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牧場物語 3つの里の大切な友だち

【ぼくじょうものがたり みっつのさとのたいせつなともだち】

ジャンル ほのぼの生活ゲーム
対応機種 ニンテンドー3DS
メディア 3DSカード
発売元 マーベラス
開発元 トーセ
発売日 2016年6月23日
定価 4,980円(税別)
判定 良作
ポイント 牧場物語シリーズ20周年記念作品
タイトル通り、3つの異なる特徴の里(集落)の登場
会話やイベントも豊富で温かい内容多数
発売直後は強制再起動の不具合も……
牧場物語シリーズ


概要

『牧場物語』シリーズの20周年記念作品であり、シリーズの第28作目。
タイトルの通り、プレイヤーの牧場の他に3つの特徴の異なる里が用意されており、それぞれで特徴あるキャラクターとのコミュニケーションが楽しめる。
大切な友だちというタイトルであるためか、全体的に温かみのあるイベント内容が多く、旧作で見られたような不和等は存在しない。
また、前作同様にマリオシリーズとのコラボを実施(コラボ衣装)している他、『とっとこハム太郎』とのコラボがあり、ペットとしてハム太郎が出現する。

ストーリー

幼いころから、父親の仕事の都合で各地を転々としながら暮らしてきた主人公。
いま住んでいるこの場所も、あと少しで新しい場所へ移り住むことになっています。
むかし訪れたことがある牧場へ想いを募らせていた主人公は、『牧場主になりたい』とずっと夢をみてきたのですが、思い切って両親に相談してみることにしました。
牧場の仕事について知識も経験もない主人公に、はじめ父親は心配しましたが、主人公の熱意に負け、ある提案をします。
『牧場主として暮らす叔父さんのもとで、見込みがあるか判断してもらいなさい。すべてにこたえられるようになったら、牧場主になることを認めよう』
こうして主人公は、牧場主になる夢とともに、叔父さんの暮らすウェスタウンへと旅立つのでした。

(公式サイトより)


