JP4390906B2 - 触媒製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は触媒製造方法に関する。特に、本発明はアルカンを不飽和アルデヒドおよびカルボン酸に転化するのに有効な触媒の製造方法、その方法により製造された触媒、およびその触媒を用いた不飽和アルデヒドおよびカルボン酸の製造方法に関する。
【0002】
不飽和アルデヒドおよびカルボン酸は商業的に重要な化学薬品である。特に重要なのは(メタ)アクリル酸である。(メタ)アクリル酸の高反応性二重結合および酸官能基は、商業的に重要なポリマーを製造するために単独でまたは他のモノマーと重合されるモノマーとして特に好適である。これらの不飽和酸は商業的に重要な(メタ)アクリレートエステルを製造するための、エステル化の出発材料としても役立つ。(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸のエステルに由来する材料はプラスチックシート、プラスチック部品、ペイントおよび他の被覆剤、接着剤、コーキング材、シーラントおよび洗浄剤、および他の用途に役立つ。
【0003】
オレフィンの酸化による不飽和カルボン酸の製造は公知である。例えば、アクリル酸はプロピレンの気相酸化によって商業的に製造されることができる。不飽和カルボン酸はアルカンの酸化によって製造されることができることも知られている。例えば、アクリル酸はプロパンの酸化によって製造されることができる。概して、アルカンはオレフィンよりも低コストなので、そのような方法が特に望まれる。例えば、この出願時点でのプロピレンのコストはプロパンのおよそ3倍である。商業的に実行可能なアルカンの不飽和アルデヒドまたはカルボン酸への酸化に適する方法は未だ達成されていない。
【0004】
商業的に実行可能なアルカンの不飽和カルボン酸への触媒酸化製造方法における障害の1つは、適切な転化率および好適な選択性を有し、それにより充分な収率の不飽和カルボン酸最終生成物を提供する触媒の特定にある。米国特許第5380933号はアルカンの不飽和カルボン酸への気相酸化において役立つ触媒の製造方法を開示する。その開示された方法においては、触媒はメタバナジウム酸アンモニウム、テルル酸およびパラモリブデン酸アンモニウムを混合し、均一な水溶液を得ることにより製造される。この溶液にシュウ酸ニオブアンモニウムが添加され、スラリーが得られる。水はスラリーから除かれ、固体の触媒前駆体が得られる。固体の触媒前駆体はタブレットに成形され、所望の粒子サイズに篩分けされ、次いで、窒素ストリームの下、600℃で焼成され、所望の触媒を得る。
【0005】
得られた触媒はプロパンをアクリル酸に転化するのに効果的であると主張された。しかし、ここで示すように、本発明者は米国特許第5380933号の製造方法を用いて主張された結果を再現することができなかった。理論に束縛されるのは望まないが、米国特許第5380933号の方法の従来技術の低い性能は、例えば、スラリー中の固相と液相の間、および焼成中の気相と様々な固相の間の、触媒の構成元素の組成または相の分配(segregation)の結果であると考えられる。本発明者は、相の分配が最小であり、改良された選択性、転化率および収率が達成される、アルカンを不飽和アルデヒドまたはカルボン酸に触媒するための触媒の製造方法を発見した。
【0006】
本発明の1態様は、(A)少なくとも1つが酸素含有化合物である金属化合物と、少なくとも1つの溶媒を混合し、溶液を形成させ;(B)溶液から溶媒を除き、触媒前駆体を得;さらに(C)触媒前駆体を350℃〜850℃の温度で、不活性雰囲気下で焼成し、式、AaMmNnXxOoを有する触媒を形成する〔式中、0.25<a<0.98、0.003<m<0.5、0.003<n<0.5、0.003<x<0.5、さらにoは他の元素の酸化状態に応じて変化し、さらにAはMo、W、Fe、Nb、Ta、Zr、Ruおよびこれらの混合物から選択され;MはV、Ce、Crおよびこれらの混合物から選択され;NはTe、Bi、Sb、Seおよびこれらの混合物から選択され;さらにXはNb、Ta、W、Ti、Al、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Sb、Bi、B、In、Ceおよびこれらの混合物から選択される。〕ことを含む触媒製造方法に関する。
【0007】
本発明の第2の態様は、(A)少なくとも1つが酸素含有化合物である金属化合物と、水を混合し、水溶液を形成させ;(B)水溶液から水を除き、触媒前駆体を得;さらに(C)触媒前駆体を400℃〜800℃の温度で、不活性雰囲気は触媒前駆体上をフローしない不活性雰囲気下で焼成し、式、AaMmNnXxOoを有する触媒を形成する〔式中、0.35<a<0.87、0.045<m<0.37、0.020<n<0.27、0.005<x<0.35、さらにoは他の元素の酸化状態に応じて変化し、さらにAはMo、Wおよびこれらの混合物から選択され;MはV、Ce、Crおよびこれらの混合物から選択され;NはTe、Bi、Sbおよびこれらの混合物から選択され;さらにXはNb、Ta、Zrおよびこれらの混合物から選択される。〕ことを含む触媒製造方法に関する。
