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JP5604393B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、生理用ナプキン、使い捨ておむつ、失禁パッド等の吸収性物品に関する。
生理用ナプキン等の吸収性物品として、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在された液保持性の吸収性コアを含む吸収体を具備し、実質的に縦長のものが知られている。本出願人は、先に、吸収性物品の使用時における着装内の湿度を効果的に低減するために、所定の透湿度を有する透湿シートからなる裏面シートを備えた吸収性物品を提案した(特許文献1参照)。特許文献1に記載の吸収性物品によれば、着装内の湿度を効果的に低減させて、ムレ、ベタツキ等の不快感が少なく、快適な風合いを有し、カユミ、カブレ等の皮膚トラブルが発症し難い。
また、本出願は、先に、所定の透湿度を有する裏面シートを備えた吸収性物品とは別に、表面シート側から陥没する多数の圧縮部が互いに離間して形成された吸収体を備えた吸収性物品を提案した(特許文献2参照)。特許文献2に記載の吸収性物品によれば、使用時における液戻り性に優れ、表面に液を残さずサラッとした湿潤感の低減された快適な装着感を与えることができる。
特開平7−132126号公報 特許第4173844号公報
上述したように、特許文献1に記載の吸収性物品によれば、着装内の湿度を効果的に低減させることが可能であるが、近年、更に、着装内の湿度を効果的に低減させて、湿潤感を更に低減させ、更に快適な装着感を与える吸収性物品の需要が高まってきた。
従って、本発明の課題は、前述した需要を満足し得る吸収性物品を提供することにある。
本発明は、肌対向面側に配置された表面シート、非肌対向面側に配置された裏面シート、及び両シート間に介在された縦長の吸収体を具備する縦長の吸収性物品であって、前記裏面シートは、透湿性を有しており、前記吸収体は、相対的に坪量が高い高坪量部と、該高坪量部に隣接して相対的に坪量が低い低坪量部とを有し、該高坪量部及び該低坪量部は一体成形されており、該吸収体の前記裏面シート側には、該高坪量部である凸部及び該低坪量部である凹部が交互に配されてなる凹凸構造が形成されており、該吸収体の前記表面シート側には、該低坪量部が偏在しており、前記凹部は表面シート側に凹んでおり、前記凸部は裏面シート側に凸であり、前記凹部と前記裏面シートとにより形成される空間が、少なくとも長手方向に連続的に延びている吸収性物品を提供するものである。
本発明の吸収性物品によれば、使用時の着装内の湿度を効果的に低減させて、湿潤感を更に低減させ、更に快適な装着感を与えることができる。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態を肌対向面側から示した一部切欠斜視図である。 図2は、図1のY1−Y1線断面を模式的に示す断面図である。 図3は、図1に示す吸収性物品に用いられている吸収性コアを肌対向面側から示した平面図である。 図4(a)は、図3のY2−Y2線断面を模式的に示す断面図であり、図4(b)は、図3のY3−Y3線断面を模式的に示す断面図である。 図5は、図3に示す吸収体(吸収性コア)の製造方法の一実施態様及びそれに用いる製造装置の模式断面図である。 図6は、図5に示す回転ドラムにおける外周面側の一部(凹部)の幅方向に沿った模式断面図である。 図7は、図6に示す回転ドラムの凹部に吸収性材料が堆積した状態を示す模式断面図である。 図8は、堆積物の圧縮工程の説明図である。
以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい実施形態に基づき、図1〜図8を参照しながら説明する。本実施形態の吸収性物品1(以下、「吸収性物品1」ともいう。)としては、生理用ナプキン、使い捨ておむつ、失禁パッド等が挙げられる。
吸収性物品1は、肌対向面(着用者の肌側に向けられる面)側に配された液透過性の表面シート2と、非肌対向面(着用者の肌側とは反対側に向けられる面)側に配された液難透過性の裏面シート3と、これらシート2,3間に介在された縦長の吸収体4とを備えた縦長の吸収性本体10を有している。吸収性物品1は、図1に示すように、吸収性本体10の長手方向に延びる中心線CLに対して左右対称に形成されている。尚、各図に示す「X」方向は、中心線CLに平行な方向であり、吸収性本体10の長手方向と同じ方向でもある。また各図に示す「Y」方向は、中心線CLに直交する方向であり、吸収性本体10の幅方向と同じ方向でもある。
吸収性本体10を形成する表面シート2及び裏面シート3は、何れも、図1に示すように、吸収性本体10の長手方向(X方向)に長い縦長の形状を有しており、吸収性本体10の輪郭と一致する輪郭を有している。このように、表面シート2及び裏面シート3は、吸収性物品1においては、表面シート2と裏面シート3とが同形同大に形成されている。表面シート2及び裏面シート3それぞれは、図1,図2に示すように、吸収体4の肌対向面側の全面及び非肌対向面側の全面を覆っており、吸収体4の周縁から延出する延出部分を有しており、これら延出部分が熱エンボス加工によって接合されて、周縁部に周縁シール部5を形成している。
尚、吸収性物品1においては、周縁シール部5が熱エンボス加工により形成されているが、超音波シールにより形成されていてもよく、ホットメルト等の接着剤等により形成されていてもよい。
