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JP5410238B2 - 鞍乗型車両 - Google Patents

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JP5410238B2
JP5410238B2 JP2009246558A JP2009246558A JP5410238B2 JP 5410238 B2 JP5410238 B2 JP 5410238B2 JP 2009246558 A JP2009246558 A JP 2009246558A JP 2009246558 A JP2009246558 A JP 2009246558A JP 5410238 B2 JP5410238 B2 JP 5410238B2
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Description

本発明は、鞍乗型車両に関し、特に、鞍乗型車両の後輪懸架装置に関する。
従来の鞍乗型車両として、車体フレームを構成するクロスメンバ(クッション支持部材)を断面半円筒状に形成し、このクロスメンバの半円内にリヤクッションの上端を支持するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭58−020581号公報
ところで、上記特許文献1に記載の鞍乗型車両では、クロスメンバの半円内にリヤクッションの上端を支持するため、クッション長を確保することはできるが、クロスメンバが断面半円筒状であるため、より大型な鞍乗型車両の場合、クロスメンバの強度向上と軽量化を両立する構造が求められていた。
本発明は、かかる事情を考慮したものであり、その目的は、クッション支持部材の強度を向上することができると共に、クッション支持部材の軽量化を図ることができる鞍乗型車両を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車幅方向に左右一対で構成される車体フレームと、車体フレームに一端が揺動可能に支持されるスイングアームと、スイングアームに回転可能に支持される後輪と、車体フレームとスイングアームに連結され、スイングアームの揺動に対して減衰力を与えるクッションユニットと、車体フレームに車幅方向に掛け渡されるように設けられ、クッションユニットの上端を支持するクッション支持部材と、を備え、クッション支持部材の車幅方向中央部にクッションユニットが支持される鞍乗型車両であって、クッション支持部材の車幅方向中央部が車両前後方向断面で下側を開放するコの字状に形成され、クッション支持部材の上面及び下面は、その車幅方向中央部が車幅方向端部より上方になるように、湾曲するように形成され、クッション支持部材の前方にエンジンが配置され、クッション支持部材に設けられるエンジン支持部によりエンジンを支持することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明の構成に加えて、クッション支持部材は、上下2分割の合わせ構造で構成されると共に、エンジン支持部を、クッション支持部材のクッション支持部を挟んで左右一対で設け、エンジン支持部より車幅方向中央側のクッション支持部材の下面に開口部を設けることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明の構成に加えて、エンジンとエンジン支持部とを締結するエンジン締結部がクッション支持部より下方に配置されることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、車幅方向に左右一対で構成される車体フレームと、車体フレームに一端が揺動可能に支持されるスイングアームと、スイングアームに回転可能に支持される後輪と、車体フレームとスイングアームに連結され、スイングアームの揺動に対して減衰力を与えるクッションユニットと、車体フレームに車幅方向に掛け渡されるように設けられ、クッションユニットの上端を支持するクッション支持部材と、を備え、クッション支持部材の車幅方向中央部にクッションユニットが支持される鞍乗型車両であって、クッション支持部材の車幅方向中央部が車両前後方向断面で下側を開放するコの字状に形成され、クッション支持部材の上面及び下面は、その車幅方向中央部が車幅方向端部より上方になるように、湾曲するように形成され、クッション支持部材は、一対の板状部材を車両前後方向に離間するように配置して構成され、一対