JP5199646B2 - 吸収性物品 - Google Patents

Description

本発明は、使い捨て紙オムツ、生理用ナプキン、パンティーライナー、失禁パッド等に用いられる吸収性物品に関する。

体液透過性表面材と体液不透過性裏面材との間に吸収体が介在された吸収性物品として特許文献１における吸収性シート（吸収構造体）は、高吸収性ポリマーの粒子のうち少なくとも一部の粒子において、その周囲に、粒子が吸液することによって起こる膨潤に起因する体積の増加分を吸収するに足る大きさの空隙が形成されている。

このようにポリマー粒子の周囲に空隙を形成することにより、ポリマー粒子が吸液して膨潤しその体積が増加しても、空隙がその体積の増加分を吸収できるので、ポリマー粒子によるいわゆるゲルブロッキングを効果的に防止することができる。特に、ポリマー粒子の周囲には空隙が存在することで、繊維材料による目の粗いネットワークが形成され、この目の粗いネットワークによって、吸収性物品の厚み方向における液の通過を迅速にすることができ、繰り返し液を吸収した後であっても、ゲルブロッキングが起こりにくく、液の高い通過速度が維持される。
特開２００７−６１１７１号公報

しかしながら、吸収体の内部においてポリマー粒子の周囲に空隙を設ける場合、空隙の位置にばらつきが生じやすく、均一に空隙が設けられていない場合には、部分的にゲルブロッキングが発生し、体液が体液不透過性裏面側へ透過できなくなり、繊維材料で拡散し吸収しきれなかった体液が漏れてしまうおそれがある。

そこで、本発明は、ゲルブロッキングをより効果的に防止することができる吸収性物品の提供を目的とする。

上記目的を達成するため、本発明の吸収性物品は、肌側に設けられ体液が透過可能な体液透過性表面材と着衣側に設けられ不透過性の体液不透過性裏面材との間に、高分子吸収体と親水性繊維とを含む吸収体が介在された吸収性物品であって、前記吸収体は、前記体液透過性表面材側に設けられて前記高分子吸収体の含有比率が高く前記親水性繊維の含有比率が低い第１の領域と、前記体液不透過性裏面材側に設けられて前記第１の領域より前記高分子吸収体の含有比率が低く前記親水性繊維の含有比率が高い第２の領域とが物品の厚み方向に連続して積層されてなり、前記第２の領域の前記裏面材側から前記第１の領域内まで貫通し前記物品の平面方向において延設された溝状の空間が設けられていることを特徴としています。

この吸収性物品では、体液が体液透過性表面材側へ放出されると、第１の領域において親水性繊維に体液が吸収されて拡散されると共に、第１の領域における高分子吸収体によって体液が吸収される。第１の領域における高分子吸収体が体液を吸収すると膨潤し、膨潤した高分子吸収体は空間内に進入する。また、第１の領域を通過した体液は第２の領域の親水性繊維によって吸収されて拡散されると共に、第２の領域における高分子吸収体によって体液が吸収される。

この場合、第１の領域における高分子吸収体が体液を吸収し、膨潤しても空間内に進入することで高分子吸収体が体液透過性表面材側に面状に位置することがなく、ゲルブロッキングが抑制される。

また、第２の領域では、第１の領域より親水性繊維の含有比率が高いので、毛細管効果を充分に発揮して体液を効果的に吸収することができ、体液は体液吸収性物品の長手方向、幅方向に充分に拡散する。

さらに、空間が体液不透過性裏面材側に開口し第２の領域から第１の領域内まで貫通し前記第２の領域の長手方向及び幅方向の均等の位置に形成された構成としたことにより、高分子吸収体の周囲に空隙を設けるような場合に比較して、空間を吸収体の所定の位置に均一に形成することができ、安定したゲルブロッキングの抑制と、充分な拡散効果を得ることができる。

