JP2012143534A - 吸収体および吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パルプ21と吸水性ポリマー22とを有する吸収体10であり、該吸収体10の厚みの20%〜以上100%以下の深さの溝11を有する吸収体10であって、前記吸収体10における[パルプの質量]/[吸水性ポリマーの質量]で表される質量比が1/3以上1/0.01以下であり、前記吸水性ポリマー22は、吸水量が30g/g以上50g/g以下であり、2kPaの加圧下における液体の吸収量が20g/g以上40g/g以下である吸収体およびその吸収体を用いた吸収性物品を提供する。
【選択図】図1
Description
しかしながら、特許文献1に開示された吸収性物品では、浸透能力は向上するものの、通常の吸水性ポリマーでは繰り返しの排せつによる吸収において吸収速度が低下し、高い吸収性能を期待するにはまだ不十分であった。
図1に示すように、本発明の吸収体10は、パルプ21と吸水性ポリマー22とを有し、[パルプの質量]/[吸水性ポリマーの質量]で表される質量比が1/3以上1/0.01以下であり、好ましくは1/2.5以上1/0.1以下であり、より好ましくは1/2以上1/0.5以下である。この吸収体10は、例えば、積繊して成形されるパルプ21間に吸水性ポリマー22が分散されているものである。または、積繊して成形されるパルプ21の層間に吸水性ポリマー22が分散されているものであってもよい。上記質量比が低すぎる場合にはパルプ量が少なすぎてパルプ21中に吸水性ポリマー22を保持することが困難となり、上記質量比が高すぎる場合には吸水性ポリマー22の量が少なくなりすぎるので液体の吸収量が不十分になる。よって、上記吸収量は上記範囲とした。
上記吸水性ポリマー22の加圧下での吸収量が少なくなるケースとして、一般に(1)ポリマーの架橋が非常に強くゲル強度が高すぎる場合と、(2)ポリマーの架橋が非常に弱くゲル強度が低すぎる場合がある。(1)の場合、加圧下では吸水性ポリマー自体は潰れ難いが、吸水性ポリマーの液体を吸収するという能力が不十分であるため、加圧下での吸収量が少なくなり、液体は吸収体10中に吸収されず広がって漏れることになる。(2)の場合、加圧下では吸水性ポリマーは潰れやすく、程度を越えてゲルブロッキングを引き起こすと、吸収体10の吸収速度は遅く液戻り量が多く、吸収容量が少なくなる。
加圧下での吸収量が多い吸水性ポリマーは、一般に(1)ポリマーの架橋が非常に強く、加圧下では吸水性ポリマー自体が潰れないが吸水量は少ない。もしくは、(2)ポリマーの架橋が弱く、吸水時に弾性を示さず、加圧下では吸水性ポリマー自体が潰れやすい、場合がある。(1)の場合、吸水性ポリマーの液体を吸収するという能力が不十分であるため、液体は吸収体10中に吸収されず漏れることになる。(2)の場合、加圧下で吸水性ポリマーが程度を越えてゲルブロッキングを引き起こすと、吸収体10の吸収速度は遅く液戻り量が多く、吸収容量が少なくなる。
加圧下における排せつ液の吸収量を上記範囲に設定された吸水性ポリマー22は、架橋が適度に強いので吸水性ポリマー22自体が潰れにくい。したがって、液体(例えば、尿)が排出された状況の下、着用者の荷重が吸収体10にかけられた加圧下において潰れることがないので、後述する溝11の内側に吸水性ポリマー22がはみ出し吸水性ポリマー22によって溝11が塞がれることが抑制され、溝11(液体の通り道)が確保される。よって、溝11における通液性が確保され維持されるので、溝内の通液が速くなる。すなわち、液体を素早く拡散させることができるので、拡散速度が速くなり、液体の吸収時間が短くなる。しかも、液戻りが起こりにくい。
さらに、着用者の行動,流通状況等によって、吸水性ポリマー22が吸収体10のどこかに偏在する場合がある(例えば、図2に示した吸収体10の場合、中央部の吸収体ブロック12に偏在:着用者の股間部周辺に相当。)。一般に、加圧下の吸水量が低い吸水性ポリマーは、一定荷重下でも、パッキング密度(偏在状態に相当)が高いと膨潤阻害を受け、吸水量が低下する傾向にある。しかし、凹部を有する吸収体10では、凹部(溝11)の空間によって、ある程度、膨潤阻害を緩和することができる。
よって、吸水性ポリマー22の2kPaの加圧下での吸収量の下限は上記範囲とした。
また、上記吸水性ポリマー22の加圧下での吸収量が多すぎる場合、吸水性ポリマー22は程度を越えて膨潤し、凹部(溝11)が埋没または閉塞し、繰り返しの排泄時に液体の通り道が確保されなくなる可能性があるため、2kPaの加圧下での吸収量の上限は上記範囲とした。
