新興国でロシアが原子力発電所を建設する動きが広がっている。ロシアの原子力エネルギー外交によって、世界のエネルギー勢力図が変わろうとしている。 ロシア語が飛び交うバングラデシュの町 バングラデシュ西部の地方都市ループルでは、ロシアの存在感が急速に拡大している。通りにはロシア語の看板が並び、食品市場で並ぶ野菜にもロシア語の記載があり、病院でもロシア語で診察が受けられる。 なぜロシアから遠い地であるバングラデシュでロシア語が町にあふれているかというと、ロシア国営の原子力企業ロスアトムが、この地でバングラデシュ初の原子力発電所を建設しているからだ。2400メガワットの発電能力を持つループル原子力発電所は、近く試験運転を開始する予定だ。 この発電所は、深刻な電力不足に悩むバングラデシュにとって、必要不可欠なエネルギー供給源となると、英「フィナンシャル・タイムズ」紙は報じている。特に輸出に依存する繊維
2022年、ロシアとドイツを結ぶ海底の天然ガスパイプライン、ノルドストリームで起きた爆発について、ドイツの複数のメディアは、ウクライナ人の男が関与していたとして、検察当局が逮捕状を取ったと伝えました。ただ、この人物がウクライナの軍や情報機関とつながりがあったかどうかは、明らかになっていないとしています。 ロシアからバルト海を経由して、ドイツなどヨーロッパに天然ガスを送るノルドストリームで、2022年9月に爆発が起き、欧米メディアはこれまでに、ウクライナの特殊部隊が関与して、ロシアの資金源を断つために行った可能性などを報じてきました。 こうした中、ドイツの公共放送ARDなど複数のメディアは14日に、ウクライナ人の男が爆発に関与していたとして、検察当局が逮捕状を取ったと一斉に伝えました。 それによりますと、男は、ウクライナのダイビングスクールでインストラクターとして働いていた経歴があり、その後
1年以上の空席を経て、今年3月に来日した新・駐日ロシア大使のニコライ・ノズドレフ氏が23日、皇居を訪れ、天皇陛下にプーチン大統領からの信任状を渡す「信任状捧呈(ほうてい)式」に臨んだ。儀式の様子は外…
エマニュエル・トッド氏 この記事の写真をすべて見る 家族制度や識字率、出生率に基づき、現代政治や社会を分析し、「ソ連崩壊」から「米国の金融危機」などを予言した、フランスの歴史家エマニュエル・トッド。彼は、終わりの見えないウクライナ戦争が、世界のリーダーとしてふるまっていた西洋諸国が「世界の嫌われ者」であるという事実を明らかにしたと語ります。その真意を、2月13日発売の最新刊『人類の終着点――戦争、AI、ヒューマニティの未来』(朝日新書)から一部を抜粋・再編して公開します。 【写真】トッド氏の写真をもっと見る * * * ウクライナ戦争が明らかにした「西側の失敗」 ――現在の世界情勢について、お聞きしたいと思います。ウクライナでの戦争は依然として続いており、アメリカ、イギリス、EU、日本などの西側諸国は、多額の軍事、財政、人道支援を行っています。 しかし、報道を見る限り、戦況は依然として
2022年に開催された第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展への参加を辞退したロシア。今年のビエンナーレ会期中(4月20日~11月24日)、ヴェネチア・ジャルディーニにある同国パビリオンの使用をボリビアに譲ることが報じられた。 2022年、ロシアによるウクライナ侵攻を理由に、ロシア館のキュレーターであるライムンダス・マラウスカスと参加アーティストのキリル・サフチェンコフ、アレクサンドラ・スチャレヴァが参加辞退を表明し、同館は不参加することとなった。今回は、2回連続で不参加となっている。 「The Art Newspaper」によれば、イタリアの『Il Giornalle dell'arte』紙が3月に報じたこの決定は、ロシアとボリビアのあいだで文化協力、リチウム抽出、原子研究の協定が結ばれたことに基づいたもの。ボリビアは2023年、ロシアの国営原子力機関「ロスアトム」とリチウムに関する
【キーウ共同】米CNNテレビは11日、北大西洋条約機構(NATO)の分析として、ロシアの砲弾生産能力が欧米の3倍近くの年間約300万発に達している可能性があると報じた。ウクライナ軍は深刻な弾薬不足に苦しんでおり、今後の戦闘でロシア軍が優位だとした。 ロシアが核攻撃に踏み切ったらアメリカはどこに報復するか? 米政権内で行われていた机上演習の衝撃的な中身 欧米がウクライナ向けに生産する砲弾は年間約120万発。発射数は1日当たり約1万発のロシア軍に対し、ウクライナ軍は約2千発にとどまる。NATO高官は「われわれは生産戦争に直面している。ロシアの生産面での優位性が、戦場での優位性をもたらしている」と危機感を語った。
