JP3887107B2 - 二輪車用リヤサスペンション装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は二輪車用リヤサスペンション装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
二輪車用リヤサスペンション装置としては、例えば、特開昭64−41492号公報「リヤクッションユニット」が知られている。
【0003】
上記技術は、簡易な構成で位置依存型の減衰力特性を得るものであり、同公報の第1図及び第2図に示される通り、車体フレーム4とスイングアーム10との間に介在させたダンパシリンダ1と、このダンパシリンダ1内に移動可能に挿入したピストン5と、このピストン5に取付けるとともに先端をスイングアーム10に連結したピストンロッド2と、このピストンロッド2内に移動可能に設けたプッシュロッド13と、このプッシュロッド13をスイングアーム10の動きに伴って移動させるためにスイングアーム10に設けたカム25とを備え、スイングアーム10がダンパシリンダ1の縮み側へ移動するにつれて、カム25によってプッシュロッド13をピストン5側へ移動させ、ピストン5の両側に形成した油室A,B間の流路抵抗を増加させることで、発生する減衰力を増加させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記技術では、スイングアーム10がダンパシリンダ1の伸び側へ移動するときには、カム25の働きによって減衰力が上記とは反対に減少するだけであり、ダンパシリンダ1の伸び側における車体の挙動に対して減衰力制御が考慮されていない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、スイングアームがクッションユニット(ダンパシリンダ)の縮み側へ移動するときのみならず、クッションユニットの伸び側へ移動するときにも、スイングアームのスイング位置、即ち後輪軸の上下方向の位置に応じて減衰力を変化させることができる二輪車用リヤサスペンション装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、車体フレームに上下にスイング可能にスイングアームを取付け、このスイングアームに後輪を取付け、スイングアームと車体フレームとの間に、スプリング及びダンパからなるクッションユニットを配置した二輪車において、スイングアームが、運転者の乗車した乗車中立位置からクッションユニットの伸び側へ移動した時、乗車中立位置のダンパの減衰力よりもダンパの伸び側の減衰力を大きくした。
【0007】
後輪が乗車中立位置ではダンパの減衰力が小さいため、乗り心地が良く、後輪が乗車中立位置からクッションユニットの伸び側ではダンパの減衰力が大きくなるため、車体の姿勢変化を小さくすることができる。
【0008】
請求項2は、車体フレームに上下にスイング可能にスイングアームを取付け、このスイングアームに後輪を取付け、スイングアームと車体フレームとの間に、スプリング及びダンパからなるクッションユニットと、このクッションユニットが縮むに従って、後輪の変位量に対するクッションユニットの縮み量の割合を大きくするリンク機構とを配置した二輪車において、リンク機構にダンパの減衰力を調整する減衰力調整機構を付設することで、スイングアームが、運転者の乗車した乗車中立位置からクッションユニットの伸び側へ移動した時、乗車中立位置のダンパの減衰力よりもダンパの伸び側の減衰力を大きくした。
【0009】
後輪が乗車中立位置では減衰力が小さいため、乗り心地が良く、後輪が乗車中立位置からクッションユニットの縮み側では減衰力が大きくなるため、例えば、クッションユニットの底突きを防止し、後輪が乗車中立位置からクッションユニットの伸び側では減衰力が大きくなるため、車体の姿勢変化を小さくすることができる。
【0010】
請求項3は、車体フレームに上下にスイング可能にスイングアームを取付け、このスイングアームに後輪を取付け、スイングアームと車体フレームとの間に、スプリング及びダンパからなるクッションユニットと、このクッションユニットが縮むに従って、後輪の変位量に対するクッションユニットの縮み量の割合を大きくするリンク機構とを配置した二輪車において、スイングアームが、運転者の乗車した乗車中立位置からクッションユニットの伸び側へ移動した時、乗車中立位置のダンパの減衰力よりもダンパの伸び側の減衰力を大きくした。
【0011】