また、本願発明では、空間は、吸収性物品の長手方向に沿って延設され吸収性物品の幅方向に所定の間隔をおいて形成された複数本の縦溝と、吸収性物品の幅方向に沿って延設され吸収性物品の長手方向に所定の間隔をおいて形成された複数本の横溝とで格子状に形成され、縦溝と横溝との交差部分は連通されていることを特徴としている。

この吸収性物品では、空間を複数本の縦溝と横溝とで格子状に形成することで、体液を吸収し膨潤した第１の領域の高分子吸収体が縦溝と横溝内に進入するので、膨潤した高分子吸収体が体液透過性表面側に位置することが抑制され、ゲルブロッキングをより抑制することができる。

また、本願発明では、前記吸収体は、前記第１の領域においては、前記高分子吸収体のその厚み方向において均一に分散されてなることを特徴とする。

さらに、本願発明では、吸収体は前記体液不透過性裏面側がキャリア不織布で覆われ、体液透過性表面側がカバー不織布で覆われ、カバー不織布の通気抵抗はキャリア不織布より高く設定されていることを特徴とする。

この吸収性物品では、吸収体が体液を吸収すると、吸収体に吸収された体液からの水蒸気は、カバー不織布の通気抵抗が高いのでカバー不織布から抜けにくく、通気抵抗が低いキャリア不織布側から水蒸気が抜けていく。この結果、吸収性物品内の快適さを保つことができる。

本発明に係る吸収性物品によれば、第１の領域における高分子吸収体が体液を吸収することによって膨潤しても、第２の領域において形成された空間内に進入し吸収体の厚み方向において重点的に膨潤するので、高分子吸収体が平面方向に大きく広がることが抑制されるため、結果としてゲルブロッキングが抑制される。したがって、繰り返し体液が放出されても体液透過性を極力維持することができ、第２の領域での親水性繊維によって充分な拡散効果を得ることができる。

また、第２の領域では、第１の領域より親水性繊維高分子吸収体の含有比率が低いので、第２の領域における高分子吸収体の膨潤によって上記空間が埋まってしまうことが極力回避されており、第１の領域及び第２の領域の境界付近におけるゲルブロッキングが特に効果的に抑制されるようになる。そして、第２の領域においては繊維質の比率が高いことで、毛細管現象によって体液は平面方向に移動可能であり、集中的にゲルブロッキングが起こる可能性も併せて抑制されている。

さらに、第２の領域の表層から第１の領域内まで貫通する構成としたが、表層において溝状の空間を形成することは比較的容易にできることから、高分子吸収体の周囲に空隙を設けるような場合に比較して、空間を吸収体の所定の位置に均一に形成することができ、安定したゲルブロッキングの抑制と、充分な拡散効果を得ることができる。

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図１は本発明に係る体液吸収性物品が適用された使い捨ておむつ１０の着用状態を示す部分破断斜視図、図２には図１の使い捨ておむつ１０の展開平面図である。図３は吸液性構造体１２を着衣側から見た平面図、図４は図３のIV−IV線に沿って切断した断面図、図５は、交差部分を拡大した平面図である。

本発明に係る体液吸収性物品は、本実施形態に限定されることはなく、例えば生理用ナプキン、パンティーライナー、失禁パッド等に適用することができる。

〔使い捨ておむつの全体構成〕
本実施形態の使い捨ておむつ１０（以下「おむつ」という）は、胴周りを被覆するシャーシ１１と、シャーシ１１の内側、すなわちシャーシ１１の肌当接面側に取り付けられ、縦方向Ｘへ延びる液吸収性の吸液性構造体（吸収体）１２とから構成されており、前ウエスト域１３と、後ウエスト域１４と、これら両域間に延びる股下域１５とを有する。前ウエスト域１３と、後ウエスト域１４には、ウエスト開口縁部１６ａに沿って横方向Ｙへ延びる複数条の第１ウエスト弾性部材３１が配設させるとともに、前後ウエスト域１３，１４の両側部２０を横方向Ｙへ延びる複数条の第２ウエスト弾性部材３２が配設されている。