の板状部材の上部を車両前後方向に掛け渡すように上部板状部材が結合され、上部板状部材の車幅方向端部に、車両上面視略U字状の凹部が形成されることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明の構成に加えて、車両側面視において、凹部により、クッションユニットとクッション支持部材とを締結するクッション締結部が外方に臨むことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明の構成に加えて、クッション支持部材は、一対の板状部材を車両前後方向に離間するように配置して構成され、一対の板状部材の上部を車両前後方向に掛け渡すように上部板状部材が結合され、一対の板状部材は、車体下方側に長辺をとる台形板状部材を介して車体フレームに結合され、台形板状部材の下方側における一対の板状部材及び台形板状部材の結合部と台形板状部材及び車体フレームの結合部との結合間距離が、台形板状部材の上方側における一対の板状部材及び台形板状部材の結合部と台形板状部材及び車体フレームの結合部との結合間距離より大きく設定されることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、クッション支持部材は、一対の板状部材を車両前後方向に離間するように配置して構成され、一対の板状部材の上部を車両前後方向に掛け渡すように上部板状部材が結合され、上部板状部材の車幅方向端部が板状部材の下端まで延出することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明の構成に加えて、クッション支持部材は、上下2分割の上側クッション支持部材及び下側クッション支持部材の合わせ構造で構成され、上側クッション支持部材及び下側クッション支持部材は上方に湾曲した上下合わせ部において結合されることを特徴とする。
請求項1に記載の鞍乗型車両によれば、クッション支持部材の車幅方向中央部が車両前後方向断面で下側を開放するコの字状に形成され、クッション支持部材の上面及び下面は、その車幅方向中央部が車幅方向端部より上方になるように、湾曲するように形成され、クッション支持部材の車幅方向中央部にクッションユニットが支持されるため、クッション支持部材に加わる荷重をせん断応力と引張力で受けることができるので、クッション支持部材の強度を向上することができると共に、強度向上に伴う重量増加を抑制して、クッション支持部材の軽量化を図ることができる。
また、請求項に記載の鞍乗型車両によれば、クッション支持部材の前方にエンジンが配置され、クッション支持部材に設けられるエンジン支持部によりエンジンを支持するため、クッション支持部材に掛かる荷重をエンジン側に負担させることができ、クッション支持部材の軽量化を更に図ることができる。
請求項に記載の鞍乗型車両によれば、クッション支持部材は、上下2分割の合わせ構造で構成されると共に、エンジン支持部を、クッション支持部材のクッション支持部を挟んで左右一対で設け、エンジン支持部より車幅方向中央側のクッション支持部材の下面に開口部を設けるため、クッション支持部材における左右一対のエンジン支持部間の剛性をエンジンを利用して向上させることができると共に、クッション支持部材の軽量化を更に図ることができる。
請求項に記載の鞍乗型車両によれば、エンジンとエンジン支持部とを締結するエンジン締結部がクッション支持部より下方に配置されるため、クッションユニットの圧縮荷重をエンジン支持部の引張荷重でエンジン側に伝達することができ、エンジン支持部の軽量化を図ることができる。
請求項4に記載の鞍乗型車両によれば、クッション支持部材の車幅方向中央部が車両前後方向断面で下側を開放するコの字状に形成され、クッション支持部材の上面及び下面は、その車幅方向中央部が車幅方向端部より上方になるように、湾曲するように形成され、クッション支持部材の車幅方向中央部にクッションユニットが支持されるため、クッション支持部材に加わる荷重をせん断応力と引張力で受けることができるので、クッション支持部材の強度を向上することができると共に、強度向上に伴う重量増加を抑制して、クッション支持部材の軽量化を図ることができる。
また、請求項に記載の鞍乗型車両によれば、クッション支持部材が、一対の板状部材を車両前後方向に離間するように配置して構成されるため、容易に作製することができ、クッション支持部材の生産性を向上することができる。また、一対の板状部材の上部を車両前後方向に掛け渡すように上部板状部材が結合され、上部板状部材の車幅方向端部に、車両上面視略U字状の凹部が形成されるため、上部板状部材の車幅方向端部の結合部に加わる応力集中を緩和することができ、一対の板状部材と上部板状部材の結合面に緩やかな応力分布を与えることができる。これにより、上部板状部材の大型化を抑制して、クッション支持部材の強度確保と軽量化を両立することができる。
