県内JR線で唯一の単線路線である草津線(草津−柘植間、36・7キロ)が今年で全線開通120周年を迎え、県は複線化の前提となる利用促進の啓発活動を強化している。草津線は単線ではあるが通勤などにも多く利用され、平成16年に国土交通省の近畿地方交通審議会が「全線を複線化すべき」と答申。県は沿線市町と協力し、JR側に要望を続けているが、実現には至っておらず、さらなる利用を呼びかけている。 草津線は県出身者が中心となって設立した民営鉄道の関西鉄道が明治22年に草津(草津市)−三雲(湖南市)間を開通させたのが起源で、翌23年には柘植(三重県伊賀市)まで全線が開通した。大砂川トンネル(湖南市)には貴重なレンガ積みのアーチ橋も残されている。 明治40年の国有化後には姫路−鳥羽間に草津線を通って直通列車が運行され、京阪神からの伊勢神宮参拝によく利用された。しかし、伊勢神宮参拝の中心が私鉄の近畿日本鉄道に取っ