1.『森崎書店の日々』作:八木沢里志 自分にとって安らぎになる本の1つ 本に囲まれて過ごすことのロマンチックさが表現されていて 自宅の肘掛け椅子で座りながら一気に読み終えてしまう典型的な作品
世界的な人気を誇るサイエンス・ライター、サイモン・シンの邦訳著作は、なんと累計120万部を超える。数学の天才たちの人間ドラマを追う過程で数学の真髄を伝えるノンフィクションの名作『フェルマーの最終定理』(新潮文庫)は、いまも、ロングセラーの記録を伸ばしている。サイエンス翻訳の名手として知られ、サイモン・シンの全著作を手掛ける翻訳家、青木薫さんが、『フェルマーの最終定理』訳出の舞台裏を振り返る。翻訳の過程で起きたドラマのような出来事、その時、あの著名な数学者はなんと言ったのか――。(本文・青木薫) 「数学を伝える」ために、翻訳者として日頃努力していることを書いてほしいというお申し入れがあった。しかし、あらためて考えてみると、数学を伝えるために翻訳者にできることは、ごくごく限られているように思う。訳語を工夫するといっても限度があるし、妙に砕けた言いまわしは、かえって内容を伝えにくくする面もあると
書店員を辞めました 退職エントリを書くことに小さな憧れがあったので、退職が決まったときから「どんなこと書こうかなぁ」とぼんやりと考えていたのだけど、でもよく考えてみるとネット上から職場に対して言いたいことなんて何ひとつなかった。 しかし、書店員を辞めた現時点で、本や書店について自分が考えていることを書き残していきたい気もするので、今回は「ぼくがかんがえた本といんたーねっと」について書こうと思う。 記事内容を要約すると、<インターネットがもっとコンテンツと出会う場に、そして創作活動をもっとドライブさせる場になってほしい>という話になります。 言いたいことがありすぎて少し散らかった印象になってしまいましたが、自分にしては珍しく熱っぽく書いた記事なので、時間のあるときに読んでくれると嬉しいです。 ちなみに、記事のタイトルを「潮見、書店員辞めるってよ」にしなかったのは、同世代の羨望と嫉妬を一手に引
この記事は、本が読めないWEBライターが初めて芥川龍之介の本を読むだけの記事です。 <この記事に出てくる人> WEBライターなのに本が読めない。文字そのものが苦手なので自分が書いた記事を読み返すこともしない。 友達。みくのしんが本を読む手伝いをする。 今日、みくのしんが読むのは芥川龍之介の『トロッコ』 中学生の教科書に採用されているので、読んだことがある人も多いかもしれませんね。 みくのしんに見せたところ、「タイトルは聞き覚えがある!」「トロッコっていいよね!」「ドンキーコングのトロッコステージ好きだった!」と言っていたので、きっと最後まで読んでくれることでしょう。 ▼編集部注 予め申し上げておきますが、この記事はとても長いです。 普通に「トロッコ」を読むより長いです。何卒ご了承ください。 みくのしんは「芥川龍之介」って知ってる? 一回だけ観たことある。「ALWAYS 三丁目の夕日」に出て
神戸市にはなんと「12」の公共図書館があります。最近は「東灘図書館」「北神図書館」「三宮図書館(仮移転)」「西図書館」が移転・開館し、「名谷図書館」が新設されました。 でも、建物がオシャレになって、本の数が増えただけではありません。勉強したり遊んでみたり、ときにはリラックスする場所として、ますます自由に過ごせる場所になりました。神戸市は昔もいまもこれからも、ずっと「図書館のまち」なんです。 木材をふんだんに使った名谷図書館そんな図書館のしくみを支えるのは、もちろん「ひと」。たとえば、図書館司書というおしごとです。でも、どんな人たちで、なにをしているのか分からないですよね。ぼくも図書館を「本を借りるだけ」でしか使っておらず、図書館司書の存在をあまり気にかけたことがなかったんです。 「え、そもそも図書館って本を借りるところでしょ。というか神戸市って、図書館に行かなくても本を借りられる便利なサー
オッカム @oxomckoe アメリカ合衆国建国史研究を一生やっていくのではないかと思います。リツイートさせて頂く場合、基本的に賛意、こういう意見もあるなどポジティヴな動機によります。晒し上げはしません。2017年まで北海道にいました。稚内18年、長万部9年。それ以外は札幌(予備校と北大)です。飲酒時に書いたツイートは翌日恥じて消すことがあります。 blog.goo.ne.jp/william1787 オッカム @oxomckoe 本棚を見た学生から「先生、これ全部読んだんですか」と聞かれる。案外重要な問いだと思うのでいちいち応えている。「まず第一に、読んでません。ただ大学院博士課程で修行をすると、所蔵すべき重要文献が何かわかります。題名・目次・著者からおおよその内容は分かります。自分が書く時に読みます」。 2022-05-09 03:50:23 オッカム @oxomckoe 「第二に、創
『ABC予想入門』PHP研究所 黒川重信・小山信也/著 まず先に書いておかなければならないことがある。僕は本書の内容のほとんどを理解することが出来なかったということだ。これまで数学に関する一般書は結構読んできたが、これほど難解で、何が書いてあるのか分からない本も久しぶりだった。とにかく、それぐらいこの「abc予想」というのは難しいのだ。 僕が「abc予想」の存在を知ったのは、2017年だったと思う。ある時ネット上で、「宇宙際タイヒミュラー理論」という謎めいた単語が大いに話題になっていたのだ。 何だろうと調べてみると、この理論は、2012年に京都大学の望月新一教授が発表したものであり、この「宇宙際タイヒミュラー理論」によって「abc予想」が証明されたのではないか、とネット上で大いに盛り上がっていたのだ。 しかし、2012年に発表された理論が何故2017年に話題になっていたのか。そこには、数学
