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サイコブレイク

【さいこぶれいく】

ジャンル サバイバルホラー



対応機種 プレイステーション4
プレイステーション3
Xbox One
Xbox 360
Windows 7~8.1 (Steam)
Windows 10 (Microsoft Store)
発売元 Bethesda Softworks
開発元 Tango Gameworks
発売日 2014年10月23日
【Win(MS Store)】⁠2021年3月12日
定価(税別) 【PS4/One】7,300円
【PS3/360】5,800円
レーティング CERO:D(17才以上対象)
備考 予約特典として表現をCERO:Z相当へと
引き上げる「ゴアモードDLC」もしくは
「ファイティングチャンスパック」付属
判定 なし
ポイント 大味な戦闘と難解なストーリー
巨大レターボックスの存在(後に改善)
購入者を失望させたゴアモードDLC


概要

カプコンを離れた『バイオハザード』の生みの親である三上真司氏が、Zenimax Media傘下にて興したデベロッパー「Tango Gameworks」によるTPS視点のサバイバルホラーゲーム。海外でのタイトル(原題)は『The Evil Within』となっている*1
「サバイバルホラーへの原点回帰」を謳い、「国産初のAAAタイトル」「500万以上のセールスに見合う内容を持ったゲーム」などの自信満々な発言、発売前の宣伝などのビジュアルや実写PVで注目を集め、期待されると同時に不安視もされていた*2


ストーリー(公式サイトより引用)

刑事セバスチャンと相棒のジョセフとキッドは、ある精神病院で起こった凄惨な大量死亡事件の現場に急行する。
他の警察官が次々と殺害されていくのを目撃したその時、セバスチャンは背後から何者かに襲われ、意識を失ってしまう。

目覚めるとそこは、現実と虚構が入り乱れ、得体の知れない化物が徘徊し、常に死と隣り合わせの狂気の世界だった。
セバスチャンは戦いながらも状況を理解していく。彼はいったいどこに迷い込んでしまったのか?

想像を絶する恐怖に直面し、生き延びるために戦う……セバスチャンは自らを狂気の世界へと陥れた強大な力の影に潜む謎を解き明かすため、恐怖に満ち溢れた旅に出るのだった。


キャラクター

  • セバスチャン・カステヤノス
    • 本作の主人公。刑事。ビーコン精神病院で起こった事件の調査中に怪現象に巻き込まれる。過去に火災で娘を亡くし、その事件が原因で妻が失踪したことから、火事に対して大きなトラウマを持っている。
  • ジョセフ・オダ
    • セバスチャンの相棒の刑事。格闘戦、スナイパーライフルによる狙撃、ピッキング、爆弾処理と多彩な能力を持つ。
    • また、かなり視力の悪さと愛着から、眼鏡がないと何もできない。セバスチャン同様精神病院の怪現象に巻き込まれる。
  • ジュリ・キッドマン
    • セバスチャンたちのところへ配属された新米女性刑事。愛称はキッド。セバスチャンたち同様怪現象に巻き込まれるが、そこまで動じてない様子。
    • DLC「THE ASSIGNMENT」「THE CONSEQUENCE」では主人公を務める。
  • レスリー・ウィザース
    • ビーコン精神病院に入院していた患者。過去に両親を失ったトラウマから情緒不安定でコミュニケーション能力に難がある。院内における数少ない生存者であり、一部チャプターでは彼の保護が目的になる。
  • マルセロ・ヒメネス
    • ビーコン精神病院の医局長であり、院内の生存者。レスリーの保護を第一としており、そのために自分の身を挺する。事件の原因やルヴィクについて知っている様子。
  • ルヴィク
    • フードコートを被った男。時折セバスチャンの前に現れては別の空間に飛ばしたり、意味深な発言をして消える。本作の鍵となる存在。

