「修正依頼」が出ています。GB版の評価点・問題点・総評を追記できる方はご協力をお願いします。
注意:ここでは、オリジナルのAC『最後の忍道』(不安定)と、その移植作(判定なし)について解説する。
最後の忍道
【さいごのにんどう】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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アーケード
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販売・開発元
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アイレム
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稼働開始日
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1988年5月
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プレイ人数
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1~2人(交互)
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配信
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アーケードアーカイブス(ハムスター) 【Switch・PS4】2019年7月4日/823円(税込)
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判定
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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ひたすら殺伐とした世界観 プレイヤーを選ぶ孤高の一作 恐怖の縦穴、運ゲーが過ぎるラスボス戦
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概要
1988年にアイレムより発売された業務用アクションゲーム。海外版のタイトルは『NINJA SPIRIT』。
プレイヤーは幕末の世に生きる抜け忍「月影」となり、亡父の復讐と出生の謎を探るために、謎の老人率いる忍軍との死闘を繰り広げる。
「忍者」というモチーフを時代劇の文脈で用いるゲームは当時としては珍しいもので、本作以前では『影の伝説』・『忍者くん』シリーズ程度であった。
システム
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1レバー3ボタンで主人公・月影を操作。
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3つのボタンはそれぞれ、攻撃・ジャンプ・武器変更に割り振られており、プレイヤーは状況に応じて装備を変えて、ステージを進んでいく。
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ジャンプはボタンを押す長さで高低の調節ができ、レバーとの組み合わせで飛ぶ方向や、着地地点を制御できる。また攻撃もレバーとの組み合わせで8方向に攻撃可能となっている(刀は上下左右のみ)。
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全7面1周エンド。最終ボス・大即身仏を倒せばエンディングとなり、ゲーム終了。
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敵の攻撃を受けるか時間切れで1ミスとなり、全機失うとゲームオーバー。復活・及びコンティニューは戻り復活となっている。
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ライフの概念は無く一撃死であるが、武器を構えていない敵や飛び道具しか撃たない敵などには重なってもミスにならないという特徴がある。
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画像
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基本的に敵に触れただけではミスにならない。ただし忍犬と火炎球は例外。
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黄色の忍者を倒すことで出現する巻物を取ることで武器のパワーアップや分身など、様々な恩恵がプレイヤーにもたらされる。
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黄色忍者は登場してその場から動かないものと、雑魚敵に混ざって登場するものがあるが出すアイテムにランダム性は無く、出現するアイテムは固定されている。
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自機の装備を強化すると、敵のランクが上がるシステムを採っている。
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中型・大型の敵はこちらがパワーアップするごとに耐久力が上昇、プレイヤーの力量如何では敵を倒しきれずに打ち負け、逆に押し切られることになる。
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なお上昇したランクはプレイヤーアウトで初期値に戻る。
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アイテムと武器詳細
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アイテム
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点滅・霊光宝珠 取得時に使用していた武器がパワーアップする(1段階のみ)。既に武器が強化されていた場合、強化されていない他の武器がリスト(画面下部中央の武器一覧)の左から順にパワーアップする。各武器の詳細は下記参照。
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青・分身の術 プレイヤーキャラの動きをトレースする無敵の分身がつく。最大2体までつけることができ、単純に攻撃力が3倍となるが、分身の数に応じて敵のランクも上昇する。
