調査・データ帝国データバンク(東京都港区、TDB)は23日、「トラック輸送業界の最新景況レポート(2024年12月)」を公開した。
今回の調査で、同社はトラック輸送業界についてTDB景気動向調査で算出する景況感をはじめとした各種データや取り巻く環境の変化について分析した。
TDB景気動向調査で毎月算出している景況感をはじめとする各種DIをみると、2024年11月時点のトラック輸送事業者の景況感を示す景気DI(景気動向指数)は44.1と全産業の景気DIの44.4を0.3ポイント下回り、「良い」「悪い」の判断の境目となる50を5ポイント以上、下回る水準だった。また、仕入れ価格の状況を把握する仕入単価DIは69.5、正社員の人手不足状況を表す雇用過不足DI(正)は66.5と高い水準を示しており、燃料価格の高騰やドライバーなどの人手不足の影響が経営を直撃したとみられる。
また、輸送量の動向をみると、貨物営業用自動車の輸送量は24年4-8月で計10.5億トン。前年同期と比較すると2%増加しており、過去5年間で高い水準を維持した。配送効率向上のための企業の取り組みとして、パレット輸送や中継輸送の実施、車両の大型化や共同配送など輸送システムの見直しなども行われており、適正な運賃設定が荷主の理解を得て徐々に進んできているといった声も聞かれるという。
同社の分析では、24年4月以降、極端な輸送能力の低下には至らず事前に危惧されていたような輸送力不足に陥ることなく、例年並みの輸送量を維持していることは、トラック運送事業者ならびに荷主企業の努力の結果とした。しかし、依然として燃料費の高止まりや深刻な人手不足など業界を取り巻く環境は厳しく、業況改善に向けては、さらなる輸送の効率化や自動化などを推進し、安定的な物流機能の確保に取り組む必要がある。
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