好き好き大好き!
【すきすきだいすき】
ジャンル
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NVL
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対応機種
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Windows 95/98
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販売元
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ビジュアルアーツ
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開発元
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13cm
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発売日
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1998年7月31日
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定価
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8,800円(税別)
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レーティング
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アダルトゲーム
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判定
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怪作
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ポイント
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ラバースーツフェチ 心理描写が秀逸
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概要
「ビジュアルアーツ」の傘下ブランド「13cm」から発売されたアダルトゲーム。ファンからは『SSD』と呼ばれている。
メインライターは「TAMAMI」で、原画家は「あんみつ草」となっている。
公式サイトの紹介
『やっと、ボクの夢がかなったんだ。
ボクの好きなゴムの衣装に身を包んだ、ボクの大好きな女の子。
誰にも渡さない。誰にも触れさせない。絶対、誰にも触らせるものか。』
『蒲乃菜は、ボクだけの蒲乃菜なんだ…。』
一人の少女を愛しすぎたが故に、彼女を自宅の地下室に
監禁してしまった男は、ラバーマスクで目隠しをされ、
視力まで失ってしまった怯える少女に宣言した。
─── 何もしない。ただ、傍にいて欲しい…と。
ひたすら彼女に優しく接し、その愛を得ようとするする男と、
怯え、絶望し、狂気へと駆り立てられていく無力な少女。
たった一人の少女にのみ向けられた男の盲愛に、彼を取り巻く
少女達は気づかない。
男を慕い、一途に愛情を寄せてくる大学の後輩。
十数年振りに再会した幼なじみ。
従姉妹を愛するあまり、主人公に辛くあたり、憎悪してしまうスポーツ少女
心理学を研究する美女は、常に謎めいた微笑を浮かべ、男の疑心暗鬼を誘う。
一人の少女を監禁し、それ故に誰も信じられなくなってしまった男と
彼を取り巻く少女達との物語…
「するする男」も原文ママで引用。
キャラクター
登場キャラは以下の通り。主人公の名前はデフォルトで変更可能。
ヒロインも条件を満たせば変更可能になる。
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長瀬渡
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本作の主人公。思いこみが激しく、内向的な性格のためか他者との交友関係は狭い。
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幼少期にラバースーツを着て踊る女たちを見て以来、ラバーフェチに目覚めてしまった。
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電車の中で出会った蒲乃菜に密かに想いを抱き、ストーキングを続けていた。直接の面識はないのだが…
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そして実家の廃工場の所有権を手に入れたある日、彼女を誘拐してしまう。
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天城蒲乃菜
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本作のメインヒロイン。手芸部の部長を務めている高校生。
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ごく普通の生活を送っていたが、ある日突然渡に誘拐され、全身をラバースーツで覆われた状態で監禁されてしまう。
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そのためゲーム開始時では彼女の素顔を見ることができない。一部ルートでは素顔を明かさぬままエンディングに辿り着くことも。
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また、この手のゲームでは珍しく立ち絵が存在しない。
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木更津みるく
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渡の大学の後輩。思いこみが激しく、渡に酷く執着している。
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眼鏡+ツインテール+ロリータファッションという、その手の趣向が好みな輩であれば飛びつきそうな属性を備えているが…
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藤堂莉果
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渡が小学生の頃に遊んでいた幼馴染の1人。
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おっとりとした性格で、渡にも好意的に接する。しかし瑠香との仲も決して浅くない。
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天童瑠香
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渡が小学生の頃に遊んでいた幼馴染の1人。莉果とは従妹同士。
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気の強い性格で、幼少期の頃から渡とは仲が良くなかった。
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同性愛趣向があり、莉果に執着している。
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須玉ゆかり
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心理学を専攻している大学院生。かつて工場の2階で塾講師をしていた。
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登場キャラクターの中でも最年長であるためか、人格的には比較的まとも。
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特徴
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主人公が自宅の地下室に、少女(蒲乃菜)を監禁してラバースーツを着せる。という奇抜な状況で話は始まる。
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そんな主人公に複数のヒロインが、様々な形で関わってくる。
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プレイヤーは「蒲乃菜の様子を確認するか」「蒲乃菜以外の女性にどう対応するか」などの選択をする。
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BGMは8曲。多いとはいえないが印象に残りやすい。
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ヒロインはフルボイス
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だが、モノローグが大部分を占めるため、テキスト量に対してボイスは少ない。
評価点
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徹底して陰鬱
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主人公の心理描写が秀逸で、ラバースーツに対する執着や、蒲乃菜に対する想いが伝わってくる。
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ギターによるBGMも雰囲気を盛り上げるのに大きく貢献している。
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蒲乃菜以外のヒロインの存在
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「主人公が過去に好きだった幼なじみ」「主人公に対してヤンデレな後輩」など様々な形の恋が描かれる。
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ネタバレ
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上記のように様々な恋愛が描かれるが、「蒲乃菜にとってのハッピーエンド」になるのは主人公と相思相愛になった場合のみ。
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一方的に愛情を押し付けた場合の「主人公⇔蒲乃菜」「主人公⇔みるく」の関係ではバッドエンドになる。
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このようにサブヒロインは照応になっている。
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そもそも何故ラバースーツなのか?
