JP5010943B2 - 自動二輪車のエンジン懸架装置 - Google Patents
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Description
ブラケット1(以下、「懸架リンク」と云う。)の設計自由度を高めながら軽量化を図ることができる技術があれば好ましい。
さらに、円筒部材を離間させ円筒部材の長さが短くなることに加えて、懸架リンクの設計自由度が高まることにより、最適形状をもつ懸架リンクを得ることができ、懸架リンクの一層の軽量化を図ることができる。
さらにまた、一方のリンク半体は、連結部材及び他方のリンク半体の内部に、一方のリンク半体の端部を重ねて固定されている。一方のリンク半体の端部を他方のリンク半体の内部に重ねて固着することで、リンク本体にねじれなどによる変形を生じ難くすることができる。リンク本体の変形が生じ難くなるので、懸架リンクの剛性をより一層高めることができる。
図1は本発明に係る自動二輪車の左側面図であり、スクータ型車両としての自動二輪車10は、車体フレーム31を備え、この車体フレーム31には、ヘッドパイプ11の上部から斜め後下に延びているメインフレーム12L、12R(手前側の符号12Lのみ示す。)と、前記ヘッドパイプ11の下部から斜め後下に延び、次いで略下に延び、最後に後方に延びて前記メインフレーム12L、12Rに連結されているダウンフレーム13L、13R(手前側の符号13Lのみ示す。)と、前記メインフレーム12L、12Rの後部から斜め後上に延びているシートレール14L、14R(手前側の符号14Lのみ示す。)と、このシートレール14L、14Rの中間部16L、16R(手前側の符号16Lのみ示す。)と前記メインフレーム12L、12Rの後端部との間を連結しているミドルフレーム17L、17R(手前側の符号17Lのみ示す。)とを含み、これらのミドルフレーム17L、17Rの上部と前記シートレール14L、14Rの後部との間を連結しているレールステー18L、18R(手前側の符号18Lのみ示す。)と、前記シートレール14L、14Rとミドルフレーム17L、17Rとの間に掛け渡してピボット軸19L、19R(手前側の符号19Lのみ示す。)を支持しているピボットプレート21L、21R(手前側の符号21Lのみ示す。)と、これらのピボットプレート21L、21Rにピボット軸19L、19Rを介して支持されて下方に延びている懸架リンク22と、この懸架リンク22に支持軸23を介して支持されて後方に延びており上下にスイング可能なリヤスイングアームを兼ねるパワーユニット24と、このパワーユニット24の後端部とシートレール14Lとの間に掛け渡しているリヤクッションユニット25Lと、パワーユニット24の後部に設けた駆動軸としての後輪車軸26と、この後輪車軸26に取り付けた後輪27と、車体フレーム31を構成するシートレール14L、14Rに取り付けられている収納部29としての収納ボックス32と、この収納ボックス32の前部32aを覆い運転者が座るフロントシート33と、収納ボックス32の後部32bを覆い同乗者が座るリヤシート34と、このリヤシート34の周囲を囲うリヤスポイラー35と、前部のヘッドパイプ11に転舵自在に取り付けられているフロントフォーク36と、このフロントフォーク36に前輪車軸37を介して取り付けられている前輪38と、フロントフォーク36の上端部に取り付けられているステアリングハンドル41と、を備える。なお、パワーユニット24には水冷式エンジン42を含む。
メインフレーム12L、12Rとダウンフレーム13L、13Rとで囲まれる領域には燃料タンク43が配置され、この燃料タンク43の上方で、左右のメインフレーム12L、12Rの間には第1クロスメンバ44が掛け渡され、燃料タンク43の下方で、左右のダウンフレーム13L、13Rの間には第2クロスメンバ45が掛け渡され、ピボットプレート21L、21Rの近傍で左右のシートレール14L、14Rの間には第3クロスメンバ46が掛け渡され、前記左右のシートレール14L、14R後端部の間にはリヤクロスメンバ47が掛け渡されている。48はステーである。
また、エンジン42側に設けられている支持軸23の一端と車体フレーム31の間には、懸架リンク22の揺動範囲を規制する揺動規制部71が設けられている。
なお、支持軸23と揺動規制軸73の間にもインナパイプ81とラバー82とアウタパイプ83とからなる緩衝部84が設けられている。
図中、89a、89a、89cは締結ナット、89bは支持軸23としての締結ボルト、90a、90aは小孔である。
懸架リンク22は、前述のように、リンク本体87と、左右の車体側円筒部材86L、86Rと、左右のエンジン側円筒部材88L、88Rとからなり、懸架リンク22の下部22bには、水抜きをするドレン穴91、91が配置されている。実施例において、水抜きをするドレン穴91を、リンク本体87の下部87sに設ける。
図中、90b、90bは小孔である。
連結部材96Rの内部には、一方のリンク半体92Fの端部92aが重なるように配置されるとともに、連結部材96Rの端部96aは、他方のリンク半体92Rの内部93に重なるように配置されている。
他方の腕部94L及び他方の連結部材96L(図6に示す。)の構造は、腕部94R及び連結部材96Rと同様な構造であり、説明を省略する。
なお、水抜きをするドレン穴91の位置は、一方のリンク半体92Fの下部92bに限定されず、他方のリンク半体92Rの下方に設けることは差し支えない。
左の車体側円筒部材86Lと左のエンジン側円筒部材88Lとは、左の連結部材96Lで連結され、この左の連結部材96Lには、リンク本体87が取り付けられている。
右の連結部材96R及びその周辺部の構造及び作用は、上述した説明と同様なものであり、説明を省略する。
車体側ブッシュユニット101は、ピボット軸19Lが挿通される車体側内パイプ102と、この車体側内パイプ102の外周に嵌合されているブッシュ103と、このブッシュ103の外周に嵌合されている車体側外パイプ104とからなり、この車体側外パイプ104の外周が車体側円筒部材86Lの内周に嵌合されている。
