『三省堂国語辞典 第六版』は、今の日本語を映し出す辞書です。新たにことばを追加するだけでなく、これまで載っていたことばの意味の変化もしっかりと捉えています。 『三国』が捉えたたくさんの意味変化のうち、有名なのは「世間ずれ」です。第二版(1974年)までは〈実社会で苦労をして わるがしこくなること。〉でしたが、第三版(1982年)から〈〔あやまって〕世間の動きとずれていること。〉という意味が入りました。 「世間ずれ」の意味が変わっていることは、それ以前にも指摘はあったものの、確証がありませんでした。『三国』の編集主幹だった見坊豪紀(けんぼう・ひでとし)は、数万ページの文章を読みあさった末、1974年、週刊誌で〈世間ずれした〔=今では古い〕テクニック〉という確実な例を発見しました。その時のうれしさを、見坊は「証拠おさえたァ、という感じ」と表現しています(『ことばのくずかご』)。今や、若い世代の
今年1月、10年ぶりに改訂された岩波書店の「広辞苑第六版」から、「たちがらし【立ち枯らし】」の項目が削除された。1955年の初版以来第五版まで載っていた言葉だが、唯一の用例とされていた「蜻蛉(かげろう)日記」の一節の変体仮名が読み間違えられていた可能性のあることが研究者の指摘でわかったため。 指摘が正しければ、架空の言葉が存在させられていたことになる。 指摘したのは、「蜻蛉日記」研究の権威である今西祐一郎・九州大教授。問題の個所は、「鶯のなき――てのたちからしにひとく――とのみいちはやくいふ」。江戸時代の国学者契沖(けいちゅう)によるものとされる改訂案で、「なき――て」の後に「木」を補い、「木のたちからしに」とされていたため、この個所は「ウグイスが立ち枯れの木に止まって、人が来る、人が来ると鳴いて告げる」と解釈されることが通例になった。 広辞苑の「たちがらし」の項には、「たちがれに同じ」と
私が『花園大学文学部研究紀要』で真っ先に読むのは、いつもだったら彙報なのだが (^_^;; 今回はちょっと楽しみにしていた以下の論文があったので、そこから読んだ。 橋本行洋「『大漢和辞典』編纂資料としての『新撰支那時文辞典』(『花園大学文学部研究紀要』第40号、2008年3月) 筆者の橋本先生によると、「本稿は、諸橋轍次『大漢和辞典』の辞書史における位置づけを試みる一例」との由。諸橋『大漢和辞典』編纂時の典拠としてはいろいろあげられるが、この論文では従来とりあげられてこなかった長澤規矩也編の手帳サイズの辞書『新撰支那時文辞典』が、語彙典拠のひとつであることを指摘し、またそれが編纂の最終段階で採用されたことを論証している。マ…マニアックすぐる (^_^;; 私の周りには漢和辞典LOVEな人が多いが (^_^;; その筋の人で読みたいという方はご連絡下さい。 【追記 (10:59)】せっかくだ
Oさんから『myb(みやびブックレット)』(みやび出版)の最新号(二〇号)をもらう。ん?なるほど、特集が「温故【辞書】知新」(高田宏・武藤康史・石山茂利夫・伊藤伸一)ってことですね。ありがと。『myb』って、東京堂のレジの横に置いてあるってイメージで、買ったことも読んだこともなかったなぁ。東京堂にはまだこの号はなかった。 雨もあがって出現した神保町「田村書店」の均一本から数冊買い、飯田橋。塩山芳明さんの「漫画屋」新事務所へ、このまえの「外市」売り上げを持っていく。「駄賃やるよ!」、わ、すみません…飯田橋の「ブックオフ」で全部つかって帰る。 そーいや、「ボヘミアンズ・ギルド」がすずらん通りに越してきたみたいですねぇ。前の店では買ったことなかったなぁ。
多くの書店に特設コーナーが設けられるなど、最新広辞苑への関心は高い=神戸市中央区三宮町、ジュンク堂書店三宮店 1955年の初版発行から半世紀、“国民的辞典”の地位を誇る広辞苑。「広辞苑によると…」はエッセーの常套(じょうとう)句だ。このほど10年ぶりの大改訂が行われ、若者言葉やカタカナ語、情報技術(IT)用語など一万語が新たに収録された。さて、最新第六版の“実力”は? 日本語のプロに評してもらった。(武藤邦生) いけ面、うざい、ラブラブ、癒(いや)し系、メル友、逆切れ、自己中、マイブーム…。新たに収録された語の一部だ。しばしば「乱れた日本語」として槍玉(やりだま)に挙げられるような言葉が採用され、話題となった。 だが、デイリーコンサイス国語辞典の編者を務める佐竹秀雄・武庫川女子大言語文化研究所長(日本語学)は「おおむね妥当な採用。びっくりする改訂ではなく、旧版から十年たち、着実な改訂をした
招待席・出版編集 下中 弥三郎 しもなか やさぶろう 平凡社創業 1878.6.12 - 1961.2.21 兵庫県に生まれる。家業の陶器造りから小学校教員を経て上京、教育畑を歩んで後、大正三年に自ら『や、此は便利だ』を著述、平凡社を興して出版に成功。以降文学全集、美術全集、百科事典など民衆教育に貢献し更に戦後は国際平和への行動でも大きく寄与した。なかでも平凡社の代名詞ともなり世界的に名を馳せた昭和六年(1931)十一月二十五日第一巻創刊『大百科事典』の企画と完結大成功とは、創業者下中渾身の理想の実現であった。 掲載作は、昭和九年(1934)の完成に当たって記された感銘の一文。 大百科事典の完結に際して思い出を語る 一 三歳にして父を喪い、母の手一つで育った私は、恥ずかしながら満足に学校教育を受け得なかった。小学校へは十一歳まで通い、十二歳から学業を廃して家業を助けねばならなかった。しかし
(短期集中連載)「いちかっこ」「いちまる」の広がり NEW! 「いちかっこ」「いちまる」の広がり その3 NEW!新着記事
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今年の1月11日に、足掛け十年ぶりの大改訂を行った広辞苑の第六版が発売された。総収録項目はこのサイズの辞書としては最大級の24万、新たに追加された項目は一万語という、21世紀初の改訂にふさわしい規模で行われた。その広辞苑第六版は、発売日に34万部の注文を受ける大ヒットとなった。 その第六版には、「IP電話」「ファイアーウォール」といったIT関連用語、「サービス残業」「敵対的企業買収」などの金融・経済用語、「メル友」「カミングアウト」などのカタカナ語、「ウルトラマン」「大河ドラマ」といった昭和の事例など、様々な新語が収録されているのだが、そこに「おまんこ」「まんこ」が、新たに収録されていた。これまで、「おちんちん」「ちんこ」「ちんぽ」は収録されていたにも関わらず、収録されていなかった、これらの言葉については、「なぜ」という声も多かった。 改訂の際に新しい言葉を収録する際、はたして広辞苑編集部
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