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JP5442137B2 - 鞍乗型車両の車体フレーム - Google Patents

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Description

本発明は、鞍乗型車両の車体フレームに関する。
特許文献1は、メインフレームとスイングアームとの間に緩衝器が設けられた鞍乗型車両を開示している。
上記特許文献1に記載の鞍乗型車両では、特に、オフロード走行時に緩衝器に大きな荷重が作用する。このため、車体フレームの緩衝器取付部の剛性を確保するために、緩衝器取付部を重厚にしなければならず、車体フレームが大型化して、車両の構成部品のレイアウトに制約があった。
日本国特許第3887107号公報
本発明の実施形態は、車体フレームの緩衝器取付部を剛性を確保しつつ小型化して、車両の構成部品のレイアウトの自由度を向上することができる鞍乗型車両の車体フレーム、に関する。
本発明に係る鞍乗型車両の車体フレームの一実施形態が搭載された自動二輪車を説明する左側面図である。 図1に示す緩衝器の周辺の拡大左側面図である。 図2に示す緩衝器取付部の周辺の拡大左側面図である。 図3に示す緩衝器取付部の周辺を前方から見た図である。 図3に示す緩衝器取付部の周辺の斜視図である。 図3に示す緩衝器取付部の周辺の拡大斜視図である。 図1に示すキャニスタの周辺の拡大左側面図である。
以下、本発明に係る鞍乗型車両の車体フレームの一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。実施形態は発明の例示であって、発明を限定するものではなく、実施形態に記述される全ての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図面は符号の向きに見るものとし、以下の説明において、前後、左右、上下は、操縦者から見た方向に従い、図面に車両の前方をFr、後方をRr、左側をL、右側をR、上方をU、下方をD、として示す。
本実施形態の自動二輪車(鞍乗型車両)10は、図1に示すように、車体フレーム11を、前端に設けられるヘッドパイプ12と、ヘッドパイプ12から左右に分かれて後ろ下がりに延びる左右一対のメインフレーム部14と左右一対のメインフレーム部14の後端部に連結され下方に延びる左右一対のピボットフレーム部15とから構成されるメインフレーム13と、左右一対のメインフレーム部14の後部に連結され後方に延びる左右一対のリヤフレーム16と、左右一対のピボットフレーム部15の下部に連結され後ろ上がりに延びる左右一対のサブフレーム17と、ヘッドパイプ12から下方に延びるダウンフレーム18と、ダウンフレーム18の下端部と左右一対のピボットフレーム部15の下端部とを連結する左右一対のボトムフレーム19と、から構成し、ピボットフレーム部15及びボトムフレーム19にエンジン50が取り付けられる。
また、車体フレーム11は、図2〜図6に示すように、左右一対のピボットフレーム部15の上部を車幅方向に連結する第1クロスパイプ21と、第1クロスパイプ21の後方且つ下方に近接して配置され、左右一対のピボットフレーム部15を車幅方向に連結する第2クロスパイプ22と、第1クロスパイプ21と第2クロスパイプ22との間を連結するように取り付けられ、後述する後輪懸架装置40の緩衝器41の上端部が取り付けられる緩衝器取付部23と、を備える。
また、自動二輪車10は、ヘッドパイプ12に操向自在に支持されるフロントフォーク31と、フロントフォーク31の下端部に回転可能に支持される前輪WFと、フロントフォーク31の上端部に取り付けられる操舵用のハンドル32と、ピボットフレーム部15に揺動自在に支持されるスイングアーム33と、スイングアーム33の後端部に回転可能に支持される後輪WRと、緩衝器取付部23にスイングアーム33を懸架する後輪懸架装置40と、メインフレーム部14に取り付けられる燃料タンク34と、リヤフレーム16に取り付けられるシート35と、を備える。なお、図1中の符号36はシュラウド、符号37はフロントフェンダ、符号38はリヤフェンダである。