請求項に記載の鞍乗型車両によれば、車両側面視において、凹部により、クッションユニットとクッション支持部材とを締結するクッション締結部が外方に臨むことを特徴とする。車両側方からクッション締結部にアクセスすることが可能となり、クッション締結部への工具のアクセスを容易にすることができる。また、上下方向の締結が不要となるので、クッション支持部材の上面から上方に突出する締結部材がなくなるため、クッション長を大きく設定することができ、車両の上下方向のコンパクト化を図ることができる。
請求項6に記載の鞍乗型車両によれば、クッション支持部材が、一対の板状部材を車両前後方向に離間するように配置して構成されるため、容易に作製することができ、クッション支持部材の生産性を向上することができる。
また、請求項に記載の鞍乗型車両によれば、一対の板状部材は、車体下方側に長辺をとる台形板状部材を介して車体フレームに結合されるため、一対の板状部材を車体フレームに直接結合する場合と比較して、車体フレームへの結合長さを大きく確保することができる。これにより、車体フレームに加わる荷重を分散することができるので、車体フレーム側の軽量化を図ることができる。また、台形板状部材の下方側における一対の板状部材及び台形板状部材の結合部と台形板状部材及び車体フレームの結合部との結合間距離が、台形板状部材の上方側における一対の板状部材及び台形板状部材の結合部と台形板状部材及び車体フレームの結合部との結合間距離より大きく設定されるため、応力集中を回避することができ、車体フレーム側の軽量化を図ることができる。
請求項に記載の鞍乗型車両によれば、一対の板状部材の上部を車両前後方向に掛け渡すように上部板状部材が結合され、上部板状部材の車幅方向端部が板状部材の下端まで延出するため、上部板状部材の車幅方向端部の結合部に加わる応力集中を緩和することができ、一対の板状部材と上部板状部材の結合面に緩やかな応力分布を与えることができる。これにより、上部板状部材の大型化を抑制して、クッション支持部材の強度確保と軽量化を両立することができる。
本発明に係る鞍乗型車両の第1実施形態を説明するための左側面図である。 図1に示すクロスメンバの周辺の左側面図である。 図2に示すクロスメンバの周辺の上面図である。 図2に示すクロスメンバの周辺の下面図である。 図2に示すクロスメンバの周辺の背面図である。 図2に示すクロスメンバの周辺を上方且つ左前方から見た斜視図である。 図2に示すクロスメンバの周辺を下方且つ左後方から見た斜視図である。 本発明に係る鞍乗型車両の第2実施形態のクロスメンバを説明するための斜視図である。 図8に示すクロスメンバの周辺の下面図である。 本発明に係る鞍乗型車両の第3実施形態のクロスメンバを説明するための拡大左側面図である。 図10に示すクロスメンバの周辺の背面図である。 図10に示すクロスメンバの周辺の上面図である。 図10に示すクロスメンバの周辺の下面図である。
以下、本発明に係る鞍乗型車両の各実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとし、以下の説明において、前後、左右、上下は、運転者から見た方向に従い、図面に車両の前方をFr、後方をRr、左側をL、右側をR、上方をU、下方をD、として示す。
(第1実施形態)
まず、図1〜図7を参照して、本発明に係る鞍乗型車両の第1実施形態について説明する。
本実施形態の自動二輪車(鞍乗型車両)10は、図1に示すように、車体フレーム11を、前端に設けられるヘッドパイプ12と、ヘッドパイプ12から後方且つ下方に延びる左右一対のメインフレーム13と、左右一対のメインフレーム13の後端部に連結される左右一対のピボットプレート14と、左右一対のメインフレーム13の中間部に連結され後方且つ上方に延びる左右一対のシートフレーム15と、ピボットプレート14に連結され後方且つ上方に延び、その後端部がシートフレーム15の後端部と連結される左右一対のサブフレーム16と、ヘッドパイプ12から後方且つ下方に延びる左右一対のダウンチューブ17と、ヘッドパイプ12周りを補強すべく、ヘッドパイプ12の後部及びダウンチューブ17の前部に結合される左右一対のガセット18と、メインフレーム13とダウンチューブ17との間を連結する左右一対の補強フレーム19,20と、シートフレーム15とサブフレーム16との間を連結する左右一対の補強フレーム21と、左右一対のピボットプレート14の上部を車幅方向に連結するクッション支持部材であるクロスメンバ80と、から構成し、メインフレーム13、ピボットプレート14、及びダウンチューブ17に、エンジン60及びエンジン60の後部に一体的に設けられる変速機61が取り付けられる。