図3(1)に示すように、吸収体10に排せつ液(例えば尿)60が供給される。すると、図3(2)に示すように、排せつ液60は、吸収体10の溝11内に素早く流れ込み、溝11の流路が確保されているので、すばやく溝11を伝わって四方に広がっていく。このとき、溝11底部や側壁部の吸収体10にも拡散していく。なお吸収体ブロック12が溝11底部の吸収体10Bよりも高密度になっている場合には、主に溝11底部の吸収体10Bに拡散される。そして、図3(3)に示すように、排せつ液60が溝11を流路として広がり、かつ溝11底部の吸収体10Bに拡散されていき、やがて毛管力によって吸収体ブロック12に吸収され、排せつ液は吸収体ブロック12に溜められ固定化される。このようにして、吸収体10では、高吸収性能と高吸収速度が実現されている。
さらに、吸収体10の一面側に縦横に溝11を有することから、吸収体10の変形に対する自由度が高められる。このため吸収体10の身体適合性が高まり、また吸収体10の端部まで通液が可能になるので、吸収体10の液吸収量を向上させることができる。
吸水性ポリマー22は、吸水性を有する重合体粒子であり、製造法は限定されない。その形状は、特に問わず、球状、塊状、ブドウ状、不定形状、多孔状、粉末状または繊維状であり得る。この吸水性ポリマー22の平均粒子径は、製品からの脱落、移動の抑制や使用感悪化(ざらつき感)の抑制のために、100μm以上1000μm以下であり、好ましくは150μm以上650μm以下であり、より好ましくは200μm以上500μm以下である。また、吸水性ポリマー22の吸水量および加圧下の吸収量は上述した通りである。
このおむつ50は、展開型のおむつであり、長手方向Yの一方の端部においては、その両側縁部に一対のファスニングテープFTが取り付けられている。また、他方の端部においては、裏面シート17上にランディングテープLTが取り付けられている。
表面シート16は、吸水性ポリマー22が十分に膨潤しやすくなる観点から、吸収体10の溝11と接合されていないことが好ましい。
上記非肌当接面は、おむつ装着時に着衣側(装着者の肌側とは反対側)に向けられる面である。また、以下、肌当接面という語句を使用することがあるが、肌当接面は、おむつ装着時に装着者の肌側に向けられる面である。
またさらに図5に示すように、上記表面シート16と上記吸収体10との間に中間シート19(台紙)が配置されていてもよい。
中間シート19としては、排泄された液の引き込みおよび拡散機能や保持機能を有するもの、液戻り量を軽減するもの、吸水性ポリマーの漏れを抑制するもの、吸収体の崩れを抑制するもの等が用いられる。
そのような性能を有するシートとしては、例えば親水性を有する繊維を含むか、もしくは親水性油剤等で処理した繊維を含む不織布やフィルム、または多孔質体等が挙げられる。中間シート用の繊維の例として、(1)針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ等の木材パルプや木綿パルプ、ワラパルプ等の非木材パルプ等の天然セルロース繊維、(2)レーヨン、キュプラ等の再生セルロース繊維、(3)ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維等の親水性合成繊維、(4)ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレン(PE)繊維、ポリプロピレン(PP)繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維を界面活性剤により親水化処理したもの等が挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
中間シート19としては、例えば、ティッシュペーパーなどの紙、織布、不織布、編布、パーチメント、パピルス、パルプ積繊体等を用いることができる。不織布としては、例えば、ケミカルボンド不織布、サーマルボンド不織布、エアレイド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、ニードルパンチ不織布、ステッチボンド不織布等が挙げられる。
これらのシートは単層の状態でもよく、あるいは複数層が積層されて1枚のシートとなっている多層構造のものでもよい。また、伸縮性を有するシート(例えば弾性樹脂を含む繊維を構成繊維として含む不織布(弾性不織布)や、弾性樹脂を含むフィルム(弾性フィルム)や、発泡などの手段によって構造中に3次元ネットワークを形成させた弾性樹脂からなる弾性多孔質体など)でもよい。