特徴

  • 能力強化
    • セバスチャンのステータスはセーブルームに設置してある拘束椅子に座り、道中で手に入るグリーンジェルを消費することで強化/補正できる。
      • 具体的には身体パラメーター(HP・ダッシュの持続時間など)、武器性能(威力・リロード時間など)、アイテムストック(各種弾丸・回復薬など)、アガニボルト(後述)の各種弾頭強化の4カテゴリ。
    • グリーンジェルは1周目で全てのステータスを上げきる量は回収できない。
      • 優先して強化すべきステータスにうまく配分しないと厳しいが、ギリギリクリアできるようバランスが保たれている。
  • トラップ、ステージギミック
    • 本作では道中に様々な罠が設置されていたり、ステージごとに特色のある仕掛けが用意されている。
    • 中にはセバスチャンを即死させる凶悪なものもあるが、活用すればアイテム消費を抑えて敵を仕留めることもできる。
    • また、設置されたトラップは解体が可能で、成功すればトラップパーツを入手できる。
    • ワイヤートラップは引っ掛かると他の仕掛けを起動させる。壁に貼り付いた爆薬を起爆させるものが多いが、後述するステージギミックと連動しているものもある。
      • ワイヤーの端でボタン入力すれば解除できるが、ワイヤー爆弾の場合は解除した後でも爆薬そのものを射撃すれば起爆できる。もちろんワイヤーを外さず敵を突っ込ませて爆破する事も出来る。
    • 設置爆弾は主に壁に取り付けられたトラップで、ステルス状態を維持せず近付くと感知して、距離を取ったりステルス状態になってタイマーリセットしないと爆発する。
    • 近づいてボタン入力すれば解体画面に移行し、タイマーの針が一周する前にセーフゾーンで針を止めれば起爆解除できるが、そこで失敗すれば至近距離で爆発ダメージを受ける。
      • 解体が成功した後にボタン入力で爆弾の回収が可能だが、その場合はワイヤー爆弾とは違いトラップパーツ入手後に活用する事は出来ない。
    • 解体前・後どちらの場合でも瓶を投げつけたり射撃で撃ち抜いて起爆できるので、パーツ入手目的ではない場合はリスクのある解体操作をせず敵への攻撃に使うという手もある。
    • トラバサミは引っ掛かれば小さいダメージとともに数秒間足止めされる。
      • こちらもステルス状態で近付けば解体できるが、誘導させれば敵も引っ掛かるので、その隙を狙ってマッチで焼き殺す事も出来る。
    • 最初から設置されているもののほか、ボス敵の「キーパー」がばら撒く有刺鉄線で拘束するタイプのトラップもある。
      • こちらはトラバサミとは違い解除に時間がかかるうえ、引っ掛かった最中に近付かれれば即死攻撃の危険もある。
    • 戦闘中は無理に回収しようとせず避けるか撃って無力化するのが望ましい。
      • だが、キーパーが真上に乗った瞬間にトラップを撃てばキーパーの方が拘束されるので、状況に応じて反撃に転じる事も出来る。
    • ステージギミックの方も、レバー・ワイヤーで起動する床から飛び出るトゲやハープーン発射器、高速で落ちてきて全てを圧し潰す吊り天井、果ては円形広間の中央に鎮座して人間の首の高さで周回する巨大刃など多岐にわたる。
  • ステルス要素
    • 要所要所でステルスアクションを要求され、上手く立ち回れば厄介な敵も難なくやり過ごせる。何度もトライして達成感を得る快感は、やはり昔ながらのゲームという感覚がある。
      • ボタン入力でその場にしゃがみ込む「ステルス」状態となり、地形や障害物の陰に隠れやすくなるほか、接地爆弾の感知から逃れる効果もある。
    • その姿勢のまま足音が発生しない「ステルス移動」も可能で、すぐ後ろまで近づいても敵に気付かれない。
    • 死んだふりをした敵に対しても、ステルス移動で接近して起き上がる前に後述のマッチをすぐに使えば簡単に無力化出来る。
      • また、最序盤で拾うランタンの明かりでも敵からの見つかりやすさに差があり、当然ランタンを点けている方が遠くの敵に気付かれやすくなる*3
      • 敵に見つかった場合も、クローゼットの中やベッドの下といった特定の隠密ポイントに隠れることで、敵の追跡をかわす事も出来る。
      • ただし、さすがに隠れる瞬間を見られていれば、外へ引きずり出されたり一部のボスから直接即死攻撃を喰らったりするので過信は禁物。
    • 判定自体がない敵もいるが、大抵の雑魚や一部のボスには気付かれずに近づいてからのスニークキル*4が可能。マッチでの焼却と並び、雑魚処理の場面で弾薬やトラップツールを節約できる。
      • 隙が少なく背後を取るのが難しい敵がいる場合も、投げた瓶の割れる音で誘導したり直接顔面に投げ当てて怯ませたり、後述のフラッシュボルトで無理矢理隙を作ることもできる。
      • ただし、あくまで単体の敵を密かに仕留めるアクションなので、複数の敵が密集した状態で強引に狙っていくのはかえって危険。
  • 本作独特のアイテム・武器。
    • マッチ
      • 死体に藁のブロックといった特定オブジェクトを燃やしたり、転倒させたりスニーキングで近づき「死んだふり」をしているホーンテッド(人型の雑魚)を焼き殺すことができる。
      • 通常、雑魚を一体倒すだけでも銃弾をかなり消費してしまうが、これを使えば大幅に節約できる。
    • アガニクロスボウ
      • 専用の弾頭「アガニボルト」を射出するボウガン。道中で手に入るトラップパーツから各種弾頭を作成できる。いずれの弾頭も強力で、この武器を上手く使いこなせるかどうかが攻略の鍵になる。
      • 全部で7種類(うち2種類は予約特典)あり、それぞれに特殊効果が備わっている。
        ・ハープーンボルト:ダウン・吹き飛ばし性能を持ち、一発の火力がショットガンより高い。
        ・フラッシュボルト:一定時間敵の攻撃と視覚を封じてスニークキルを可能にする。
        ・マインボルト:センサーで起動し接近した敵に反応して大爆発を起こす。
        ・ショックボルト:敵を感電させしびれさせて足止めする。ボスにも有効。
        ・フリーズボルト:敵を凍らせ足止めする。ホーンテッドクラスなら一撃で倒せる。
        ・インセンディアリボルト:予約特典。ボルトの周囲から炎を噴射させダメージを与える。
        ・ポイズンボルト:予約特典。毒餌を設置して食べた敵を時間差で毒殺する。
      • いずれも、他の拳銃やショットガンなどと違い射出時に音を出さない他、一部のボルトはあらかじめ設置することでトラップとして利用できるので、敵から隠れながらの戦闘にも向く。効率良く戦略を組み立てれば楽にチャプターをクリアできる。

評価点

チャプターの始めから難易度を下げてやり直せる

  • 後半につれて高くなる難易度についていけないと判断した場合は、素直に難易度を落として続行できる。ありそうでなかった、なかなか優秀な要素である。
    • その代わり難易度を上げて挑戦ということはできないが、この仕様はあくまで救済措置なので当然である。

武器を取り損ねた後の手厚いフォロー

  • 実例として、チャプター3でショットガンとアガニクロスボウの回収を忘れてしまった場合、チャプター4の道中で両方を改めて入手する機会が用意されている。
    • ここ以外にもチャプター6冒頭までは再入手ポイントが用意されているため、クリアまでに1度も見つけられずに進んでしまったということはそうそう起こらないだろう。