【0008】
第3の態様は、式、AaMmNnXxOoの化合物を含む触媒に関する〔式中、0.25<a<0.98、0.003<m<0.5、0.003<n<0.5、0.003<x<0.5、さらにoは他の元素の酸化状態に応じて変化し、さらにAはMo、W、Fe、Nb、Ta、Zr、Ruおよびこれらの混合物から選択され;MはV、Ce、Crおよびこれらの混合物から選択され;NはTe、Bi、Sb、Seおよびこれらの混合物から選択され;さらにXはNb、Ta、W、Ti、Al、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Sb、Bi、B、In、Ceおよびこれらの混合物から選択され;該触媒は2〜10m2/gの、BET法で測定された表面積を有する。〕。
【0009】
本発明の別の態様は、本発明の触媒製造方法によって製造される触媒、および本発明の触媒製造方法によって製造された触媒の存在下で、アルカンを触媒酸化することを含む不飽和アルデヒドまたはカルボン酸の製造方法に関する。
【0010】
ここで使用される「(メタ)アクリル酸」の表現は、メタアクリル酸とアクリル酸の両方をその範囲内に含むことを意味する。同様に、「(メタ)アクリレート」の表現は、メタアクリレートとアクリレートの両方をその範囲内に含むことを意味する。
ここで使用される「(C3−C8)アルカン」の用語は、アルカン1分子あたり3〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルカンを意味する。
ここで使用される「混合物」の用語は、これらに限定されないが、単純な混合物およびブレンド、合金等を含むすべての形態の混合物をその範囲内に含むことを意味する。
【0011】
本明細書においては、「転化率%」は(消費されたアルカンのモル数/供給されたアルカンのモル数)×100に等しく;「選択性%」は(形成された所望の不飽和カルボン酸またはアルデヒドのモル数/消費されたアルカンのモル数)×100に等しく;さらに「収率%」は(形成された所望の不飽和カルボン酸またはアルデヒドのモル数/供給されたアルカンのモル数)×(形成された所望の不飽和カルボン酸またはアルデヒドの炭素数/供給されたアルカンの炭素数)×100に等しい。
【0012】
本明細書においては、「溶液」は溶媒に添加された金属固形分の95%より多くが溶解されていることを意味する。溶液中に初期的に存在しない金属固形分の量が多くなるにつれて、それらに由来する触媒の特性は低くなるであろう。
【0013】
上述したように、触媒製造方法が開示される。方法の第1工程では、少なくとも1つが酸素を含有する金属化合物と少なくとも1つの溶媒が、溶液を形成するのに適当な量で混合されることにより溶液が形成される。概して、金属化合物はA、M、N、XおよびOの要素を含む。1つの態様においては、AはMo、W、Fe、Nb、Ta、Zr、Ruおよびこれらの混合物から選択され;MはV、Ce、Crおよびこれらの混合物から選択され;NはTe、Bi、Sb、Seおよびこれらの混合物から選択され;さらにXはNb、Ta、W、Ti、Al、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Sb、Bi、B、In、Ceおよびこれらの混合物から選択される。好ましい態様においては、AはMo、Wおよびこれらの混合物から選択され;MはV、Ce、Crおよびこれらの混合物から選択され;NはTe、Bi、Sbおよびこれらの混合物から選択され;さらにXはNb、Ta、Zrおよびこれらの混合物から選択される。より好ましい態様においては、AはMo、MはV、NはTeおよびXはNbである。
【0014】
好適な溶媒としては水、メタノール、エタノール、プロパノール、およびジオール類等、これらに限定されるものではないが、を含むアルコール類および他の公知の極性溶媒が含まれる。一般に水が好ましい。水は化学合成における使用に適する任意の水であり、蒸留水および脱イオン水を含むがこれらに限定されない。存在する水の量は、製造工程の間に、実質的に、組成および/または相の分配を回避するか最小化するのに充分長く、元素を溶液に保つのに充分な量である。よって、水の量は組み合わされる材料の量および溶解性によって変化するであろう。しかし、上述したように水の量は、混合の時にスラリーでなく水溶液が形成されることを保証するのに充分な量でなければならない。
【0015】
