるアサシン組織に決着をつけるべく表舞台に再び現れた。年齢のせいか非常に達観的。
    • 紗夢と同じくステゴロで戦うインファイターだが、「前後ダッシュがステップで、さらに空中ダッシュの速度が遅いため機敏な前後動が出来ない*10」「通常技のリーチが長めで、判定も強い」「ガトリングコンビネーションがほとんどなく、コンボを繋げにくい代わりに単発の火力が高い」といった差異がある。
      • 特に火力の高さは尋常ではなく、チップにパイルバンカーをカウンターヒットさせてコンボで追撃するだけで体力5割+いきなり気絶、そこからのコンボでチップがそのまま死んでいく…といったネタは後世に語り継がれていった。
    • 性能面で色々優遇されているキャラで、エディに次ぐ強キャラのポジションを確保している。
    • パロディネタの多いGGシリーズの中でも、外見をそのままパロディにしているという珍しいキャラ。元ネタはOVA「ジャイアントロボ THE ANIMATION」の衝撃のアルベルト。ちなみに担当声優の家弓家正氏もジャイアントロボに出演している。
  • ザッパ
    • 普通の青年だが、霊に憑依される異常体質の持ち主で、中でも「S子」なる女性の幽霊に振り回されている。
    • ランダムで3種類の幽霊に憑依され(さらに条件を満たすと、「ラオウ」という強力な幽霊を憑依させられる)、それに応じて技が変わるというキャラクター。しかも、どの霊が憑依するかはラオウを除いてランダムかつ切り替わりが激しいため、荒らし要素が高い反面、使い手に負担を掛けるキャラ。
    • 動きがギルティ一奇抜であったりニュートラルポーズ中はシュールなうわごとを発するなどスタッフの遊び心が満載で、演じるうえだゆうじ氏の多彩な反応もあり見ても使っても楽しいキャラとなっている。上述の通りランダム性の強いキャラのため対戦で勝つには相当な修練が必要だが…。
  • イノ
    • 魅惑的な言動と衣装、そしてサディスティックな性格の女性。正体は「あの男」(初代作から存在が仄めかされていた黒幕役の一人)の部下で、武器はギター。元ネタは椎名林檎氏とのことで、CVも本人に頼もうかと思っていたとインタビューで語っているほど。
    • 空中での機動力に長けており、また地上ダッシュが俗に「モリガンダッシュ」と呼ばれるホバータイプ。崩しも火力も他のキャラに引けを取らないが、動きが全体的に癖まみれで扱いが難しいキャラ。
    • 紗夢のようにパンチラあり、それに留まらず乳首まで確認できるドットまである(先端の1ドットだけピンク色)。言動以上に色々と危ない。
    • ラスボスとしてしばしば出るが、その時の言動が非常に凶悪。その凶悪さは声を担当した井上喜久子氏も「私が演じた中で最も怖いキャラ」と話していたくらい。
  • ブリジット
    • ヨーヨーを武器に戦う男の子。どう見ても女の子に見えるが男の子。大事なことなので(ry
    • HSボタンでヨーヨーを設置し、それを飛び道具に変えたりその地点まで高速で飛んでいくといったトリッキーなキャラクター。動きの自由度はかなり高めだが、操作も特殊であるため初心者には向かないキャラクター。HSがヨーヨーなので、他のキャラで6HSにアサインされている特殊技が6Sにアサインされている。
    • その設定は良くも悪くもサブカル方面にインパクトを与え、「男の娘」や「女装少年」なるジャンルを普及させた要因の一人とも言われている。なお、開発段階は女の子の設定だったが、ギリギリで性別変更した経緯がある。
    • ボイスが一新されたAC以降では声優が小西寛子氏から加藤由希子氏に変更された。

『#RELOAD』で追加されたキャラクター

  • ロボカイ
    • 「終戦管理局」という組織が作った、カイ・キスクを模倣した外見・能力のアンドロイド。あくまで模倣したのは見た目だけであり性格はオリジナルとはまるで正反対で、身体などに内蔵された武器や機能類で戦う。
    • 「電力ゲージ」「熱量ゲージ」の2つのゲージを持っており、それに応じて技性能が変化する。火力は高いが機動力が低く、電力ゲージ*11を貯めないことにはコンボや立ち回りもままならないが、上手く2つのゲージを管理して戦えば他のキャラに引けを取らない。
    • ちなみに初出は家庭用のDC版『ゼクス』。その頃はまだ電力ゲージも無く歩きの挙動のおかしいカイであったが、PS2版「GGX Plus」のカイのストーリーモードにてロボカイというキャラが確立された。そして、この#Rで完全に別キャラとなった。
      他の家庭用では通常技、必殺技ともにカイそっくりな別Ver.のロボカイもいれば、他のキャラから必殺技をパクって様々な組み合わせを試せるロボカイもいる。