やり込み要素

  • おおよその状況はストーリー中でも把握はできるが、本編で語られなかった部分を補完するアイテムが多数用意されている。
  • それとは別に攻略の大きな補助となる収集要素もあるため、やりがいがある。
    • アーカイブス:新聞記事やセバスチャンの警察手帳など、事件の背景やサイドストーリーを補完できる。比較的見つけやすい場所にあるため収集は難しくない。
    • ロッカーの鍵:宝箱やステージに隠された女神像を破壊することで1つ(低確率で2つ)入手できる。セーブポイントにあるロッカーをどれか1つ開けることで弾薬やグリーンジェルなどを補充できる。ロッカーを開いた回数により確定でグリーンジェルが出るタイミングもあるが、基本的にセーブ&ロードでの厳選も可能。
    • 地図の断片:少々見つけにくい場所にあるが、クリア特典として強力な武器を入手できる。もちろん使わなくてもクリアは可能。
  • ただし、これらやりこみとしての評価点が、シナリオ上の問題点と表裏一体であることが看過できない部分なのだが…。

強烈なビジュアル

  • 人を選ぶ点でもあるが、ステージやクリーチャーのデザインは「ラスボスの過去の体験から生まれた」という設定に非常にマッチしている。
    • 特にクリーチャーの造形はラスボスの記憶・感情から発露したもの、被験者とラスボスの精神がシンクロして変異したもの、被験者がラスボスの手を介さず独自に怪物化したものなど多種多様。

賛否両論点

オリジナリティが薄い

  • 恐怖演出そのものは確かに及第点だが、その演出も「過去の映画・ゲームで見たことがある演出や描写」が大半を占めている。雰囲気作りに必要な血と肉塊、鉄錆といったような演出も特に目新しいといえる程ではない。
    • 特にデザイン・設定面では『SILENT HILL』シリーズ、システム面では『The Last of Us』との類似点が非常に多く、知っていると二番煎じ感が非常に強い。
    • 『バイオハザード』を意識した要素も多い。
      • 冒頭のホーンテッド振り返りシーンや決められた条件で戦うラスボス戦など、前述の既視感のある演出を含め大きく賛否は分かれる。
      • 同氏が現在の環境で『バイオハザード』を作ったらこうなったと思えば納得いくかもしれない。
      • また、かつてインタビューの中で三上氏が「『バイオハザード』との決別」を語っていたこともあり、「結局『バイオハザード』への未練たらたら」という意味での批判も見られる。
    • これらを「昔ながら」とするか「古臭い」とするかで評価が分かれる。少なくとも、新機軸としてサバイバルホラーでの立ち位置を見出せたかというとこれは否だろう。

問題点

全容の把握が難解なストーリー

  • 新聞記事や手記を集めたり、クリア後に解禁されるフィギュアコレクションの解説を見てストーリーの大筋は把握できる。だが本編を1周クリアしただけでは、全容の把握やエンディングの理解は困難を極める。
    • 理由の1つとして、場面転換がぶつ切りで行われる事が多い点が挙げられる。
      • 本作の舞台設定はいわゆる精神世界であるためか、話が進むとそのステージとは何の脈絡もない別の場所に飛ばされ、訳のわからないまままた一から手掛かりを追っていくことになる。
      • これが1つのチャプター内でコロコロ場面転換するのはもちろん、チャプターが変わるとまた全く違う場面から始まる箇所も少なくないため、終盤までことあるごとに現在の状況が分からなくなってくる。
      • 中盤にてジョセフがクラシックな教会と機械設備が両立している事に触れ「複数の人間の頭の中を混ぜ合わせたよう」と評したり、ヒメネス医師とのやり取りでセバスチャンが「ここはイカれた男の頭の中」と理解するなど、
      • 設定の説明を収集要素にのみ丸投げしてる訳ではないが、単純な説明量で見ればまだ不十分といえる。
    • また、真相の把握にはキッド編のDLCをやる必要があるのも難点。本編中のキッドの行動とDLC内での実際のキッドの行動が異なるなど、本編で手に入る情報からでは推察できないため、DLCのプレイは必須となってくる。
  • この問題点のまずい所は、「敢えて直接的描写を控えめにしプレイヤーに考察させる余地・楽しみをちりばめる」ストーリー構成を意識しながら、本編での描写を省きすぎているためにその構成が成立していない点にある。
    • しかもセバスチャンが無反応すぎる=まるで何もおかしくないかのように描写されるため、考察する前に違和感が強く前に出てきてしまう。
  • 簡単に言ってしまえば「考察の余地を残すことと、ただの描写不足をはき違えている」ということになる。
    • 本作によくある擁護意見として「何回か周回してアーカイブスを収集すればストーリーも分かるようになる」というものがあるが、これらに記載されているものは「ストーリー上把握しなければいけないこと」も多数含まれている。
    • 本来そうした隠し要素は「より深く作品を知るため」の物であり、説明不足に対する免罪符にはなり得ない。「やり込むとさらに味が出る」のと、「やり込まないと理解できない」というのは明らかに違うのである。
    • 上記のキッド編をクリア後の追加シナリオとして収録しておくか、DLCとして売るにしても本編の5~6ヶ月後と言わず同時発売しておけば、シナリオへの評価がここまで下がることはなかったと思われる。
+ さらに突っ込むなら
  • メインの登場人物たちは人の精神に入り込む装置にずっと繋がれ眠っていただけ、つまり本作のストーリーは仮想空間内での出来事であったことがエンディングで判明する。
    • 言ってしまえば、ひたすら前振りを引き延ばしたのが本作のシナリオであり、極端な言い方をすると「物語を追うだけなら続編の『2』を遊ぶだけで充分」ということになる*5
    • 単体のゲームとしての出来もあちらの方が良いというのがなんとも皮肉な話である。