また、自動二輪車10は、ヘッドパイプ12に操舵可能に支持されるフロントフォーク23と、フロントフォーク23の下端部に回転可能に支持される前輪WFと、フロントフォーク23の上端部に取り付けられる操舵用のハンドル24と、ピボットプレート14に揺動可能に支持されるスイングアーム25と、スイングアーム25の後端部に回転可能に支持される後輪WRと、スイングアーム25の下部とピボットプレート14の後方下端部とクロスメンバ80との間を揺動可能に連結する後輪懸架装置50と、メインフレーム13の上方に取り付けられる燃料タンク26と、燃料タンク26の後方且つシートフレーム15の上方に取り付けられるシート27と、を備える。
なお、図1中の符号31はヘッドライト、32はフロントカウル、33はウィンドスクリーン、34はフロントウィンカ、35はフロントフェンダ、36はサイドミラー、37はサイドカウル、38はリヤカウル、39はグラブレール、40はテールライト、41はリヤフェンダ、42はリヤウィンカ、43はABS装置である。
後輪懸架装置50は、図1に示すように、その上端部がクロスメンバ80に揺動可能に取り付けられるクッションユニット51と、クッションユニット51の下端部とスイングアーム25の下側中間部とを揺動可能に連結する略三角形状の第1リンク52と、第1リンク52とピボットプレート14の後方下端部とを揺動可能に連結する第2リンク53と、を備える。
エンジン60は、単気筒エンジンであって、図1に示すように、その外殻は、主に、クランクケース62と、クランクケース62の前方上端部に取り付けられるシリンダブロック63と、シリンダブロック63の上端部に取り付けられるシリンダヘッド64と、シリンダヘッド64の上部開口を覆うシリンダヘッドカバー65と、クランクケース62の左側面の開口を覆うACG(発電機)カバー66と、クランクケース62の右側面の開口を覆う不図示のクラッチカバーと、によって構成される。
また、図1に示すように、シリンダヘッド64の後部に形成される不図示の吸気ポートには、吸気管71を介してスロットルボディ72が接続され、このスロットルボディ72の上流端には、コネクティングチューブ73を介してエアクリーナ装置74が接続される。また、シリンダヘッド64の前部に形成される不図示の排気ポートには、排気管75を介してマフラー76が接続される。
クロスメンバ80は、図2〜図7に示すように、左右一対のピボットプレート14に車幅方向に掛け渡されるように設けられ、車両前後方向に離間するように配置される一対の板状部材81と、一対の板状部材81の上部を車両前後方向に掛け渡すように結合される上部板状部材82と、上部板状部材82の下面の車幅方中央に結合され、クッションユニット51の上端部を支持する車幅方向の断面略逆U字状のクッションブラケット83と、一対の板状部材81の車幅方向両端部に結合され、ピボットプレート14の車幅方向内側に結合される台形板状部材84と、を備える。また、本実施形態では、クロスメンバ80は、車体フレーム11とは別体に設けられる。また、一対の板状部材81は、クッションユニット51の伸縮方向に対して平行に配置される。なお、図中の符号45はクロスメンバ、46はエンジンブラケットである。
そして、本実施形態では、図5〜図7に示すように、クロスメンバ80の車幅方向中央部は、車両前後方向に沿った断面において、一対の板状部材81及び上部板状部材82により下側を開放するコの字状に形成される。また、一対の板状部材81の上面及び下面は、その車幅方向中央部が車幅方向端部より上方になるように、湾曲するように形成される。
また、本実施形態では、図2〜図4に示すように、上部板状部材82の車幅方向端部に、車両上面視及び側面視で略U字状の凹部82aが形成される。これにより、車両側面視において、クッションユニット51の上端部とクロスメンバ80のクッションブラケット83とを締結するクッション締結部である締結ボルト85が車両左側の凹部82aを介して外方に臨み、また、この締結ボルト85に螺合する不図示のナットは車両右側の凹部82aを介して外方に臨むようになっている。従って、締結ボルト85及び不図示のナットへの工具のアクセスが容易になる。