図において、懸架リンク22の左側の構成を説明したものであるが、右側の構成も同様な構成を有しており説明を省略する。
車体側円筒部材86L、86R及びエンジン側円筒部材88L、88Rは、各々車両の幅方向に左右に離間して配置され、車体側円筒部材86L、86Rとエンジン側円筒部材88L、88Rの間は一方又は他方の連結部材96L、96Rにより連結され、一方及び他方の連結部材96L、96Rの間はリンク本体87により連結されている。
リンク本体87を、複数のリンク半体を組み合わせ、リンク本体87の断面形状を、例えば、コ字状やH字状に形成すれば、懸架リンク22の剛性を確保しながら、懸架リンク22の設計自由度を飛躍的に高めることができる。
さらに、車体側円筒部材86L、86R及びエンジン側円筒部材88L、88Rを各々離間させ円筒部材の長さが短くなることに加えて、懸架リンク22の設計自由度が高まることにより、最適形状をもった懸架リンク22を得ることができ、懸架リンク22の一層の軽量化を図ることができる。
(a)において、懸架リンク22Bの左側22cと右側22dとの間には、懸架リンク22Bの左部22cと右部22dとを連結する補強部材111が付設されている。
懸架リンクの左部22cと右部22dとの間には、補強部材111が付設されているので、必要に応じ、懸架リンク22の剛性をさらに高めることが可能となる。
(b)において、補強部材111は、車体側円筒部材86Rの下方近傍に配置されている。
また、一方のリンク半体は、連結部材及び他方のリンク半体に重ねることなく、一方のリンク半体を突き合わせて配置し、突き合わせた部分を固定することは差し支えない。
さらに、リンク本体の下部に設けるドレン穴を省略することは差し支えない。
さらにまた、揺動規制部を設ける側の懸架リンクの幅寸法を、揺動規制部を設けていない側の懸架リンクの幅寸法と同じにすることは差し支えない。
Claims (6)
- 車体フレーム(31)とエンジン(42)との間に、ピボット軸(19L、19R)を介して前記エンジン(42)を揺動自在に懸架する懸架リンク(22)が設けられ、この懸架リンク(22)は、複数の板部材からなるリンク本体(87)と、このリンク本体(87)の一端に設け前記車体フレーム(31)を取り付ける車体側円筒部材(86L、86R)と、前記リンク本体(87)の他端に設け前記エンジン(42)を取り付けるエンジン側円筒部材(88L、88R)とから構成されている自動二輪車のエンジン懸架装置において、
前記車体側円筒部材(86L、86R)は、左右一対で構成されるとともに車両の幅方向に離間して設けられ、
前記エンジン側円筒部材(88L、88R)は、左右一対で構成されるとともに車両の幅方向に離間して設けられ、
前記懸架リンク(22)には、前記一対の車体側円筒部材(86L、86R)の一方と前記一対のエンジン側円筒部材(88L、88R)の一方の間を連結する一方の連結部材(96L)と、前記一対の車体側円筒部材(86L、86R)の他方と前記一対のエンジン側円筒部材(88L、88R)の他方の間を連結する他方の連結部材(96R)とが備えられ、
これら一方及び他方の連結部材(96L、96R)は、前記リンク本体(87)により連結され、
このリンク本体(87)は、複数のリンク半体(92F、92R)を組み合わせてなり、車両の後方から見たときに、上方または下方に開いた略U字形状若しくは前記左右の連結部材(96L、96R)の上下途中を連結した略H形状に形成され、
前記リンク本体(87)を構成する一方のリンク半体(92F)は、前記連結部材(96L、96R)及び前記他方のリンク半体(92R)の内部に前記一方のリンク半体(92F)の端部を重ねて配置するとともに、前記連結部材(96L、96R)及び前記他方のリンク半体(92R)の内部に前記一方のリンク半体(92F)の端部を固定することを特徴とする自動二輪車のエンジン懸架装置。 - 前記リンク本体(87)を構成する一方のリンク半体(92F)は、前記連結部材(96L、96R)、前記エンジン側円筒部材(88L、88R)及び前記車体側円筒部材(86L、86R)に固定されていることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車のエンジン懸架装置。
- 前記一方のリンク半体(92F)と前記他方のリンク半体(92R)のうちの車両の下方に配置される前記リンク半体(92F)の下部には、水抜きをするドレン穴(91)が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動二輪車のエンジン懸架装置。
- 前記エンジン(42)側に設けられている支持軸(23)の一端と前記車体フレーム(31)の間には、前記懸架リンク(22)の揺動範囲を規制する揺動規制部(71)が設けられ、この揺動規制部(71)が設けられている側の前記懸架リンク(22)の幅寸法を揺動規制部(71)が設けられていない側の幅寸法よりも大きくしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の自動二輪車のエンジン懸架装置。
- 前記懸架リンク(22)の左側と右側との間には、前記懸架リンク(22)の左側と右側とを連結する補強部材(111)が付設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の自動二輪車のエンジン懸架装置。
- 前記複数のリンク半体(92)は、前記車体側円筒部材(86L、86R)又は前記エンジン側円筒部材(88L、88R)との連結部(97)にて断面コ字状又は略一の字状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の自動二輪車のエンジン懸架装置。
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