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「rubber」と「lover」の掛詞になっており、愛情の押し付けを示す。ラバースーツを着せたまま迎えるハッピーエンドはない。
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ラバースーツフェチのゲームはほとんど存在しないため、貴重な存在。
鬱要素
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ネタバレ
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エンディングは11種類あるが、第三者から観てハッピーエンドは1つしかない。
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「事故でヒロインを殺してしまい捕まる」「みるくに主人公が監禁される」などの展開により必ず主人公が制裁を受ける。
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ED11はそれ以外のEDを全て観ると解禁されるifシナリオ。
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蒲乃菜との出会いがほんの少し変わっただけで、二人の関係は大きく変わる。
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このEDのみ希望のある終わり方。
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問題点
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CGの癖が強い
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特に「みるく」の服装は1998年の基準で見ても派手すぎる。
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作中で「みるく」を可愛いと評する描写があるが、プレイヤーは納得しがたい。
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人を選ぶ
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陰鬱な展開が続くため、人によっては即効でギブアップしかねない。
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エロシーンは和姦がほとんどない。
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ただし異質なエロゲとして宣伝されていたので、この点に文句を言うのはお門違いだろう。
総評
主人公がラバースーツフェチという、奇抜な設定が注目されやすい。
実際は心理描写や構成が秀逸なため、「良い文章を読みたい」という人には是非遊んで欲しい一作。
移植
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2014年にエロゲー雑誌「メガストア」の付録として収録された。
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当時の最新OSに対応したうえ、バックログ機能が追加されている。PC版を今から買うならこちらが良い。
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約1,300円という安価なので買いやすい。原作のプレミア価格も落ち着いた。
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……がこの雑誌の公式通販での購入は今では不可能に。ゾッキ本などで見かけたら早めの入手を推奨。さらに原作も再びプレミア価格となった。
余談
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タイトルの元ネタは恐らく、精神科医R・D・レインが1978年に発表した詩集『好き? 好き? 大好き?』。
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「私のこと好き?」とひたすら問いかける「彼女」とそれに応える「彼」の対話を描いた表題作など、不穏で歪なコミュニケーションを表現した詩が多数収録されている。
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後述の書籍版では直接引用されており、主人公の内面描写に影響を与えていることがわかる。
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似たタイトルの創作物は多く、ネタにされることも。
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本作が収録された号の「メガストア」では『しゅきしゅきだいしゅき!!』(Iris)が紹介されていた。こちらと掛けた洒落としての収録だったのだろう。
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『しゅきしゅきだいしゅき!!』との共通点は販売元が「ビジュアルアーツ」という点くらいなので注意。間違える人はいないと思うが。
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発売と同じ年に書籍化されている。
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ライターは矢森 惨太郎。こちらもプレミアがつき入手困難。
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1999年に同じブランドから『フロレアール ~すきすきだいすき~』が発売。
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本作の没ヒロインをメインに据えている。
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原画家は同じだが、ライターや作風はまったく別物。癖の強い難解な作品である。
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こちらはWindows 10に対応した2,200円のダウンロード版が存在するのでプレイしやすい。
最終更新:2023年09月07日 02:40