また、図4〜図7に示すように、クッションブラケット83には、締結ボルト85を貫通させるための貫通穴83aが車幅方向に沿って形成される。
また、本実施形態では、図2及び図6に示すように、台形板状部材84は、車体下方側に長辺をとる台形状に形成されており、台形板状部材84の下方側における一対の板状部材81及び台形板状部材84の結合部86と台形板状部材84及びピボットプレート14の結合部87との結合間距離L1が、台形板状部材84の上方側における一対の板状部材81及び台形板状部材84の結合部86と台形板状部材84及びピボットプレート14の結合部87との結合間距離L2より大きく設定される。また、図6に示すように、台形板状部材84の上辺には、上記締結ボルト85及び不図示のナットへの工具のアクセスを容易にするための凹部84aが形成される。
以上説明したように、本実施形態の自動二輪車10によれば、クロスメンバ80の車幅方向中央部が車両前後方向断面で下側を開放するコの字状に形成され、一対の板状部材81の上面及び下面は、その車幅方向中央部が車幅方向端部より上方になるように、湾曲するように形成され、クロスメンバ80の車幅方向中央部にクッションユニットが支持されるため、クロスメンバ80に加わる荷重をせん断応力と引張力で受けることができるので、クロスメンバ80の強度を向上することができると共に、強度向上に伴う重量増加を抑制して、クロスメンバ80の軽量化を図ることができる。
また、本実施形態の自動二輪車10によれば、クロスメンバ80が、一対の板状部材81を車両前後方向に離間するように配置して構成されるため、容易に作製することができ、クロスメンバ80の生産性を向上することができる。また、一対の板状部材81の上部を車両前後方向に掛け渡すように上部板状部材82が結合され、上部板状部材82の車幅方向端部に、車両上面視略U字状の凹部82aが形成されるため、上部板状部材82の車幅方向端部の結合部に加わる応力集中を緩和することができ、一対の板状部材81と上部板状部材82の結合面に緩やかな応力分布を与えることができる。これにより、上部板状部材82の大型化を抑制して、クロスメンバ80の強度確保と軽量化を両立することができる。
また、本実施形態の自動二輪車10によれば、車両側面視において、上部板状部材82の凹部82aにより、クッションユニット51とクロスメンバ80のクッションブラケット83とを締結する締結ボルト85が外方に臨むため、車両側方から締結ボルト85にアクセスすることが可能となり、締結ボルト85への工具のアクセスを容易にすることができる。また、上下方向の締結が不要となるので、クロスメンバ80の上面から上方に突出する締結部材がなくなるため、クッション長を大きく設定することができ、車両10の上下方向のコンパクト化を図ることができる。
また、本実施形態の自動二輪車10によれば、一対の板状部材81は、車体下方側に長辺をとる台形板状部材84を介して車体フレーム11のピボットプレート14に結合されるため、一対の板状部材81をピボットプレート14に直接結合する場合と比較して、ピボットプレート14への結合長さを大きく確保することができる。これにより、ピボットプレート14に加わる荷重を分散することができるので、車体フレーム11側の軽量化を図ることができる。
また、台形板状部材84の下方側における一対の板状部材81及び台形板状部材84の結合部86と台形板状部材84及びピボットプレート14の結合部87との結合間距離L1が、台形板状部材84の上方側における一対の板状部材81及び台形板状部材84の結合部86と台形板状部材84及びピボットプレート14の結合部87との結合間距離L2より大きく設定されるため、応力集中を回避することができ、車体フレーム11側の軽量化を図ることができる。
(第2実施形態)
次に、図8及び図9を参照して、本発明に係る鞍乗型車両の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態の自動二輪車10では、第1実施形態のクロスメンバ80の代わりにクロスメンバ(クッション支持部材)90を使用する。このクロスメンバ90は、図8及び図9に示すように、左右一対のピボットプレート14に車幅方向に掛け渡されるように設けられ、車両前後方向に離間するように配置される一対の板状部材81と、一対の板状部材81の上部を車両前後方向に掛け渡すように結合される上部板状部材92と、上部板状部材92の下面の車幅方中央に結合され、クッションユニット51の上端部を支持する断面略逆U字状のクッションブラケット83と、一対の板状部材81の車幅方向両端部に結合され、ピボットプレート14の車幅方向内側に結合される矩形板状部材94と、を備える。
