ボクと僕の世界で
【ぼくとぼくのせかいで】
ジャンル
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パズル
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対応機種
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Nintendo Switch
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メディア
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ダウンロード
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発売元
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レイニーフロッグ
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開発元
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ラタライカゲームス Wish Fang
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発売日
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2017年7月6日
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定価
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1000円(税込)
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1個
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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2匹の猫による二人三脚横スクロールアクション 鬱ゲー・イライラゲーの片鱗あり
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概要
本作は中国のインディデベロッパー、Wish Fangが製作した『I and Me』の日本ローカライズ版で、春夏秋冬の4章構成のパズルゲーム。
自分と全く同じ動きをする相棒の黒猫とともに、ゴールを目指すことがパズルの大きな目標となっている。
ステージタイトルそのものが一種のフレーバーテキストになっており、ここから大まかなストーリー展開がなされる。
ゲームを通して、もう一人の自分に出会えた黒猫が感じる喜び、孤独、別れが描かれる。
システム
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操作方法
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ゲームの形式は、横スクロールアクションに近い。
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黒猫を左スティックで左右に動かすことが出来、Aボタンで一段までジャンプを出せる。
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黒猫は2匹おり、互いが連動して同じ動きをする。片方を左に歩かせようとすると、もう片方も左に歩き出し、ジャンプするときも同時となる。
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片方の猫が壁や段差にひっかかってこれ以上先に進めないような状況をつくると、もう片方の猫だけが移動できることになる。2匹の猫間の距離を調整するのに必要なテクニックである。
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面
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章はいくつかのパズルの「面」に分かれている。
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制限時間はない。
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2匹の猫を同時に木枠でできた額縁に入れることが出来れば「面」のクリアとなる。
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障害物
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猫はダメージを与えるギミックに対して抵抗力がない。
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以下のギミックに対して、どちらかの猫が落ちるか触れた時点で「面」の最初から即やり直し。
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水溜り、天井や壁・床に生えているトゲ、マップを移動するその他生物の顔に触れるとミス。
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動物
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ヤマアラシ、蜂は上記の通り触れるとミス。ヒツジは上から踏みつけた際はミスにならず踏み台にして高いジャンプができる。
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ヤマアラシ、ヒツジはシルクハットのようなシンボルから無限に召喚され続けることがある。彼らはトゲに触れたり水に落ちることで消滅するが、それまでの間は左右に歩き続ける。
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蜂は蜂の巣のような形をした砲台から一定間隔で直線状に射出され、壁にあたると消滅する。
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砲台は一番近い猫の方向に自動で向いてくる場合がある。
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章ごとのギミック
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夏(第2章)以降:レバー
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レバーに触れている間は自動で押し倒し続ける。レバーを倒している間、特定の足場が移動したり、どこかのトゲが引っ込んだりする。
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秋(第3章)以降:魔法の杖、ワームホール
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どちらかの猫が宙に浮かぶ魔法の杖に触れたとたん、相方の猫の動きが左右反転する。
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ワームホールに入った猫は、ある法則のもと別の場所に飛ばされる。
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冬(最終章)以降:ランタン
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足場・トゲ・動物がすべて表示されるとは限らず、ランタンの光に照らされている範囲でないと見えないことがある。
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ランタンは猫が持ち歩いたり、逆に動物の背中に乗せて運ばせることも可能。
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その他
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「面」攻略中にXボタンを押すとヒントを閲覧できる。ヒントを閲覧すると、パズルクリアにつながる猫たちの行動がデモプレイで表示される。ヒントをみると「面」の最初からやりなおし。
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各面の選択時にストーリーと思しきフレーバーテキストが挟まれる。春夏秋冬ごとでこのフレーバーテキストの様相が段々と変わってくる。
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メモが落ちているステージもあり、どちらかの猫が触れることで読むことが出来る。
評価点
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本格的なパズル
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互いに動きが連動した2匹の猫を動かす、といった独自性の強いルールである。
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脳筋のようなゴリ押しプレイはほぼ通用せず、先に進むための綿密な計画力が必要。また安全地帯を的確に移動するための即断力も必要である。
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制限時間も無いのでじっくり考えることが出来る反面、うかつに動くと詰み状態となる可能性もありうる(ヒントをみることで即時的に「面」を最初からやりなおせる)。
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冬の章では、ランタンを配置する位置でその面がクリアの可否が大幅に決まってくる。
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美術面
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水彩画風のタッチで描かれる黒猫はかわいらしい。
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春夏秋冬の章ごとにBGMがかわる。
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冬のどこか不気味で不穏な雰囲気のBGMは、行き先が見えない冬の「面」の構造とこれからのシナリオの行く末と合致している。
問題点
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鬱々したストーリー
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かわいらしい絵柄に反して、フレーバーテキストの内容が暗く重い。結局自分の分身に出会ったことで気分を病み、最終的には一人ぼっちになってしまうというオチなので、クリア時の達成感が味わいにくい。
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難易度が高め
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パズルの各面にリスタート地点がない。段差から落ちた程度ではミスにはならないが、その他トゲや生き物に触れた場合は問答無用で「面」の最初からやり直し。
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パズルとしての思考力がクリアのための糸口になるのはその通りだが、アクションの腕が要求される側面も強い。アクション部分で凡ミスをして、「面」の最初からやり直しにされ続けるとプレイのモチベーションが損なわれかねない。
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パズルめいたギミックの少ない春の第一章だと、トゲを厭らしい位置に配置してこちらの動きを制限してくるケースが多い動物にあたらないように、トゲにもあたらないようにギリギリの場所から狙ってジャンプするような場所もある。
総評
互いに連動した動きをする2匹の黒猫をゴールまで導くというルールのアクションパズルである。
ゴールまでに必要な行動をじっくり考えるパズルの側面、触れたら即ミスになる罠をうまくかいくぐっていくアクションの腕の両方が要求されるので、なかなか歯ごたえのあるゲームとなっている。
最終更新:2021年10月02日 21:03