不自然な演出・無理のある展開

  • 下記はその一例。人によってはこれ以外にも十分違和感を覚えるような描写がある。
    • ステルスキルにはナイフを使うが、近接攻撃はナイフを使わずに銃器や素手で殴る。
      • 銃器からわざわざナイフに持ち替えるより、銃器でそのまま殴ったほうが早いからと解釈出来るが、装備の中にナイフがないのはやはり違和感がある。
      • ボタン操作で銃をしまってからも素手で殴り、頑なにナイフを使わないのでなおさら不可解に見える。
    • 主人公は自前の自動拳銃ではなく、序盤で入手する装弾数の少ないリボルバーを使い続ける。
      • 一部のカットシーンでは何故か自動拳銃を使用するので、どうしても違和感がある。
    • ホーンテッド系の敵をマッチで直接焼いたり、炎上するオブジェクトに接触させた際に一瞬で火だるまになる。
      • 全身へ燃え広がるといった中間描写もなく0フレームで全身が燃えるので、見せ方としては不自然さが目立つ。
      • また、敵の火への耐性の低さは「火にトラウマを持つラスボスの精神世界」という舞台設定が関係しているとはいえ、マッチ1本落とされただけでガソリン塗れであるかの様に燃えるのも大味である。
    • 主人公はどんな状況に陥っても即座に順応して行動を始める。疑問を持ったり驚いたりする描写はほとんどない。プレイヤーが疑問に思うことをことごとくスルーするため、感情移入し辛い。
      • 例えば最序盤。「精神病院の大量殺人現場でフードの男に襲われて意識を失い、気付いたら血まみれの廃墟で逆さ吊り」という異常な状況にもかかわらず冷静に活動を開始する。
      • このエリアからエレベーターで抜け出す道中で足に怪我を負うが、エレベーターを降りた時点で何故か服ごと治っていることについても、何ら疑問を持たない。
      • とりわけ不自然なのが、正気を失ったセバスチャンをキッドが撃って「汚染されてる」と意味深な発言をして立ち去るシーン。
      • 当然プレイヤーは疑問に思うが、再会した時は(レスリーを巡って切羽詰まっていたとはいえ)セバスチャンは華麗にスルーしてしまう。
      • ラスボス直前では「自分を撃ってジョセフを殺したお前は信用できない」と、撃たれたことは取り上げられるが、汚染発言は最後まで掘り下げられない。
      • チャプター2のモブや随所でのジョセフの異変、キッドに撃たれる直前のセバスチャンの様子も含めれば、汚染が何を指すかは分からなくもないが、やはりもっと丁寧に描写してほしいところである。
    • ラスボスに対抗するための「ロケットランチャー」の入手経緯も「壁に磔にされて動けない時に、偶然落ちてきた死体が偶然持っていたものを使用する」とかなり強引。
      • そこまでして『バイオハザード』と同じ手順を踏む必要はあったのだろうか?

即死要素多数の死に覚えゲー

  • 本作には、ステージ中に即死/大ダメージを負う罠や敵が至る所に、しかも大量にちりばめられており、慣れない内…というよりも、把握していない内はとにかく死にまくる。
    • 大抵は直前にチェックポイントが入るものの後述の通り本作はロード時間が長く、こうしたトライ&エラーはストレスが溜まる。
    • 特に中ボス戦ではほぼ全員が即死攻撃を持っている為、慣れない内は何度も死ぬ。
    • 最高難易度「悪夢―AKUMU―」では、ハードモード「ナイトメア」と同様の敵&罠配置・敵の強さとなるが、追加仕様としてあらゆるダメージで即死する*6
    • 難易度ナイトメア準拠なので予習自体は可能ながら、1発の被弾による事故死率はナイトメアの比ではなく、極端な回数*7のトライ&エラーを要求される。この辺りはエンドコンテンツ的な立ち位置とはいえ、よりストレスが溜まりやすい。
    • 何より問題なのは、狭く周囲が見えにくい視界(後述)のせいで、死角からの攻撃により死にやすいこと。
      • 当然プレイヤー側のスキルや不注意ではなく、開発側の意図した調整により死にやすくなっているため、この点もまたプレイヤーがストレスを感じる要因の1つである。
    • 被ダメージ時の無敵時間が無いため、のけぞったりダウンから起き上がる途中でも攻撃を受ければ容赦なく体力は減っていく。
      • 「ほぼ同時に複数の敵から攻撃を食らって大ダメージないし即死」「掴み攻撃を受けている最中に、すでに攻撃動作を始めていた他の敵の攻撃を食らって死亡」という事態に陥る事がある。
      • 「敵たちの攻撃で延々と怯み続けてハメ殺される」「首締めで拘束されている最中でも周囲の攻撃の手が全く緩まない」などの、理不尽な挙動こそないがダメージはかさみがち。
      • 特に、さほど広くない一室で多数のホーンテッドを相手取るチャプター6で起こりやすい。
    • これらの要素を凝縮したのがチャプター7のキーパー戦。毒ガスで制限時間が設けられ、金庫の数だけ復活を続けるキーパーを尻目に、ガスの仕掛けを解除して進む必要がある。
    • キーパー自体もかなりの強敵で、ばら撒くトラバサミに引っ掛かってる時限定の即死攻撃も仕掛けてくる。
    • やり直すと、長いロードの上にスキップ不可のムービーまで戻されることも伴い、多くのプレイヤーが苦しめられた。
    • 初プレイでは無策で進んでリトライを重ねるより、リトライ前提で割り切って進んで敵・罠配置を覚えながら死に、覚えたら本腰を入れて攻略したほうが難易度的にも精神的にも楽…という結論に至るため、死にやすさが折角の恐怖演出や緊張感を殺してしまっている。
    • もちろん、「リトライ前提の死にゲー」という仕様・ゲーム性自体は、一概に問題点と言えるものではない。
      しかし本作の場合、「覚え死にゲー」を面白さに昇華し切れておらず、様々な面で理不尽さ・ストレスを感じさせる内容になってしまっていることが問題なのである。