水溶液が形成された後、水は、任意の公知の好適な方法で除かれ、触媒前駆体が形成される。そのような方法としては、真空乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥、ロータリーエバポレーションおよび空気乾燥が含まれるが、これらに限定されない。真空乾燥は、概して、10〜500mm/Hgの範囲の圧力で行われる。凍結乾燥は典型的には、例えば液体窒素を使用して溶液を凍結し、凍結した溶液を真空下で乾燥することを伴う。噴霧乾燥は概して、窒素またはアルゴンのような不活性雰囲気下で、125℃〜200℃の範囲の入口温度および75℃〜150℃の範囲の出口温度を用いて行われる。ロータリーエバポレーションは概して、25℃〜90℃のバス温度、10mm/Hg〜760mm/Hgの圧力で、好ましくは40℃〜90℃のバス温度、10mm/Hg〜350mm/Hgの圧力で、より好ましくは40℃〜60℃のバス温度、10mm/Hg〜40mm/Hgの圧力で行われる。空気乾燥は25℃〜90℃の範囲の温度で行われることができる。ロータリーエバポレーションまたは空気乾燥が一般的に好ましい。
【0016】
触媒前駆体が得られた後、触媒前駆体は不活性雰囲気下で焼成される。不活性雰囲気は、実質的に不活性な、すなわち、触媒前駆体と反応または相互作用しない任意の材料であることができる。好適な例としては、窒素、アルゴン、キセノン、ヘリウムまたはこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、不活性雰囲気はアルゴンまたは窒素、より好ましくはアルゴンである。不活性雰囲気は触媒前駆体の表面上をフローすることができ、または非フロー(静的環境)であることができる。非−フロー雰囲気は不活性ガスが触媒前駆体の表面をフローしないことを意味する。不活性雰囲気は触媒前駆体の表面上をフローしないことが好ましい。しかし、不活性雰囲気が触媒前駆体の表面上をフローするときは、フロー速度は広い範囲にわたって、例えば1〜500時間−1の空間速度(space velocity)で、変化することができる。
【0017】
焼成は典型的に350℃〜850℃、好ましくは400℃〜700℃、より好ましくは500℃〜640℃の温度で行われる。焼成は典型的には触媒を形成するのに適する時間で行われる。1つの態様においては焼成は0.5〜30時間、好ましくは1〜25時間、より好ましくは1〜15時間で行われる。
【0018】
焼成で、式、AaMmNnXxOoを有する触媒が形成され、式中A、M、NおよびXは上述した通りである。モル比a、m、nおよびxは、典型的には、0.25<a<0.98、0.003<m<0.5、0.003<n<0.5、および0.003<x<0.5;好ましくは0.35<a<0.87、0.045<m<0.37、0.020<n<0.27、および0.005<x<0.35である。
モル比o、すなわち、存在する酸素(O)の量は、触媒中の他の元素の酸化状態に応じて変化する。しかし典型的には、oは触媒中に存在する他の元素に基づいて3〜4.7である。
【0019】
本発明の他の態様は、本発明の方法によって製造された、アルカンから不飽和アルデヒドまたはカルボン酸を製造するための触媒である。触媒は上述のように製造される。触媒は固形触媒単独で使用されることができ、またはこれらに限定されるものではないが、シリカ、アルミナ、チタニア、アルミノシリケート、ケイソウ土、またはジルコニアのような好適な担体と共に使用されることができる。触媒の形は任意の好適な形であることができ、触媒の具体的な用途に応じて変化するであろう。同様に、触媒の粒子サイズは触媒の具体的な用途に応じて任意の粒子サイズであることができる。
【0020】
本発明のさらなる態様は、本発明によって製造された触媒の存在下で、アルカンを触媒酸化することを含む、不飽和アルデヒドおよびカルボン酸の製造方法に関する。
【0021】
出発材料は概してアルカンガスまたはガス類および、少なくとも1つの酸素含有ガスである。水蒸気も含む出発材料が好ましい。よって、出発材料ガスは少なくとも1つのアルカンと水蒸気のガス混合物を含む系に供給される。少なくとも1つの酸素含有ガスは混合物中に含まれるか、または別に供給されることができる。さらに、これらに限定するものではないが、窒素、アルゴン、ヘリウム、水蒸気、または二酸化炭素を含む不活性ガスのような稀釈ガスも含まれることができる。稀釈ガスは出発材料を稀釈するため、および/または空間速度、酸素分圧および水蒸気分圧を調節するために使用されることができる。
【0022】
出発材料ガス混合物中のアルカン/酸素/稀釈ガス/水の好適なモル比は、アルカン/空気/水蒸気の供給比と共に公知である。例えば、好適な範囲は米国特許第5380933号に開示されている。
【0023】
出発材料アルカンは概して、不飽和アルデヒドまたはカルボン酸への気相酸化に適する任意のアルカンである。概して、アルカンはC3−C8アルカン、好ましくはプロパン、イソブタンまたはn−ブタン、より好ましくはプロパンまたはイソブタン、最も好ましくはプロパンである。さらに、他の態様においては、アルカンはC3−C8アルカン類とメタンおよびエタンのような低級アルカン類を含むアルカン類の混合物であることができる。
使用される少なくとも1つの酸素含有ガスは純粋酸素ガス;空気、酸素富化ガスのような酸素含有ガス;またはこれらの混合物であることができる。
【0024】