中間シート19の坪量は5g/m2以上80g/m2以下が好ましく、特に10g/m2以上30g/m2以下が好ましい。また、厚みは0.05mm以上5.0mm以下が好ましく、特に0.1mm以上3.0mm以下が好ましい。
中間シート19は、上記表面シート16と吸収体10の間のみに配されてもよいし、吸収体10と裏面シート17との間にも配されていてもよく、また、吸収体10を包むように配されていてもよい。
まず、吸水性ポリマーの平均粒子径の算出方法を以下に説明する。
平均粒子径の算出方法は、吸水性ポリマー100gをJIS Z−8801−1982準拠の篩(ふるい)を用いて分級し、各フラクションの質量分率より平均粒子径を求める。
吸水量の測定は、室温(20±5℃)で、吸水性ポリマー1.00gを室温(20±5℃)の生理食塩水(0.9%NaCl水溶液、大塚製薬製)150mLで30分間膨潤させた後、250メッシュの不織布袋に入れ、遠心分離機にて143Gで10分間脱水し、脱水後の総質量(全体質量)を測定する。そして、次式(1)に従って、遠心脱水後の生理食塩水の保持量を測定し、この値を吸水量とする。
図6(1)に示すように、垂直に立てた円筒211(内径30mm)の下端開口部212にメッシュ213(250メッシュ)を貼ったカラム210を用意する。その中に吸水性ポリマー22(粒子)0.500gを均一な厚みになる様に入れる。次いで、外径30mmよりやや小さいおもり221(2.0kPaの圧力を加えられるおもり)を吸水性ポリマー22の上に載せる。
100mLビーカー230に、室温(20±5℃)の生理食塩水231(0.9質量%塩化ナトリウム水)100mLを注ぐ。そしてメッシュ213をビーカー230の底に着けない様にして、生理食塩水231中にカラム210を浸漬させ、この状態で1時間放置する。
その後、ビーカー130からカラム210を取り出し、図6(2)に示すように、吸水性ポリマー22上におもり221を載せた状態で15分間水切りする。この試験雰囲気の温度は室温(20±5℃)である。
そして、次式(2)に従って、加圧下吸収量を算出する。
合成例1として、吸水性ポリマーIの合成を以下のように行った。
合成例1では、まず、撹拌機、還流冷却管、モノマー滴下口、窒素ガス導入管、温度計を取り付けたSUS304製5L容反応容器(アンカー翼使用)に分散剤として花王(株)製ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(商品名エマール20C)0.11%[対アクリル酸質量]を仕込み、シクロヘキサン1600mLを加えた。窒素雰囲気下で撹拌し、内温77℃まで昇温した。
モノマー水溶液Aに開始剤(A)水溶液7.2gを加えてモノマーAを調製し、モノマー水溶液Bに開始剤(A)水溶液7.2gとクエン酸チタン水溶液1.5gを加えてモノマーBを調製し、モノマー水溶液Cに開始剤(B)水溶液10.5gとクエン酸チタン水溶液3gを加えてモノマーCを調製した。
合成例2は、前述の合成例1において、架橋剤としてナガセ化成工業(株)製エチレングリコールジグリシジルエーテル(商品名デナコールEX−810)0.33gを0.18gに変更し、吸水性ポリマーを得た。この吸水性ポリマーに、花王(株)製第四級アンモニウム塩(商品名コータミン86W)1%(吸水性ポリマーの重質量に対して)を水希釈して添加し乾燥した。850ミクロンの目開きの篩で粗大粒子を除去した後、この重合体粒子100部に対し日本アエロジル(株)製、商品名アエロジル200の0.5部をドライブレンドすることにより吸水性ポリマーIIを得た。
合成例3は、前述の合成例2において、架橋剤としてナガセ化成工業(株)製エチレングリコールジグリシジルエーテル(商品名デナコールEX−810)0.18gを0.25gに変更した以外は同様の操作を行い、吸水性ポリマーIIIを得た。
撹拌機,還流冷却管,モノマー滴下口,窒素ガス導入管,温度計を取り付けたSUS304製5L容反応容器(アンカー翼使用)に分散剤として日本油脂(株)製ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(商品名パーソフトEL)0.06%[対アクリル酸重質量]と日光ケミカルズ(株)製ステアロイルメチルタウリンナトリウム(商品名ニッコールSMT)0.04%[対アクリル酸質量]を仕込み、ヘプタン1600mLを加えた。窒素雰囲気下で撹拌し、内温88℃まで昇温した。