後輪が乗車中立位置ではダンパの減衰力が小さいため、乗り心地が良く、後輪が乗車中立位置からクッションユニットの伸び側ではダンパの減衰力が大きくなるため、車体の姿勢変化を小さくすることができる。
【0012】
請求項4は、車体フレームに上下にスイング可能にスイングアームを取付け、このスイングアームに後輪を取付け、スイングアームよりも上方の車体フレームにスプリング及びダンパからなるクッションユニットの一端を取付け、クッションユニットの他端にリンク機構を連結し、スイングアームの下部と車体フレームの下部とにリンク機構を渡した二輪車において、クッションユニットの一部とリンク機構の一部とが相対移動するのに伴い、ダンパ内に設けた減衰力調整用油路を狭めることで、運転者の乗車した乗車中立位置のダンパの減衰力よりもダンパの伸び側の減衰力を大きくした。
【0013】
クッションユニットの一部とリンク機構の一部とが相対移動したときに、ダンパ内に設けた減衰力調整用油路を狭め、ダンパの伸び側の減衰力を運転者の乗車した乗車中立位置のダンパの減衰力よりも大きくして、車体の姿勢変化を小さくすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る二輪車用リヤサスペンション装置を備えた自動二輪車の側面図であり、自動二輪車1は、車体フレーム2の前部に取付けたヘッドパイプ3と、このヘッドパイプ3に回転可能に取付けたフロントフォーク4と、このフロントフォーク4の下部に回転可能に取付けた前輪5と、この前輪5の上部を覆うフロントフェンダ6とからなる。
【0015】
また、自動二輪車1は、車体フレーム2の上部に設けた燃料タンク7と、この燃料タンク7の後方に配置したシート8と、これら燃料タンク7及びシート8の下方に配置したエンジン及び変速機からなるパワーユニット11と、このパワーユニット11後方の車体フレーム2にスイング可能に取付けたスイングアーム12と、このスイングアーム12の後端に回転可能に取付けるとともに上記パワーユニット11で駆動する後輪13と、この後輪13の上部を覆うリヤフェンダ14と、上記車体フレーム2とスイングアーム12との間に介在させたリヤサスペンション装置20とからなる。
ここで、13aはスイングアーム12の後端部に設けるとともに後輪13の回転中心となる後輪軸、15はラジエータシュラウド、16はリヤカウル、17は排気管、18はマフラである。
【0016】
図2は本発明に係る二輪車用リヤサスペンション装置の要部側面図であり、リヤサスペンション装置20は、車体フレーム2に設けた上部ブラケット2aに一端を回転可能に取付けたクッションユニット30と、このクッションユニット30の他端にクッションユニット30の減衰力をスイングアーム12のスイングに伴って変化させるために取付けたプログレシブリンク機構60とからなる。ここで、12aは車体フレーム2に対してスイングアーム12がスイングする軸となるボルトである。
【0017】
クッションユニット30は、外面にアッパスプリングシート31をねじ結合したシリンダ部32と、このシリンダ部32内に連通させたリザーバタンク33と、シリンダ部32内に収納したピストン(後述する。)に取付けたピストンロッド34と、このピストンロッド34の先端に取付けたロアスプリングシート35及び延長ロッド36と、上記アッパスプリングシート31とロアスプリングシート35との間に挟持したコイルスプリング37とからなる。なお、38はアッパスプリングシート31を固定するためのロックナット、39はバンプストッパラバーである。
【0018】
リザーバタンク33は、シリンダ部32内へピストンロッド34が進入又は退出するときに作動油が出入りして、シリンダ部32内の容積変化を補償する体積補償室である。
延長ロッド36は、先端をプログレシブリンク機構60に回転可能に連結させたものであり、外面に、押し込み可能なプッシュロッド41を備える。
【0019】
プログレシブリンク機構60は、スイングアーム12に設けた取付ブラケット12bに回転可能に取付けた第1リンク61と、この第1リンク61に回転可能に取付けるとともに車体フレーム2に設けた下部ブラケット2bに回転可能に取付けた第2リンク62とからなる。
【0020】
第1リンク61は、第1支点部61a、第2支点部61b及び第3支点部61cを備え、第1支点部61aをスイングアーム12の取付ブラケット12bにボルト63で取付け、第2支点部61bを第2リンク62の一端部62a,62a(奥側は不図示)にボルト64で取付け、第3支点部61cをクッションユニット30の延長ロッド36にボルト65で取付けたものである。