後輪懸架装置40は、図1及び図2に示すように、その上端部が緩衝器取付部23に揺動自在に取り付けられる緩衝器41と、緩衝器41の下端部とスイングアーム33の下面とを揺動自在に連結する略三角形状の第1リンク42と、第1リンク42とピボットフレーム部15の下端部とを揺動自在に連結する第2リンク43と、を備える。
エンジン50は、図1及び図5に示すように、その外殻は、主に、クランクケース51と、クランクケース51の前方上端部に取り付けられるシリンダブロック52と、シリンダブロック52の上端部に取り付けられるシリンダヘッド53と、シリンダヘッド53の上部開口を覆うシリンダヘッドカバー54と、から構成されている。
また、シリンダヘッド53の背面には、エンジン吸気系を構成するスロットルボディ55、コネクティングチューブ56、及びエアクリーナボックス57が順に接続される。コネクティングチューブ56は、シート35の下方且つ緩衝器取付部23の上方の空間に配置される。また、シリンダヘッド53の前面には、エンジン排気系を構成する排気管58及びマフラー59が順に接続される。
緩衝器取付部23は、図3〜図6に示すように、車両側面視略逆L字状の左右一対の板部材23aと、左右一対の板部材23aの上端縁を車幅方向に連結する上面板23bと、左右一対の板部材23aの前端縁を車幅方向に連結する前面板23cと、を有し、断面略コの字状に形成されている。また、左右一対の板部材23aの上方後端部には、緩衝器41の上端部を取り付けるための緩衝器軸支部24が設けられている。そして、緩衝器軸支部24には、ボルト24a及びナット24bにより緩衝器41の上端部が締結されている。
また、緩衝器取付部23は、溶接により第1及び第2クロスパイプ21,22に接合されており、緩衝器取付部23の角部25は、第1クロスパイプ21に上方から当接するように接合される。また、緩衝器取付部23の上面板23bの前端部(緩衝器取付部23の第1クロスパイプ21との接合部)には、第1クロスパイプ21の上方に延びる第1爪部26aが形成され、前面板23cの下端部(緩衝器取付部23の第2クロスパイプ22との接合部)には、第2クロスパイプ22の前方に延びる第2爪部26bが形成されている。
また、図3に示すように、緩衝器取付部23は、車両側面視において、緩衝器41の伸縮軸線L1と、第1及び第2クロスパイプ21,22の中心軸線を結ぶ線L2とが車両前後方向にオフセットするように取り付けられている。
このように構成された緩衝器取付部23では、緩衝器41からの荷重F0が緩衝器取付部23に作用すると、図3に示すように、第1及び第2クロスパイプ21,22に緩衝器41の伸縮軸線L1と平行な荷重F1,F2がそれぞれ作用する(即ち、荷重F0が第1及び第2クロスパイプ21,22に分散される)と共に、この荷重F1,F2が緩衝器取付部23と第1クロスパイプ21との接合部を支点にモーメントM1,M2に変換され、第1及び第2クロスパイプ21,22にそれぞれ作用する。
また、図3に示すように、ピボットフレーム部15は、車両側面視において下方に湾曲する湾曲部15aを有しており、第1及び第2クロスパイプ21,22は、湾曲部15aの中心線L3を挟んで前後にそれぞれ配置されている。これにより、第1及び第2クロスパイプ21,22と湾曲部15aの頂点部Pで側面視三角形状の構造が形成される。
また、図3〜図5に示すように、第2クロスパイプ22には、エンジン50を取り付けるためのエンジンハンガ27L,27Rが、緩衝器取付部23を挟んで左右にそれぞれ溶接により接合されている。そして、第2クロスパイプ22にエンジンハンガ27L,27Rが取り付けられるため、図3に示すように、エンジン50の下向きの荷重(慣性力、重力など)F3と緩衝器41から第2クロスパイプ22に作用する荷重F2が、第2クロスパイプ22及びエンジンハンガ27L,27Rにおいて相殺される。
また、図7に示すように、車両左側のエンジンハンガ27Lには、ブラケット28を介して燃料タンク34内の蒸発燃料を一時的に吸着するキャニスタ39が取り付けられている。そして、このキャニスタ39は、シリンダブロック52及びシリンダヘッド53の後方、クランクケース51の上方、スロットルボディ55及びコネクティングチューブ56の下方に配置されている。