好ましい態様においては、出発材料はプロパン、空気および水蒸気のガス混合物である。出発ガス混合物は本発明の触媒の存在下で触媒酸化がなされる。触媒は流動床または固定床反応器中に存在することができる。反応は概して、大気圧下で行われるが、加圧または減圧下でも行われることができる。反応温度は概して200℃〜550℃、好ましくは300℃〜480℃、より好ましくは350℃〜440℃である。ガスの空間速度は概して100〜10,000時間−1、好ましくは300〜6,000時間−1、より好ましくは300〜3,000時間−1である。
【0025】
また、本発明の方法においては不飽和アルデヒドも形成されることができる。例えば、プロパンが出発アルカンであるときはアクロレインが形成されることができ、さらにイソブタンが出発アルカンであるときはメタアクロレインが形成されることができる。
【0026】
本明細書を通じて使用される略語は以下の通りである:
℃=摂氏 mm=ミリメートル Hg=水銀
g=グラム cm=センチメートル mmole=ミリモル
%=重量パーセント ml/分=ミリリットル/分
N2=窒素
【0027】
次の実施例は本発明の方法を示す。使用される出発材料の量に基づいて、組成の分配がない場合、または製造工程の間に特定の元素の損失がない場合には、触媒サンプルのすべては次の実験式、Mo1V0.3Te0.23Nb0.10−0.12On〔式中、nは他の元素の酸化状態によって決定される。〕を有するべきものとして製造された。所望の金属元素を含む溶液またはスラリーは水中の適当な化合物を25℃〜95℃の範囲の温度で加熱することにより製造された。必要な場合には、溶液またはスラリーは25℃〜60℃の範囲の温度に冷却された。次いで、溶液またはスラリーから760mm/Hg〜10mm/Hgの範囲の圧力で、適当な乾燥方法によって水が除かれた。
【0028】
実施例1
触媒前駆体溶液がロータリーエバポレーションにより乾燥され、アルゴン、非−フロー雰囲気下で焼成された。
420gの水を含むフラスコ中に、25.7gのヘプタモリブデン酸アンモニウム4水和物(Aldrich Chemical Company)、5.1gのメタバナジウム酸アンモニウム(Aldrich Chemical Company)、および7.7gのテルル酸(Aldrich ChemicalCompany)が80℃の加熱下で溶解された。39℃に冷却後、17.34mmolのニオブを含む、114.6gのシュウ酸ニオブ水溶液(Reference Metals Company)が混合され、溶液を得た。この溶液の水は、50℃の温水バスを有するロータリーエバポレータで、28mm/Hgで除去され、44gの前駆体固形物を得た。20gの触媒前駆体固形物は、アルゴンでプリ−パージされた蓋付きるつぼ中、非−フロー環境で、600℃、2時間、焼成された。オーブンはあらかじめ200℃に加熱され、1時間保たれ、次いで、600℃に上げられた。焼成の間、蓋付きるつぼは、Arの空間速度が57時間−1である蓋付きビーカー内に置かれた。蓋付きるつぼのため、アルゴンは前駆体表面上をフローしないが、るつぼの外側の雰囲気がアルゴンであることの保証が提供された。るつぼの内側の雰囲気はアルゴンと触媒からの排ガスであった。得られた触媒は型中で圧力を加えられ、次いで、破壊され、10−20メッシュの顆粒をふるい分けた。10gの顆粒が、気相プロパン酸化のための内径1.1cmのステンレス鋼U−チューブ反応器に充填された。酸化は390℃の温度の反応器バス(溶融塩)を用いて、プロパン/空気/水蒸気の供給比1/15/14、空間速度1,200時間−1で行われた。反応器からの流出物は凝縮され、液相(凝縮可能な材料)と気相に分離された。気相はガスクロマトグラフィー(「GC」)によって分析され、プロパン転化率を決定した。液相もGCによって分析され、アクリル酸収率を決定した。結果は表1に示される。触媒もX線回折によって分析され、その結晶構造が決定された。結果は表5に示される。触媒表面も走査電子顕微鏡により分析された。結果は図1に示される。図1は、実施例1によって製造された触媒は非常に多孔性であることを示す。BET表面積は5.23m2/gであった。
【0029】
実施例2
触媒前駆体溶液がロータリーエバポレーションにより乾燥され、窒素、非−フロー雰囲気下で焼成された。
43gの触媒前駆体が実施例1と同様の方法で製造された。21gの触媒前駆体固形物は、窒素でプリ−パージされた蓋付きるつぼ中で、非−フロー環境で、600℃、2時間、焼成された。焼成の間、るつぼは、窒素空間速度が57−283時間−1である蓋付きビーカー中に置かれた。得られた触媒は型中で圧力を加えられ、次いで、破壊され、10−20メッシュの顆粒をふるい分けた。12gの顆粒が、気相プロパン酸化のための内径1.1cmのステンレス鋼U−チューブ反応器に充填された。酸化は390℃の反応器バス温度で、プロパン/空気/水蒸気の供給比1/15/16、空間速度1,565時間−1で行われた。反応器からの流出物は凝縮され、液相と気相に分離された。気相はGCによって分析され、プロパン転化率を決定した。液相もGCによって分析され、アクリル酸収率を決定した。結果は表1に示される。