モノマー水溶液Dに開始剤(C)水溶液2.3gを加えてモノマーAを調製し、モノマー水溶液Eに開始剤(C)水溶液6.9gとクエン酸チタン水溶液1.5gを加えてモノマーEを調製し、モノマー水溶液Fに開始剤(D)水溶液10.5gとクエン酸チタン水溶液3gを加えてモノマーFを調製した。
図7(1)に示すように、吸水性ポリマー22として、合成例3で得た吸水性ポリマーIIIを用い、パルプシート21Sと吸水性ポリマー22との積層体23(坪量50g/m2のパルプシート21Sの4層の各層間に吸水性ポリマー22を各層100g/m2の坪量で3層散布)を作製した。この積層体23を、図7(2)に示すように、横幅h2=30mm、縦幅h1=50mmとなる様に切断して吸収体ブロック24を作製した。ホットメルト剤(図示せず)を塗布した坪量16g/m2のティッシュペーパーを基盤シート13として用い、その基盤シート13上に上記カットした吸収体ブロック24を横隙間e=5mm、縦間隔d=5mmで、横3×縦7個で配列させ固定した。
次に、各吸収体ブロック24の上側(肌当接面側)に、ホットメルト剤を塗布した坪量16g/m2のティッシュペーパー(図示せず)を載せて、マングルでプレス加工した。
[パルプの質量]/[吸水性ポリマーの質量]で表される質量比は、1/1.5であった。また、吸収体の厚みは3mmであった。
図示しないが、プレス加工して得た吸収体を表面シートと裏面シートの間に配置し、吸収性物品を得た。肌当接面である表面シートには、花王(株)製の商品名メリーズの表面材を用い、液不透過性の裏面シートには、花王(株)製の商品名メリーズのバックシートを用いた。
実施例1において、吸水性ポリマーIIIを合成例4で得た吸水性ポリマーIVに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸収性物品を得た。
次に、各吸収体ブロック24の上側(肌当接面側)に、ホットメルト剤を塗布した坪量16g/m2のティッシュペーパー(図示せず)を載せて、マングルでプレス加工した。[パルプの質量]/[吸水性ポリマーの質量]で表される質量比は、1/1.4であった。また、吸収体の厚みは3mm、凹部の深さは1.5mm(50%)であった。
以下、実施例1と同様の操作を行い、吸収性物品を得た。プレス加工した吸収体を表面シートと裏面シートの間に配置する際、裏面シート側にパルプ連続層を配した。
吸収体中の[パルプの質量]/[吸水性ポリマーの質量]で表される質量比は、1/1.5で、吸収体の厚みは3mmであった。
比較例2として、実施例1において、吸水性ポリマーIIIを合成例2で得た吸水性ポリマーIIに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸収性物品を得た。
吸収体中の[パルプの質量]/[吸水性ポリマーの質量]で表される質量比は、1/1.5で、吸収体の厚みは3mmであった。
比較例3として、実施例1において、作成したパルプと吸水性ポリマーとの積層体(坪量50g/m2のパルプシート4層の間に吸水性ポリマーIIIを各層80g/m2の坪量で3層散布)を横幅100mm、縦幅375mmとなる様にカットし吸収性物品を得た。なお、実施例1より吸収体の面積が広くなった分、吸水性ポリマーの坪量を下げ、吸水性ポリマーの使用量は実施例1と同量にした。
吸収体中の[パルプの質量]/[吸水性ポリマーの質量]で表される質量比は、1/1.2で、吸収体の厚みは3mmであった。
比較例4として、比較例1において、作成したパルプと吸水性ポリマーとの積層体(坪量50g/m2のパルプシート4層の間に吸水性ポリマーIを各層90g/m2の坪量で3層散布)を横幅100mm、縦幅375mmとなる様にカットし吸収性物品を得た。なお、比較例1よりも吸収体の面積が広くなっており、また吸水性ポリマーの坪量を下げ、吸水性ポリマーの使用量は実施例1の約1.13倍としている。
吸収体中の[パルプの質量]/[吸水性ポリマーの質量]で表される質量比は、1/1.4で、吸収体の厚みは3mmであった。
吸収性物品の長手方向において腹側端縁部から150mm、幅方向において中央部に内径35mmのアクリル製円筒を置き、吸収性物品全体に2.0kPaの荷重を加えながら、着色した人工尿40gを高さ10mmになるように液を維持しながら注入した。なお、円筒最下部には吸収性物品全体を覆う大きさのアクリル板が備えられている。この時、吸収に要した時間を測定した(吸収時間1)。吸収時間が短いのほど性能が良好であることを示している。吸収開始から10分後に、再度40gを注入、吸収時間を測定した(吸収時間2)。この操作をさらに2回繰り返し、計160gの生理食塩水を注入し、吸収時間を測定した(吸収時間3,4)。試験雰囲気の温度は室温(20±5℃)、人工尿の温度は室温(20±5℃)のものを使用した。