強制戦闘の多さ

  • 一定数を倒さなければならないというシチュエーションは勿論だが、強制ではないが中ボス戦などでうまく立ちまわるために、実質的に雑魚との戦闘を強制されているケースが多い。
    • 例えば、チャプター3のボスは下手に挑むと弾切れしてしまうので、節約するためにエリア内のトラップを使用する必要がある。
    • 中ボスとの戦闘に集中するには、そのエリアをスムーズに移動するために雑魚敵を一掃する必要がある。
    • 総じて、楽にクリアするためには「逃げながら節約しつつ進んで行く」のではなく「倒しながら進んで行く」スタイルが主流になりがちであり、「サバイバルホラー」というジャンルには首をかしげるかもしれない。もちろん、相手にせず逃げるという選択肢もあるが、難易度は跳ね上がる。
    • 実のところ、本作では各銃種のなかで所持数の少ない弾薬がドロップしやすいという『バイオハザード4』と同様の仕様があり、弾薬が固定設置された箇所も少なくない。
    • その上でマッチやスニークキルにトラップといった、弾薬消費を抑える攻撃手段も豊富な点を鑑みれば、本作の推奨スタイルは「状況に合わせて手元やマップ上のリソースをフル活用して敵を倒して進む」と考えた方が適切だろう。
      • 公式サイトではゲームの特徴として、しゃがみやスニークキルを真っ先に紹介し、その次は「少ない弾薬の節約」と称してマッチの説明をするなど、いかにも「隠れながら隙を突いたり、マッチでうまく焼却することが本作のミソ」であるかの様に語られるため、ここから開発側とプレイヤー側の認識の齟齬が生まれたと考えられる。

多種多様な武器を使いこなす敵

  • 松明や刃物等の原始的な武器ならばともかく、銃器に手榴弾やロケラン(ボスのみ)と多種多様な火器を使いこなしてくる上、命中精度も高い。さらに、リロードや射撃間隔こそあれど弾数無限でバカスカ撃ってくる。
    • 銃器で武装した敵が恐怖感を殺しているのも非常に難点。これは近作の『バイオハザード』でも見られる傾向であり、別路線を狙っていながらも、結局同じゲームデザインに終わっているという点での批判も多い。

両極端な武器・アイテムの性能

  • 近接攻撃は無強化だと、最初に相対する同僚警官ホーンテッドは17回殴らないと倒せないほど弱い。ハンドガンの射撃よりも雑魚敵を怯ませやすいという長所もあるにはあるが、基本的には接近してきた敵から離れるための護身手段となる。
    • 慣れればホーンテッドをタイマンで殴り殺すこともできるがリターンは薄く、上記の護身以外だと手近な木箱を壊してアイテムを探すくらいしか用途がない。
  • 一般的なTPSで最も使うであろうハンドガンは、足止め程度しかできない上に後述の通り手ブレや弾道ブレが酷すぎるので、装備が充実するとほとんど使わなくなる。
    • 一応、「命中率」と「クリティカル(=ヘッドショット時の即死確率)」を優先的に強化すれば、ホーンテッド相手には使えるが、後述の武器を改造した方が遥かに役立つため結局微妙。
      • これらの武器が序盤で手に入ることも考慮すれば、本作のハンドガンは単体のホーンテッドを始末する際に他の銃器を節約するための補助武器と言える。
    • ただし、ショットガンとは違い無強化状態でもクリティカル率が設定されており、2~3発も頭に当てればタフなデブホーンテッドも即死に追い込めるなど確率も低くはない。
      • 安全かつ容易に頭を撃てる状況が作れるなら、マッチの代わりに雑魚へのトドメに使うのも悪くない選択肢となる。
  • 一方で、強い武器はとにかく強くて扱いやすい。
    • ショットガンは適当に撃っても当たり、吹っ飛ばして転倒させる効果もあるため対ホーンテッド戦における最強武器と言える。
      • ただし、実は攻撃力という点においては未強化ハンドガン2発分、威力完全強化後も未強化ハンドガン4発分と他作品と比較して非常に低く、タフな敵に対して何発撃ち込んでもなかなか倒せず苦労することとなる。
    • マッチは倒れたホーンテッド系に使うと、HP残量に関係なく即死させる上、近くのホーンテッド(姿勢問わず)にも引火するので、上手く誘導すれば複数体同時に焼き殺せる。アップグレードで所持数を増やせる上、入手頻度もそこそこ高く非常に優秀。
      このため、ショットガンでふっ飛ばしてからのマッチでまとめて焼却する、通称「ショットガンマッチ」が対ホーンテッドの基本戦術になりがち。
      前述の攻撃力の低さを鑑みれば、ホーンテッドの群れに対してこの戦術も視野に入れて撃ち込むのが、開発側が想定したショットガンの用途と思われる。
    • アガニボルトはその多彩な種類ゆえ、雑魚戦・ボス戦だけでなく搦め手もこなすなどあらゆる局面で活躍する。
      • ハープーンボルト:高威力・高い奪ダウン性能・低い製造コストと使い勝手が良すぎる。強化コストはとても高いが最大までアップグレードすれば先端に火が点き、撃った敵をマッチと同じように焼く事が可能。こうなるとホーンテッド系最強のアンノウン*8ですら問答無用で瞬殺できてしまう。
        また、ダメージ倍率強化だけで済ませた際の必要コスト・実際の威力ともにショットガンを上回っており、燃焼効果抜きでも手軽に撃てて火力も高い汎用性の高さを誇る。
      • フラッシュボルト:複数の雑魚を足止めでき、連続スニークキルが可能。未強化の4秒では2体が限度だが、最大強化すれば16秒にまで伸びるので5~6体いける。強化コストも低く範囲も広い。
      • マインボルト:文字通りの地雷トラップとしてだけでなく、敵に直接撃ち込んでの爆破もこなす。
        元々の高い威力をさらに強化可能で爆心地に近いほどダメージも上がるので、雑魚の群れからボス戦まで幅広く活躍できる。
        ただし、撃ち込むボルト自体に怯ませる効果はなく、こちらへ走り寄る敵に撃ち込むとそのまま接近されて自爆するため使用タイミングに注意。
      • ショックボルト:電流で一定時間敵を拘束する効果で、ボスにも効く。壁や地面に打ち込むことで地雷のような使い方も可能で、部品さえあれば大半のボスの封殺も可能。
      • フリーズボルト:ホーンテッド系は問答無用で即死、ボスもショック程ではないが長期間足止めでき、アップグレードで広範囲化と隙がない。
      • もちろん、各ボルトの作成には部品が必要だが、罠が至る所に大量に設置されている事が幸いし、部品の消費数が多いショックかフリーズを作り過ぎない限りは数に困らない。
        あまりに便利なので、入手時期が後半になるマグナムは終盤のボス数体にしか使わない。威力の高さを考えればマグナムがほぼボス専になるのは当然だが。