【0030】
参考例3
触媒前駆体溶液がロータリーエバポレーションにより乾燥され、空気、フロー雰囲気下で焼成された。
実施例1の触媒前駆体固形物20gが、空気下、600℃で、2時間焼成された。得られた触媒は型中で圧力を加えられ、次いで、破壊され、10−20メッシュの顆粒をふるい分けた。10gの顆粒が、気相プロパン酸化のための内径1.1cmのステンレス鋼U−チューブ反応器に充填された。酸化は390℃の反応器バス温度で、プロパン/空気/水蒸気の供給比1/15/13、空間速度1,200時間−1で行われた。反応器からの流出物は凝縮され、液相と気相に分離された。気相はGCによって分析され、プロパン転化率を決定した。液相もGCによって分析され、アクリル酸収率を決定した。結果は表1に示される。触媒もX線回折によって分析され、その結晶構造が決定された。結果は表5に示される。触媒表面も走査電子顕微鏡によって分析された。結果は図2に示される。BET表面積は0.87m2/gであった。図2は、空気下で焼成された触媒(参考例3)は、図1に示されるアルゴン下で製造された触媒(実施例1)よりもより大きな結晶を有することを示す。また、空気下で焼成された触媒は表面が平滑であり、アルゴン下で製造された触媒よりも孔がより少ない。
【0031】
実施例4
触媒前駆体溶液が空気乾燥され、アルゴン、非−フロー雰囲気下で焼成された。
実施例1と同様の方法により、Mo、V、TeおよびNbを含む溶液が調製された。溶液は大きな平底容器にそそぎ入れられた。溶液は大気圧および雰囲気温度下でゆっくりとゲル化され、乾燥された。触媒前駆体固形物が得られ、実施例1と同様の方法で焼成された。得られた11gの顆粒は気相プロパン酸化のための内径1.1cmのステンレス鋼U−チューブ反応器に充填された。酸化は391℃の反応器バス温度で、プロパン/空気/水蒸気の供給比1/15/14、空間速度1,200時間−1で行われた。反応器からの流出物は凝縮され、液相と気相に分離された。気相はGCによって分析され、プロパン転化率を決定した。液相もGCによって分析され、アクリル酸収率を決定した。結果は表1に示される。
【0032】
実施例5
触媒前駆体スラリーがロータリーエバポレーションにより乾燥され、アルゴン、非−フロー雰囲気下で焼成された。
650gの水を含むフラスコ中に、158gのヘプタモリブデン酸アンモニウム4水和物、31.4gのメタバナジウム酸アンモニウム、および47.2gのテルル酸が85℃の加熱下で溶解された。45℃に冷却後、111mmolのニオブを含む、814gのシュウ酸ニオブ水溶液が溶液に添加され、1,750gのスラリーが得られた。1/4量のスラリーが温水バスを有するロータリーエバポレータに移され、水を除去し(実施例1のように)、67gの触媒前駆体固形物を得た。26gの前駆体固形物は、不活性、非−フロー環境で、600℃、2時間(実施例1のように)焼成された。得られた触媒は型中で圧力を加えられ、次いで、破壊され、10−20メッシュの顆粒をふるい分けた。顆粒(12.8g)が、気相プロパン酸化のための内径1.1cmのステンレス鋼U−チューブ反応器に充填された。酸化は389℃の反応器バス温度で、プロパン/空気/水蒸気の供給比1/15/16、空間速度1,286時間−1で行われた。反応器からの流出物は凝縮され、液相と気相に分離された。気相はGCによって分析され、プロパン転化率を決定した。液相もGCによって分析され、アクリル酸収率を決定した。結果は表1に示される。触媒と触媒前駆体は、Te、Mo、VおよびNb量の測定のために誘導結合プラズマ原子分光分析(「ICP−AES」)によって分析された。結果は表2および3に示される。触媒はX線回折によっても分析され、その結晶構造が決定された。結果は表5に示される。
【0033】
参考例6
触媒前駆体スラリーがロータリーエバポレーションにより乾燥され、窒素、フロー雰囲気下で焼成された。
実施例5と同じ触媒前駆体固形物25gは、780時間−1空間速度の窒素を有する水晶焼成フラスコ中で、600℃で、2時間焼成された。得られた触媒は型中で圧力を加えられ、次いで、破壊され、10−20メッシュの顆粒をふるい分けた。14gの顆粒が、気相プロパン酸化のための内径1.1cmのステンレス鋼U−チューブ反応器に充填された。酸化は389℃の反応器バス温度で、プロパン/空気/水蒸気の供給比1/15/15、空間速度1,241時間−1で行われた。反応器からの流出物は凝縮され、液相と気相に分離された。気相はGCによって分析され、プロパン転化率を決定した。液相もGCによって分析され、アクリル酸収率を決定した。結果は表1に示される。触媒はICP−AESによってTeの量が分析された。結果は表2に示される。
【0034】
実施例7
触媒前駆体スラリーが凍結乾燥により乾燥され、アルゴン、非−フロー雰囲気下で焼成された。