吸収体4は、吸収性材料45(パルプ等の繊維材料、吸水性ポリマー等)を含む吸収性コア40を含んで構成されている。本実施形態における吸収体4は、吸収性コア40を、ティッシュペーパーや透水性の不織布からなるコアラップシート(図示せず)で被覆して構成されている。吸収性コア40は、パルプ等の繊維材料のみから構成されていても良く、該繊維材料間に吸水性ポリマーを保持させても良い。表面シート2と吸収体4との間、吸収体4と裏面シート3との間は、ドット、スパイラル、ストライプ等のパターン塗工された接着剤(ホットメルト接着剤等)により互いに接合されていても良い。
本発明において、吸収体4は、相対的に坪量が高い高坪量部41と、該高坪量部41に隣接して相対的に坪量が低い低坪量部42とを有している。詳述すると、吸収性物品1においては、図2,図3に示すように、吸収体4を構成する吸収性コア40が、吸収性材料が相対的に多い高坪量部41と吸収性材料が相対的に少ない低坪量部42(42X,42Y)とを有している。吸収性コア40には、図2,図3に示すように、長手方向Xに沿って延びる線状(連続直線状)の低坪量部42Xと、幅方向Yに沿って延びる線状(連続直線状)の低坪量部42Yとがそれぞれ複数形成されている。低坪量部42は、図2,図3に示すように、長手方向Xに延びる線状の低坪量部42Xと、幅方向Yに延びる線状の低坪量部42Yとにより、全体として格子状に形成されており、これら直線状の低坪量部42X,42Yで区画された部位(格子の目の位置)に、高坪量部41が配されている。複数の線状の低坪量部42Xは、それぞれ、吸収性コア40の長手方向Xの全長に亘って延びて形成されており、複数の線状の低坪量部42Yは、それぞれ、吸収性コア40の幅方向Yの全長に亘って延びて形成されている。
本発明において、図2に示すように、高坪量部41及び低坪量部42は一体成形されており、吸収体4の裏面シート3側には、高坪量部41である凸部及び低坪量部42である凹部が交互に配されてなる凹凸構造が形成されており、吸収体4の表面シート2側には、低坪量部42が偏在している。ここで「一体成形されている」とは、高坪量部41及び低坪量部42が、接着剤や熱融着等の接合手段を介さずに互いに分離不可能に一体化されており、同一の材料から一体的に形成されていることを意味する。このように高坪量部41及び低坪量部42が一体成形されていると、体液がスムーズに移動し得る連続性を有するようになる。低坪量部42は、図2に示すように、吸収性物品1の厚み方向Tにおいて、表面シート2側(吸収体4の肌対向面側)に偏在している。そして、低坪量部42がこのように厚み方向Tの表面シート2側に偏在していることにより、高坪量部41は、図2に示すように、表面シート2側とは反対側、即ち、厚み方向Tにおける裏面シート3側(吸収体4の非肌対向面側)に突出している。吸収性コア40においては、吸収性コア40の肌対向面(表面シート2側の面)側が、低坪量部42からなり、実質的に略平坦状に形成されている。また、吸収性コア40においては、吸収性コア40の非肌対向面(裏面シート3側の面)側に、突出形成された複数の高坪量部41(凸部)と高坪量部41,41間に位置する低坪量部42(凹部)とにより凹凸構造が形成されている。
以上のように形成される吸収性物品1においては、図2に示すように、低坪量部(凹部)42は表面シート2側に凹んでおり、高坪量部(凸部)41は裏面シート3側に凸である。即ち、吸収体4の凹凸構造における表面シート2側に凹んだ凹部が、主として低坪量部42により形成されており、吸収体4の凹凸構造における裏面シート3側に突出する凸部が、主として高坪量部41により形成されている。ここで、「前記凹部が主として低坪量部42により形成される」とは、低坪量部42と高坪量部41との境界付近の高坪量部41が該凹部の一部を形成している場合を含む意味であり、同様に、「前記凸部が主として高坪量部41により形成される」とは、高坪量部41と低坪量部42との境界付近の低坪量部42が該凸部の一部を形成している場合を含む意味である。
低坪量部42の幅L1は、吸収性物品1が生理用ナプキンに用いられる場合においては、着用者の体の形状に合わせて湾曲しやすく、且つ表面の平滑性を考慮し、着用者に優れた装着感を提供するとの観点から、0.5〜2.5mmであることが好ましく、0.5〜1.5mmであることが更に好ましい。
また、低坪量部42の幅L1は、吸収性物品1が使い捨ておむつに用いられる場合においては、低密度部が一時的に液を獲得し、液を素早く表面から引抜くことを考慮に入れると生理用ナプキンの設計値よりはやや大きめに設計する必要があるとの観点から、1.0〜7.0mmであることが好ましく、1.0〜5.0mmであることが更に好ましい。
尚、長手方向Xの低坪量部42Xと幅方向Yの42Yとで、幅L1は同じでも良く、異なっていても良い。また、幅L1は、吸収体4の凹凸構造における凹部の底部の位置での測定値である。
吸収性物品1が生理用ナプキンに用いられる場合においては、凹部を形成する低坪量部42(42X,42Y)は、その坪量が20〜200g/m2であり、50〜150g/m2であることが好ましい。また、凸部を形成する高坪量部41は、その坪量が50〜500g/m2であり、100〜400g/m2であることが好ましい。また、低坪量部42(凹部)の厚みは高坪量部41(凸部)の厚みの80%以下、好ましくは70%以下であり、低坪量部42(凹部)の厚みは、0.3〜3.0mmであることが好ましく、0.5〜2.0mmであることが好ましい。更に、高坪量部41(凸部)の厚みは、0.5〜7.0mmであることが好ましく、1.0〜5.0mmであることが好ましい。
