秒速100メートル超で吹き荒れる金星の猛烈な大気、「スーパーローテーション」が勢いを失わずに回転を続けていられるのはなぜか。エンジンの故障を乗り越え、観測を続けていたJAXAの金星探査機「あかつき」が明らかにした。 2020年4月24日、JAXA、北海道大学、北海道情報大学は金星探査機「あかつき(PLANET-C)」の観測により、金星の大気が超高速で回転する「スーパーローテーション」が持続するしくみを解明したと発表した。研究成果は米科学誌Scienceに発表された。 金星は自転が遅く、1回自転するのに地球時間にすると243日かかる。この自転よりもはるかに速く、分厚い大気の層が惑星の自転の60倍に達する速度で西向きに回転しており、「スーパーローテーション」と呼ばれている。スーパーローテーションは、最も強くなる金星の赤道付近の雲層の上部の領域では秒速110キロメートルにも達するという。こうした