全国の書店員が選ぶことしの本屋大賞に、逢坂冬馬さんの「同志少女よ、敵を撃て」が選ばれた。 去年8月にアガサ・クリスティー賞を受賞し、デビュー作ながら直木賞の候補に選ばれたことでも話題となった。 さらに、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く情勢を受け、注目度がますます高まっている。 しかし、こうした状況について逢坂さんは複雑な心境を明かした。 「あまりにもタイムリーになりすぎたことが本当につらい」 作品で描かれる、“戦争の実像”とは? 本屋大賞に選ばれた「同志少女よ、敵を撃て」は、第2次世界大戦中の旧ソビエトとドイツによる「独ソ戦」が舞台だ。 重厚なテーマで、500ページ近いボリュームであるにもかかわらず、発売直後から好調な売り上げを見せ、累計発行部数は37万部を突破した。 (TSUTAYA BOOKSTORE 下北沢 佐藤佑 店長) 「発売されてから継続して売れていて、今も在庫が少ない
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私たちの子どもは、長女10歳、次女8歳、長男5歳の年齢から海外生活を始め、現在(2021年11月時点)で海外生活トータル年数は5年となります。この5年の間にアメリカ、イギリス、オランダの3カ国に住みましたが、本好きな私たちにとって、現地で日本語の本を手に入れる難しさを日々感じていました。夫婦ともに本が好きで、読み聞かせも長女が産まれた頃からほぼ毎日行っていました。本に囲まれて生活してきた子どもたちです。海外で日本語の本を手に入れるとなると、日本のアマゾンから1週間程度で届きますが、やはりコストはかかります。それでも、日本にいた頃のように図書館で1人20冊くらい借りたり、休日に本屋へ行き本を買っていたようには本を与えられません。 海外に住んでいる子どもたちは、毎日、オランダ語などの現地語や英語を使って生活しています。家に帰ると日本語で話す家庭も多いでしょう。しかし話し言葉と本の中で使われる読
毎年書いている、今年読んで面白かった本のまとめです。 今年はブックガイド本『人生の土台となる読書』を出したので、その関連の読書が多かったかも。マンガは『このマンガがすごい!2022』でも審査員として選んでいるので、そちらもよかったら見てみてください。 では行きます。 をのひなお『明日、私は誰かのカノジョ』 星来『ガチ恋粘着獣 ~ネット配信者の彼女になりたくて~』 増村十七『バクちゃん』 ネルノダイスキ『いえめぐり』 上野千鶴子・鈴木涼美『往復書簡 限界から始まる』 荻原魚雷『中年の本棚』 TVOD『ポスト・サブカル焼け跡派』 植本一子『ある日突然、目が覚めて』 最果タヒ『パパララレレルル』 三田三郎『鬼と踊る』 佐藤文香『菊は雪』 松村圭一郎他『働くことの人類学【活字版】』 ユヴァル・ノア・ハラリ『ホモ・デウス』 江永泉、木澤佐登志、 ひでシス、役所暁『闇の自己啓発』 劉慈欣『三体』三部作
発売中の月刊『創』(つくる)2021年12月号の特集は「街の書店が消えてゆく」。出版関係者などよく読んでくれて反響も大きいのだが、この問題、とても深刻なので少しでも多くの方に知ってもらいたいと、ここに一文をしたためることにした。 『創』編集部周辺にもついに書店が皆無に 例えば『創』編集部のある四谷の最寄りの書店「あおい書店四谷三丁目店」が9月に閉店した。もともと四谷駅前には2件の書店があったのだが、いずれも閉店。本を買う時には「あおい書店四谷三丁目店」にまで足を運んでいたのだが、それもついに閉店になり、これで近くにもう書店がなくなってしまった。 何年か前、書店のない街が増えていると新聞が報じて話題になったことがあったが、事態はその後も加速度的に進行している。編集部にもこの何年か、「近くに書店がないのですが、どこで本を買えばいいですか」という問いあわせがとても増えた。ネットを使っていない人は
人口2万5千人の留萌市から本屋が消えたのは2010年12月。それから7カ月後、人口30万人以上でないと出店しないルールを持つ三省堂書店が出店した。それはどうしてだったのか。 4月だというのに、その日は雪がちらついた。地元の人は5月の連休が明けるまではスタッドレスタイヤを外さないという。ゆったりとした坂道を登りつめると、眼前に日本海が広がる。北海道の西端にある留萌の海岸からは水平線の下へと沈むまん丸で真っ赤な夕陽を見ることができる。 留萌の坂道 美しい地名はルルモッペ(=潮の静かに入るところ)というアイヌの言葉に由来する。明治期ににしん漁により港町として留萌の地が拓けた。炭鉱業も栄え、1910年には留萌本線が開通、続いて1932年には留萌港が竣工した。 昭和の頃、正月ともなると、新年を祝う人たちがこの坂道をぎっしりと埋め尽くしたものですよ。 タクシーの運転手が問わず語りに聞かせてくれた。通り
アキラ @akira_g17 【元・マンガ編集者の戯言】これ、8割くらいはホントのことなので「連載が続いてほしい」なら紙媒体を早く買うというのはかなり効果的だと思います。ただ、今は電子版も同時発売していて、そちらの売れ行きも考慮されるので電子版は全く影響ないということはないはずです。また、(続) twitter.com/k193com/status… アキラ @akira_g17 また、出版契約時の印税率によっては電子版の方が作家さんに入るお金が多い場合があります。(紙媒体も電子版も同じ定価なら、ですけど)なので、連載が安定しているor完結済みor単巻で「作家さんにお布施したい」なら、電子版の方が効果的だったりします。 要は、(続)
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