命中率と当たり判定が理不尽

  • 発売当初より問題視されているのが、銃器の命中率の低さ。
    • まず手ブレが酷い。主人公は現役の刑事だが、とてもそうは思えないほど照準が上下にゆらゆら揺れる。動く速度こそゆっくりめなものの、その振れ幅は大きめ。
      • この手ブレの酷さとセバスチャンの過去が合わさって「アル中」と呼ばれることも。
    • ハンドガンとマグナムの場合手ブレ以上に問題なのが、立ち止まって銃を構えても照準の中心へと飛ばない命中精度の悪さ。
      • 6~7メートル先の壁の一点を狙うと分かるが、中心から頭一つ分以上ずれた位置に着弾することもある。
    • 命中率のアップグレードでかなり改善されるが完璧には出来ないため、中距離以遠のオブジェクトを狙う際は不安が残る。
    • それに加えて、敵やオブジェクトに銃口が当たるほどの至近距離で発砲したのに、相手に当たらず背景へ着弾する…という現象も確認されている。
      • バグ扱いされることもままあるが、これは「発砲時に銃口ではなく画面中央から弾が出る」という仕様によるもの。
      • 有名どころでいえば『バイオハザード RE:2』でも採用されており、奇をてらった本作独自システムという訳でもないのだが、上記の仕様と相まって理不尽だと嘆かれる結果になってしまった。
  • 逆に敵側の当たり判定はかなりいい加減。
    • 敵の格闘攻撃が扉や壁をすり抜けてきたり、銃口が壁を突き抜けてきたりする。もちろんこちらの打撃や銃口が壁を貫通することはない。
      • 一応、上記の画面中央から発砲という仕様により、障害物の向こう側を撃つという事もできるが、発射位置の違いによるものなので敵の挙動とは厳密には違う。
    • 他にも、斧を振りかぶった敵のに当たったり、つるはしを振り下ろした後の敵に近づいただけでダメージを受けたり、充分な距離を取って回避したはずのセンティネルの体当たりが直撃するなど、この理不尽な当たり判定は随所で見られる。

完成度の低いステルス要素

  • ステルス要素を目玉として紹介している割に強制戦闘の多さ・すぐにこちらを見失う敵AIの頭の悪さ・隠れる場所の少なさなどから完成度は低い。
    • 序盤は隠れる場所も多く、こちらも貧弱なことからステルス要素を楽しむことはできる。
    • しかし、物語が進むほど先述の「強制的に敵と戦わせられる」「必ず敵に見つかる」といった場面が多くなると同時に、ベッド下やロッカー、クローゼットといった中に入って隠れる場所が極端に少なくなっていく。
    • 最終決戦前の戦闘に至っては、ラスボスのお膝元であることを考慮してもステルス要素が一切ない雑魚ラッシュで、申し訳程度に空き瓶が落ちているだけ。

カメラワークが致命的に悪い

  • 近くて狭い視野と超巨大レターボックス
    • 静止状態のカメラ位置は『バイオハザード4』での単独行動視点とそこまで変わらないが、「走り出したら遅れて追従を始めキャラとの距離を開けて視野角を確保する」といった細かい挙動調整はない。
    • セバスチャンが走ってもカメラとの距離はほぼ一定なので、セバスチャンの真横の見晴らしはやや悪い。
    • また、セバスチャンが壁に密着した状態で壁との間にカメラが入ると急激にズームされ、セバスチャンがドアップになるか画面から消えるなりして画面の見にくさがさらに加速する。
      • さらにいざ銃器を構えるた際のカメラのズーム倍率が大きく、手首しか映らないFPSめいた視点となるので、左右の状況を視覚的に把握するのは絶望的。
      • 特にアガニクロスボウは、構えるとクロスボウが視界の3~4割を遮ってしまい、斜め上を狙うと視界が狭いどころか着弾点すら見えない。
      • また、通常・エイム中問わず巨大なレターボックス(映画等に見られる画面上下の黒帯)が画面上下にある。ただでさえ狭い視界をさらに狭めており、発売当初から大きく批判され続けた。
    • このため、戦闘中に死角から敵に攻撃される事態が頻発し、かなりストレスが溜まる。
    • これらの事情から頻繁にカメラを操作する必要がある。加えて、人間の移動による視点揺れをカメラでも再現したということなのか、移動時に画面も小刻みに揺れるので人によっては3D酔いを起こしやすい。内容の良し悪し以前に3D酔いのために途中で断念せざるをえない場合もある。
    • 後にアップデートでレターボックスの有効/無効切り替え機能が追加されたが、視界距離は改善されなかった。また、パッチの配信も発売から8ヶ月後と遅すぎており、低評価が定着する一因となった。
  • オプションにカメラの左右反転切り替え機能がない
    • 今時の一般的なTPS/FPSゲームにはほぼ必ず搭載されている同機能がオプションに存在しない。
    • カメラ操作が重要なシューターでは死活問題であり、左右反転がないことは大きく批判された。こちらは後のアップデートでも機能追加されていない。