「外事警察」(警視庁公安部外事課)に2000年代から所属し、「スパイハンター」として活動を続けてきた勝丸円覚氏の新刊『諜・無法地帯 暗躍するスパイたち』が話題を呼んでいる。発売直後から「街録ch」や「古舘伊知郎チャンネル」「コヤッキースタジオ」などに取り上げられ、「顔出しNG」の勝丸氏の衝撃のトークが繰り広げられた。今回は特別に、著書の中から読者の反響が特に大きかった部分を公開する。 銀座コリドー街の安居酒屋にスパイがいる 日本に情報機関員を送り込んでいる国で、在日スパイ数が多い国といえばロシアが挙げられる。ロシアは3つの情報機関からスパイを送り込んでいる。大使館のみならず、総領事館にもいる。さらに民間に紛れているスパイを入れれば、総勢は120人ほどと分析されている。 アメリカも、CIAのみならず国土安全保障省(DHS)も東京支局があるため人員を送ってきている。韓国の情報機関である国家情報
一 九 三 九 ( 昭 和 一 四 年 ) 五 ― 九 月 当 時 の 「 満 州 国 」 と モ ン ゴ ル 人 民 共 和 国 の 間 に あ る ハ ル ヒ ン ・ ゴ ー ル ( ハ ル ハ 河 ) を め ぐ る 国 境 紛 争 は 、 さ さ い な 武 力 衝 突 か ら 関 東 軍 と ソ 連 軍 と の 激 烈 な 局 地 戦 争 に 発 展 し た 。 こ の 「 ノ モ ン ハ ン 事 件 」 ( ソ 連 側 呼 称 「 ハ ル ハ 河 戦 争 」 ) は 、 ス タ ー リ ン の じ き じ き の 命 令 で 派 遣 さ れ た ジ ュ ー コ フ が 現 地 日 本 側 の 第 六 軍 の 三 倍 に の ぼ る 圧 倒 的 な 戦 力 を 集 中 、 八 月 下 旬 満 を 持 し た 大 攻 勢 に 出 る と 日 本 軍 は た ち ま ち 包 囲 分
「ペトロパブロフスク熊事件」とは 10代の女性がヒグマに襲われ、自分の身体を喰われながら、携帯電話で母親に助けを求める……。 そんなショッキングな事件が2011年にロシアで発生した。 「ペトロパブロフスク熊事件」として、ネット上では有名な事件だが、ロシア内での最初の報道などを参照し、改めて事件の経緯をたどってみよう。 ロシア領カムチャッカ半島は北海道から1000キロ以上も東にある。ペトロパブロフスクはその第1の都市だ。 イゴール・ツィガネンコフ(45)、彼の妻のタチアナ、娘のオルガ(19)、祖母の4人家族は、ペトロパブロフスク近郊のコリャーキ村に住んでいた。 その年の夏、彼らは多くのカムチャッカの住民と同じように、ダーチャ(菜園付きの別荘)で過ごしていた。 その土曜日、イゴールと娘のオルガは、パラトゥンカ川に遊びに行くことにした。 目撃者によると、その地域の草丈は2メートルを超えていた。茂
「ロシアの初音ミク」と呼ばれる人気コスプレイヤー・Saya Scarletさんは、日本風のメイクをしていることに非難を受けているとツイッターで明かした。 「日本人はわたしの顔とメイクを見ると本当に不快に感じるのですか?」 Sayaさんは約19万9000人のツイッターフォロワーを持つロシア在住のコスプレイヤー。 2017年に人気バラエティ番組「Youは何しに日本へ?」(テレビ東京系)で取り上げられた際に、「初音ミク」のコスプレ姿で登場し話題になった。現在は日本に移住するために配信活動などに力を入れている。 ツイッターで日本時間2022年10月9日、「日本人はわたしの顔とメイクを見ると本当に不快に感じるのですか?」と尋ねた。英語圏の人々から「Asian fishing」などと指摘され、文化の盗用を行っているなどと批判を受けたという。「Asian fishing」はSNS上で、アジア人ではない人
ウクライナ侵攻以来、西側諸国はロシアを厳しく糾弾しているが、欧米にも他国を侵略してきた帝国主義の歴史がある。そんな欧米の「欺瞞」を、米ワシントン大学の歴史学者ジョン・ムンホ教授が、太平洋戦争中の日米関係から分析する。 アメリカに忠誠を誓った日系アメリカ人 1941年、日本軍による真珠湾攻撃について知ったカール・ヨネダは、行動を起こそうと決意した。彼は日系アメリカ人の新聞社を代表し、フランクリン・ルーズベルト大統領宛ての電報を即座に起草した。 「民主主義国家の勝利を確かにするため、あらゆる取り組みに全面的に協力する」と伝え、「日本の悪辣な軍事的ファシスト」との戦いに参加する気だった。 しかし、その電報をヨネダが打つ前に、FBIの捜査官は彼の家を取り囲んで彼を逮捕してしまった。ヨネダは共産主義者であり、労働運動を率いていた。FBIは、さらにその人種的背景から、彼が「日本政府の秘密工作員」であろ
