圧倒的な力で2度目の優勝を果たした瞬間、ほっとした笑顔を浮かべた。「ラグビーを楽しむ」を合言葉に、初の頂点に立ってから2年。高校日本代表候補に8人が名を連ね、国内の公式戦無敗で花園に乗り込んだ。優勝候補筆頭と騒がれる中、生徒の自主性を重んじる指導法を貫き通した。 生徒に多少のおごりや慢心があってもおかしくない状況だが、「戦術や戦略は言ったことがない」と言い切る。理由は「人は信頼の中でのみ結果を出すもの」との信念からだ。 ただ、タレント軍団を束ねるうえで、言葉遣いには注意した。「心の持ち方も大事だが、言葉の使い方も大切。いい言葉を使えば、いい空気になる」との思いで、「“幸せ言葉”を使え」と言い続けてきた。垣永主将は「自分たちのことを考えて一番大事なことを教えてくれた」と胸を張る。 かつては熱血指導で鳴らした。だが、平成11年に愛妻が38歳の若さでがんで亡くなり、3年間休職してニュージーランド