今、市販の歯磨き粉の88%には、フッ素が含まれている(※1)。それは、フッ素が歯の質を強力にしてむし歯から歯を守るはたらきがあるからだ。ところがせっかく配合してあるフッ素の効果も、歯磨きの方法によってはムダになる可能性がある。 一般的な歯磨き方法では、まず歯ブラシに歯磨き粉をつけ、端から順番に磨いていく。ところがこの方法では、最後になるにしたがってフッ素の効果がなくなっていく可能性があるのだ。なぜなら、最初に歯ブラシがあたった歯には、歯磨き粉=フッ素がたくさんつくのに、歯磨きをしていくうちに、歯磨き粉がだ液で薄まったり、途中で吐き出したりして、最後にはほとんど残っていない。歯の表面にふれるフッ素の濃度がどんどん下がっていくということになってしまう。 そもそもフッ素はなぜ歯を守れるのだろう。一世をふうびした「芸能人は歯が命!」のCMで一躍有名になった「ハイドロキシアパタイト」という物質。