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武装反乱を起こしたロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者エフゲニー・プリゴジン氏(62)が24日(現地時間)、SNSに投稿した音声メッセージで、部隊の首都モスクワへの進軍を停止すると突如発表したことが、世界に波紋を広げている。 この発表を受け、インターネット上では「御所巻(ごしょまき)」なる言葉がトレンドワードとなった。「御所巻」とは、室町時代に、大名たちが室町幕府の御所を取り囲んで幕府や将軍に自身の要求や異議を申し立てたとされる動きのこと。1349年に、将軍足利尊氏の側近だった高師直(こうの・もろなお)が御所を取り囲んで、自身が対立していた尊氏の弟、足利直義やその一派らの追放を求めて直訴し、「観応の擾乱(かんのうのじょうらん)」のきっかけになったとされる動きなどを指すといわれている。 今回、クーデターにも見える動きでモスクワを目指して進軍していたプリゴジン氏が、水面下では自身が不利にな
ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏は23日、ロシアがウクライナ侵攻に踏み切った根拠について、軍上層部が「でっち上げたうそ」によるものと主張した。4月8日撮影(2023年 ロイター/Yulia Morozova/File Photo) [ロンドン 23日 ロイター] - ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏は23日、ロシアがウクライナ侵攻に踏み切った根拠について、軍上層部が「でっち上げたうそ」によるものと主張した。 ウクライナでの戦争を巡り、プリゴジン氏は軍や国防省を繰り返し批判してきているが、ロシアの「特別軍事作戦」をウクライナの「非武装化、非ナチ化」が目標という政権の説明を今回初めて否定。テレグラムに投稿した動画で、ロシアがウクライナ侵攻を始めた「2月24日に起きたことは日常茶飯事にすぎない。国防省は国民と大統領を欺こうとし、ウクライナか
画像説明, 第2次世界大戦でのソ連の対独勝利を祝う式典で、ソ連兵の写真を手にする女性(9日、ベルリン) かねて欧州各地で暮らしてきたロシア人のコミュニティーは、ウクライナでの戦争によって分断されてしまった。その対立が今月9日、ベルリンで表面化しそうになった。第2次世界大戦でソ連がナチス・ドイツを下した「戦勝記念日」の式典でのことだ。 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はウクライナに仕掛けた全面的な侵略戦争を正当化するため、繰り返し繰り返し、1945年にいかにソ連がナチスのファシズムを打倒したか強調し、それを今の戦争になぞらえてきた。それだけに、ウクライナ戦争の開始から1年以上が過ぎた現在、ドイツ・ベルリンで、第2次世界大戦の話題は避けようもない。
2023年3月、中央アフリカ共和国の金鉱山で、9人の中国人労働者が殺害された。同国政府は、地元の反政府武装勢力の犯行と発表したが、この奇妙な殺人事件の背後には中国とワグネルの私欲にまみれた確執があると専門家は指摘する。 2023年3月、在中央アフリカ共和国(CAR)中国大使館は、次のような厳しい警告を発した。 「外国人を狙った誘拐が増加している。首都バンギにいる在留中国人はそこから離れてはならない。それ以外の地域にいる人は、ただちに退去せよ」 それから1週間も経たないうちに、銃で武装した集団が金鉱山で働く9人の中国人労働者を惨殺した。 不可解な殺人事件 鉱山は、バンギから北東に車で数時間ほど行ったところにあり、被害者は中国企業ゴールドコーストグループで働いていた。事件は、同社が金鉱山で採掘を始めてすぐの、3月19日に起きた。 中央アフリカ政府は捜査の結果、国内の有力な反政府勢力「変化のため
戦争が始まる前から「汚職大国」として悪名高かったウクライナ。同国は犯罪集団が暗躍する「マフィアの楽園」でもあったが、侵攻をきっかけに、世界各地の犯罪集団に大きな影響を及ぼすほどの変化が起きているという。 戦争で切れたロシアン・マフィアとの縁 18世紀以来、密輸品が流れ込んできたウクライナ南部の港湾都市オデーサには「密輸博物館」がある。ここで展示されるのは、ロシア帝国に持ち込まれた真珠やピストルから最近の略奪品までだ。しかし、2022年2月に勃発した戦争によって「港が閉鎖され、すべて止まりました」と、オーナーのアレクサンドル・オトデルノフは言う。 しかし、来なくなったのは観光客だけではない。オデーサは、ウクライナとロシアを中心とし、アフガニスタンからアンデス山脈にまで至る広大な犯罪ネットワークをつなぐ重要な拠点だったのだ。このネットワークは「ヨーロッパでもっとも強力な犯罪生態系」の一部である
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