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黄・火輪の術 プレイヤーキャラ及び分身の周囲を縦方向に回転する火炎の輪がつく。触れるだけで敵を倒すことができ、耐久力のある敵に分身ごとめり込ませることで大ダメージを与えられる。ただし無敵になるわけでは無く、火炎の輪に敵弾を消す効果は無いので過信は禁物。
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ピンク・破壊の術 取った瞬間に画面上の全ての敵にダメージを与える。「一定時間に渡り、画面内の敵にダメージを与え続ける」というものであり、アイテム取得後に現れた敵に対しても効果がある。
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武器一覧
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刀(妖刀霧正) 敵の手裏剣や鉄砲弾・爆弾などを弾くことができ、夢幻坊や風魔一刀衆など耐久力のある敵をノックバックさせることが可能など、防御性に優れた武器。パワーアップすると刀の軌道に残像が付き、攻撃範囲が広まる。
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手裏剣(渦葉) 攻撃力は小さいが連射がきく。パワーアップすると3way手裏剣となり、広範囲を攻撃できる。
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爆弾(雷竹) 破壊力の高い爆弾を投擲する。地面歩行時にレバーを下に入れながらボタンを押すと地面に爆弾を設置し地雷のようにして使うことができる。下方向に投げたい場合はジャンプ撃ちする必要がある。パワーアップすると3連射が可能。
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鎖鎌(昇龍鎖) 射程が長く、攻撃力も高い鎖鎌を振る。刀同様、敵弾を弾くことが可能だがノックバックさせることはできない。パワーアップすると回転攻撃が可能となる。先端部分の鎌だけでなく、鎖部分にも攻撃判定があるため、回転中は敵の武器に対してはほぼ無敵状態となる。
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ステージ構成
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各面詳細
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1面・廃寺 上忍の無明上人から任務を受けゲーム開始。敵の大半は最弱ザコの下忍だが、後半に夢幻坊が出現。こちらに突進する性質があり、刀以外だと突進を止めることができない。 ボスは阿修羅像。最初のボスだけあって弱く、パワーアップした刀で難なく倒せる。
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2面・無人の峠道 忍犬・火炎球が登場。これらの敵は触れるだけでミスとなる。街道に木々に潜む忍者は爆弾を放つ。刀・鎖鎌で弾くことは可能だが、その場で爆発するため無闇にジャンプすると爆炎に巻き込まれてしまう。 ボスは双斧鬼。弾は撃ってこないが、プレイヤーを執拗に追い回す。
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3面・枯野原 夢幻坊・忍犬に加え、鉄砲兵や落武者霊が登場。難易度が急激に上昇するため、多くのプレイヤーはこの面で倒されてしまう。それも耐久力の高い落武者霊や夢幻坊だけでなく、一発で倒せるはずの忍者にさえ切り伏せられてしまう、と言えば激しさの一端が理解できるだろうか。面途中の沼沢地帯では足を取られてしまい、移動速度が落ちてしまう。ジャンプして移動したいところだが、夢幻坊・鉄砲兵・忍犬のコンボが凶悪、突破するには正確なジャンプ操作を要する。 ボスは魔界半蔵。ボス戦の邪魔をする鉄砲兵が鬱陶しい。
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4面・魔窟屋敷 建物内部が舞台。プレイヤーは忍者であるため、天井を歩くことが可能。鎖鎌を構えた敵忍者は横軸が合うと攻撃してくる。新たな敵として風魔一刀衆が登場、先の鎖鎌忍者ともども耐久力が高く同時に襲われると危険。この面は鎖鎌より爆弾を使用したほうが進みやすい。 途中の吊り天井地帯を抜けるとボス・呪縛石が登場。見かけによらず俊敏な動きで体当たり攻撃を仕掛け、プレイヤーを押し潰そうとする。
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5面・絶壁 左右が無限ループしている縦長のステージとなっており、切り立った崖を登っていく。マップの随所から毒煙が吹き出し、接触すると当然ミス。足場から落ちてもミスにはならないが、制限時間が2分と全ステージ中最短なため、もたついていると敵だけでなく時間とも戦うことになる。 ボスは大凧に乗った風魔九人衆。頭領は攻撃してこないが、それを囲む8人の風魔衆が三方手裏剣を乱射するため、爆弾よりも刀・鎖鎌が有利。
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6面・雷鳴が響く荒野 全ステージ中、屈指の高難度面。陸からは風魔一刀衆・夢幻坊・落武者霊ら耐久力のある敵がひっきりなしに出現、空からは風魔衆・忍犬がプレイヤーに襲い掛かる。随所に大岩が転がり足場が悪いため、ジャンプを強いられる場面が多く、クリアには的確なジャンプ制御が求められる。 ボスは落武者霊群14体。道中では邪魔だった大岩がここでは安全地帯となり、難なく撃破できる。
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7面・洞穴 最終面だが出現する敵は少なめ、この辺は同社タイトル『R-TYPE』に通ずるものがある。OPに登場した無明上人がプレイヤーの前に立ちはだかる。ボス並の耐久力を持ち、同時に現れる風魔一刀衆や毒煙と相まって、突破は困難を極める。そして後半はゲーム史上に名を連ねるほどの難度を誇る縦穴、全国でどれほどのコインが費やされたのだろうか。 ボスは大即身仏。本体は動かないが宝珠から出る閃光が鬼畜すぎる。
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超攻撃的な自機VS大物量の敵キャラ群という一見派手なゲーム性ではあるが、主な舞台は廃寺、無人の峠道、枯野原、カラクリ屋敷など退廃的な雰囲気を持っている。
殺伐とした世界観に合わせてか本作の難易度は総じて高いのだが、特に下記に挙げる3つのポイントは一際シビアであり語り草となっていた。
6面全般