『SLASH』で追加されたキャラクター

  • アバ
    • 青白い顔色に全身に巻いた包帯といった、病的な見た目の女性型ホムンクルス。鍵集めが趣味で、武器もアバが伴侶と思い込んでいる鍵。これは厳密には「通常時は鍵っぽく見える斧」である。
    • 「通常モード」と「諸刃モード」という2つのモードを持つキャラ。通常モードは全キャラ中最弱だが、「諸刃モード」に移行すると最強クラスの攻め能力を獲得できる。
      しかし、諸刃モードは「時間経過または技を相手に当てると自身の体力が減る」「諸刃ゲージがゼロになる前に特定の行動を取らないと前述の体力減少分がキャッシュバックされない」「特定の行動を取れずに諸刃ゲージが空になった場合、特大の隙を晒して通常モードに戻ってしまう*12」といった制約があるため、まさに「諸刃の剣」。とてもじゃないが初心者にはおすすめできない、ピーキーすぎるキャラ。
    • 厳密には初登場は『ギルティギア イスカ』の家庭用。その後性能が調整されて『SLASH』にてACデビューを果たした。
  • 聖騎士団ソル
    • 「ソルはかつて聖騎士団に所属していた」という設定を元に作られた裏キャラ。
    • ソルと比較すると、動きが重く技のリーチが短い代わりに接近戦が強い。また、軌道の低いジャンプから繰り出される判定の強い空中技の飛び込み、押し付けやN択が強力。ただしインファイトに特化した性能のため、相性の悪い相手にはとことん分が悪い。
    • 初代を思わせる「チャージゲージ」を持ち、龍虎の拳のように気合を入れて溜めることで各種必殺技が強化される。
      流石に初代ほどぶっ壊れたチャージキャンセルは出来ないが、ジョニーのミスキャン同様に通常技キャンセルチャージ即解除で若干硬直を減らせたり、必殺技から派生するアクションチャージをFDCすれば、テンションゲージこそ犠牲になるがかなりの硬直低減が可能。
    • 『SLASH』でのラスボス仕様は未だに語り草になっている程凶悪*13。アクセントコアでは条件を満たすと隠しボスとして登場するが、その強さは『SLASH』でのボス版の比ではない程に強い。

『AC+R』で追加されたキャラクター

  • クリフ・アンダーソン
    • 家庭用限定キャラから久々に復活。特徴面は初代のそれを引き継いでいる。
    • 稼働初期は1チャンスで体力半分ゲットを狙える高火力のおかげで、ダイヤグラム最強に近い位置にいた。しかしアップデートで火力が抑えられたことで鳴りは潜んでいる。
  • ジャスティス
    • 初代のラスボス再び。「最強最悪のGEAR」が帰ってきた…のだが、通常時は地上、空中ともにダッシュが消滅し、機動力とコンボ火力が激減して大幅弱体。
      ダッシュを解禁する技もあるが、デメリットが多すぎるため死に技。家庭用版と比較しても他にも弱体を受けてはいるが、それでも強めの技が多いので、「いかに接近するか」が他のキャラ以上に重要となる。
    • 稼働初期時は「最強最悪のGEAR(笑)」と揶揄される最弱キャラであった。現在ではアップデートで性能が上方修正されているが、厳しい戦いを強いられている。