第2リンク62は、一端部62a,62a、他端部62bを備え、他端部62bを車体フレーム2の下部ブラケット2bにボルト66で取付けたものである。
【0021】
図3は本発明に係る第2リンクの斜視図であり、第2リンク62は、他端部62bから一対のアームを延ばした平面視コ字形状のものであり、他端部62bに小径部62cを形成し、この小径部62cに上部突出部62d及び下部突出部62eを設けたものである。
【0022】
また、第2リンク62は、上部突出部62d及び下部突出部62eに、図2に示したクッションユニット30のプッシュロッド41の先端に当てた図3に示すカム67をビス68,68で取付けるものである。
カム67は、第2リンク62に取付けるために他端部62bの小径部62c外周面に沿う形状に成形した取付部67aと、プッシュロッド41に当てるカム面67bとを備える。
【0023】
図4は本発明に係るクッションユニットの断面図であり、クッションユニット30は、ダンパ30aとコイルスプリング37とからなり、ダンパ30aは、シリンダ部32と、このシリンダ部32内に移動可能に挿入したピストン42と、このピストン42に取付けた中空のピストンロッド34と、このピストンロッド34内にピストン42内の油路を開閉するために移動可能に収納した開閉ロッド43及びプッシュロッド41とを備える。なお、S1,S2はシリンダ部32内のピストン42の両側に形成した上部・下部油室である。
【0024】
ピストンロッド34は、中空部34aと、この中空部34aから上部油室S1へ連通する上部油路34bと、中空部34aの上端部から下部油室S2へ連通する横油路34c,34cと、これら上部油路34b、横油路34c,34c間に形成した弁座となるオリフィス孔としてのテーパ孔34dと、中空部34aの下端部内面に形成しためねじ部34eとを備える。
プッシュロッド41は、外面に歯を切ったラック部41aと、端部にスプリング44を保持するフランジ部41bを備え、プッシュロッド41をスプリング44によって延長ロッド36の外側へ付勢する。
【0025】
ピストン42は、ピストン本体45と、このピストン本体45に開けた伸び側油路46及び縮み側油路47と、伸び側油路46の出口に設けた伸び側バルブ48と、縮み側油路47の出口に設けた縮み側バルブ49とからなる。なお、51,52はワッシャ、53はナットである。
【0026】
開閉ロッド43は、先端に設けた弁体43aと、プッシュロッド41のラック部41aに噛み合わせたピニオン部43bと、ピストンロッド34のめねじ部34eに嵌合させたおねじ部43cとを備える。
弁体43aは、中空部34aのテーパ孔34dから引離すことで、上部油路34bと横油路34c,34cとの間の油路Pの断面積を大きくし、上部油室S1と下部油室S2とを作動油が流通しやすくするものである。また、弁体43aは、中空部34aのテーパ孔34dに近づけることで、上部油路34bと横油路34c,34cとの間の油路Pの断面積を小さくし、上部油室S1と下部油室S2とを作動油が流通しにくくするものである。
【0027】
ピニオン部43bは、ラック部41aと噛み合うことにより、プッシュロッド41が軸方向に移動したときに、開閉ロッド43を回転させるものである。
おねじ部43cは、めねじ部34eと嵌合することにより、開閉ロッド43が回転したときに開閉ロッド43を軸方向に移動させるものである。
上記したピストンロッド34の中空部34a、上部油路34b、横油路34c,34c、テーパ孔34d、めねじ部34e、開閉ロッド43、プッシュロッド41、スプリング44とから減衰力調整機構40を構成する。
【0028】
以上の構成により、プッシュロッド41が延長ロッド36内に進入すると、ラック部41aとピニオン部43bとの噛み合いによって開閉ロッド43が回転し、めねじ部34eとおねじ部43cとの嵌合によって開閉ロッド43が上昇し、弁体43aがテーパ孔34dに接近して、油路Pの断面積が小さくなり、上部油室S1と下部油室S2との間を作動油が流通しにくくなる。
従って、油路Pで発生する減衰力を大きくすることができる。
【0029】
また、プッシュロッド41がスプリング44の付勢力により延長ロッド36内から退出すると、ラック部41aとピニオン部43bとの噛み合いによって開閉ロッド43が、プッシュロッド41が進入したときに対して逆回転し、めねじ部34eとおねじ部43cとの嵌合によって開閉ロッド43が下降し、弁体43aがテーパ孔34dから離れて、油路Pの断面積が次第に大きくなり、上部油室S1と下部油室S2との間を作動油が流通しやすくなる。