デバッグ不足や調整不足・最適化不足を感じさせる杜撰な作り

  • 不安定なフレームレート
    • 本作のフレームレートはPS4/Oneでも30fps。しかも固定ではなく可変であり、プレイ中30fpsを発揮することはまず無く、頻繁に下がりその度に処理落ちに見舞われる。
      • PS4 Pro所有者ならブーストモード機能をオンにすることである程度改善されるがそれでも下がる時は下がる。
    • Win版なら自分で数値を弄ることもできるがそれでも改善されない。
      • 推奨される手段ではないとはいえそれでも直らないとなると、そもそも根本的な部分に何らかの問題があると思われても致し方ない。
  • 大小様々なバグ
    • 上記の敵の地形貫通バグに始まり、アマルガムαが壁に引っかかって動けなくなる、フリーズ(PS3)、エラーによるアプリ強制終了(PS4)、ハシゴを降りられなくなる、画面外に落下して復帰不能になる、NPCが直立不動になるなど、大小様々なバグが発生・存在する。中には首チョンパされても動きまわる主人公という愉快なバグも。
+ 本作におけるバグの数々
  • 頻発するテクスチャの貼り遅れ
    • 画面切り替え時やムービー挿入時に、テクスチャがぼやけて表示され、数秒後にきちんと表示される現象がゲーム開始時から頻発する。ゲームプレイに大きな影響を及ぼすものではないが、ムービーでこれが発生すると萎える。
    • また、村人による小屋への放火シーンで村人の顔のテクスチャが滅茶苦茶になる、アマルガムαが壊した壁のテクスチャが消滅する、などの描画ミスが100%発生する。
  • ステルス移動の欠陥仕様
    • ゲーム中盤に一定の高さで巨大刃が回転し続ける即死ギミック(ホーンテッドにも有効)があるためステルス移動を強制されるが、グリーンジェル*9の回収や立ったまま設置爆弾の解除をすると、タイミングによってはギミックにかかって即死する。
      • 前者は回収する動作の最初だけ立ち上がる状態になるため、後者は爆弾解体中も周囲の時間は止まらず、解体画面では爆弾の針を止める操作以外は受け付けないため。
      • その点にも制限をかけた区間として捉えることもできるが、だとしても設置位置などでしゃがんだまま同じ状況を誘発することはできたはずである。
    • ステルス状態ではなぜか投擲が出来ても射撃が出来ない。普通にプレイしている分にはそこまで気にならないが、上記の罠で一気に表面化する。
      • 敵もしゃがみ状態で行動するが、拳銃を持った敵はしゃがみながら撃って来る。
      • タイミングを見計らってダッシュで逃げるか立ち上がって撃つなどすれば簡単に対処はできるが、どうしても理不尽さは拭えない。
    • 通常のスニークキルはステルス状態を維持できるが、フラッシュボルトや瓶を顔面に当ててからのスニークキルは、いちいち解除してしまう。
      • これはステルス状態をボタン入力のたびに切り替える設定でのみ起きる仕様で、連続キルを狙う場合はその都度しゃがみ直す必要があるなど不便。
      • より正確に書くとフラッシュや瓶で目潰ししてのスニークキルは、動作中はステルス状態が無効化されている。
      • このため設置爆弾の近くで目潰しスニークキルを実行すればこちらをすぐに感知し、しゃがみ直す間もなく爆弾が起爆してダメージを負うこととなる。
  • ロード時間が長い
    • 次世代機版でも死亡時のロードが10秒以上、長い時はそれ以上掛かる。旧世代機版ならさらに長い。この点も快適性を大きく損なう要因である。

予約特典DLC「ゴアモード」の描写規制

  • 本作のレーティングはCERO:D(17歳以上対象)だが、18歳以上のプレイヤーが購入予約した際の特典として、ゲーム内描写・演出をCERO:Z(18歳以上のみ対象)相当に引き上げる「ゴアモードDLC」なるものが用意された。
    • 開発側も「CERO:Zの天井を目指したい」と謳い、「年齢制限をクリアしている人なら本DLCを入手しておかないと後悔する事になるだろう」と自信満々に早期購入を促していたことから、多くのプレイヤーが期待に胸を弾ませた。
    • しかし蓋を開けてみれば、雑魚敵撃破時の演出や一部オブジェクトなど通常と比べいくらか描写は過激になっているものの、実際は海外版でゲーム中のオプション設定でバイオレンスレベルをオフにした状態とほぼ同等となるだけである。
      • 「”日本のレーティングの範囲内で“表現の天井を目指す」という言葉に嘘はないのだろうが、大風呂敷を広げた割にCERO:Dの他ゲームと大差ないレベルだったため、購入者からは失望と怒号が飛び交った。
    • しかもバグがあり、グロテスク表現の設定が無効となる現象が頻繁に発生する。修正アップデートは配信されたが、適用後も定期的に再発しており、現在も根本的な解決には至ってない。
    • また、ゴアモード描写への失望が強いため当時は話題に上がらなかったが、17歳以下向けの予約特典と択一式である点も不備と言える。
      • 17歳以下向け予約特典は海外版と同一で、ここでのみ手に入る武器を含めた装備パック。特に2種類の専用アガニボルトは強力で、作成に必要なトラップツールは5つと多いが出費に見合う効果を持つ。
      • そのためゴアモードDLCを選んで予約したユーザーからすれば、「海外版に大きく劣る表現に留まる上、アガニクロスボウの性能を十全に発揮できないバージョンを買わされた」という形になる。