吸収性物品1が使い捨ておむつに用いられる場合においては、凹部を形成する低坪量部42(42X,42Y)は、一時的に液を獲得し、液を素早く表面から引抜く働きを担うことから、その坪量は生理用ナプキンの設計値よりもやや大きめに設計することが好ましいとの観点から、その坪量が30〜300g/m2であり、50〜200g/m2であることが好ましい。また、凸部を形成する高坪量部41は、その坪量が100〜700g/m2であり、150〜500g/m2であることが好ましい。また、低坪量部42(凹部)の厚みは高坪量部41(凸部)の厚みの80%以下、好ましくは70%以下であり、低坪量部42(凹部)の厚みは、0.3〜5.0mmであることが好ましく、0.5〜3.0mmであることが好ましい。更に、高坪量部41(凸部)の厚みは、1.0〜9.0mmであることが好ましく、1.5〜7.0mmであることが好ましい。
尚、高坪量部41(凸部)及び低坪量部42(42X,42Y)(凹部)の厚みは、吸収性物品1を、鋭利なかみそりで、図4(a)に示す幅方向(Y方向)、又は長手方向Xに切断し、この切断されたサンプルの断面を測定する。高坪量部41(凸部)の厚みは凸部の中で最も厚い位置で測定した値であり、低坪量部42(凹部)の厚みは凹部の中で最も薄い位置で測定した値である。肉眼にて測定し難い場合には、前記切断されたサンプルの断面を、例えば、マイクロスコープ(KEYENCE社製VHX−1000)を用いて25〜50倍の倍率で観察し、測定してもよい。
高坪量部41及び低坪量部42の坪量は次のようにして測定される。
<坪量の測定方法>
高坪量部41及び低坪量部42の坪量の測定方法は以下の通りである。
吸収体4より、高坪量部41と低坪量部42の境界線部分でフェザー社製片刃剃刀を用いて切断する。切断して得られた高坪量部41の小片10個をそれぞれ電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用いて測定し、平均して高坪量部41の小片1個の重量を求める。求めた重量を高坪量部41の設計寸法より算出した高坪量部41の小片1個当りの面積で除して高坪量部41の坪量を算出する。
次いで、高坪量部41と低坪量部42の製品長手方向に延びた境界線に沿って、長さ100mm、幅は低坪量部42の幅の設計寸法に合わせて、フェザー社製片刃剃刀を用いて、細いストライプ状の低坪量部42のサンプル5個を切り出す。得られたサンプル5個をそれぞれ電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用いて測定し、平均して低坪量部42のサンプル1個の重量を求める。求めた重量を低坪量部42のサンプルの面積で除して低坪量部41の坪量を算出する。
吸収性物品1の吸収体4においては、高坪量部41の方が低坪量部42よりも吸収性材料が多く存在しているため、高坪量部41は、低坪量部42(42X,42Y)に比して高密度に形成されている。
吸収性物品1が生理用ナプキンに用いられる場合においては、高坪量部41の密度D41と低坪量部42の密度D42との比(D41/D42)は、1/4〜3/4であることが好ましく、1/3〜2/3であることが好ましい。また、凹部を形成する低坪量部42は、その密度が0.03〜0.18g/cm3であり、0.05〜0.15g/cm3であることが好ましい。また、凸部を形成する高坪量部41は、その密度が0.05〜0.50g/cm3であり、0.10〜0.40g/cm3であることが好ましい。
吸収性物品1が使い捨ておむつに用いられる場合においては、高坪量部41の密度D41と低坪量部42の密度D42との比(D41/D42)は、1/5〜3/4であることが好ましく、1/4〜2/3であることが好ましい。また、凹部を形成する低坪量部42は、その密度が0.01〜0.20g/cm3であり、0.03〜0.15g/cm3であることが好ましい。また、凸部を形成する高坪量部41は、その密度が0.05〜0.50g/cm3であり、0.10〜0.40g/cm3であることが好ましい。
高坪量部41及び低坪量部42の密度は次のようにして測定される。
<密度の測定方法>
KEYENCE社製マイクロスコープVHX−1000を用いて、吸収体4の図2相当の断面を観察し、高坪量部41及び低坪量部42の厚みを測定する。
上述した段落〔0018〕で述べた方法により求めた高坪量部41及び低密度部42の坪量をそれぞれ測定した厚みで除して、高坪量部41及び低坪量部42の密度を算出する。
凸部を形成する高坪量部41は、吸収性物品1においては、図3に示すように、平面視して、隅が円弧状に形成されている。具体的には、吸収性物品1の高坪量部41は、図3に示すように、平面視して、四隅が円弧状であり、各隅の曲率半径は、0.5〜5.0mmであることが好ましく、1.0〜3.0mmであることが更に好ましい。このように、高坪量部41の隅が円弧状に形成されていると、回転ドラム50上に形成されたドラム凹部51に積繊された高坪量部41がメッシュベルト75上に転写される際にドラム凹部51から速やかに転写されやすく、高坪量部41の成形性を高める効果を奏する。尚、吸収性物品1においては、高坪量部41を平面視して、隅が円弧状に形成されているが、円弧状でなくてもよく、高坪量部41の平面視形状が、矩形形状、楕円等であってもよい。
凸部を形成する高坪量部41は、図3に示すように、平面視して、吸収性物品1が生理用ナプキンに用いられる場合においては、その長手方向Xの長さL2が、10〜30mmであることが好ましく、15〜25mmであることが更に好ましい。また、その幅方向Yの長さL3が、5〜25mmであることが好ましく、7.5〜20mmであることが更に好ましい。