そして、本実施形態では、図8及び図9に示すように、上部板状部材92の車幅方向端部に斜め下方に向けて屈曲する屈曲部92aが設けられ、この屈曲部92aの車幅方向端部が一対の板状部材81の下端まで延出される。
また、本実施形態では、図8及び図9に示すように、矩形板状部材94の上端部に一対の板状部材81の車幅方向端部の上面に沿う補強部94aが設けられ、この補強部94aは、一対の板状部材81の車幅方向端部の上面に結合される。
以上説明したように、本実施形態の自動二輪車10によれば、上部板状部材92の車幅方向端部が一対の板状部材81の下端まで延出されるため、上部板状部材92の車幅方向端部の結合部に加わる応力集中を緩和することができ、一対の板状部材81と上部板状部材92の結合面に緩やかな応力分布を与えることができる。これにより、上部板状部材92の大型化を抑制して、クロスメンバ90の強度確保と軽量化を両立することができる。
また、本実施形態の自動二輪車10によれば、矩形板状部材94の上端部に設けられる補強部94aが一対の板状部材81の車幅方向端部の上面に結合されるため、一対の板状部材81と矩形板状部材94との結合を強固にすることができ、クロスメンバ90の剛性を向上することができる。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
次に、図10〜図13を参照して、本発明に係る鞍乗型車両の第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態の自動二輪車10では、第1実施形態のクロスメンバ80の代わりにクロスメンバ(クッション支持部材)100を使用する。このクロスメンバ100は、図10及び図11に示すように、上下2分割の上側クロスメンバ110及び下側クロスメンバ120の合わせ構造で構成されており、上側クロスメンバ110及び下側クロスメンバ120は上方に湾曲した上下合わせ部101において結合されている。また、クロスメンバ100の車幅方向両端部は、側面視略ロ字状の連結部材102を介してピボットプレート14の車幅方向内側に連結される。
上側クロスメンバ110は、図11〜図13に示すように、左右一対のピボットプレート14に車幅方向に掛け渡されるように設けられる上板部111と、上板部111の前後両端縁から下方に延びる前後一対の側板部112と、上板部111の下面の車幅方向中央部に取り付けられ、クッションユニット51の上端部を支持する断面略逆U字状のクッションブラケット(クッション支持部)113と、を備える。
下側クロスメンバ120は、図11〜図13に示すように、左右一対のピボットプレート14に車幅方向に掛け渡されるように設けられる下板部121と、下板部121の前後両端縁から上方に延びる前後一対の側板部122と、下板部121の車幅方向中央部に形成され、クッションユニット51の上端部をクッションブラケット113に挿し込ませるための開口部123と、を備える。
クッションブラケット113は、図11及び図13に示すように、板部材を略U字状にプレス成形された部材であり、上面部115及び左右一対の側面部116を有する。そして、上面部115の上面には雄ねじ部115aが立設されており、この雄ねじ部115aを上板部111の車幅方向中央部に形成される貫通穴111aに挿通し、雄ねじ部115aにブラケット固定ナット117を螺着することにより、クッションブラケット113がクロスメンバ100に締結される。また、左右一対の側面部116には、クッション締結部である締結ボルト85を貫通させるための貫通穴116aが車幅方向に沿って形成され、左側の側面部116の外側面には、貫通穴116aと連通し、締結ボルト85を螺着させるためのナット116bが設けられている。
そして、本実施形態では、図11〜図13に示すように、クロスメンバ100の車幅方向中央部は、車両前後方向に沿った断面において、上側及び下側クロスメンバ110,120の上板部111、前後一対の側板部112、及び前後一対の側板部122により下側を開放するコの字状に形成される。また、クロスメンバ100の上面である上板部111及び下面である下板部121は、その車幅方向中央部が車幅方向端部より上方になるように、湾曲するように形成される。