Win版の日本語未対応問題

  • Steam版は発売前で日本語対応と謳っていたのにもかかわらず、直後に日本語が消されいわゆる「おま語」仕様となり、予約していたユーザーからは大きな反感を買った。
    • 加えて、有志により音声含め日本語データが残っていたのが発見されたが、アップデートで削除し火に油を注ぐ始末。
      • 現在は音声も含めMODを使った日本語化ができる。ただし、非公式ゆえ完全に自己責任となるので適用には充分注意すべし。
    • ちなみに、その後に発売されたMS Store版も日本語未対応となっている。

DLC

  • 「THE ASSIGNMENT」「THE CONSEQUENCE」
    • 本編で多くを語られなかった、キッド視点のストーリーが描かれるDLC。
    • 前後編で各1,000円と少々割高だが、新規マップ・新規クリーチャーの追加に収集要素と、ボリュームは値段相応。
    • 敵に対抗する武器が、後編の中盤を過ぎた辺りまでほとんど手に入らないこともあって、「本編よりサバイバルしている」という評価もある。
    • 基本的にキッドは丸腰だが強制戦闘がある上、通常ホーンテッド以外は大体即死攻撃持ちと難易度は高め。しかし、理不尽に高いわけではなく、内容も悪くないことから比較的好評。
  • 「THE EXECUTIONER」
    • 本編の重要な要素・STEMに繋がれた被験者の物語。本編で強い存在感を放ったクリーチャー・キーパーをFPS視点で操作し、能力を強化しながら暴れまわることができる。

総評

既視感が強くオリジナリティに欠けるシステム・ビジュアル面、わかり辛いストーリー、劣悪なカメラと操作性、不自然な描写の数々、DLCに至るまで多数の問題点を抱えており、その完成度は決して高いとは言えない。
「サバイバルホラーへの原点回帰」「500万以上のセールスに見合う」という開発側の強気な発言と、それに全く見合わない方向性・クオリティも本作の低評価を後押ししており、各レビューサイトは大荒れ。
結果として、大手通販サイトAmazonでは発売一ヶ月足らずで僅か半額以下にまで値崩れし、「在庫ブレイク」という蔑称もつけられてしまった。
三上氏が謳った「(第8世代ハードにおける)国産初のAAAタイトル」の名に相応しい出来かと言われると大きな疑問が残る、色々と残念な作品である。

ただし、多数の粗はあれど「ホラーではなくハードコアシューターとして見れば、完成度は高く楽しめる」「敵配置を覚え、やりこむうちに楽しさが分かってくる」と評価する声も根強い。
とても万人向けとは言えないが、単純にクソゲーの一言で済ませるには惜しい部分があるのも事実である。
周回毎に縛りプレイをして遊べるくらいの実績解除もあるので、ダークな世界に浸りたい・高難度のシューティングに挑みたいという方は楽しめるだろう。


その後の展開

  • 2017年10月19日に続編『サイコブレイク2』が発売された(海外版は『The Evil Within 2』)。本作と違いレーティングは初めからCERO:Zとなっている。
  • 『2』以降に水面下であった続編の企画は新規IP『Ghostwire: Tokyo』に変更されたため、『サイコブレイク』は『2』を最後にシリーズは途絶えている。
  • 2023年2月24日に三上氏が関わった作品として『Hi-Fi Rush*10を最後に、Tango Gameworksを退社することが明らかとなった。
    • その後、2024年5月7日にTango Gameworks自体が一度閉鎖されるも、同年8月12日に韓国のKRAFTONが事業継承する形で復活している。
    • ただし、『Hi-Fi Rush』の権利は移行しつつも、『サイコブレイク』シリーズと『Ghostwire: Tokyo』の権利自体は引き続きマイクロソフトが所持しているため、今後シリーズ展開がどうなるのかは不明である。
最終更新:2024年08月12日 23:52

*1 Steamで配信されているWin版はこちらのタイトル。

*2 当時、PVの後半(具体的には、通称”貞子”と呼ばれるボスが出てくる場面)辺りから「何故か熱の冷める感覚がある」という意見が意外と多く見られた。

*3 あくまで敵の目線上にランタンの明かりがある場合なので、真後ろからステルス状態で近づいた場合は、自分の足元が明るくなったりしても感づくことがない。

*4 ボスや大型敵へのスニークキルは大ダメージ攻撃扱いで、一撃必殺とはならない。

*5 『2』のストーリーが本作の設定を最大限に活かしたものであり、それでいて難解ではないため。「先に『2』をプレイしてから本作を遊んだほうがストーリーを理解しやすい」といった声まである。

*6 トラバサミに引っかかっただけでも死ぬ。

*7 クリアまでに数百回死亡、というのも珍しくはない。

*8 ルヴィクによく似た服装のホーンテッドで、こちらを見つけると地面に沿って移動し追尾する飛び道具(即死効果付き)で攻撃してくる。

*9 フィールドに配置された瓶詰のものではなく、敵を倒したときにドロップするタイプのもの。

*10 実際は『サイコブレイク2』でディレクターを務めた、ジョン・ジョハナス氏が中心となって作られたもので三上氏はいわゆるオブザーバーとしての関与。