特徴

  • 3つの特徴ある里
    • 主人公の牧場の周囲には、特徴や文化の異なる3つの里が存在する。
    • 最初から行くことが可能な「ウェスタウン」は開拓時代のアメリカを思い起こさせる雰囲気となっており、アロエやサボテンなどが生えている。
      • 花の種や花を購入できる「花屋」、体力を全回復出来る「病院」、他の住人や家族に手紙を送れる「郵便局」といった施設が存在する。またイベントを進めると花屋で「花束」や「香水」を作れるようになる。
      • 採鉱口が存在し、ハンマーを手に入れれば採掘が可能。道具の強化等で必要になる鉱石が手に入る。
      • 主人公の叔父であるフランクはもちろん、住人であるヘクターも牧畜をやっており、ゲーム内では動物が過ごしやすい環境であると述べられている。
      • 他の地域と異なり、秋の後半で雪が降り始めるのも特徴的。
    • 2番目に行くことが出来る「ルルココ村」は海に隣接する南国の雰囲気であり、果樹が多い。村の奥には遺跡が存在している。
      • 道具の強化や牧場の改造であるファームサークルを作ることが出来る「何でも屋」が存在する。
      • 外泊可能な施設である「宿屋」もある。
      • この「ルルココ村」では店の営業時間が変則的であり、朝と夜のみ営業し、昼間は休みとなっている。
      • 南国の環境であるためか、冬でも雪はまず降らない。動物は過ごし辛いらしく、農作もほとんど行われていない。
      • 環境が環境だけに、作物は夏に収穫可能な果樹が大半を占め、他の季節で収穫可能な作物はほとんどない。
    • 3番目に行くことが出来る「つゆくさの里」は昔の日本のような雰囲気を醸し出しており、よもぎやたけのこなどが採取出来る。
      • 髪型を変更可能な「髪結い屋」や、温泉に入れる「湯屋」が存在する。
      • 和の雰囲気であるためか、農作が中心となっている。住人の中には水田作物を育てている者も居る。
      • 店の営業時間は朝早くから始まる反面、閉店時間が早いのが特徴。
    • それぞれの里は牧場のすぐ隣のマップである「交差点」から簡単に移動が可能である他、「ウェスタウン・北」と「つゆくさの里・北」、「つゆくさの里・北」と「ルルココ村・北」はマップで繋がっているため、簡単に行き来が可能。
    • 特徴も文化も異なる3つの里であるが、交流が全く無いわけでもなく、むしろ一部の年間行事は共同開催される。
      • それぞれの里の住人は、大抵は自分の住んでいる里の中を行動するが、一部の住人は別の里に出かけたりすることもある。
  • タイプ選択
    • 主人公の性別の他にタイプを1つ選ぶことが出来る。タイプによって若干の違いがあるが、ゲーム難易度が著しく変わるほどのものではない。なお、途中で変更は出来ない。
      • 「動物大好き」……動物やペットの最初の仲良し度がハート1つ分多くなる
      • 「スポーツマン」……最初から体力がハート1つ分多くなる 但し、最終的な体力は他のタイプと同じになる
      • 「釣り人」……最初から釣りが少し得意
      • 「人気者」……最初から全ての住人の友好度と愛情度が高くなる
      • 「お金持ち」……最初から所持金が多い
    • タイプとは別に前作と同様に「しんまいモード」と「ベテランモード」を選択可能。
      • しんまいモードの場合、体力が減りにくくなり、アイテムの販売価格が安くなるというメリットがある。
      • しんまいモードを選んだ場合のデメリットは特にない(セーブファイルに若葉のようなマークが付くだけ)ので、気軽に楽しみたい場合はしんまいモードが推奨される。
  • コミュランク/牧場アドバイス
    • どちらも、プレイを進めていくと出現する所謂「目標」であり、クリアすることで新たな要素が解禁されたり、販売されるアイテムが増えたりする。
      • 前者は3つの里ごとに存在し、里との絆が一定量貯まるごとにコミュロックが発生し、目標がいくつか提示される。
      • 後者はゲームを進行すると3回に分けていくつかの目標が提示されるシステム。こちらについては主人公の父親が提示してくる目標であり、言ってしまえばストーリー目標とでもいうべき課題である。
      • どちらも目標として課されるものの、期限は設定されていないため、期限切れによる失敗はない。
  • 品質の細分化
    • 作物の品質は「色つや」「甘み/香り」「水分量」「サイズ」の4つに細分化された。この4つのパラメータの合計値によって作物の品質が決まる。
      • 甘み/香りのパラメータを高めることで黄金作物が出来上がる場合がある。
      • サイズのパラメータを高めることで巨大作物が出来上がる場合がある。
      • 色つやと水分量は特別な効果はないものの、色つやに関しては作物祭のベテラン以上では、必ずこのパラメータがお題に選ばれる。
      • 花にはサイズのパラメータがなかったり、茶葉には水分量、サイズのパラメータがなかったりする場合もある。
      • いずれのパラメータも対応する肥料を使うことで高めることが出来る。水分量のみ1日に2回水をやることによって徐々に高めることが可能。
      • 旧作の「鮮度」と異なり、一度上昇したパラメータが下がることはないが、作物が台風や大雪の被害に遭うとパラメータが下がる。これによって全てのパラメータが0になると(デフォルトは全て10)作物が枯れる。
    • 動物のパラメータも「仲良し度」「副産物レベル」「毛並」と細分化されている。
  • アルバイト
    • それぞれの里にいる仲介人に話しかけることでアルバイトが可能。アルバイトを達成することでお金がもらえる。
    • アルバイトは大きく分けると3種類であり「出荷」「荷物の配達」「手伝い」の3つである。
      • 出荷はその日の出荷アイテムで特定のアイテムを出荷すれば達成となる。特定のアイテムはミルクなどの副産物や、花、野菜などの作物が指定される。
      • 荷物の配達は、特定のキャラクターに話しかけ、荷物を受け取った上で当日中に指定された相手キャラクターに渡すことで達成となる。
      • 手伝いのアルバイトは受けると即時に現地に移動させられて、簡単な仕事をするというもの。
    • 出荷、荷物の配達については翌日の朝にバイト代が入金されるが、手伝いについては即時入金される。
    • 手伝いのアルバイトのみ何度も同じアルバイトを行うことでバイト代とは別にアイテムがもらえることもある。
      • また、草取りでは肥料の材料として使える雑草を簡単に集めることが可能。
    • なお、「出荷」「荷物の配達」についてはどちらも期限は当日であり、出荷時間を過ぎたり、届ける荷物を受け取る前に店の営業時間が終了したり、配達せずに翌日を迎えたりした場合はアルバイトは失敗となる。
      • 失敗すると、仲介人に怒られるが、それ以外のデメリットはない。
  • 料理によるごはんパワー
    • 料理を食べると、体力回復の効果の他に、「ごはんパワー」といういわゆる補助効果(バフ)が付く場合がある。
      • ごはんパワーが付く料理は決まっており、最初は料理を食べることでごはんパワーが付くかは不明だが、一度食べると判明する。
    • ごはんパワーは以下の8種類存在し、1種類を除き、いずれも一定時間プレイが有利になる。
      • 効果時間中、体力の消費量が減少する
      • 効果時間中、体力が徐々に回復する
      • 効果時間中、プレイヤーの移動速度が上がる
      • 効果時間中、店のアイテムの値段が安くなる
      • 効果時間中、住人との好感度の増加量が増える
      • 効果時間中、釣りで魚が掛かりやすくなる
      • 効果時間中、時間の進行スピードが半分になる
      • 効果時間中、時間の進行スピードが2倍になる
      • ごはんパワーの効果時間は、その料理に使われた材料の個数によって決まる。材料の個数が多い料理ほどごはんパワーの継続時間も長い。
      • それぞれの里に存在する食事屋の料理でもごはんパワーが付くものがある。
  • 住人とのコミュニケーション
    • 従来通り、住人とはコミュニケーションを取ることが出来、それによって友好度(結婚相手の異性の場合は愛情度)が変動する。
    • アイテムを持ち上げて話しかけることで1日に1回アイテムをプレゼントすることが出来る。
      • アイテムの好みはキャラクターごとに設定されている。きらいな物をあげると逆に友好度を下げてしまうことになる。
      • 料理をプレゼントした場合、翌日に御礼を言ってくれる場合もある。
    • 友好度や愛情度を上げることでイベントが発生する場合もある。結婚候補の異性の場合恋愛イベントを進行させることで恋人関係になることも出来る。
      • 更にイベントを進行させれば、最終的には結婚することも出来る。隠し結婚候補の相手を除き、子どもも生まれる。
    • 友好度を高めることで、会話内容が変化する他、相手のごはん時間に一緒にごはんを食べられる「いっしょにごはん」イベントが発生することもある。
      • このいっしょにごはんによってもごはんパワーが付く場合がある。