また、図10〜図13に示すように、クロスメンバ100の前側には、クロスメンバ100の前方に配置されるエンジン60を支持するエンジンブラケット(エンジン支持部)103が前方且つ下方に延びるようにクッションブラケット113を挟んで左右一対で設けられている。また、図10及び図12に示すように、クロスメンバ100の前面には、油圧配管等を案内する側面視略S字状の配管ガイド104が左右一対で設けられている。
また、図10に示すように、エンジン60と左右一対のエンジンブラケット103とを締結するエンジン締結部である締結ボルト105及び締結ナット106は、クロスメンバ100のクッションブラケット113より下方に配置される。
また、図11及び図13に示すように、クロスメンバ100の開口部123は、左右一対のエンジンブラケット103より車幅方向中央側に形成される。これにより、クロスメンバ100の強度がエンジン60により補完されるので、開口部123を大きくすることができ、クロスメンバ100の軽量化が可能となる。なお、図13中の符号131はシフトペダル、132はブレーキペダル、133はメインステップ、134はメインステップホルダである。
以上説明したように、本実施形態の自動二輪車10によれば、クロスメンバ100の車幅方向中央部が車両前後方向断面で下側を開放するコの字状に形成され、クロスメンバ100の上板部111及び下板部121は、その車幅方向中央部が車幅方向端部より上方になるように、湾曲するように形成され、クロスメンバ100の車幅方向中央部にクッションユニット51が支持されるため、クロスメンバ100に加わる荷重をせん断応力と引張力で受けることができるので、クロスメンバ100の強度を向上することができると共に、強度向上に伴う重量増加を抑制して、クロスメンバ100の軽量化を図ることができる。
また、本実施形態の自動二輪車10によれば、クロスメンバ100の前方にエンジン60が配置され、クロスメンバ100に設けられるエンジンブラケット103によりエンジン60を支持するため、クロスメンバ100に掛かる荷重をエンジン60側に負担させることができ、クロスメンバ100の軽量化を更に図ることができる。
また、本実施形態の自動二輪車10によれば、クロスメンバ100は、上下2分割の合わせ構造で構成されると共に、エンジンブラケット103を、クロスメンバ100のクッションブラケット113を挟んで左右一対で設け、エンジンブラケット103より車幅方向中央側のクロスメンバ100の下板部121に開口部123を設けるため、クロスメンバ100における左右一対のエンジンブラケット103間の剛性をエンジン60を利用して向上させることができると共に、クロスメンバ100の軽量化を更に図ることができる。
また、本実施形態の自動二輪車10によれば、エンジン60と左右一対のエンジンブラケット103とを締結する締結ボルト105及び締結ナット106がクッションブラケット113より下方に配置されるため、クッションユニット51の圧縮荷重をエンジンブラケット103の引張荷重でエンジン60側に伝達することができ、エンジンブラケット103の軽量化を図ることができる。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と同様である。
なお、本発明は、上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、自動二輪車に本発明を適用する場合を例示したが、これに限定されず、三輪車や、全地形対応車(ATV:All Terrain Vehicle)などの四輪車に本発明を適用してもよい。
10 自動二輪車(鞍乗型車両)
11 車体フレーム
12 ヘッドパイプ
25 スイングアーム
51 クッションユニット
60 エンジン
80 クロスメンバ(クッション支持部材)
81 板状部材
82 上部板状部材
82a 凹部
83 クッションブラケット
84 台形板状部材
85 締結ボルト(クッション締結部)
86 結合部
87 結合部
90 クロスメンバ(クッション支持部材)
92 上部板状部材
94 矩形板状部材
100 クロスメンバ(クッション支持部材)
101 上下合わせ部
103 エンジンブラケット(エンジン支持部)
105 締結ボルト(エンジン締結部)
106 締結ナット(エンジン締結部)
110 上側クロスメンバ
111 上板部(クッション支持部材の上面)
113 クッションブラケット(クッション支持部)
120 下側クロスメンバ
121 下板部(クッション支持部材の下面)
123 開口部
WR 後輪
L1 結合間距離
L2 結合間距離

Claims (8)

  1. 車幅方向に左右一対で構成される車体フレームと、
    前記車体フレームに一端が揺動可能に支持されるスイングアームと、