凸部を形成する高坪量部41は、吸収性物品1が使い捨ておむつに用いられる場合においては、その長手方向Xの長さL2が、10〜70mmであることが好ましく、20〜60mmであることが更に好ましい。また、その幅方向Yの長さL3が、5〜50mmであることが好ましく、10〜40mmであることが更に好ましい。
本発明においては、図2,図3に示すように、吸収体4の凹凸構造における表面シート2側に凹んだ凹部(低坪量部)42と裏面シート3とにより形成される空間6が、少なくとも長手方向Xに連続的に延びている。上述したように、吸収性物品1においては、図2,図3に示すように、低坪量部42(42X,42Y)が全体として格子状に形成され、格子の目の位置に高坪量部41が配されており、凹部(低坪量部42)は凸部(高坪量部41)を取り囲むように配されている。このように、吸収性物品1においては、図2,図3に示すように、長手方向Xに延びる連続直線状の複数の凹部(低坪量部42X)と裏面シート3により形成される複数の空間6Xが、長手方向Xにそれぞれ連続的に延びており、幅方向Yに延びる連続直線状の複数の凹部(低坪量部42Y)と裏面シート3により形成される複数の空間6Yが、幅方向Yにそれぞれ連続的に延びている。
生理用ナプキンにおいては、着装内の湿度は、特に経血の吸収により高くなり、使い捨ておむつにおいては、着装内の湿度は、特に尿の吸収により高くなると考えられる。
生理用ナプキンにおいては、使用時の着装内の湿度を効果的に低減させる観点から、吸収性物品1が、生理用ナプキンに用いられる場合においては、長手方向Xに連続的に延びる空間6X(低坪量部42Xと同じ本数)は、2本以上配されていることが好ましく、3本以上配されていることが更に好ましい。
使い捨ておむつにおいては、一般に生理用ナプキン一枚あたりが吸収する経血の量に比べ、使い捨ておむつ一枚あたりが吸収する尿の量の方が多いこと、一般に生理用ナプキンに比べ使い捨ておむつの方が吸収体の幅が広いことから、使用時の着装内の湿度を更に効果的に低減させる観点から、吸収性物品1が、使い捨ておむつに用いられる場合においては、長手方向Xに連続的に延びる空間6X(低坪量部42Xと同じ本数)は、3本以上配されていることが好ましく、4本以上配されていることが更に好ましい。
これと同様の理由から、吸収性物品1が、生理用ナプキンに用いられる場合においては、幅方向Yに連続的に延びる空間6Y(低坪量部42Yと同じ本数)が、8本以上配されていることが好ましく、10本以上配されていることが更に好ましい。吸収性物品1が、使い捨ておむつに用いられる場合においては、幅方向Yに連続的に延びる空間6Y(低坪量部42Yと同じ本数)が、10本以上配されていることが好ましく、12本以上配されていることが更に好ましい。
吸収体4は、吸収性物品1においては、図4(a)に示すように、吸収体4の表面シート2側に、裏面シート3側の凹凸構造の凹部(低坪量部42)に対応して、裏面シート3側に凹んだ表面側凹部43を有している。詳述すると、上述したように、吸収性物品1においては、凹部(低坪量部42)は、図3に示すように、長手方向Xに延びる連続直線状の複数の凹部(低坪量部42X)と幅方向Yに延びる連続直線状の複数の凹部(低坪量部42Y)とからなっている。従って、吸収体4は、吸収性物品1においては、長手方向Xに延びる連続直線状の複数の凹部(低坪量部42X)にそれぞれ対応して、表面シート2側の面に裏面シート3側に凹んだ複数の表面側凹部43X(図3,図4(a)参照)を有し、各表面側凹部43Xは、長手方向Xに連続直線状に延びており、また、幅方向Yに延びる連続直線状の複数の凹部(低坪量部42Y)にそれぞれ対応して、表面シート2側の面に裏面シート3側に凹んだ複数の表面側凹部43Y(図3参照)を有し、各表面側凹部43Yは、幅方向Yに連続直線状に延びている。図3に示すように、低坪量部42X(空間6X)の本数と、表面側凹部43Xの本数は同数であり、低坪量部42Y(空間6Y)の本数と、表面側凹部43Yの本数は同数である。
上述したように、吸収性物品1の吸収体4は、図4(a)に示すように、凹凸構造の凹部(低坪量部42X,42Y)に対応して表面側凹部43X,43Yを有しているが、吸収性物品1が着用者の肌に向かって凸状に変形しやすくフィット性を高め、漏れを防止するとの観点及び吸収体4の着用者の肌当接面に比べ非肌当接面の面積を大きくすることで、吸収された液が、より非肌当接面から蒸散することを促し、肌当接面側の湿度の上昇を防止するとの観点から、凹部(低坪量部42X,42Y)の深さd2が、表面側凹部43X,43Yの深さd1よりも深くなっている。凹部(低坪量部42X,42Y)の深さd2は、表面側凹部43X,43Yの深さd1の3倍以上であることが好ましく、深さd1の5倍以上であることが更に好ましい。表面側凹部43X,43Yの深さd1は、吸収体4(吸収性コア40)における凸部(高坪量部41)の厚みの2〜20%であることが好ましく、3〜15%であることが更に好ましい。凹部(低坪量部42X,42Y)の深さd2、及び表面側凹部43X,43Yの深さd1は、上述した高坪量部41(凸部)及び低坪量部42(凹部)の厚みと同様にして測定する。
吸収性物品1の吸収体4(吸収性コア40)は、図4(a)に示すように、幅方向(Y方向)にわたる断面で断面視して、裏面シート3側の下辺L5の長さが、表面シート2側の上辺L4の長さよりも長くなっている。
特に、吸収性物品1が、生理用ナプキンに用いられる場合においては、吸収体4に吸収した経血から発生する湿度を効果的に低減する観点から、下辺L5の長さが、上辺L4の長さの1.5〜5倍であることが好ましく、2〜4倍であることが更に好ましい。