評価点

コミュニケーション要素

  • 旧作以上に住人とのコミュニケーションが温かくほのぼのとさせられる内容となっている。
    • 概要でも述べられているが、本作の会話は基本的に温かみのある内容が多く、(よそ者である)主人公に対して冷たい態度を取るキャラクターはいない。
      • 結婚候補のフォードや、ウェスタウンのヘクターなど、一見すると冷たい印象を受けるキャラがいないわけではないが決して主人公を厭っているわけではない。
    • 好感度が変化したり時間帯が変化したりすることで会話内容は大きく変わり、用意されている会話のパターン数は多彩。
      • その他、連れているペットや着ている服装によっては、感想等を述べてくれる場合もあり、こちらもかなり多彩。
    • 住人イベントでは、その上でキャラクターについて掘り下げる内容が展開され、しっかりとキャラクターごとの設定が活かされている。
    • 里を発展させるイベントでも、主人公に丸投げではなく、主人公も含めて里のメンバー全員で発展させていくという形式になっているのも好印象といえる。
      • 発展させたイベントの後では、会話で主人公に御礼を言ってくれるのもグッド。
  • 年間行事のイベントでは住人からもプレゼントのお返しをもらえたり、ダンスを踊れたりと楽しみやすくなっている。

高い自由度

  • 本作では旧作と比べると要素の解禁が早めであり、自由度が高い。
    • 1年目の春には出来ることが少なめであるものの、徐々に新要素が解放されていくため、自由度がどんどん上がっていく。
    • 順調に進めば1年目の夏にはメーカー類が作れるようになるため、これを使って高品質の作物を作ったり、動物を中心に飼って酪農に専念したりも出来る。
    • 比較的楽にクリア出来る牧場のアドバイス2をクリアした時点で牧場の3スペースを使うことが出来るようになるため、この時点で全て使って牧場に専念するのも一つ。
    • 一方、里が3つもあるため、住人との好感度を上げることを考えると牧場に専念する時間もあまりない。この辺りは各々のプレイヤーの考えが問われる部分である。
  • 目標を達成する上では、牧場に専念するわけにはいかないものの、先述の通り、目標に期限は存在しないため、目標を後回しにしても構わない。
  • 1年目が終わると、目標の達成によって解放される要素以外のほぼ全ての要素が解禁される。