実施例5で製造されたスラリー290gは、液体窒素バス中で滴下凍結され、次いで真空乾燥し、粉体固形物43gを得た。27gの触媒前駆体固形物が型中で圧力を加えられ、次いで、破壊され、10−20メッシュの顆粒をふるい分け、次いで、アルゴン、非−フロー環境で600℃、2時間焼成された。このようにして得られた触媒を再度10−20メッシュの顆粒にふるい分け、顆粒サンプルを得た。15gの顆粒が、気相プロパン酸化のための内径1.1cmのステンレス鋼U−チューブ反応器に充填された。酸化は389℃の反応器バス温度で、プロパン/空気/水蒸気の供給比1/15/16、空間速度1,286時間−1で行われた。反応器からの流出物は凝縮され、液相と気相に分離された。気相はGCによって分析され、プロパン転化率を決定した。液相もGCによって分析され、アクリル酸収率を決定した。結果は表1に示される。触媒もX線回折によって分析され、その結晶構造を決定した。結果は表5に示される。
【0035】
実施例8
スラリーの沈殿を空気により乾燥し、アルゴン、非−フロー雰囲気下で焼成した触媒。
実施例5のスラリー575gは、目の細かな濾紙を通して濾過し、母液から固形物を分離した。固形物は大気圧下、雰囲気温度で乾燥され、24gの触媒前駆体を得た。触媒前駆体は実施例1と同様の方法で焼成され、製造された。12gの顆粒が、気相プロパン酸化のための内径1.1cmのステンレス鋼U−チューブ反応器に充填された。酸化は390℃の反応器バス温度で、プロパン/空気/水蒸気の供給比1/15/17、空間速度1,333時間−1で行われた。反応器からの流出物は凝縮され、液相と気相に分離された。気相はGCによって分析され、プロパン転化率を決定した。液相もGCによって分析され、アクリル酸収率を決定した。結果は表1に示される。触媒前駆体は、相対的な金属量の測定のためにICP−AESによって分析された。結果は表3に示される。触媒はX線回折によって分析され、その結晶構造を決定した。結果は表5に示される。
【0036】
実施例9
スラリーの母液をロータリーエバポレーションにより乾燥し、アルゴン、非−フロー雰囲気下で焼成した触媒。
実施例8の母液が実施例1と同様の方法でロータリーエバポレータによって乾燥され、62gの触媒前駆体固形物が得られた。20gの触媒前駆体が実施例1と同様の方法で焼成され、製造された。13gの顆粒が、気相プロパン酸化のための内径1.1cmのステンレス鋼U−チューブ反応器に充填された。酸化は390℃の反応器バス温度で、プロパン/空気/水蒸気の供給比1/15/17、空間速度1,333時間−1で行われた。反応器からの流出物は凝縮され、液相と気相に分離された。気相はGCによって分析され、プロパン転化率を決定した。液相もGCによって分析され、アクリル酸収率を決定した。結果は表1に示される。前駆体は、相対的な金属量の測定のためにICP−AESによって分析された。結果は表3に示される。触媒もX線回折によって分析され、その結晶構造を決定した。結果は表5に示される。
【0037】
実施例10
前駆体溶液がロータリーエバポレーションにより乾燥され、アルゴン、非−フロー雰囲気下で焼成された。
実施例1と同様の方法で、61gの触媒前駆体が製造された。この固形物の25gが実施例1と同様の方法で焼成され、17.7gの固形物を得た。この固形物は型中で圧力を加えられ、次いで、破壊され、10−20メッシュの顆粒をふるい分けた。14gの顆粒が、気相プロパン酸化のための内径1.1cmのステンレス鋼U−チューブ反応器に充填された。酸化は390℃の反応器バス温度で、プロパン/空気/水蒸気の供給比1/15/13、空間速度1,161時間−1で行われた。反応器からの流出物は凝縮され、液相と気相に分離された。気相はGCによって分析され、プロパン転化率を決定した。液相もGCによって分析され、アクリル酸収率を決定した。結果は表1に示される。触媒はTe量の測定のためにICP−AESによって分析された。結果は表2に示される。
【0038】
参考例11
触媒前駆体溶液がロータリーエバポレーションにより乾燥され、アルゴン、フロー雰囲気下で焼成された。
実施例10の触媒前駆体25gが、空間速度540時間−1のアルゴンを有する水晶焼成フラスコ中、600℃で2時間焼成され、16.8gの固形物を得た。このように得られた触媒は型中で圧力を加えられ、次いで、破壊され、10−20メッシュの顆粒をふるい分けた。14gの顆粒が、気相プロパン酸化のための内径1.1cmのステンレス鋼U−チューブ反応器に充填された。酸化は390℃の反応器バス温度で、プロパン/空気/水蒸気の供給比1/16/16、空間速度1,241時間−1で行われた。反応器からの流出物は凝縮され、液相と気相に分離された。気相はGCによって分析され、プロパン転化率を決定した。液相もGCによって分析され、アクリル酸収率を決定した。結果は表1に示される。触媒はTe量の測定のためにICP−AESによって分析された。結果は表2に示される。
【0039】
実施例12
触媒前駆体溶液がロータリーエバポレーションにより乾燥され、アルゴン、非−フロー雰囲気下で焼成され、焼成後の破砕を伴った。