以上説明したように、本実施形態の自動二輪車10の車体フレーム11によれば、緩衝器取付部23は、第1クロスパイプ21と第2クロスパイプ22との間を連結するように取り付けられてもよく、緩衝器取付部23は、車両側面視において、緩衝器41の伸縮軸線L1と、第1及び第2クロスパイプ21,22の中心軸線を結ぶ線L2とがオフセットするように取り付けられてもよい。この構造によれば、緩衝器41からの荷重F0を緩衝器取付部23によりモーメント変換し第1及び第2クロスパイプ21,22に分散させることができる。これにより、緩衝器取付部23を剛性を確保しつつ小型化することができるので、車両10の構成部品のレイアウトの自由度を向上することができる。具体的には、緩衝器41を車幅方向中央に配置すれば、小型化した緩衝器取付部23の上方にエンジン吸気系を通すことができるので、自動二輪車10をスリムにすることが可能になる。
また、本実施形態の自動二輪車10の車体フレーム11によれば、第2クロスパイプ22に、エンジン50を取り付けるためのエンジンハンガ27L,27Rが取り付けられてもよい。この構造によれば、エンジン50の下向きの荷重F3と緩衝器41から第2クロスパイプ22に作用する荷重F2とを、第2クロスパイプ22及びエンジンハンガ27L,27Rで相殺させることができる。これにより、第2クロスパイプ22を重厚にすることなく剛性を確保することができるので、車体フレーム11を軽量化及び小型化することができる。
また、本実施形態の自動二輪車10の車体フレーム11によれば、第1及び第2クロスパイプ21,22が、ピボットフレーム部15の湾曲部15aの中心線L3を挟んで前後に配置されてもよい。この構造によれば、第1及び第2クロスパイプ21,22とピボットフレーム部15の湾曲部15aの頂点部Pで側面視三角形状の構造を形成して、車体フレーム11の剛性を高めることができる。
また、本実施形態の自動二輪車10の車体フレーム11によれば、緩衝器取付部23は、車両側面視略逆L字状且つ断面略コの字状に形成されてもよい。また、緩衝器取付部23の上端部に緩衝器軸支部24が設けられ、緩衝器取付部23の角部25が、第1クロスパイプ21に上方から当接するように接合されてもよい。この構造によれば、緩衝器41からの荷重F0が緩衝器取付部23と第1クロスパイプ21との接合部を支点にモーメントM1,M2に変換され、緩衝器取付部23から第1クロスパイプ21に作用するモーメントM1が第1クロスパイプ21を上方から押えつける向きとなる。これにより、第1クロスパイプ21と緩衝器取付部23との接合部の溶接強度を過大にすることなく、剛性を確保することができる。
また、本実施形態の自動二輪車10の車体フレーム11によれば、緩衝器取付部23は、第1クロスパイプ21との接合部に形成され第1クロスパイプ21の上方に延びる第1爪部26aと、第2クロスパイプ22との接合部に形成され第2クロスパイプ22の前方に延びる第2爪部26bと、を有してもよい。この構造によれば、第1爪部26a及び第2爪部26bが緩衝器取付部23に作用するモーメントM1,M2に対向するように設けられ、緩衝器取付部23の剛性を高めることができる。
また、本実施形態の自動二輪車10の車体フレーム11によれば、エンジンハンガ27L,27Rが緩衝器取付部23の右側に設けられた右側エンジンハンガ27Rと緩衝器取付部23の左側に設けられた左側エンジンハンガ27Lとを有し、緩衝器取付部23が左右のエンジン半が27L,27Rに挟まれてもよい。この構造によれば、エンジン50の下向きの荷重F3は、2つのエンジンハンガ27L,27Rにより分散されると共に、ピボットフレーム部15及び緩衝器取付部23により更に分散されて伝達される。これにより、エンジンハンガ27L,27Rと第2クロスパイプ22との接合部、第2クロスパイプ22とピボットフレーム部15との接合部、及び第2クロスパイプ22と緩衝器取付部23との接合部の溶接強度を過大にすることなく、剛性を確保することができる。
また、本実施形態の自動二輪車10の車体フレーム11によれば、緩衝器取付部23を小型化したので、コネクティングチューブ56を、シート35の下方且つ緩衝器取付部23の上方の空間に配置することが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
10 自動二輪車(鞍乗型車両)
11 車体フレーム
12 ヘッドパイプ
13 メインフレーム
14 メインフレーム部
15 ピボットフレーム部
15a 湾曲部
16 リヤフレーム
21 第1クロスパイプ
22 第2クロスパイプ
23 緩衝器取付部