ペットの種類が増えた

  • ペットは犬、猫、馬の3種類に、カピバラが追加された。また、コラボのペットとしてハム太郎も存在する。
    • 犬、猫については種類がかなり豊富になっており、好みのペットを見つける楽しみもある。
  • 住人の一人であるイナリちゃまに頼むことでペットの内1匹をソウルメイトにすることが可能であり、ソウルメイトにしたペットのみ発生するイベントもある。
  • なお、馬については後述の通り賛否両論。

賛否両論点

品質の複雑化

  • 特徴でも述べられた通り、品質は項目が4つに分かれ複雑化した。
    • それぞれのパラメータを高めるために異なる肥料を用意する必要があるため手間となっている。
    • 季節の作物のように育てられる期間が限られているものの場合、しっかりと計画を立てた上でどのパラメータを高めるかを考える必要がある。
  • もっとも、作物祭や動物祭を意識しないのであれば、作物であれば「色つや」と「水分」、動物であれば「毛並」はほとんど意味が無いパラメータとなっている。
    • 作物のパラメータは品質に、動物の毛並は毛を取れる動物の場合は品質に関わってくるものの優先度は低い。

チュートリアルが長い

  • 最初にゲームを始めてからのチュートリアルが非常に長くなっており、経験者の場合、このチュートリアルだけでダレる恐れもある。
    • 一方で1年目の夏以降に解放される要素の場合、チュートリアルらしきチュートリアルはほとんど無く、自分自身で試行錯誤する必要がある。あくまで最序盤のチュートリアルが長いといえる。
  • もっとも、チュートリアルが長いというのはよく言えば親切ということでもある。
    • 実際、ただただ説明ばかりがなされるわけではなく、一部のチュートリアルでは実際に主人公を操作して操作方法を覚えられる。

主人公に家族が居る

  • 旧作では主人公の家族は基本的に登場しなかったものの、本作では主人公の両親と妹が存在する。
    • 気にしない人もいるかもしれないが、主人公像を自分の中で持っているプレイヤーの場合、この主人公の両親と妹という存在が主人公像を考える上で邪魔と思うケースも。
    • 母親と妹についてはストーリーのイベント中で牧場に泊まりに来るというイベントもあるので、ストーリーの最初で登場し、基本的にその後絡んでこない、というわけにもいかない。
    • ただし、「息子(娘)を心配するあまり反対しつつも影で見守る」父親、「そんな対立する二人をそっと見守る」母親、「兄(姉)を見て、自分自身の道を目指し始める」妹と、家族のストーリーそのものは悪くない。
      そのため、主人公に家族が居ることを気にしない(むしろ、その方が良い)というプレイヤーにとっては気にならない話だし、むしろ評価出来る点でもある。

一部イベントの賞品のコンプリートが厳しい

  • 年間行事によっては優勝することでそこでしか手に入らないアイテム(レシピや服など)が入手出来る場合があるが、その一部のコンプリートが非常に大変。
  • コンプリートが厳しいイベントとされるのが「ペットショー」と「ゲーム大会」である。
    • ペットショーは1年に1回の開催であるが、初年度は開催されず、2年目からの開催。固有の賞品が入手出来るベテランランク以上に参加出来るのが3年目からなのだが、固有報酬は13種類。最短でも15年目まではコンプリート出来ない。
      • ペットショーのお題は仲良し度のみであるが、ベテラン以上は種類の指定がある。その上、動物と異なり、普段からしっかりとお世話をしないと仲良し度が上がりづらい。
      • もっとも、最高ランクのレジェンド部門であっても、種類指定を無視しても仲良し度が最大であればペットレベル次第では十分優勝も見えるが。
    • ゲーム大会は1年に2回の開催であるが、住人とランダムでチームを組み、チームを組んだ上でチームとして優勝しないと固有の賞品がもらえない(個人賞もあるが、個人賞は汎用の景品)。こちらは固有の賞品が全部で30種類あるため、やはりコンプリートには15年掛かる。
      • 主催の里がローテーションで変化するが、その里ごとに景品が決まっている。その為、例えば釣り大会(ルルココ村主催)で優勝を逃した場合、次に釣り大会の賞品が入手出来るチャンスはおよそ1年半後となる。
      • 自分が良い成績を収めても、最終的に優勝出来るかどうかは運の要素が絡む。どうしても勝ちたいなら事前のセーブは必須だろう。
  • 一応、固有の賞品については一度入手したものを再入手(所謂ダブり)するということはないのが唯一の救いではある。