図２は、おむつ１０をシーム部２６において上下に剥離し、縦方向Ｘと横方向Ｙとに伸展したときの展開平面図である。

シャーシ１１は、前ウエスト域１３を含むほぼ台形状の前方部材２１と、後ウエスト域１４を含むほぼ台形状の後方部材２２と、前方部材２１と後方部材２２との間に位置し、股下域１５を形成する矩形の中間部材２３とから構成されており、それら前方部材２１、中間部材２３、後方部材２２が縦方向Ｘへ並べられ、接合部１２１，１２２において互いに連結されていることによって、全体としてほぼ砂時計形状を有している。前方部材２１及び後方部材２２は、それらの両側縁部２４、２５が互いに重ね合わせられ、縦方向Ｘへ間欠的に並ぶシーム部２６において、公知の接合手段、例えば、ホットメルト接着剤や熱エンボス加工、ソニックによる熱溶着手段で接合されることにより連結され、ウエスト開口１６と、一対の脚開口１７とが画成されている（図１参照）。

前方部材２１、中間部材２３および後方部材２２は、肌当接面側に位置する透液性の内層シート２７と、非肌当接面側に位置する不透液性の外層シート２８とを接合することによって形成されている。内層シート２７と外層シート２８とは、何れも通気性の繊維不織布から形成されている。外層シート２８は、縦方向Ｘにおいて、内層シート２７の前後端縁２７ａからそれぞれ延出し、シャーシ１１の内側に吸液性構造体１２が取り付けられた後に、吸液性構造体１２の前後端部１２ａ、１２ｂを覆うように吸液性構造体１２側へ折り返され、両側縁部２４，２５において接合されている。このように、外層シート２８の延出部２９が吸液性構造体１２の前後端部１２ａ、１２ｂを上側から覆っているので、吸液性構造体１２に吸収されなかった体液がいきおい前後端部１２ａ、１２ｂから漏出した場合であっても、延出部２９が防漏壁となり、体液が外部へ漏出することを防ぐことができる。

内層シート２７と外層シート２８との間には、第１ウエスト弾性部材３１と、第２ウエスト弾性部材３２と、脚周りの上下端縁１７ａ、１７ｂ沿いに延びる複数条のレッグ弾性部材３３とが介在されており、これら弾性伸縮部材３１、３２、３３は、両シート２７、２８間のうちの少なくとも内面シート２７にホットメルト接着剤（図示せず）を介して伸長下に取り付けられている。シャーシ１１には、これら弾性部材３１、３２、３３が収縮することによって複数のギャザー３４が生じている（図１参照）。

〔吸液性構造体１２の構成〕
吸液性構造体１２は、図２に示すように、ほぼ略矩形を有し、透液性の内面シート４１と、不透液性の外面シート４２と、これら両シート間に介在する液吸収性の芯材４３とを含んでいる。本実施の形態においては、内面シート４１と外面シート４２とは、ほぼ矩形に形成された芯材４３の周縁から延出して重なり合いホットメルト接着剤（図示せず）を介して互いに接合され、シャーシ１１の前端縁２１ａと対向する前端部１２ａ、シャーシ１１の後端縁２２ａと対向する後端部１２ｂ、前後端部間１２ａ、１２ｂを縦方向Ｘに延びる両側縁部１２ｃとを形成している。前端部１２ａと後端部１２ｂとは、それぞれ前方部材２１の内層シート２７と後方部材２２の内層シート２７とに、ホットメルト接着剤（図示せず）を介して接合されている。

芯材４３は、フラップパルプと、高吸収性吸収体と、必要に応じて熱溶着性ステープル繊維との混合等からなる矩形に形成された吸液性コア４４が不織布よりなるキァリア不織布４０で被覆されて形成されている。キャリア不織布４０と外面シート４２との間には、不透液性かつ透湿性のプラスチックフィルムで形成された液バリアシート４６が介在している。液バリアシート４６は、芯材４３の底面に位置する大きさであればよいが、充分な防漏効果を発揮するためには、底面全体を被覆する大きさを有することが好ましい。また、芯材４３と内面シート４１との間には、透液性のカバー不織布４７が設けられている。