また、特に、吸収性物品1が、使い捨ておむつに用いられる場合においては、吸収体4に吸収した尿から発生する湿度を効果的に低減する観点から、下辺L5の長さが、上辺L4の長さの1.5〜7倍であることが好ましく、2〜5倍であることが更に好ましい。
尚、下辺L5の長さは、上述した高坪量部41(凸部)及び低坪量部42(凹部)の厚みと同様にして測定する。下辺L5とは、輪郭経路のことであり、下辺L5は、裏面シート3側の凹凸構造の凸部(高坪量部41)頂部における幅方向(Y方向)の長さ、凸部(高坪量部41)を形成するY方向に相対向する一対の壁の長さ、及び凹凸構造の凹部(低坪量部42)底部における幅方向(Y方向)の長さを測定し、それらを加えて算出した長さである。上辺L4も、下辺L5と同様にして輪郭経路長さを測定する。
上述したように、裏面シート3側の凹凸構造の凹部(低坪量部42)と裏面シート3により形成される空間6は、吸収性物品1においては、図2,図3に示すように、長手方向Xに連続的に延びる複数の空間6Xと、幅方向Yに連続的に延びる複数の空間6Yとからなる。長手方向Xに延びる空間6Xと幅方向Yに延びる空間6Yとの交差領域6XYにおける低坪量部42は、吸収性物品1においては、図4(b)に示すように、交差領域6XYの中央部分において最も厚さが薄くなっている。詳述すると、長手方向Xに連続的に延びる空間6Xを形成する低坪量部42X(凹部)は、図4(b)に示すように、断面視して、凹部の底部において円弧状に形成されており、幅方向Yに連続的に延びる空間6Yを形成する低坪量部42Y(凹部)も、断面視して、凹部の底部において円弧状に形成されているので、長手方向Xの空間6Xと幅方向Yの空間6Yとの交差領域6XYにおいては、中央部分が表面シート2側に最も凹んでおり、該中央部分が、隣接する凸部(高坪量部41)の境界よりも厚さが薄く、低坪量部42の中で最も厚さが薄くなっている。このような構成により、吸収された液は交差領域6XYを介して、素早く長手方向Xの空間6Xと幅方向Yの空間6Yに浸透し、表面シート2から素早く液を吸収し、着用者に優れたドライ感を提供する効果を奏することができる。
特に、吸収性物品1の吸収体4においては、上述したように、長手方向Xの凹部を形成する低坪量部42Xに対応して表面側凹部43Xを有し、幅方向Yの凹部を形成する低坪量部42Yに対応して表面側凹部43Yを有しており、表面側凹部43Xは、図4(b)に示すように、断面視して、表面側凹部43Xの底部において円弧状に形成されており、表面側凹部43Yも、断面視して、凹部の底部において円弧状に形成されている。そのため、長手方向Xの表面側凹部43Xと幅方向Yの表面側凹部43Yとの交差領域においては、中央部分が裏面シート3側に最も凹んでいる。その為、表面側凹部43Xと表面側凹部43Yとの交差領域における中央部分と、長手方向Xの空間6Xと幅方向Yの空間6Yとの交差領域6XYにおける中央部分との間の距離が、最も短く、交差領域6XYにおける中央部分の厚さが低坪量部42の中で最も薄くなっている。このような構成により、交差領域6XYを介して、吸収性物品1と着用者の肌の間に存在する湿気を吸湿し、着用者に蒸れを感じさせにくくする効果を奏することができる。
以下に、吸収性物品1の備える吸収体4(吸収性コア40)の製造方法を説明する。図5には、吸収体4の製造方法の一実施態様及びそれに用いる製造装置が示されている。吸収体4の製造装置は、矢印R1方向に回転駆動される回転ドラム50と、回転ドラム50の外周面に吸収性コア40の原料である吸収性材料45を供給するダクト60と、回転ドラム50の斜め下方に配置され、矢印R2方向に回転駆動されるトランスファーロール70と、回転ドラム50の周方向におけるダクト60とトランスファーロール70との間に配置されたバキュームボックス65と、バキュームボックス65と回転ドラム50との間及びトランスファーロール70と回転ドラム50との間を通るように配された、シート状の通気性部材であるメッシュベルト75と、トランスファーロール70の下方に配されたバキュームコンベア80とを備えている。
回転ドラム50は、図5に示すように、円筒状をなし、モータ等の原動機からの動力を受けて、その外周面を形成する部材が水平軸回りを回転する。回転ドラム50の内側(回転軸側)の非回転部分には内部を減圧可能な空間56が形成されている。空間56には、吸気ファン等の公知の排気装置(図示せず)が接続されており、該排気装置を作動させることにより、空間56内を負圧に維持可能である。他方、回転ドラム50の内側(回転軸側)の空間57及び58には、装置外の空気を取り込み可能な配管(図示せず)が接続されている。
図5に示すように、回転ドラム50の外周面には、製造する吸収性コア40の形状に対応する形状のドラム凹部51が形成されている。ドラム凹部51の底面部52には、多数の細孔が形成されており、ドラム凹部51が、負圧に維持された空間56上を通過している間、ドラム凹部51の底面部52の細孔が吸収性材料45の吸引孔として機能する。一方、ドラム凹部51が形成されていない、回転ドラム50の外周面の左右両側部は、金属製の剛体からなる回転ドラム50のフレーム体からなり、非通気性である。
ドラム凹部51の底面部52には、図6に示すように、ドラム凹部51内を複数の領域に区画する、区画部材53が複数突出して形成されている。各区画部材53は、非通気性の板状部材からなる。ドラム凹部51内は、複数の区画部材53によって、前述した吸収性コア40における複数の高坪量部41に対応する、複数の領域54に区画されている。各区画領域54の平面視における形状は、高坪量部51の平面視における形状と同形状(矩形形状)である。また、後述するように、吸収性材料が区画部材53の底面部52からの突出高さを超えてドラム凹部51内に堆積されるようにするため、区画部材53の底面部52からの突出高さは、ドラム凹部51の深さよりも短くなっている。