注入完了から10分後に、アドバンテック社製のろ紙No.4A(100mm×100mm,質量測定W1)を10枚重ねたものを、注入点を中心として吸収性物品上に置いた。
厚さ5mm、100mm×100mmのアクリル板を介して、3.5kPaの圧力を掛け、2分後にろ紙の質量を測定し(W2)、次式のようにして、液戻り量を算出した。
吸収時間が30秒未満の場合○、30秒以上60秒未満の場合を△、60秒以上の場合を×とした。また、液戻り量が1.0g未満の場合○、1.0g以上1.5g未満の場合を△、1.5g以上の場合を×とした。
20度に傾けたアクリル板の上に作製した吸収性物品を載せ(腹側端縁部が下方側)、その上にアクリル板と錘をのせて吸収性物品全体に2.0kPaの荷重を加えた。この状態で、吸収性物品の上方側の端部から200mmの位置に着色した人工尿を一定量、一定間隔ごとに繰り返し注入し、吸収体の下方側の端部から漏れ出すまでの注入量を比較した。試験雰囲気の温度は室温(20±5℃)、人工尿は室温(20±5℃)のものを使用した。
比較例4の吸収容量を1.0とした時の相対値を以下の計算式を用いて算出した。
一方、各実施例で用いた吸収体ポリマーでは2回目以降の排せつに対しても吸水性ポリマーが膨潤することがほとんどないので、溝11を塞ぐこともなく、吸収体全体に排せつ液を拡散させ、吸収させることができるので、液戻り量を1.5g未満にすることができる。
このように、各実施例が十分な吸収容量を有することから、各実施例においては、液戻り量が1.5g未満と少なくなっており、一方、比較例1では、吸収容量が0.8と低くなっているので、液戻り量が多くなる。また、比較例3では、実施例1と同じ吸水性ポリマーIIIを同量用いているが、溝を有していないため、吸収体としての吸収容量も0.8と低くなり、液戻り量が多くなる。
11 溝
12 吸収体ブロック
16 表面シート
17 裏面シート
19 中間シート
21 パルプ
22 吸水性ポリマー
50 吸収性物品(おむつ)
Claims (10)
- パルプと吸水性ポリマーとを有する吸収体であり、該吸収体の厚みの20%以上100%以下の深さの凹部を有する吸収体であって、
前記吸収体における[パルプの質量]/[吸水性ポリマーの質量]で表される質量比が1/3以上1/0.01以下であり、
前記吸水性ポリマーは、吸水量が30g/g以上50g/g以下であり、2kPaの加圧下における液体の吸収量が20g/g以上40g/g以下である吸収体。 - 前記吸水性ポリマーは、吸水量が30g/g以上45g/g以下である請求項1記載の吸収体。
- 前記吸水性ポリマーは、2kPaの加圧下における液体の吸収量が20g/g以上35g/g以下である請求項1または請求項2記載の吸収体。
- 前記凹部の底部に前記吸収体の一部があり、前記凹部の底部にある前記吸収体の密度が、該凹部の底部以外の前記吸収体の密度より低い請求項1、請求項2または請求項3記載の吸収体。
- 前記凹部は、平面視した前記吸収体の面積に対して平面視した前記凹部の総面積が10%以上40%以下となる請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の吸収体。
- 前記吸収体の厚みは0.5mm以上20mm以下である請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の吸収体。
- 前記凹部の幅は1mm以上10mm以下である請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の吸収体。
- 肌当接面側を配置される液透過性の表面シートと、
非肌当接面側を配置される液不透過性の裏面シートと、
前記両シートに介在配置された吸収体とを備え、
前記吸収体は請求項1ないし7のうちの1項に記載の吸収体である吸収性物品。 - 前記吸収体の前記表面シート側に凹部が存在する請求項8記載の吸収性物品。
- 前記吸収体の前記裏面シート側に凹部が存在する請求項8記載の吸収性物品。
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