吸液性構造体１２の両側縁部１２ｃには、不透液性のシートから形成された、縦方向Ｘへ延びる一対のバリアカフ５１が取り付けられている。

本実施形態の吸液性構造体１２は、図４に示されるように、内面シート４１（体液透過性表面材）側に設けられて高分子吸収体（ＳＡＰ）の含有比率が高く親水性繊維（パルプ材）の含有比率が低い第１の領域５５と、外面シート４２（体液不透過性裏面材）側に設けられて第１の領域５５より高分子吸収体の含有比率が低く親水性繊維の含有比率が高い第２の領域５６とがおむつ１０の厚み方向において連続して積層されている、また、この第１の領域５５においては含有されている高分子吸収体が厚み方向においては均一に分散して設けられている。そして、第２の領域５６の液バリアシート４６側に開口し第２の領域５６から第１の領域５５内まで貫通し第１の領域５５において体液を吸収し膨潤した高分子吸収体が進入可能な空間５７とが設けられている。

この吸液性構造体１２は、ＳＡＰとパルプの比率がそれぞれ、５０〜７０重量％、３０〜５０重量％とＳＡＰの占める比重が大目に設定されており、目標厚みが３．０ｍｍ以下に設定されている。

また、空間５７は、使い捨ておむつ１０の長手方向に沿って延設され使い捨ておむつ１０の幅方向に所定の間隔をおいて形成された複数本の縦溝５８と、使い捨ておむつ１０の幅方向に沿って延設され使い捨ておむつ１０の長手方向に所定の間隔をおいて形成された複数本の横溝５９で格子状に形成されている。

交差部分６０は、図５に示すように、縦溝５８と横溝５９とが連通状態で交差することで形成されている。この場合、縦溝５８を形成する壁部５８ａと横溝５９を形成する壁部５９ａとのなす角部には、製造上弧状部分Ｓが４カ所にわたり形成されるため、この交差部分６０の空間（容積）は大きく確保される。このため、第１の領域５５が膨潤した際の膨潤体積を吸収可能な空間が大きく確保されるとともに、交差部分６０が埋まりにくくなっている。

また、吸液性構造体１２はカバー不織布４７と、キャリア不織布４０とに挟まれており、カバー不織布４７の通気抵抗はキャリア不織布４０より高く設定されている。

〔吸液性構造体１２の製造方法〕
本発明の吸収性構造体１２は、例えば周知の回転式のドラム型積層ドラム型装置を用いて製造することができる。このような積層装置を用いた第１の領域５５と第２の領域５６とが形成される工程について、図６を用いて説明する。

図６（ａ）に示すように、上述のドラム型装置の周囲に沿って設けられた網目状の金網６２上のキャリア不織布４０は、積層ドラム６１の内部の吸引によって積層ドラム６１の内部側へ吸い寄せられる。この状態でファネルによって、パルプとＳＡＰがキャリア不織布４０上に吹き付けられる。このときパルプはＳＡＰよりも軽い材質であるため同じ風速であればパルプの方が金網６２上のキャリア不織布４０上に到達し易く、図６（ｂ）に示すように、キャリア不織布４０上には、パルプの含有比率が高く、ＳＡＰの含有比率が低い第２の領域５６が形成される。

さらに、パルプとＳＡＰをファネルによってキャリア不織布４０上に吹き付けると、図６（ｃ）に示すように、パルプの含有比率が高く、パルプの含有比率が低い第１の領域５５が第２の領域５６上に形成される。なお、この第１の領域５５においては、含有される高分子吸収体の同領域内の厚み方向において均一に分散するよう、積層ドラム６１による吸引力を調整することが望ましい。このような均一に分散された高分子吸収体はその領域内におけるゲルブロッキングの防止に寄与するためである。