ダクト60は、図5に示すように、その一端側が、負圧に維持される空間56上に位置する回転ドラム50の外周面を覆っており、図示しない他端側には、繊維材料導入装置を有している。繊維材料導入装置は、例えば、シート状の木材パルプを粉砕して解繊パルプとし、その解繊パルプ(繊維材料)をダクト内に送り込む粉砕器を備えている。ダクト60の途中に吸水性ポリマーを導入する吸水性ポリマー導入部を設けることもできる。
トランスファーロール70は、通気性を有する円筒状の外周部を有しており、モータ等の原動機からの動力を受けて、その外周部が水平軸回りを回転する。トランスファーロール70の内側(回転軸側)の非回転部分には、内部を減圧可能な空間71が形成されている。空間71には、吸気ファン等の公知の排気装置(図示せず)が接続されており、該排気装置を作動させることにより、空間71内を負圧に維持可能である。
バキュームボックス65は、回転ドラム50の回転方向R1において、ダクト60の下流側端部61と、トランスファーロール70との間に配置されている。バキュームボックス65は、上下面、左右の両側面及び背面を有する箱状の形状を有し、背面に対向する部位に、回転ドラム50方向に向かって開口する開口部を有している。バキュームボックス65は、排気管61を介して、吸気ファン等の公知の排気装置(図示せず)が接続されており、該排気装置の作動により、バキュームボックス65内を負圧に維持可能である。
メッシュベルト75は、シート状の通気性部材であり、網目を有する帯状の通気性ベルトが無端状に連結されたものであり、複数のフリーロール及びトランスファーロール70に案内されて所定の経路を連続的に移動する。メッシュベルト75は、トランスファーロール70の回転によって駆動される。メッシュベルト75は、図5に示すように、ダクト60の下流側端部61の近傍において、回転ドラム50の外周面上に導入された後、バキュームボックス65と回転ドラム50との間及びトランスファーロール70と回転ドラム50との間を順次通過するように配されている。メッシュベルト75は、バキュームボックス65の前記開口部の前を通過している間は、回転ドラム50の外周面に接触しており、トランスファーロール70と回転ドラム50とが最も接近している最接近部付近で、回転ドラム50の外周面から離れてトランスファーロール70上へと移行する。
バキュームコンベア80は、駆動ロール81及び従動ロール82に架け渡された無端状の通気性ベルト83と、通気性ベルト83を挟んでトランスファーロール70と対向する位置に配されたバキュームボックス84とを備えている。
次に、前述した吸収体の製造装置を用いて吸収体4(吸収性コア40)を連続的に製造する方法について説明する。前述した吸収体の製造装置を用いて吸収体4を製造するためには、回転ドラム50内の空間56、及びバキュームボックス65内を、それぞれに接続された排気装置を作動させて負圧にする。空間56内を負圧にすることで、ダクト60内に、吸収性材料45を回転ドラム50の外周面に搬送する空気流が生じる。また、回転ドラム50及びトランスファーロール70を回転させ、また、バキュームコンベア80を作動させる。そして、前記繊維材料導入装置を作動させて、ダクト60内に繊維材料を供給し、更には吸水性ポリマーを供給すると、これらの吸収性材料45は、ダクト60内を流れる空気流に乗り、飛散状態となって回転ドラム50の外周面に向けて供給される。
ダクト60に覆われた部分を搬送されている間に、回転ドラム50のドラム凹部51には、吸収性材料(繊維材料と吸水性ポリマーとの混合物)45が吸引される。吸収性材料45は、ドラム凹部51の各区画領域54の底面部52上に徐々に堆積していき、最終的には図7に示すように、区画部材53の底面部52からの突出高さを超えてドラム凹部51内に堆積する。こうして得られた堆積物46においては、区画部材53上に吸収性材料45が堆積してなる部位(区画部材対応部)46aが、相対的に吸収性材料45の堆積量が少なく、その他の部位(区画領域対応部)46bが、相対的に吸収性材料45の堆積量が多くなっており、堆積物46全体として凹凸構造を有している。
そして、回転ドラム50が回転して、ドラム凹部51がバキュームボックス65の対向位置にくると、ドラム凹部51内の堆積物46がバキュームボックス65からの吸引によって、メッシュベルト75に吸い付けられた状態となる。ドラム凹部51内の堆積物46は、その状態で、トランスファーロール70と回転ドラム50との最接近部の直前まで搬送され、該最接近部付近で、トランスファーロール70側からの吸引により、メッシュベルト75に吸い付けられた状態のままドラム凹部51より離型し、トランスファーロール70上へと移行する。
こうして、メッシュベルト75と共にトランスファーロール70上に移行した堆積物46は、トランスファーロール70上のメッシュベルト75に吸着されたまま、バキュームコンベア80との受け渡し部(トランスファーロール70の最下端部)まで搬送され、該受け渡し部において、バキュームボックス84による吸引によりバキュームコンベア80上へと移行する。