実施例1と同様の方法で20gの触媒が製造された。固形物は粉砕機中で微細な粉末に破砕され、次いで、66gの水に分散され、スラリーを得た。このスラリーの水はロータリーエバポレーションで除去され、固形物を回収し、同じ条件下で再度焼成し、19.4gの固形物を得た。この固形物は型中で圧力を加えられ、次いで、破壊され、10−20メッシュの顆粒をふるい分けた。13gの顆粒が、気相プロパン酸化のための内径1.1cmのステンレス鋼U−チューブ反応器に充填された。酸化は390℃の反応器バス温度で、プロパン/空気/水蒸気の供給比1/15/15.4、空間速度1,241時間−1で行われた。反応器からの流出物は凝縮され、液相と気相に分離された。気相はGCによって分析され、プロパン転化率を決定した。液相もGCによって分析され、アクリル酸収率を決定した。結果は表1に示される。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
上述の表1のデータは、不活性、非−フロー雰囲気下で焼成された場合、空気下で焼成した場合よりも、プロパンのアクリル酸への転化の点で、製造された触媒はより効果的であることを示す(実施例1および参考例3参照)。さらに、データは、触媒が溶液から製造された場合の方がスラリーからの場合よりも、プロパンのアクリル酸への転化の点で、製造された触媒がより効果的であることを示す(実施例1および5参照)。表1のデータは、触媒が非−フロー雰囲気下で焼成された場合の方がフロー雰囲気下での場合よりも、プロパンのアクリル酸への転化の点で、製造された触媒がより効果的であることも示す(実施例10および参考例11参照)。また、表1のデータは、触媒がロータリーエバポレーションによって最初に乾燥された場合の方が凍結乾燥による場合よりも、プロパンのアクリル酸への転化の点で、製造された触媒がより効果的であることも示す(実施例5および7参照)。
【0043】
【表3】
【0044】
表2のデータは、フロー環境中での焼成後に、触媒中の23から25重量%のTeの損失を示すが(参考例6および11参照)、非−フロー環境中(実施例5および10)ではTeの重量%は計算された理論値に等しい。これは触媒が非−フロー環境中でより良く形成されることを示す。特に、触媒からのTeの損失は、焼成中にフロー環境が使用されるときに認められる。よって、フロー環境で焼成された触媒については、置換金属の損失が表1で示される低収率を招くものと仮定される。
【0045】
【表4】
【0046】
表3のデータは、触媒がスラリーから調製されるときに、元素がスラリーの水相と固相の間で均一に分配されないことを示す。これは、得られた触媒が組成の相の分配をもたらし、それにより触媒活性が低くなる。
【0047】
参考例13
触媒前駆体スラリーが凍結乾燥により乾燥され、窒素、フロー雰囲気下で焼成された。
650gの水を含むフラスコ中に、158gのヘプタモリブデン酸アンモニウム4水和物、31.4gのメタバナジウム酸アンモニウム、および47.2gのテルル酸が60℃の加熱下で溶解された。この溶液は、111mmolのニオブを含む、360gのシュウ酸ニオブ水溶液と混合され、50〜60℃のウオーターバス中で、スラリーを形成した。このスラリーの一部(831g)は液体窒素バス中で凍結され、次いで真空乾燥され、触媒前駆体固形物を得た。この触媒前駆体粉状固形物の一部分は型中で圧力を加えられ、次いで、破壊され、10−20メッシュの顆粒にふるい分け、次いで、N2雰囲気中、空間速度180−300時間−1、600℃、2時間で焼成された。このように得られた触媒は再度10−20メッシュにふるい分けられ、顆粒サンプルを得た。20gの顆粒が、気相プロパン酸化のための内径1.1cmのステンレス鋼U−チューブ反応器に充填された。酸化は385℃の反応器バス温度で、プロパン/空気/水蒸気の供給比1/15/13、空間速度1,125時間−1で行われた。反応器からの流出物は凝縮され、液相と気相に分離された。気相はGCによって分析され、プロパン転化率を決定した。液相もGCによって分析され、アクリル酸収率を決定した。結果は表4に示される。触媒もX線回折によって分析され、その結晶構造が決定された。結果は表5に示される。
【0048】
参考例14
触媒前駆体スラリーが加熱エバポレーションにより乾燥され、窒素、フロー雰囲気下で焼成された。
参考例13のスラリー416gが同じウオーターバス中の開放されたビーカー中で乾燥するまで撹拌され、触媒前駆体固形物を得た。触媒前駆体固形物は型中で圧力を加えられ、次いで、破壊され、10−20メッシュの顆粒にふるい分け、次いで、実施例10と同じ方法で焼成され、製造された。このように得られた触媒は再度10−20メッシュにふるい分け、顆粒サンプルを得た。23gの顆粒が、気相プロパン酸化のための内径1.1cmのステンレス鋼U−チューブ反応器に充填された。酸化は391℃の反応器バス温度で、プロパン/空気/水蒸気の供給比1/15/12、空間速度1,286時間−1で行われた。反応器からの流出物は凝縮され、液相と気相に分離された。気相はGCによって分析され、プロパン転化率を決定した。液相もGCによって分析され、アクリル酸収率を決定した。結果は表4に示される。触媒もX線回折によって分析され、その結晶構造が決定された。結果は表5に示される。