そして、第１の領域５５と第２の領域５６とが形成された芯材４３が積層ドラム６１上から送り出されると、図６（ｄ）に示すように、第２の領域５６には、外面シート４２側に開口し、第２の領域５６から第１の領域５５内まで貫通した空間５７が形成される。この空間５７は、網目状の金網６２の形状、すなわち、吸液性構造体１２の長手方向に沿って延設され吸液性構造体１２の幅方向に所定の間隔をおいて形成された複数本の縦溝５８と、吸液性構造体１２の幅方向に沿って延設され吸液性構造体１２の長手方向に所定の間隔をおいて形成された複数本の横溝５９とで格子状に形成されている。なお、このように第２の領域５６と第１の領域５５にまで空間５７が貫通するように形成するには、積層ドラム６１による吸引の強さ等を適宜調整することで実現できる。

なお、図６（ｃ）、（ｄ）において、第１の領域５５と第２の領域５６との間に領域を区切るため、点線、あるいは実線で領域を示したが、上記の製造方法により形成される第１の領域５５、第２の領域５６との境目は直線的になるとは限らず、曲線的に領域が区切られる場合もあり得るが、本実施形態の説明上直線にて示した。

また、図３及び図４に示すように、網目状の金網６２は直線的に交差して格子状の形態について説明したが、平面方向又は厚み方向において直線状ではなくその幅が均一とならないものであっても良い。この場合には、第２の領域５６に形成された空間５７の全容量を増やすことができる。

〔吸液性構造体１２の作用〕
次ぎ吸液性構造体１２の作用について説明する。体液が内面シート４１側へ放出されると、吸液性構造体１２の第１の領域５５において親水性繊維に体液が吸収されて拡散されると共に、第１の領域５５における高分子吸収体によって体液が吸収される。第１の領域５５における高分子吸収体が体液を吸収するとすなわちポリマーの三次元網目内に体液が閉じこめられて膨潤する。

この場合、本実施形態の吸液性構造体１２では、図６（ｅ）に示すように、膨潤した高分子吸収体は、第２の領域５６に設けられた空間５７内に進入する。すなわち、第２の領域５６に設けられ、外面シート４２側に開口し、第１の領域５５内まで貫通している縦溝５８、横溝５９内に進入し、吸液性構造体１２の厚み方向に膨潤する。また、縦溝５８、横溝５９の交差部分６０では互いに連通されていることから、縦溝５８だけあるいは横溝５９だけで構成される空間よりも交差部分６０の弧状部分Ｓだけ容積が大きくなり、この大きな交差部分６０内にも第１の領域５５の高分子吸収体が吸液性構造体１２の厚み方向に膨潤することになる。

また、第１の領域５５を通過した体液は第２の領域５６の親水性繊維によって吸収されて吸液性構造体１２の幅方向、長手方向に充分に拡散されると共に、第２の領域５６における高分子吸収体によっても体液が吸収される。

この場合、第１の領域５５における高分子吸収体が体液を吸収し、膨潤しても空間５７内に進入し厚み方向に膨潤することで膨潤した高分子吸収体が平面状に位置する割合が少なく、体液が透過しやすい環境となるため、ゲルブロッキングを抑制することができる。また、繰り返し放出される体液に対しても、体液透過性を維持することができ、第２の領域５６でのパルプによって充分な拡散効果を得ることができる。

また、第２の領域５６では、第１の領域５５より親水性繊維の含有比率が高いので、毛細管効果を充分に発揮して体液を効果的に吸収することができ、体液は吸液性構造体１２の幅方向、長手方向に充分に拡散する。

さらに、空間５７が外面シート４２側に開口し、第２の領域５６から第１の領域５５内まで貫通する構成としたことにより、高分子吸収体の周囲に空隙を設けるような場合に比較して、空間５７を吸液性構造体１２の所定の位置に均一に形成することができ、安定したゲルブロッキングの抑制と、充分な拡散効果を得ることができる。