本実施形態の吸収体の製造装置においては、図5に示すように、堆積物46が載置される前のバキュームコンベア80上に、ティッシュペーパーや透水性の不織布からなる第1コアラップシート47が導入され、その第1コアラップシート47上に堆積物46が移行する。そして、更に、堆積物46の上面側に第2コアラップシート48が導入された後、両コアラップシート47,48に被覆された状態の堆積物46が所定の間隔で切断され、ナプキン1個分の寸法に切断された吸収体前駆体49が得られる。尚、図1及び図2では、両コアラップシート47,48の図示を省略している。
そして、本実施形態の吸収体の製造装置においては、こうして得られた吸収体前駆体49を加圧手段90によって圧縮し、吸収体前駆体49を構成する堆積物46の厚みを積極的に減少させて、目的とする吸収体4(吸収性コア40)を得る。加圧手段90は、図5に示すように、表面平滑な一対のロール91,92を備え、ロール91,92間に導入された被加圧物を上下面から加圧して厚み方向に圧縮可能に構成されている。
図8には、堆積物46の圧縮前後の状態が模式的に示されている。図8の矢印を挟んで左側の図は圧縮前の堆積物46、右側の図は圧縮後の堆積物46(吸収性コア40)を示し、また、左右両図において、上段は堆積物46(吸収性コア40)の断面図、下段は堆積物46の斜視図を示す。加圧手段90によって堆積物46を圧縮すると、吸収性材料が相対的に多く厚みの大きい区画領域対応部46b(凸部)は、吸収性材料が相対的に少なく厚みの小さい区画部材対応部46a(非凸部あるいは凹部)よりも強く圧縮される。その結果、堆積物46における区画領域対応部46b(凸部)は、吸収性コア40において相対的に密度の高い高坪量部41となり、堆積物46における区画部材対応部46a(凹部)は、吸収性コア40において相対的に密度の低い低坪量部42となる。また、このように形成された吸収性コア40を吸収性物品に用いる際、低坪量部42(凹部)を表面シート2側に配すると、低坪量部42(凹部)の底部が裏面シート3側に凹み、表面シート2側の面に表面側凹部43を形成する。
吸収性物品1における形成材料について説明する。
表面シート2としては、当該技術分野において従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。表面シート2としては、例えば、不織布や開孔フィルム等の液透過性のシートを用いることができる。
吸収性コア40の形成材料である吸収性材料45としては、当該技術分野において従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができ、例えば繊維材料として、木材パルプ、コットン、麻等の天然繊維;ポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂からなる合繊繊維;アセテートやレーヨン等の半合成繊維等を用いることができる。また、吸収性材料としてこれらの繊維材料に加えて、更に粒子状等の各種形状の吸水性ポリマーを用いることもできる。
裏面シート3としては、透湿性を有する透湿シートが用いられる。透湿シートとしては、微細孔を多数有し、高い水蒸気透過性を有するシート等が挙げられ、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機粉体、ナイロン、ポリスチレン等の相溶性のない有機高分子を混練したポリエチレンフィルムを一軸又は二軸延伸して得られる、微細孔を有し、高い水蒸気透過性を有するシートが好適に利用される。具体的には、平均粒径0.5〜1,0μmの炭酸カルシウム等を30〜60重量%含有する坪量20〜50g/m2のポリエチレンフィルムをMD方向に2倍に延伸した、坪量13〜28g/m2の透湿フィルム等が挙げられる。上記透湿シートとしては、撥水性不織布、または上記のシートと該撥水性不織布との複合シートを用いることもできる。
吸収性物品1が生理用ナプキンに用いられる場合においては、着用者の肌と生理用ナプキン表面の間に存在する湿気を素早く排出するために十分な通気量を有し、且つ、空気を通す微細な孔から経血を染み出させない十分な耐水圧を有する必要があるとの観点から、裏面シート3に用いられる透湿シートの透湿度は、0.5〜3.0g/100cm2・hrであることが好ましく、1.0〜2.0g/100cm2・hrであることが更に好ましい。
吸収性物品1が使い捨ておむつに用いられる場合においては、尿から発生した多量の湿気を素早く使い捨ておむつ内部から蒸散させる必要があり、且つ、経血に比べ尿は裏面シート3を濡らしにくくはじかれ易いため、裏面シート3により多くの微細孔が存在しても十分な耐水圧が発現されやすいとの観点から、裏面シート3に用いられる透湿シートの透湿度は、1.2〜3.0g/100cm2・hrであることが好ましく、0.7〜4.0g/100cm2・hrであることが更に好ましい。
上述した本発明の実施形態の吸収性物品1を使用した際の作用効果について説明する。
吸収性物品1の備える吸収体4は、図2に示すように、一体成形された高坪量部41(凸部)及び低坪量部42(低坪量部42X,42Y)(凹部)とを有し、低坪量部42(低坪量部42X,42Y)が表面シート2側に偏在し、吸収体4の裏面シート3側に凹凸構造を備えている。このように、高坪量部41及び低坪量部42(低坪量部42X,42Y)が一体成形されているため、吸収性物品1の使用時に、表面シート2側に偏在した低坪量部42(低坪量部42X,42Y)から高坪量部41へ体液が移動し易く、更に、吸収性物品1の吸収体4が高坪量部41及び低坪量部42(低坪量部42X,42Y)による凹凸構造を備えているため、裏面シート3側の下辺L5の長さが表面シート2側の上辺L4の長さよりも長くなっており、即ち、吸収体4の裏面シート3側の面の表面積が表面シート2側の面の表面積よりも大きくなっており、裏面シート3側での蒸気発散量が増加し易い形状となっている。また、吸収体4の裏面シート3側の凹凸構造における凹部(低坪量部42(低坪量部42X))と透湿性の裏面シート3とにより形成される空間6Xが長手方向Xに連続的に延びているため、空間6Xを通路として、使用時の着装内の湿気が拡散され易い。従って、吸収性物品1によれば、使用時の着装内の湿度を効果的に低減させて、湿潤感を低減させ、快適な装着感を与えることができる。
