「20年に1人の逸材」と呼ばれた西武・雄星(18)=花巻東高=の実戦デビューはほろ苦いものだった。9日の教育リーグ・巨人戦(西武ドーム)で昨年9月の新潟国体以来の実戦マウンドに上がったが、2回を3安打3四球3失点と、プロの洗礼を浴びた。 昨年秋のドラフトでは6球団が競合。メジャーからも注目を浴びたとあって、スポーツマスコミはこぞって雄星を大きく取り上げた。入寮の際に、ジャージー以外の私服を持っていなかったり、小遣いが1日1000円であったり、大の読書家であったり、マジメで素朴なキャラクターが“最近には珍しい若者”として格好の話題となった。スポーツ紙各紙はわざわざ「雄星番(担当)」を置くほど、その一挙手一投足を追い、他球団のルーキーがすっかりかすんでしまうような扱いだった。 いささか過剰気味とも思える報道だったが、もちろん、マスコミ側にも事情はある。何しろ、ここ最近のプロ野球界はスター不足。