迂闊に近づくと居合いでバッサリ斬られる風魔一刀衆が絶えず画面内を走り回り、夢幻坊も所狭しと跳ね回り杖を投げつける、そこへ忍者が地面から現れ空中で手裏剣乱射、空からは忍犬が降ってくるの混乱状態。後半は忍犬がいなくなる代わりに風魔一刀衆が空中でも容赦なく斬りかかるようになり、凧に乗った風魔衆が手裏剣を撃ちまくる、さらに落武者霊がのそのそと歩き回り手にした刀を振り回す。半ば運ゲーというほど敵の攻撃が苛烈を極める。
さらには足元に岩が生えているが、この岩の判定が単一の□ではなく微妙に凸凹していて「岩の上を歩くと段差に引っかかって止まる箇所がある」という理不尽っぷり。
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画像
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手裏剣を乱射する下忍・侍2人と坊主・後半は落武者霊の住処
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7面後半
通称縦穴。自由落下でラスボスへ通じる深い穴を約20秒間下って行くだけ…なのだが、そこには「見た目はザコ忍者でも耐久力は侍並みで事実上倒せない奴ら」が大量にひしめき合っている。単純に縦穴エリアが長いこと、主人公の空中制御能力が低いこと、敵を倒せないことでアドリブが殆ど通用しない難所となっている。抜けるには試行錯誤を繰り返して突破パターンを組み上げるしかまず道がない、完全覚えゲー。ここにたどり着くまでにも苦労したであろうプレイヤーからさらに無理やりクレジットを搾り取っていく。
最終ボス
その場から動かず、弱点部分から緑色の閃光弾をランダムのタイミングで出し続けるだけ、という安易な攻撃パターンなのであるが、その誘導弾の軌道は何故かジグザグの気まぐれなもので非常に読みづらい。出るタイミングがランダムなので閃光の量も気まぐれ。長期戦になればなるほど詰みパターンで閃光が飛んでくる確率が高くなるが、よほど運がないと序盤から無理ゲー化する事もありうる。全国レベルのプレイヤーすら「駄目な時は駄目」と言うほどの運ゲー状態。クリアできるパターンになる可能性は低めな上、このゲームでの稼ぎプレイは残機潰しが中心であり、スコアを目指す場合にはこのボスと戦えるのは一回限りと非常にスコアラー泣かせであった。
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画像
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最終ボス・大即身仏。法則性皆無の閃光はプレイヤー泣かせ。
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これらの死闘に打ち勝ったプレイヤーは衝撃の事実とささやかな達成感が与えられるエンディングを迎える。かくして最後の忍道は難ゲーとしてプレイヤー達にその記憶を色濃く残していった。
評価点
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彩りの無い暗い色調とアイレムお得意の緻密なドット絵で殺伐とした世界観が表現されている。
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和楽器風の音色で展開される重厚なBGM。
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本作中でも特に激しい攻撃で知られる6面のBGMは和風ロックと言えるような激しい曲調で、ゲーム内で繰り広げられる激戦を盛り上げるものとなっている。BGMを手掛けているのは『イメージファイト』や『Mr.HELIの大冒険』、『ドラゴンブリード』なども担当している石田雅彦氏。
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効果音の方もアイレム特有の特徴的な爆音や、ボスを倒した時の「ゔぇぇああぁぁぁぁぁ!」という特徴的な断末魔、月影がやられた時の「ぐわーっ!!」「ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」とこちらも特徴的な断末魔が2種もある。
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非常に強力な鎖鎌を使いこなす必要があるゲームバランス。
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向いている方向と別方向にレバーを入れるだけで背中側まで一瞬でなぎ払う攻撃で、空中であれば一回転、自機から全方位を攻撃できる。もちろん、振り回す間にも攻撃判定は発生し、一発で倒せる雑魚忍者達や敵弾を一掃する。リーチも長く、自機からの攻撃だけで画面半分はカバーできる。さらに分身がつけばほぼ全画面を攻撃可能。回転させない場合は連射性能もそれなりにある。
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これほどにまで強い武器がアクションゲームで実装された例は他に無い程だが、本作の特徴である敵の攻撃の苛烈さによって、本作はヌルゲーどころか高難易度のゲームの代表的な存在ともされており、(問題点と表裏一体ともなっているが)この両極端な特徴がうまくバランスを取っている形となっている。
問題点
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高すぎる難度。
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3面から難度が急騰、6面7面は上級者でも油断できないほど。『忍 -SHINOBI-』と言い『忍者龍剣伝』と言い、忍者ゲーはどうも難易度が高くなる傾向にあるようだ。
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7面に関しては「悪路かつ狭い面で毒ガスを回避しつつやたらと硬い中ボスと侍を相手にしなければいけない前半戦」「上記完全覚えゲーでまぐれ突破がほぼ不可能な縦穴」「打って変わって攻撃がほぼランダムで運要素が強すぎる
上に設定上既に死んでいるから断末魔を上げず倒した爽快感に乏しいラスボス」といった感じに理不尽の極み。
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6面までを「難易度は極めて高いが爽快感と緊張感があって楽しい」と支持するプレイヤーも7面に関しては厳しい意見が多い。
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武器のバランスが悪い。