従って、油路Pで発生する減衰力を小さくすることができる。
【0030】
以上に述べたプログレシブリンク機構60の作用を次に説明する。
図5は本発明に係るプログレシブリンク機構の作用を説明する作用図であり、スイングアーム12の後輪軸13aの上下方向のストローク量と、クッションユニット30(図4参照)のストローク量との関係を説明する図である。なお、図中、大きな◎印は後輪軸13a、小さな◎印はボルト65を示す。
後輪軸13aが◎印で示した位置、即ち運転者が自動二輪車に乗車した状態で、且つ停車して(車体に加減速時の力を作用させずに)直立させたときの位置(「乗車1G状態位置」とも言う。この位置を、以下「乗車中立位置」と記す。これは、スイングアーム12、後輪13の乗車中立位置でもある。)にある場合に、プログレシブリンク機構60とクッションユニットとの連結軸となるボルト65は、◎印で示した位置にある。
【0031】
まず、スイングアーム12が乗車中立位置からクッションユニット30(図4参照)の伸び側にスイングした場合には、スイングアーム12、後輪軸13a、プログレシブリンク機構60、クッションユニットの延長ロッド36及びボルト65(○印)は、実線で示した位置になり、この時の後輪軸13aにおけるクッションユニットの伸び側への移動量をDaとし、ボルト65の移動量、即ち、クッションユニットの伸び量をEbとする。
【0032】
また、スイングアーム12が乗車中立位置からクッションユニットの縮み側へスイングした場合には、スイングアーム12、後輪軸13a、プログレシブリンク機構60、クッションユニットの延長ロッド36及びボルト65は、二点鎖線で示した位置になり、この時の後輪軸13aのクッションユニットの縮み側への移動量を上記した移動量と同じDaとし、ボルト65の移動量、即ち、クッションユニットの縮み量をSbとすると、Sb>Ebとなる。
【0033】
即ち、後輪軸13aがクッションユニットの縮み側へストロークするにつれて、クッションユニットのストローク量の変化が大きくなる。
これにより、図4に示したクッションユニット30のピストン42(図4参照)の移動速度が上昇し、作動油が縮み側油路47や縮み側バルブ49を押し開けて流れるときの抵抗が増してクッションユニット30で発生する減衰力が大きくなる。
【0034】
図6は本発明に係るプログレシブリンク機構における後輪軸の変位量とクッションユニットのストローク量との関係を示すグラフであり、縦軸はクッションユニットのストローク量、横軸は後輪軸の上下方向の変位量を表す。(符号は図5参照)
後輪軸13aの上下方向の変位量が、クッションユニットの最大伸び位置である点Aから乗車中立位置である点Bまでの範囲では、クッションユニットのストローク量は、後輪軸13aの上下方向の変位量の増加に伴ってつれてほぼ直線的に増加する。
【0035】
また、後輪軸13aの上下方向の変位量が、乗車中立位置の点Bからクッションユニットの最大縮み位置である点Cまでの範囲では、後輪軸13aの上下方向の変位量の増加に対してクッションユニットのストローク量の増加の割合が次第に大きくなる。
【0036】
このように、プログレシブリンク機構60により、後輪軸13aを乗車中立位置からクッションユニットの縮み側へ変位させたときに、クッションユニットのストローク量を次第に大きくする、即ち、クッションユニットのストローク速度を大きくすることで、クッションユニットの最大縮み位置では、クッションユニットで発生する減衰力を大きくしてクッションユニットの底付きを防止し、乗車中立位置付近では、クッションユニットで発生する減衰力を小さくして乗り心地を良くすることができる。
【0037】
以上に述べたリヤサスペンション装置20の作用を次に説明する。
図7(a)〜(c)は本発明に係るリヤサスペンション装置の作用を説明する作用図であり、(a)は運転者が自動二輪車に乗車したときの状態(乗車中立位置の状態)、(b)はスイングアームが(a)の状態からクッションユニットの伸び側へスイングした状態、(c)はスイングアームが(a)の状態からクッションユニットの縮み側へスイングした状態を示す。
(a)において、乗車中立位置におけるスイングアーム12の水平線HLに対する傾き角をθとする。
この時、プッシュロッド41の先端はカム67のカム面67bの上端に当たり、延長ロッド36表面からのプッシュロッド41の突出し量はt1となる。