また、本実施形態では、空間５７は、吸液性構造体１２の長手方向に沿って延設され吸液性構造体１２の幅方向に所定の間隔をおいて形成された複数本の縦溝５８と、吸液性構造体１２の幅方向に沿って延設され吸液性構造体１２の長手方向に所定の間隔をおいて形成された複数本の横溝５９とで格子状に形成されているので、体液を吸収し膨潤した第１の領域５５の高分子吸収体が縦溝５８と横溝５９内に進入するので、膨潤した高分子吸収体が体液透過性表面側に位置することが抑制され、ゲルブロッキングをより抑制することができる。

さらに、本実施形態では、吸液性構造体１２は内面シート４１と外面シート４２とで覆われ、内面シート４１の通気抵抗は外面シート４２より高く設定されているので、吸液性構造体１２が体液を吸収すると、吸液性構造体１２に吸収された体液からの水蒸気は、内面シート４１の通気抵抗が高いので内面シート４１から抜けにくく、通気抵抗が低い外面シート４２側から水蒸気が抜けていく。この結果、吸収性物品内の快適さを保つことができる。

以上、本発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす記載及び図面により本発明が限定されることなく、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範囲に含まれる。

本発明が適用された使い捨ておむつを示す部分破断斜視図である。 図１の使い捨ておむつの展開平面図である。 吸収体の一部を拡大し、体液不透過性裏面側から見た背面図である。 吸収体の一部を拡大し、図３のIV−IV線に沿って切断した断面図である。 吸収体の一部を拡大し、縦溝と横溝との交差部分を示す説明図である。 吸収体が積層されていく順番及び吸収体が体液を吸収して膨潤した状態を示す説明図である。

符号の説明

１０ 使い捨ておむつ
１２ 吸液性構造体（吸収体）
４１ 内面シート（体液透過性表面材）
４２ 外面シート（体液不透過性裏面材）
５５ 第１の領域
５６ 第２の領域

Claims (5)

1. 肌側に設けられ体液が透過可能な体液透過性表面材と着衣側に設けられ不透過性の体液不透過性裏面材との間に、高分子吸収体と親水性繊維とを含む吸収体が介在された吸収性物品であって、
   前記吸収体は、前記体液透過性表面材側に設けられて前記高分子吸収体の含有比率が高く前記親水性繊維の含有比率が低い第１の領域と、前記体液不透過性裏面材側に設けられて前記第１の領域より前記高分子吸収体の含有比率が低く前記親水性繊維の含有比率が高い第２の領域とが物品の厚み方向に連続して積層されてなり、前記第２の領域の前記裏面材側から前記第１の領域内まで貫通し前記物品の平面方向において延設された溝状の空間が設けられていることを特徴とする吸収性物品。
2. 前記空間は、前記吸収性物品の長手方向に沿って延設され前記吸収性物品の幅方向に所定の間隔をおいて形成された複数本の縦溝と、前記吸収性物品の幅方向に沿って延設され前記吸収性物品の長手方向に所定の間隔をおいて形成された複数本の横溝とが交差されて格子状に形成されていることを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品。
3. 前記吸収体は、前記第１の領域においては、前記高分子吸収体のその厚み方向において均一に分散されてなることを特徴とする請求項２記載の吸収性物品。
4. 前記吸収体は前記体液不透過性裏面材側がキャリア不織布で覆われ、前記体液透過性表面材側がカバー不織布で覆われ、前記カバー不織布の通気抵抗は前記キャリア不織布より高く設定されていることを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれか一項に記載の吸収性物品。
5. 高分子吸収体と親水性繊維とを含む吸収体であって、
   前記吸収体は、前記高分子吸収体の含有比率が高く前記親水性繊維の含有比率が低い第１の領域と、前記第１の領域より前記高分子吸収体の含有比率が低く前記親水性繊維の含有比率が高い第２の領域とが前記吸収体の厚み方向に連続して積層されてなり、前記第２の領域の表層から前記第１の領域内まで貫通し前記吸収体の平面方向において延設された溝状の空間が設けられていることを特徴とする吸収体。

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