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ダメージ重視の「爆弾」と、範囲攻撃&弾消し用の「鎖鎌」の二つの武器だけで事足りてしまう。「刀」はともかく、「手裏剣」はほぼ死に武器となっている。
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そのうえ、使わない武器を強化すると上記通りランクが上昇してしまい敵が硬くなるという踏んだり蹴ったり状態。
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敵の攻撃判定が不安定
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落ち武者霊や侍、ボスである魔界半蔵等の刀攻撃の判定は明らかに見た目以上に大きいため、ただでさえ回避が難しい攻撃が更に理不尽になっている。
総評
硬派な世界観や、攻撃的な自機を自在に操る破壊ゲーっぷりは魅力であるが、武器選択に関連するやや複雑なシステム、全体的な高難易度+上記の激ムズスポットのせいで本作は厳しくプレイヤーを選ぶ孤高のゲームとなっている。ゲーメスト誌上でのハイスコア集計は、デフォルト設定と敵が軟らかくなっているイージー設定とに分かれて行われていた。
女っ気もゼロで血生臭く硬派な作品となっている。そのイメージは白土三平の忍者モノに近いといわれることがある。
現在はアーケードアーカイブスの配信があり最新機種で気軽にプレイできるようになったため、アクションゲームに自信のあるプレイヤーがチャレンジするにはもってこいな一作と言えるであろう。
余談
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難易度を下げて移植されたPCE版は、日本市場よりも海外市場で人気を博し、当時アメリカで発刊されていたターボグラフィックス16(海外向けPCE)専門誌の人気アンケートにて1位に輝いている。
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海外ではPCエンジン以外にもAmigaやコモドール64等のホビーパソコン向けにも移植されており、本作の人気が窺える。
PCエンジン版
対応機種
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PCエンジン
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メディア
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4MbitHuカード
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発売日
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1990年7月6日
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価格
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7,200円
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プレイ人数
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1~2人(交互)
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判定
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なし
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概要(PCE)
1990年にアイレムより発売。Wii及びWii Uのバーチャルコンソールでも配信されていた(現在はどちらも配信終了)。
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業務用にあった制限時間が撤廃され、アーケード同様一撃死の「アーケードモード」と、ライフ制の「PCエンジンモード」が選択可能。
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業務用OPに登場した無明上人がPCE版には登場しないため、PCE版オリジナルのOPが挿入される。EDは「アーケードモード」の場合、業務用と同じものが流れるが、「PCエンジンモード」は別のものが流れる。
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画像
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左・OP/中央・ACモードED/右8枚PCEモードED
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評価点(PCE)
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理不尽に高すぎる難易度だった原作から理不尽さを削いだ調整
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ライフ制の場合、多少のゴリ押しプレイができるため、防御性能のある鎖鎌よりも攻撃力の高い爆弾のほうが有利となっており、当時のゲーム雑誌においても「まず爆弾を強化しよう」と紹介されていた。
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ただしPCEモードでも、風魔一刀衆や落武者霊・縦穴の忍者など一部の敵は一撃死の攻撃を仕掛けてくるため注意が必要。
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ライフ制の他、3面ボスとの戦闘中に鉄砲兵が登場しない、6面の敵配置が易しめ、7面の毒煙の発生箇所が減少、中ボスの無明上人がいない、縦穴に安全地帯があるなど、全体的に難易度を落とす方向で調整されている。グラフィック以上に大きかった敵の攻撃判定も小さくなっている。
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一方で月影の爆弾や鎖鎌といった強力な武器はほぼそのままなので、「強力な武器で敵軍団を薙ぎ払う」といった爽快感のあるプレイはアーケード版以上に楽しめる。
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サウンドは劣化こそしているが、全体的に再現度は高く、8bit音源となったことにより違った味を出している。