馬の存在意義が微妙

  • 馬は騎乗することが出来るペットであり、素早く移動することが出来ることがメリットであるものの、以下の理由からあまり有用とは言えない。
    • ごはんパワーとして移動速度の増加がある。確かに馬の方が早いものの、自由に移動出来るメリットがあることや、移動速度の増加のごはんパワーの付けやすさを考えれば馬と比べて劣っているとは言いがたい。
    • 1年目冬以降は各マップの看板を調べることで「お金は必要だが、別の里や牧場まで一瞬で移動出来る」ようになる。必要なお金はコミュランクによって変わるが、それでも非常に安価である。
    • アルバイトの「お手伝い」系を受けることで、相手の場所まで一瞬で移動出来る(但しお手伝いをした時点でゲーム内で30分経過するが)。
    • 馬から降りた後、馬は普通のペットと同様に周囲を動き回るため、ちょっと離れると見失ってしまい、探すのに時間が掛かる可能性がある。
    • 本作のイベントはマップ移動によって発生することが多いが、馬に乗った状態でマップ移動した場合は発生しない。結果としてイベントを見逃すことが増える。
      • 本作ではイベントの数が多く、発生条件が厳しいものも多いため、馬に乗って移動することでイベントがどんどん貯まってしまうことになりかねない。
  • このようにデメリットがある上、他の移動手段も豊富な中で、馬を50000Gかけて購入する必要があるか、というと微妙なところ。
    • 馬はペットショーで利用不可。お手伝いもしてくれないため、他のペットのような扱いも出来ない。
    • 但し一度購入した後はペット同様に死ぬことはなく、エサ箱はあるものの、エサを与えなくとも問題は無いため、居て困る、ということはない。

問題点

致命的なバグが多かった

  • 発売当時は、ゲームの進行が停止する、再起動されるといった致命的なバグが数多く報告されていた。
    • 原因が不明なものも多いため、適宜セーブを取ることが推奨されるほどである。
    • パッチにより発生頻度は減った模様だが、完全に駆逐されているわけではない。
  • 一度の動物祭や作物祭に複数回参加出来る有益(ただし、ゲーム内の開催回数と参加回数が整合しなくなってしまうが)なバグも存在したが、こちらも修正済みである。

広範囲の道具の範囲が確認しづらい

  • クワやじょうろは効果範囲を強化することで一度に利用出来る範囲を増やすことが出来るが、3×3や5×5になると範囲を確認しづらくなる。
    • 3×3や5×5といっても、現実には、向いている方向などで必ずしも、縦○マス×横○マスといった綺麗な範囲になるとは限らない。確認出来ない部分に正しく効果が及んでいない場合もありうる。
      • 特に5×5になると画面内での確認はかなり難しくなる。

放牧時に動物が入り口付近に引っかかりやすい

  • ウシやヒツジなどのように放牧時に主人公が押して小屋から出す必要がある動物の場合、入り口付近に引っかかりやすい。
    • 入り口の左にはテーブルがある上、入り口そのものがかなり狭いため、下手すると結構なタイムロスになる場合もある。

地形カスタマイズの劣化

  • 『はじまりの大地』から登場している牧場などのカスタマイズであるが、本作では、牧場のみのカスタマイズに留まっている。
    • 旧作では街のカスタマイズが出来たが本作では里のカスタマイズはできない。しかしながら里の作り込みはしっかりとなされており、イベントによる里の発展もあるため単純な劣化とは言いがたい。
  • カスタマイズのパーツであるファームサークルは、種類によっては特殊効果(パワーサークル)があったり、特定の組み合わせで特殊効果を発動するコンボがあったりする。
    • しかしながら、パワーサークルについては設置するまで効果は分からず(つまり、作成する段階では効果が分からない)、コンボもヒントはあれど何が必要かの答えは成立させるまでは不明。
    • ファームサークルは鉱石などの貴重なアイテムが必要になることも多い上に、種類が非常に多いため、事前に効果が分からいのは非常に不便である。
      • 鉱石などは道具の強化の際にも必要になるため、必然的に効果が分かりやすい道具の強化に優先的に使われやすい。結果としてエンディングまで(畑やメーカーなどを除く)ファームサークルを一度も使わないといったことも起きがち。
  • 本作ではファームサークルの作成はルルココ村の何でも屋を使う必要がある。
    • 設置は牧場でいつでも行うことが出来るが、旧作ではパーツの作成も自宅で行うことが出来たため、手間が増えている。
    • 何でも屋には営業時間がある上、木曜日と日曜日は定休日、そしてルルココ村でお祭りがあった場合も利用不可となるため、作成したいと思った時に店が休みという事態も起きやすい。
      • 更にいうなら、何でも屋で頻繁に必要になる素材(木材や鉱石)を店で買う場合、(ルルココ村から最も遠い)ウェスタウンの資材屋を利用することになる。この移動もかなり煩わしい。
    • 地形カスタマイズとは無関係だが、釣竿に餌を付けるのも、この何でも屋の仕事である。これだけ様々な役割を担っているにも拘わらず定休日があるというのは地味にストレスになる。