BGM

  • 新曲も追加され、音源も貧弱だったNAOMI音源からバンドによる生演奏に強化。相変わらずBGMは非常に格好いい。
    • 一方で最初のピアノソロがギターに差し替わったアクセルステージや、厚みのあるイントロが印象的だったカイステージ、どこか不気味なイントロから激しい曲調にかわるテスタメントステージ、ステージ演出まで含めたイントロからの一変が売りであったディズィーステージなど、一部の曲に関しては『ゼクス』の方がよかったとする声も多い。
      • 他にも、同キャラ戦の曲が「Nothing Out Of The Ordinary」に変更された。やや静かな曲調のBGMで、曲そのものの評価は高いが、前作の同キャラ戦の曲である「Fatal Duel」がアップテンポかつ勇ましい曲で人気があった為、変更された事を悔やむ人も多かった。
      • アサシン組織の面々同士になるとBGMが「Existence」になる。こちらも曲自体は素晴らしいのだが、前作でのザトーVSミリア戦の「STILL IN THE DARK」が非常に人気が高かった為に、XXにおいてエディ(ザトー)VSミリア戦でも「Existence」が流れるのは残念がられる事も多い。
      • ちなみに理由は不明だが今作ではほぼ全てのキャラのBGMが3分で統一されている。

賛否両論点

  • 賛否の分かれるゲーム性
    • コンボで拘束される時間が長めで、対戦で勝つには高威力のコンボを覚えないと話にならないので「コンボゲー」
      • 当時の格闘ゲーム全体の流れでもあり、このゲームに限った話ではないが、好みは分かれる点。
    • 動きがスピーディーで待ち戦法が弱く、中距離で技の差し合いを楽しめないので「ガン攻めゲー」
      • 待ち戦法が強すぎるゲームはプレイヤー同士のトラブルを招きやすい傾向があるし、攻めて勝ちたい人にとっては楽しい時間でもある。オペレーター側も「攻め重視で試合が早く終わる ⇒ 回転率が上がってインカムを稼げる」という利点もあるため、賛否両論は出て当然だろうが一概に悪いと言えるものではない。
    • しかしながら、本作は数ある格闘ゲームと比べても試合展開はかなり激烈なものになりがちで、あっさりと負けてしまった時のショックは相当なものがある。賛成しにくい・受け入れ難い人が多いのもまた事実である。
  • 覚えることが多い
    • 1キャラを動かすだけでも覚えるべき知識が非常に多いのに、対戦で勝つにはさらに相手のキャラに関する知識も要求される。
      • 前述の通り、本作はキャラ毎の性能が顕著に異なっているため、キャラ対策を一通り覚えるのにも一苦労する。
    • 画面上の情報があまりに多い。体力、テンションゲージ、バースト、ガードバランスとゲージだけでも最低4つもある。
      • これに、使用キャラによってはさらに独自のゲージ仕様が追加される。相手のゲージにも注意して立ち回らないといけない場面も多いため、少なくても合計8つのゲージを確認しながら立ち回らなければならない。
    • 要するにやりこみ必須のハードルの高い格ゲーである。同程度の腕前の知り合いが近くに2、3人以上いないと本シリーズを楽しむのは難しいだろう。
      • 始めたての初心者がゲーセンでプレイすると、乱入された挙句に全く何も出来ずに負けてしまうことが頻発する。前作の時点でそうだったのに、本作ではその傾向がさらに強まってしまった。
      • 操作の全体的な難しさに加え、ゲームスピードが速く展開が早いのもその難易度を高めている要因。攻める動きだけでなく、防御操作も非常に難しく、このゲームスピードと全キャラ共通の苛烈な攻めの中で、シビアな入力を決めなければ抜けるのが容易ならざる状況というのも多々。

問題点

  • ゲーム性の批判の多い部分
    • 起き攻めが非常に強く、これを覚えないとこれまた話にならないので「起き攻めゲー」
    • ペースに乗れれば一方的に相手を封殺できるから「ハメゲー」
      • このゲームには移動起き上がりが無いため、地上でダウンしたら「その場で起き上がった後に各種行動をリバーサルで行う」以外の選択肢が無い。そのため択一攻撃をかけ放題で、さらに特定キャラのそれはあまりに熾烈すぎ、相当やりこんでいる上級者のプレイヤーですら何も出来ずにハメ殺されてしまうこともしばしば。
        もちろんそういう状況に追い込まれないように立ち回るのも駆け引きのテクニックではあるが、そのためのハードルはあまりにも高く、初心者どころか中級者ですらお断りの領域に達してしまっている。
      • ゲーム性については開発側も意図的にそう調整しているようで、後に同社の出した『北斗の拳』では「ダウン時にコマンドを完成させてボタンを押しっぱなしにしているとリバーサルで技を出せる」という特徴があり、『BLAZBLUE』シリーズでは起き上がりのタイミングを任意でずらせたり、移動起き上がりなどのシステムが取り入れられているのだが、後に発売された『GUILTY GEAR Xrd -REVELATOR-』でもそういったダウン回避システムは取り入れられていない。
  • キャラバランスに関しては全体的に見ても、正直あまり良いバランスだとは言えない。前述したがエディやスレイヤーあたりがあまりに強すぎる。
    • 後半にリリースされたAC以降ならば「全キャラ攻めが強烈で、自キャラの強みを押しつけられれば下位キャラでも上位キャラを喰える」「下位ランクのキャラでも上位キャラの一部には五分以上に戦える」傾向にあるため、最終的にはプレイヤーのやりこみが物をいうようになった。