23a 板部材
23b 上面板
23c 前面板
24 緩衝器軸支部
25 角部
26a 第1爪部
26b 第2爪部
27L,27R エンジンハンガ
31 フロントフォーク
35 シート
40 後輪懸架装置
41 緩衝器
42 第1リンク
43 第2リンク
50 エンジン
56 コネクティングチューブ
57 エアクリーナボックス
L1 緩衝器の伸縮軸線
L2 第1及び第2クロスパイプの中心軸線を結ぶ線
L3 湾曲部の中心線

Claims (7)

  1. フロントフォーク(31)を操向自在に支持するヘッドパイプ(12)と、
    前記ヘッドパイプ(12)から後方に延びる左右一対のメインフレーム(13)と、
    前記メインフレームに緩衝器(41)を取り付けるための緩衝器取付部(23)と、
    前記左右一対のメインフレームを車幅方向に連結する第1クロスパイプ(21)と、
    前記第1クロスパイプの後方に配置され、前記左右一対のメインフレームを車幅方向に連結する第2クロスパイプ(22)と、
    を備え、
    前記緩衝器取付部は、前記第1クロスパイプと前記第2クロスパイプとの間を連結するように取り付けられ、
    車両側面視において、前記緩衝器の伸縮軸線(L1)と前記第1及び第2クロスパイプの中心軸線を結ぶ線(L2)とがオフセットするように、前記緩衝器取付部が、取り付けられる、
    鞍乗型車両(10)の車体フレーム(11)。
  2. 前記第2クロスパイプ(22)に、エンジン(50)を取り付けるためのエンジンハンガ(27L,27R)が、取り付けられる、請求項1に記載の鞍乗型車両(10)の車体フレーム(11)。
  3. 前記メインフレーム(13)のそれぞれは、メインフレーム部(14)と、前記メインフレーム部の後端部に連結されるピボットフレーム部(15)と、を有し、
    前記ピボットフレーム部は、下方に湾曲する湾曲部(15a)を少なくとも1つ有し、
    前記第1及び第2クロスパイプ(21,22)は、前記湾曲部の中心線(L3)を挟んで前後に配置される、
    請求項1又は2に記載の鞍乗型車両(10)の車体フレーム(11)。
  4. 前記緩衝器取付部(23)は、車両側面視略逆L字状且つ断面略コの字状に形成され、
    前記緩衝器取付部(23)は、その上端部に緩衝器軸支部(24)を有し、
    前記緩衝器取付部の角部(25)が、前記第1クロスパイプ(21)に上方から当接するように接合される、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の鞍乗型車両(10)の車体フレーム(11)。
  5. 前記緩衝器取付部(23)は、
    前記第1クロスパイプ(21)との接合部に形成され、前記第1クロスパイプの上方に延びる第1爪部(26a)と、
    前記第2クロスパイプ(22)との接合部に形成され、前記第2クロスパイプの前方に延びる第2爪部(26b)と、
    を有する、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の鞍乗型車両(10)の車体フレーム(11)。
  6. 前記エンジンハンガ(27L,27R)は、前記緩衝器取付部(23)の右側に取り付けられる右側エンジンハンガ(27R)と、前記緩衝器取付部(23)の左側に取り付けられる左側エンジンハンガ(27L)と、を有し、
    前記緩衝器取付部(23)は、前記右側エンジンハンガ(27R)と前記左側エンジンハンガ(27L)とに挟まれる、
    請求項2〜5のいずれか1項に記載の鞍乗型車両(10)の車体フレーム(11)。
  7. 前記メインフレーム(13)の空間内に、前記エンジン(50)が、取り付けられ、
    リヤフレーム(16)の空間内に、エアクリーナボックス(57)が、取り付けられ、
    前記エンジンのシリンダヘッド(53)と前記エアクリーナボックスとを接続するコネクティングチューブ(56)が、シート(35)の下方且つ前記緩衝器取付部(23)の上方の空間に配置される、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の鞍乗型車両(10)の車体フレーム(11)。
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