    前記スイングアームに回転可能に支持される後輪と、
    前記車体フレームと前記スイングアームに連結され、前記スイングアームの揺動に対して減衰力を与えるクッションユニットと、
    前記車体フレームに車幅方向に掛け渡されるように設けられ、前記クッションユニットの上端を支持するクッション支持部材と、を備え、
    前記クッション支持部材の車幅方向中央部に前記クッションユニットが支持される鞍乗型車両であって、
    前記クッション支持部材の車幅方向中央部が車両前後方向断面で下側を開放するコの字状に形成され、
    前記クッション支持部材の上面及び下面は、その車幅方向中央部が車幅方向端部より上方になるように、湾曲するように形成され
    前記クッション支持部材の前方にエンジンが配置され、
    前記クッション支持部材に設けられるエンジン支持部により前記エンジンを支持することを特徴とする鞍乗型車両。
  2. 前記クッション支持部材は、上下2分割の合わせ構造で構成されると共に、
    前記エンジン支持部を、前記クッション支持部材のクッション支持部を挟んで左右一対で設け、
    前記エンジン支持部より車幅方向中央側の前記クッション支持部材の下面に開口部を設けることを特徴とする請求項に記載の鞍乗型車両。
  3. 前記エンジンと前記エンジン支持部とを締結するエンジン締結部が前記クッション支持部より下方に配置されることを特徴とする請求項に記載の鞍乗型車両。
  4. 車幅方向に左右一対で構成される車体フレームと、
    前記車体フレームに一端が揺動可能に支持されるスイングアームと、
    前記スイングアームに回転可能に支持される後輪と、
    前記車体フレームと前記スイングアームに連結され、前記スイングアームの揺動に対して減衰力を与えるクッションユニットと、
    前記車体フレームに車幅方向に掛け渡されるように設けられ、前記クッションユニットの上端を支持するクッション支持部材と、を備え、
    前記クッション支持部材の車幅方向中央部に前記クッションユニットが支持される鞍乗型車両であって、
    前記クッション支持部材の車幅方向中央部が車両前後方向断面で下側を開放するコの字状に形成され、
    前記クッション支持部材の上面及び下面は、その車幅方向中央部が車幅方向端部より上方になるように、湾曲するように形成され、
    前記クッション支持部材は、一対の板状部材を車両前後方向に離間するように配置して構成され、
    前記一対の板状部材の上部を車両前後方向に掛け渡すように上部板状部材が結合され、
    前記上部板状部材の車幅方向端部に、車両上面視略U字状の凹部が形成されることを特徴とする鞍乗型車両。
  5. 車両側面視において、前記凹部により、前記クッションユニットと前記クッション支持部材とを締結するクッション締結部が外方に臨むことを特徴とする請求項に記載の鞍乗型車両。
  6. 前記クッション支持部材は、一対の板状部材を車両前後方向に離間するように配置して構成され、
    前記一対の板状部材の上部を車両前後方向に掛け渡すように上部板状部材が結合され、
    前記一対の板状部材は、車体下方側に長辺をとる台形板状部材を介して前記車体フレームに結合され、
    前記台形板状部材の下方側における前記一対の板状部材及び前記台形板状部材の結合部と前記台形板状部材及び前記車体フレームの結合部との結合間距離が、
    前記台形板状部材の上方側における前記一対の板状部材及び前記台形板状部材の結合部と前記台形板状部材及び前記車体フレームの結合部との結合間距離より大きく設定されることを特徴とする請求項に記載の鞍乗型車両。
  7. 前記クッション支持部材は、一対の板状部材を車両前後方向に離間するように配置して構成され、
    前記一対の板状部材の上部を車両前後方向に掛け渡すように上部板状部材が結合され、
    前記上部板状部材の車幅方向端部が前記板状部材の下端まで延出することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
  8. 前記クッション支持部材は、上下2分割の上側クッション支持部材及び下側クッション支持部材の合わせ構造で構成され、
    前記上側クッション支持部材及び前記下側クッション支持部材は上方に湾曲した上下合わせ部において結合されることを特徴とする請求項2又は3に記載の鞍乗型車両。
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