【0049】
参考例15
触媒前駆体スラリーが噴霧乾燥により乾燥され、窒素、フロー雰囲気下で焼成された。
162mlの水を含むフラスコ中に、39.5gのヘプタモリブデン酸アンモニウム4水和物、7.9gのメタバナジウム酸アンモニウム、および11.8gのテルル酸が80℃の加熱下で溶解された。この溶液は、53.6mmolのニオブを含む、140gのシュウ酸ニオブアンモニウム水溶液(AdvancedMaterials Company)と混合され、スラリーを形成した。このスラリーはスモールラボ噴霧乾燥機(small lab spray dryer)でキャリアガスとして窒素を用い、入口温度162℃、出口温度100〜110℃で噴霧乾燥され、粉体触媒前駆体固形物を得た。この前駆体固形物の一部分は型中で圧力を加えられ、次いで、破壊され、10−20メッシュの顆粒にふるい分け、次いで、実施例10と同様の方法で焼成され、22gの顆粒触媒を得た。20gの顆粒が、気相プロパン酸化のための内径1.1cmのステンレス鋼U−チューブ反応器に充填された。酸化は385℃の反応器バス温度で、プロパン/空気/水蒸気の供給比1/15/14、空間速度1,161時間−1で行われた。反応器からの流出物は凝縮され、液相と気相に分離された。気相はGCによって分析され、プロパン転化率を決定した。液相もGCによって分析され、アクリル酸収率を決定した。結果は表4に示される。触媒もX線回折によって分析され、その結晶構造が決定された。結果は表5に示される。
【0050】
参考例16
触媒前駆体スラリーが凍結乾燥により乾燥され、窒素、フロー雰囲気下で焼成された。
スラリーは参考例15と同様の方法で製造された。このスラリーは液体窒素バス中で滴下凍結され、次いで、真空乾燥され、粉体触媒前駆体固形物を得た。この触媒前駆体固形物の一部分が参考例13と同様の方法で焼成され、触媒顆粒を得た。19gの顆粒が、気相プロパン酸化のための内径1.1cmのステンレス鋼U−チューブ反応器に充填された。酸化は384℃の反応器バス温度で、プロパン/空気/水蒸気の供給比1/15/12、空間速度1,440時間−1で行われた。反応器からの流出物は凝縮され、液相と気相に分離された。気相はGCによって分析され、プロパン転化率を決定した。液相もGCによって分析され、アクリル酸収率を決定した。結果は表4に示される。
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】
本発明の効果的な触媒は、2θの回折角度が22.1゜、28.2゜、36.2゜、45.2゜および50.0゜でX線回折ピークを有するべきであることが知られている。上述の表5のデータは、空気下で焼成され、加熱エバポレーションまたは噴霧乾燥を経由して乾燥され、またはスラリーの沈殿相または母液相に由来する場合には、効果的な触媒は形成されないことを示す。
上述の実施例は本発明の方法が公知の方法よりも、より効果的にプロパンをアクリル酸に転化することを示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例1によって製造された触媒の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図2】 図2は、実施例3によって焼成された触媒の走査電子顕微鏡写真である。
Claims (8)
- (A)少なくとも1つが酸素含有化合物である金属化合物と、水を混合し、水溶液を形成させ;
(B)水溶液から水を除き、触媒前駆体を得;さらに
(C)触媒前駆体を400℃〜800℃の温度で、不活性雰囲気が触媒前駆体上をフローしない不活性雰囲気下で焼成し、式、AaMmNnXxOo
〔式中、0.35<a<0.87、0.045<m<0.37、0.020<n<0.27、0.005<x<0.35、さらにoは他の元素の酸化状態に応じて変化し、さらにAはMoであり;MはVであり;NはTe、Bi、Sbおよびこれらの混合物から選択され;さらにXはNb、Ta、Zrおよびこれらの混合物から選択される。〕
を有する触媒を形成することを含む触媒製造方法。 - NがTeであり、さらにXがNbである請求項1記載の方法。
- 不活性雰囲気がアルゴンおよび窒素の中の少なくとも1つを含む請求項1記載の方法。
- 水がロータリーエバポレーション、真空乾燥、空気乾燥、および凍結乾燥から選択される方法によって除かれる請求項1記載の方法。
- 請求項1記載の方法によって製造された触媒であって、アルカンから不飽和アルデヒドまたはカルボン酸を製造するための触媒。
- 触媒が0.35<a<0.87、0.045<m<0.37、0.020<n<0.27、および0.005<x<0.35を含む、請求項5記載の触媒。
- NがTeであり、さらにXがNbである請求項5記載の触媒。
- 請求項1記載の方法によって製造された触媒の存在下でアルカンを触媒酸化することを含む不飽和アルデヒドまたはカルボン酸の製造方法。
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