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ゲーム冒頭の父親が惨殺されるシーンやPCEモードのエンディングはちゃんと新曲が用意されており、後者は他の楽曲と雰囲気がガラリと変わってお祭り調の明るい曲となっている。
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特徴的な断末魔はかなり近い形で再現されている。
問題点(PCE)
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ボス戦の難易度が必要以上に簡単になってしまっている。
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道中こそは程よい難易度で爽快感が味わえるものの、ボス戦は爆弾を投げているだけでほぼ瞬殺可能で簡単すぎるきらいがある。
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双斧鬼や魔界半蔵はライフ関係なく一撃死の攻撃を繰り出してくるが、爆弾の前には無力に等しい。
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この時代のアーケードゲームの移植作品によくあることだが、ライフ制と一撃死しかモードの違いがなくプレイボリュームが薄い。
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ステージセレクトは隠し要素扱いで、3面までしか選べない。
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何故か月影の「グワーッ!」という断末魔がカットされている。
総評(PCE)
この時期のアイレムのアーケード作品は際立って難易度が高いものが多かったが、家庭用移植作品では一転、誰でも頑張ればクリア出来るように調整されていた。本作もその例に漏れず、ライフ制の導入や敵配置の調整でかなり遊びやすくなった。
2021年現在、配信が終了して気軽にプレイできないのが惜しいところである。
余談(PCE)
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ゲームセンターCX #112」の有野の挑戦にてPCエンジン版をプレイされた際、無限コンティニューと難所が運で打開出来たこともあって、スタッフの力を借りず過去最短の2時間10分での攻略に成功。このゲームの難しさが、まさかの裏目に出た形となり、スタッフ視聴者共に、嬉しい誤算と言うに相応しい結果であった。
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ちなみに有野課長は刀と手裏剣を主力に立ち回っており、強力な武器である爆弾と鎖鎌をめったに使わずクリアしている。
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タイトルで特定のコマンドを入れるとステージセレクトが可能になる、Mr.HELIの大冒険についての隠しメッセージが表示されるなどの隠し要素がある。
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海外人気が高かったからか、PCエンジンminiにはTG-16版「NINJA SPIRIT」が収録された。
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電源投入時及びタイトル画面のアイレムロゴがなくなっていること以外ほぼ日本版と同様の仕様。
ゲームボーイ版
対応機種
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ゲームボーイ
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メディア
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1MbitROMカートリッジ
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開発元
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BITS
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発売日
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1993年12月18日
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価格
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3,800円
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プレイ人数
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1人
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判定
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なし
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概要(GB)
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1993年にBITS開発で発売。一言で言うと無茶移植であり、非常に画面が見づらい。
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ステージが短すぎる、BGMが二種のみ等、かなり削られている。
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しかし武器は4つあり、分身も2つつく、さらには2重スクロールまで再現するなど、なかなか頑張った移植にはなっている。
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GB版は『パチパラ3D 大海物語2 ~パチプロ風雲録・花 希望と裏切りの学園生活~』の『アイレム名作コレクションVol.1』にも収録されている。
参考文献 月刊PCエンジン・マル勝PCエンジン1990年6月号/PCE版最後の忍道・取扱説明書/月刊ゲーメストvol25-vol27
最終更新:2024年04月10日 14:19