目上の者に対しては、ねぎらったり、評価したりしてはならない、というのが 従来の日本社会の決まりでした。あるいは「お礼」すら言ってはならない、と いう考えもあります。 ですから、「ご苦労様」はもちろん、「お疲れ様」も使うべきではない、という のがいわば常識であったのです。 この考え方に対しては、専門家でも意見が分かれているようです。 テレビでもおなじみの金田一先生などは、従来の価値観を重んじていらっしゃいます。 「お疲れ様」を目上に向かって使うべきではない、というお立場です。 一方、国立国語研究所の人間の多くは、現在では「お疲れ様」を目上に対する言い方 として許容すべきだと考えているようです。 そう考える根拠としては、それ以外の適当な表現が見あたらないこと、世の中全体に 「お疲れ様」が広く浸透し、目上に対しても使われていることなどが挙げられます。 次は、平成17年度に文化庁が行ったアンケート