代わり映えの無いゲーム性

  • 度重なるバージョンアップによりキャラクターも増え、バランスも良くなったが、いかんせんベースが同じであるため新鮮味が無い。
    • これはバランスさえ良ければ他は大して問題視しないガチ勢よりも、どちらかと言うとゲームを楽しんでプレイしたいプレイヤーからの批判が非常に多い。
      • ただガチ勢でも『SLASH』辺りで飽きが来てしまった者も多く、「青リロが一番面白かった」というプレイヤーも。
  • ストーリーが全く進まない。
    • 『GGXX』シリーズはストーリー上では「『GGX』の後日談」レベルでしかなく、ストーリー進行は5年後の『GG2』まで待たなくてはならなかった。
      • これを裏付けるように、『GUILTY GEAR Xrd -SIGN-』の公式サイトのストーリーページでは『GGXX』の項目が存在しない。

総評

『ギルティギア』シリーズの特長である「攻めが強い、爽快感バツグン」はそのままに、さらに各所を洗練させてきた『GGXX』シリーズ。
無印時代から数えると実に10年以上の長きに渡って稼働を続けており、いまだにプレイヤー達から愛されている息の長いタイトルである。
対戦を楽しめるようになるまでには随分と労力を要するが、対戦ゲームが好きなら、是非長いスパンで遊んで欲しい一作である。
2024年現在でも、一部のゲーセンでは本作での対戦を楽しむプレイヤーが多い。後発作品に持ちキャラが出ていなかったり、出たとしても性能が違いすぎていたり、ゲームシステムの変化が合わなかった…などの点も影響しているとは思われる。


移植

様々なプラットフォームに移植されている。トレーニングモードはもちろん、フルボイスのストーリーモード、技性能が大幅に変わっている「EXキャラクター」など追加要素多数。

  • 『#RELOAD』はPS2/Xb/PSPのほかWinにも移植されている。
    • Win版は有志によりネット対戦ツールが作成されたためPC上でのネット対戦が可能に(通称:パソリロ)。
      • このWin版は現在絶版となっており、約10年後の2014年にSteamで再配信されるまで入手困難だった。
    • Steam版は表示上は日本語非対応となっているが日本語ボイスは入っており、特典としてサントラ(OP+各キャラテーマ計24曲)も付属している。こちらも標準ではネット対戦非対応だが、有志による非公式のネット対戦パッチが存在する。
      • 当初は日本も含め配信されていたのだが、突然おま国状態になった後、再び日本での販売が再開されたという謎の経緯を持つ。
      • 2016年8月1日より『GG ISUKA』の英語版共々販売休止となっていた。配信担当メーカーによればアークとの契約期限切れのためとのこと。後にアーク自身が積極的にSteamで日本版GGシリーズ等を販売開始した影響もあると思われる。
        あくまでストアでの販売が終了したのみでページ自体は残っており、既に購入済みの場合の再ダウンロードやプレイは問題なく可能。
        後に2017年1月10日よりパブリッシャーがアークシステムワークス自身になったことで販売が再開された。
  • PS2版『アクセントコア』はバグまみれであったため「バグセントコア」と呼ばれ、さらにメーカーの対応に対し署名運動が起こるほどの大騒ぎとなった。
    • この騒動は後に『AC+』が発売されるまで続くことになる。
  • 『AC+』はPS3/360にもダウンロード専売タイトルで移植され、ネット対戦にも対応。
    • ネット対戦自体の出来は悪くないものの、それ以外に問題がある*14ため評価は低い。
  • 『AC+R』はPSVに先行して移植され、PS3/360版も後日アップデート。
    • このバージョンもSteamを通してWin版が配信された*15
    • また、2019年5月16日には『GUILTY GEAR 20th ANNIVERSARY PACK』としてNintendo Switchで初代とのカップリング移植で販売され、それぞれeショップでの販売も行われている。
      • また、Switch版独自のポイントとして『#Reload』の韓国版でのみ使用された故シン・ヘチョル氏が手掛けた楽曲が逆輸入されており、ファンには嬉しい仕様となっている。*16