特に、吸収性物品1においては、高坪量部41(凸)が低坪量部42(42X,42Y)(凹部)に比して高密度に形成されているので、吸収性物品1の使用時に、表面シート2側に偏在した低坪量部42(低坪量部42X,42Y)から高坪量部41へ体液が更に移動し易い。高坪量部41は低坪量部42に対して吸収容量が相対的に高く、且つ、高密度であるため低坪量42よりも速く液を吸収する。このため、低坪量部42は高坪量部41に比べ、より液を吸収しにくいため、膨潤しにくく、吸収体4が液を比較的大量に吸収した後でも、敵坪量部と隣接する空間6X及び6Yは消失しない。特に、吸収性物品1においては、凹部(低坪量部42(低坪量部42Y))と透湿性の裏面シート3とにより形成される空間6Yが幅方向Yにも連続的に延びているため、湿気はより移動通路の短い空間6Yを通路として、製品両側縁部より、使用時の着装内の湿気が更に拡散され易い。
また、吸収性物品1の備える吸収体4は、図4(a)に示すように、凹凸構造の凹部(低坪量部42X,42Y)(凹部)に対応して表面側凹部43X,43Yを有しているので、肌当接面側、非肌当接面側、いずれの方向にも屈曲しやすく、より複雑に変形しやすい。このため吸収性物品1は着用者の複雑な体のラインに沿って、フレキシブルに変形するため、着用者に優れた着用感提供すると共に、フィット性を向上させ優れた防漏性も提供する。
本発明の吸収性物品は、前記実施形態に制限されない。
例えば、前記実施形態においては、吸収体4の吸収性コア40において、高坪量部41は、図1,図3に示すように、長手方向X及び幅方向Yに略等間隔を空けて配されているが、凹凸構造における凹部(低坪量部42(低坪量部42X))と透湿性の裏面シート3とにより形成される空間6Xが長手方向Xに連続的に延びていれば、高坪量部41は、千鳥状に配置されていてもよい。即ち、多数の高坪量部41を長手方向Xに所定間隔をおいて配置して高坪量部列を形成し、該高坪量部列を幅方向Yに所定間隔を置いて複数本配置した場合に、互いに隣り合う高坪量部列における高坪量部41のピッチがずれていてもよい。換言すれば、高坪量部41は、所定の高坪量部列における高坪量部41を、該高坪量部列と直交する方向(幅方向Y)に投影したときに、隣接する高坪量部41の投影像と一致しないように配置されていてもよい。
1 吸収性物品
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
40 吸収性コア
41 高坪量部(凸部)
42,42X,42Y 低坪量部(凹部)
5 周縁シール部
6,6X,6Y 空間
6XY 交差領域
10 吸収性本体
45 吸収性材料
46 堆積物
49 吸収体前駆体
50 回転ドラム
51 ドラム凹部
52 底面部
53 区画部材
54 区画領域
60 ダクト
65 バキュームボックス
70 トランスファーロール
75 メッシュベルト
80 バキュームコンベア

Claims (6)

  1. 肌対向面側に配置された表面シート、非肌対向面側に配置された裏面シート、及び両シート間に介在された縦長の吸収体を具備する縦長の生理用ナプキンであって、
    前記裏面シートは、透湿性を有しており、
    前記吸収体は、相対的に坪量が高い高坪量部と、該高坪量部に隣接して相対的に坪量が低い低坪量部とを有し、該高坪量部及び該低坪量部は一体成形されており、該吸収体の前記裏面シート側には、該高坪量部である凸部及び該低坪量部である凹部が交互に配されてなる凹凸構造が形成されており、該吸収体の前記表面シート側には、該低坪量部が偏在しており、前記凹部は表面シート側に凹んでおり、前記凸部は裏面シート側に凸であり、
    前記凹部と前記裏面シートとにより形成される空間が、少なくとも長手方向に連続的に延びており、
    前記吸収体を構成する吸収性コアは、幅方向に断面視して、前記裏面シート側の下辺の輪郭経路の長さL5が、前記表面シート側の上辺の輪郭経路長さL4の2〜4倍である生理用ナプキン
  2. 前記凹部は前記凸部を取り囲むように配され、前記空間は長手方向及び幅方向それぞれに連続的に延びている請求項1に記載の生理用ナプキン
  3. 前記吸収体は、該吸収体の前記表面シート側に、前記裏面シート側の前記凹凸構造の前記凹部に対応して、該裏面シート側に凹んだ表面側凹部を有しており、
    前記凹部の深さが、前記表面側凹部の深さよりも深い請求項1又は2に記載の生理用ナプキン
  4. 前記高坪量部は、前記低坪量部に比して高密度である請求項1〜3の何れか1項に記載の生理用ナプキン
  5. 前記空間は長手方向及び幅方向それぞれに連続的に延びており、長手方向に延びる空間と幅方向に延びる空間との交差領域における前記低坪量部は、該交差領域の中央部分において最も厚さが薄い請求項2〜4の何れか1項に記載の生理用ナプキン
  6. 前記凸部を形成する前記高坪量部は、平面視して、隅が円弧状に形成されている請求項2〜5の何れか1項に記載の生理用ナプキン
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