【0038】
(b)において、例えば、ブレーキング時では、自動二輪車の車体が前傾し、後上がりの状態になるため、スイングアーム12が(a)に対して角度αだけ下方に傾く。
この時、プッシュロッド41の先端はカム67のカム面67bの下端に当たり、延長ロッド36表面からのプッシュロッド41の突出し量は(a)のt1より小さいt2となる。
従って、図4で説明したように、プッシュロッド41が延長ロッド36内に進入した状態になり、減衰力調整機構が機能して油路Pの断面積が小さくなるため、油路Pで発生する減衰力が大きくなる。
【0039】
これにより、作動油が伸び側油路46を通り、伸び側バルブ48を押し開ける時に発生する減衰力に上記した油路Pに発生する減衰力が加わって、クッションユニット30の減衰力が大きくなるので、自動二輪車の前後方向のロールであるピッチングが減少し、車体の姿勢変化を小さくすることができる。
【0040】
(c)において、例えば、車体が沈み込んだ状態では、スイングアーム12が(a)に対して角度βだけ上方に傾く。
この時、プッシュロッド41の先端はカム67のカム面67bから上方に外れる。
従って、クッションユニット30の減衰力は変化しない。
【0041】
上記したカム67は、運転者の乗車している乗車中立位置からクッションユニット30の伸び側の一定位置までスイングアーム12がスイングするときに減衰力調整機構を作動させるように、カム面67bとプッシュロッド41との位置を設定したものである。
【0042】
以上のように、クッションユニット30に設けたプッシュロッド41をプログレシブリンク機構60に設けたカム67により押すことで、プログレシブリンク機構60とクッションユニット30との相対移動量が大きいため、プッシュロッド41の移動量を大きくすることができ、クッションユニット30の減衰力の微調整を容易に行うことができる。
【0043】
ここで、カム67を、別な形状の受け面を有するカムに変更し、カム面とプッシュロッド41との位置関係を変更することで、減衰力調整機構40(図4参照)の作動量や作動のタイミングを変更することができ、減衰力の変化量や減衰力を変化させたいスイングアーム12のストローク範囲(即ち、後輪軸13aの上下方向の変位の範囲)を変更することができる。
【0044】
尚、本発明の第1減衰機構を、図2に示した複数のリンク61,62を用いたプログレシブリンク機構60とし、第2支点部61bを第2リンク62で車体フレーム2に連結し、第3支点部61cに延長ロッド36を連結したが、これに限るものではなく、第2支点部61bを延長ロッド36に連結し、第3支点部61cを第2リンク62で車体フレーム2に連結してもよく、また、第3支点部61cを延長ロッド36と第2リンク62の一端とに連結するとともに第2リンク62の他端を車体フレーム2に連結しても良い。要は、スイングアーム12が下方にスイングしたときにプッシュロッド41が延長ロッド36内に進入するようにすればよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1の二輪車用リヤサスペンション装置は、スイングアームが、運転者の乗車した乗車中立位置からクッションユニットの伸び側へ移動した時、乗車中立位置のダンパの減衰力よりもダンパの伸び側の減衰力を大きくしたので、後輪が乗車中立位置では減衰力を小さくして乗り心地を良くすることができ、後輪が乗車中立位置からクッションユニットの伸び側では減衰力を大きくして、車体の姿勢変化を小さくすることができる。
【0046】
請求項2の二輪車用リヤサスペンション装置は、リンク機構に減衰力調整機構を付設することで、スイングアームが、運転者の乗車した乗車中立位置からクッションユニットの伸び側へ移動した時、乗車中立位置のダンパの減衰力よりもダンパの伸び側の減衰力を大きくしたので、後輪が乗車中立位置では減衰力を小さくして乗り心地を良くすることができ、後輪が乗車中立位置からクッションユニットの縮み側では減衰力を大きくして、例えば、クッションユニットの底突きを防止することができ、後輪が乗車中立位置からクッションユニットの伸び側では減衰力を大きくして、車体の姿勢変化を小さくすることができる。
【0047】
請求項3の二輪車用リヤサスペンション装置は、スイングアームが、運転者の乗車した乗車中立位置からクッションユニットの伸び側へ移動した時、乗車中立位置のダンパの減衰力よりもダンパの伸び側の減衰力を大きくしたので、後輪が乗車中立位置では減衰力を小さくして乗り心地を良くすることができ、後輪が乗車中立位置からクッションユニットの伸び側では減衰力を大きくして、車体の姿勢変化を小さくすることができる。