その後の展開

  • 上記の作品以外にも本作の世界観やキャラ・システムを利用したシリーズ作品はいくつか出ているのだが、問題作『GUILTY GEAR ISUKA』をはじめとして、良く言えば意欲作、悪く言えばクソゲーレベルの物もある。
  • AC以降も続編を待ち望む声は多かったのだが、「正統続編」として2007年11月に360で発売された『GUILTY GEAR 2 OVERTURE』は「システムが2D格闘ゲームではない」という斜め上を披露。
    • 旧来のファンからはブーイングを受けたりもしたが、こちらはこちらで筋金入りの対戦ツールとして仕上がっており、プレイした人からの評価は非常に高い。
    • シリーズの生みの親である石渡太輔氏やメインプログラマーの鈴木孝司氏は『#RELOAD』のアーケード版の後はこちらの制作に専念しており、ACまでのシリーズ展開は後に『BLAZBLUE』シリーズを製作する森利道氏が手掛けていた。
  • そして2014年には、システムやグラフィックを一新しつつ対戦格闘に回帰した完全新作『GUILTY GEAR Xrd -SIGN-』が稼働開始した。
最終更新:2024年08月18日 21:00

*1 『AC PLUS R』のみRINGEDGE 2。

*2 とはいえ、個性のあるキャラが多い関係上、攻撃判定を発生させつつ可能だったり飛び道具系の技があるなど恩恵が非常に高いキャラが多数いる反面、何種類もあれどフェイントのようなものばかりなキャラもいたり、とキャラごとに有用性の差が激しく用途のほとんどないor使う必要のないFRCもそれなりに存在しているなど残念な点も少なからず存在する。

*3 技にもよるが、基本的に秒間60フレームのうち2~3フレーム=0.03~0.05秒。

*4 タイトル画面の「#RELOAD」の文字が赤かったことから、「赤リロ」と呼ばれた。

*5 タイトル画面の「#RELOAD」の文字が青かったので、こちらは「青リロ」と呼ばれた。

*6 特にエディ使いの「小川」氏は恐ろしく強く、大会では大抵優勝していた。もっともこの小川氏に関してはやりこみによって潜在能力を完全に引き出したが故の結果とも言えるが。

*7 密着でガードさせると「3F有利」、スタンエッジを直ガしてジャンプしないと脱出不能だったが、2S ⇒ スタン等タイミングをずらされるとお手上げレベル。

*8 青いサイクバーストがヒットしても確定ダウンを取れなくなり、空中受け身されるようになっている。

*9 前者はキャラ右向き時に「右・下・右下+攻撃ボタン」で、後者は「下・右下・右+攻撃ボタン」と入力するコマンド。格ゲー界で広く用いられるコマンドのため、知名度の高い『ストリートファイター』の技名で呼ばれることが多い。

*10 歩き速度はトップクラスなので、ポチョムキンと違い「遅い」わけではない。

*11 電力ゲージは他のキャラのテンションゲージとは異なる仕様で普通に戦っているだけではちっとも貯まらないため、かなり癖が強い。

*12 一撃必殺準備と一撃必殺技の出がが速いカイ等が相手の場合諸刃ゲージを空にさせられてダウンした時に、一撃必殺準備→発動がこの特大の隙に確定してしまうというリスクまで背負うほど。

*13 一方でアルゴリズムに欠点がある為、キャラによってはパターン化して勝つ事が可能。また、気絶してるのに起き上がり時にバックステップするという不具合は有名

*14 主にマッチング、プレイヤーマッチの仕様など。

*15 パソリロとは違いきちんと日本版になっている。

*16 総じてクオリティが高く、特にロボカイのテーマは本家と異なり純粋にかっこいい韓国版カイのテーマのアレンジとなっていたためファンからも逆輸入が望まれていた。