季節限定販売のアイテムがある

  • 作物や、その種は一定条件を満たすことで販売されるが、基本的にはその作物が育つ季節(例としてラディッシュは春)にしか販売されない。
    • 基本的に、季節外の作物は植えることが出来ず、季節が変わった際には枯れてしまうので問題ないように思えるが、ゲームをある程度進めると、季節に関係なく作物を育てられる場所が出来るため、こうなると不便。
  • コミュランクを上げる為の目標では、普通に季節限定の作物などを要求される場合がある。季節が過ぎてしまっていた場合、最悪ゲーム内で1年という時間待つ羽目になることもある。
    • そもそも、基本的にはスローペースなゲームであるため、ゲーム内で1年経過させようとすると何十時間といった時間が必要になってくる。目標そのものの時間制限はないにしても、このタイムロスはかなりのものである。
    • 基本的にコミュランクA以上の課題には季節限定の作物の要求がある。また、牧場アドバイスクリアに必要ならコミュランクBの目標で要求されるアイテムにも一つ季節限定のものが含まれる。
      • おおよそ、普通にプレイすれば、この目標が出る時の季節が要求されるアイテムと一致するのはせめてもの救いだが、ゆっくりプレイした場合などは目標が出た時にはその季節を過ぎてしまっていることもある。
  • 作物に限らず、料理に必要なアイテムの一部も季節限定。
    • 例えば「氷」はかき氷などの料理を作る際に必要だが、販売時期は冬限定となっている。他の入手手段がないため、注意が必要。

その他の細かい不親切な点

  • 本作ではアイテムは品質ごとに複数個に分けてアイテムを持つことが出来るが、これらのアイテムをまとめることが可能。
    • まとめることでまとめたアイテムの品質は平均化される。
    • 任意でアイテムをまとめる「えらんでまとめる」と「ぜんぶまとめる」があるが、「えらんでまとめる」には確認画面があるのに対して「ぜんぶまとめる」には確認画面がない。
      • まとめた場合、巨大作物とそれ以外だろうと、品質の差が著しかろうと、問答無用でまとめられてしまう。特に収納箱など大量にアイテムを保管している場所で誤操作してしまうと目も当てられないことになる。
      • えらんでまとめる方には確認画面があるのに、ぜんぶまとめる方に確認画面がないのは不親切だろう。余談であるが、まとめる画面の最初の選択肢もぜんぶまとめるである。
  • アイテムを持ち上げている状態でAボタンで話しかけるとアイテムをプレゼント出来るが、それ以外の場合、Aボタンを押すと、アイテムを投げてしまう。
    • 問題となるのは水辺付近でアイテムをプレゼントしようとして放り投げてしまう場合である。本作では、アイテムを水辺に投げ込んだ場合、アイテムを捨てた扱いとなり、アイテムは消滅し、更に住人全員の好感度、愛情度が大幅に下がる
      • マルコやハルバなど釣りをすることが多いキャラクター相手にプレゼントをしようとするとこのような事態になりがち。プレゼント出来る判定は結構シビアなのでかなり用心してアイテムを渡すことが求められる。
      • それ以外でも歩いている最中のキャラクターにプレゼントを渡す場合にも注意が必要である。

総評

コミュニケーション要素を中心に進化を遂げた牧場物語シリーズであり、これまでの作品同様の自由度の高さと奥深さを兼ね備えつつ人との触れ合いや異なる三つの里による温かい物語を展開している。
スローペースな中で遊んでいくことになるため、人を選ぶ一面は否定することが出来ないが、そんなスローペースな中でも様々な発見やプレイスタイルを見出すことが出来る作品となっている。
物語にはシリアスさはほとんど無く、あくまでほのぼのとした雰囲気で進んでいくため、気を張ることなくプレイすることが出来る。
ウリとなっているコミュニケーション要素は、会話のパターン数もかなり多く、雰囲気作りに一役買っている。
不具合や、細かい不満点はないわけではないが、20周年という節目に相応しい良作である。

最終更新:2021年05月25日 01:07