両大戦間期の日本における恐慌と政策対応― 金融システム問題と世界恐慌への対応を中心に ― 2009年4月22日 金融研究所 鎮目雅人 全文ダウンロード (PDF) 要旨 両大戦間期の日本では、繰り返し発生する恐慌への対応が政策運営上の大きな問題となっていた。なかでも、1927年の「昭和金融恐慌」と1930~31年にかけての「昭和恐慌」は日本経済にとって大きな転機となった。このうち「昭和金融恐慌」は、第1次大戦後における産業界の事業整理と金融機関の不良債権処理が不完全であったことに伴う国内の金融システム問題の表面化という側面が強く、これを契機に大規模な財政資金の投入と銀行合同等の構造改革が実施された。一方、「昭和恐慌」は、(1)旧平価による国際金本位制への復帰という政策選択と、(2)折から発生していた世界恐慌の国内経済への波及、の相乗効果が背景となっていた。1931年末に5度目の大蔵大臣