【0048】
請求項4の二輪車用リヤサスペンション装置は、クッションユニットの一部とリンク機構の一部とが相対移動するのに伴い、ダンパ内に設けた減衰力調整用油路を狭めることで、運転者の乗車した乗車中立位置のダンパの減衰力よりもダンパの伸び側の減衰力を大きくしたので、クッションユニットの一部とリンク機構の一部との相対移動を利用して、ダンパの伸び側の減衰力を運転者の乗車した乗車中立位置のダンパの減衰力よりも大きくして、車体の姿勢変化を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る二輪車用リヤサスペンション装置を備えた自動二輪車の側面図
【図2】 本発明に係る二輪車用リヤサスペンション装置の要部側面図
【図3】 本発明に係る第2リンクの斜視図
【図4】 本発明に係るクッションユニットの断面図
【図5】 本発明に係るプログレシブリンク機構の作用を説明する作用図
【図6】 本発明に係るプログレシブリンク機構における後輪軸の変位量とクッションユニットのストローク量との関係を示すグラフ
【図7】 本発明に係るリヤサスペンション装置の作用を説明する作用図
【符号の説明】
1…自動二輪車、2…車体フレーム、12…スイングアーム、13…後輪、13a…後輪軸、20…リヤサスペンション装置、30…クッションユニット、30a…ダンパ、37…スプリング、40…減衰力調整機構、60…リンク機構(プログレシブリンク機構)、P…減衰力調整用油路(油路)。
Claims (4)
- 車体フレームに上下にスイング可能にスイングアームを取付け、このスイングアームに後輪を取付け、前記スイングアームと前記車体フレームとの間に、スプリング及びダンパからなるクッションユニットを配置した二輪車において、
前記スイングアームが、運転者の乗車した乗車中立位置からクッションユニットの伸び側へ移動した時、前記乗車中立位置の前記ダンパの減衰力よりも前記ダンパの伸び側の減衰力を大きくしたことを特徴とする二輪車用リヤサスペンション装置。 - 車体フレームに上下にスイング可能にスイングアームを取付け、このスイングアームに後輪を取付け、前記スイングアームと前記車体フレームとの間に、スプリング及びダンパからなるクッションユニットと、このクッションユニットが縮むに従って、前記後輪の変位量に対するクッションユニットの縮み量の割合を大きくするリンク機構とを配置した二輪車において、
前記リンク機構に前記ダンパの減衰力を調整する減衰力調整機構を付設することで、前記スイングアームが、運転者の乗車した乗車中立位置からクッションユニットの伸び側へ移動した時、前記乗車中立位置の前記ダンパの減衰力よりも前記ダンパの伸び側の減衰力を大きくしたことを特徴とする二輪車用リヤサスペンション装置。 - 車体フレームに上下にスイング可能にスイングアームを取付け、このスイングアームに後輪を取付け、前記スイングアームと前記車体フレームとの間に、スプリング及びダンパからなるクッションユニットと、このクッションユニットが縮むに従って、前記後輪の変位量に対するクッションユニットの縮み量の割合を大きくするリンク機構とを配置した二輪車において、前記スイングアームが、運転者の乗車した乗車中立位置からクッションユニットの伸び側へ移動した時、前記乗車中立位置の前記ダンパの減衰力よりも前記ダンパの伸び側の減衰力を大きくしたことを特徴とする二輪車用リヤサスペンション装置。
- 車体フレームに上下にスイング可能にスイングアームを取付け、このスイングアームに後輪を取付け、前記スイングアームよりも上方の車体フレームにスプリング及びダンパからなるクッションユニットの一端を取付け、クッションユニットの他端にリンク機構を連結し、前記スイングアームの下部と前記車体フレームの下部とに前記リンク機構を渡した二輪車において、
前記クッションユニットの一部と前記リンク機構の一部とが相対移動するのに伴い、前記ダンパ内に設けた減衰力調整用油路を狭めることで、運転者の乗車した乗車中立位置の前記ダンパの減衰力よりも前記ダンパの伸び側の減衰力を大きくしたことを特徴とする二輪車用リヤサスペンション装置。
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Publications (3)
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